モンステラ ジェイドウィングの育て方
公開日 2025年06月04日
更新日 2025年06月04日
育てやすさ
育て方の難易度は普通レベルです。
監修者情報

覚張大季
植物と人との関わりに魅了され、日本各地の植物農園を見て回る。HanaPrimeの植物部門の立ち上げ後はオフィスや商業施設、個人宅など、幅広いシーンのグリーンコーディネートを数多く担当。植物の生態や特性を深く掘り下げ、それぞれの空間やライフスタイルに適したグリーン空間デザインを提案することが得意。観葉植物の世界に情熱を注ぎ、植物の価値を最大化することを使命としている。

INDEX
目次
モンステラ ジェイドウィングの基本情報
植物名 | モンステラ ジェイドウィング |
学名 | Monstera epipremoides Jade Wing |
英名 | Monstera pinnatipartita |
別名 | モンステラ ピナッティパルティタ |
原産地 | アメリカ(熱帯) |
科名 | サトイモ科 |
属名 | モンステラ属 |
モンステラ ジェイドウィングはアメリカを原産地とする観葉植物です。
成長するにつれて形状が変化していく葉が最大の特徴となっています。
熱帯産のため耐暑性が高く、比較的育てやすい植物です。
また、近年になり出回り始めた、手に入りにくい希少な品種としても知られています。
月別栽培カレンダー
植え付け・植え替え
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肥料
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種類と品種

モンステラ ジェイドウィングはモンステラ属に含まれる植物のひとつです。
モンステラ属のなかには代表的品種の「モンステラ デシリオーサ」や、モンステラ ジェイドウィングと似た「モンステラ ジェイドシャトルコック」などが含まれています。
品種 | 葉の切れ込み | 葉の特徴 | レア度 | 育てやすさ |
---|---|---|---|---|
モンステラ ジェイドウィング | 成長すると入る | 成長すると形が変わる | 高い | 普通 |
モンステラ デシリオーサ | あり | ハート型で大きい | 低い | 初心者向け |
モンステラ ジェイドシャトルコック | なし | 肉厚で凹凸がある | 高い | 普通 |
モンステラ ジェイドウィング
モンステラジェイドウィングはモンステラ属のなかでも特に新しい、希少な品種です。
苗が小さいときは切れ込みのない葉を生やしますが、成長するにつれ葉に切れ込みが入っていきます。
見た目の変化を楽しめる、とても珍しい観葉植物です。
モンステラ デシリオーサ

切れ込みの入ったハート型の葉が特徴的で、商業施設などのインテリアに採用されることもあります。
一般的に「モンステラ」と言うと、こちらの品種を指す場合が多いです。
モンステラ ジェイドシャトルコック
モンステラ ジェイドシャトルコックはモンステラ ジェイドウィングと非常に似た品種です。
葉に切れ込みが入る前のジェイドウィングと似通った見た目をしていて、肉厚な濃緑の葉が最大の特徴となっています。
成長すると見た目に差異が出てくるため、成長後の姿を見て好みの方を選ぶとよいでしょう。
モンステラ ジェイドウィングの葉っぱの特徴

モンステラ ジェイドウィングは肉厚で凹凸がある、濃緑の葉を生やします。
成長するにつれて切れ込みが入っていき、形状が変わっていく点が最大の特徴です。
大きくなると1枚の葉に深い切れ込みが複数出現し、当初の姿とまったく違う見た目に変化します。
モンステラ ジェイドウィングはどんな花が咲く?
モンステラ属の多くは白い花を咲かせますが、モンステラ ジェイドウィングは新しい品種のため、開花した記録があまり残っていません。
近しい品種のモンステラ ジェイドシャトルコック同様、花をつける方が珍しい品種といえそうです。
モンステラ ジェイドウィングの花言葉
モンステラ全般の花言葉は「嬉しい便り」「壮大な計画」「献身」です。
モンステラ ジェイドウィングの育て方
モンステラ ジェイドウィングは熱帯産のため暑さに強く、比較的育てやすい植物です。
その一方、耐寒性はかなり低いため注意してください。
暖かい時期は屋外に置いても問題ありませんが、外での冬越しは難しい品種です。
気温の安定した室内で育てるのが無難でしょう。
水やりの頻度
モンステラ ジェイドウィングを育てる際は、以下の表を参考に水やりをしてください。
季節 | 水やりの頻度 |
---|---|
春から秋 | 土の表面が乾いたらすぐ |
冬 | 土の表面が乾いてから2~3日後 |
上記のタイミングでたっぷり水を与え、受け皿にたまった水はすぐに捨てましょう。
気温10℃を切ると成長が緩くなっていくため、冬場は水やりの頻度を減らしてください。
水を与えすぎると根腐れを起こし、最悪枯れる場合もあるので注意しましょう。
また、1日に1回程度を目安に葉水を与えるのもおすすめです。
霧吹きで全体に水を吹きかけ、成長を手助けしましょう。
肥料のあげ方
モンステラ ジェイドウィングは肥料なしでも十分に育ちますが、与えることで成長を促進できます。
肥料をあげる場合は、生育期の5~9月頃に与えましょう。
肥料を与えすぎるとダメージになるため、使用する肥料の規定より少ない量で様子を見るのがおすすめです。
冬は成長が緩やかになるので、この時期は水のみで育ててください。
病害虫・害虫対策
モンステラ ジェイドウィングは比較的丈夫な植物ですが、病害虫の被害を受ける場合があります。
日照不足や高湿度は病害虫発生に繋がるため、日当たりや風通しのよい場所に置き、常に良好な栽培環境を保ちましょう。
また、定期的な葉水により清潔さを保つことで、虫の発生を防ぐことができます。
ハダニ
- 葉の裏などに付着し植物の汁を吸う
- 成長の阻害や葉の変色などを引き起こす
モンステラ ジェイドウィングにつく代表的な病害虫として知られているのがハダニです。
その名の通り葉につくダニで、そこから汁を吸い成長を阻害します。
葉の変色を引き起こす場合もあるため、様子のおかしい葉はすぐに剪定しましょう。
ハダニを見つけた際は水で洗い流す、もしくは殺虫剤などを使用して除去してください。
ナメクジ
- 葉や茎を食べる害虫
- 成長を大きく阻害し、枯れる原因にもなり得る
モンステラ ジェイドウィングを庭やベランダなどに置く場合、最も注意すべき害虫がナメクジです。
発生すると葉や茎を食べ、成長を阻害します。
そのダメージが原因で枯れる場合もあるため注意が必要です。
見つけた際は割りばしなどで除去、もしくは誘引殺虫剤などを使用しましょう。
室内で育てていればほぼ発生しないため、心配な方は屋内のみで栽培してください。
モスポール仕立てのやり方
モンステラ ジェイドウィングの成長を促進したい場合は、水苔を内包した支柱・モスポールを使うのがおすすめです。
モンステラ ジェイドウィングは茎の各所から気根と呼ばれる根を生やします。
苔を利用して気根に水を与えることで、成長を手助けすることが可能です。
モスポールを使用する際は以下のものを準備してください。
- モスポール
- マスキングテープや輪ゴム
モスポールを自作する場合は、以下の物品もあわせて準備しましょう。
- 耐水性のあるネット
- 水苔
- 結束バンド
- ハサミ
モスポール仕立ての手順
- モスポールを用意する
- モスポールを設置する
- 水を与えて通常通りの環境で管理する
① モスポールを用意する
モンステラ ジェイドウィングの大きさに合わせたモスポールを用意しましょう。
市販の商品で好みのものがなければ、自作することも可能です。
その際は耐水性のあるネットを好きな大きさに切り、そこに水苔を入れて丸めてください。
それを結束バンドで止めれば、手作りモスポールの完成です。
② モスポールを設置する
モスポールをモンステラ ジェイドウィングの鉢に設置しましょう。
スペースがない場合は、ひとまわり大きな鉢に植え替えてください。
ポールの苔部分に気根がふれるよう、茎をマスキングテープや輪ゴムで固定しましょう。
③ 水を与えて通常通りの環境で管理する
作業が終わったらたっぷり水を与え、通常通りの環境で管理してください。
水やりの際はジョウロなどを利用し、モスポールのてっぺんから水をあげましょう。
水苔全体を湿らせることで、気根から水を吸収しやすい環境を作ります。
また、葉水を与えるときは、モスポールにも水を吹きかけるとよいでしょう。
モンステラ ジェイドウィングの栽培環境

モンステラ ジェイドウィングは耐暑性が高く、比較的育てやすい植物です。
春から秋の温かい季節は屋外に置くこともできますが、直射日光がストレスになる場合もあるため、置き場所に注意してください。
また、寒さにも非常に弱いので、1年を通して室内で育てるのがおすすめです。
置き場所と日当たり

- 日当たりと風通しのよい場所に置く
- レースカーテン越しに日が当たる場所がおすすめ
- エアコンの風が当たらない場所を選ぶ
モンステラ ジェイドウィングは日当たりと風通しがよい場所で育ててください。
ただ、直射日光は葉焼けの原因となるため、レースカーテン越しに日が当たる窓際などに置くのがおすすめです。
寒い時期は窓際の温度が下がるため、窓から離して置くとよいでしょう。
また、エアコンや扇風機の風が直接当たる場所も避けてください。
適切な温度|どれくらいの寒さまで耐えられる?
モンステラ ジェイドウィングは耐寒性が低く、寒さにとても弱いです。
最低でも10℃以上はキープしましょう。
15~30℃あたり、温暖な環境に置くとぐんぐん成長していきます。
用土
モンステラ ジェイドウィングを育てる際は、水はけのよい土を使いましょう。
市販の観葉植物用の土をそのまま使用すれば問題ありません。
自身で配合する場合は赤玉土をベースに、ピートモスや腐葉土を少量混ぜるのがおすすめです。
おすすめの配合
- 赤玉土:8
- ピートモス:1
- 腐葉土:1
モンステラ ジェイドウィングの増やし方
モンステラ ジェイドウィングは水挿しや挿し木などで増やすことが可能です。
剪定した茎をそのまま利用できるうえ、準備品も少ないため比較的容易にトライできます。
うまく発根しない場合もありますが、諦めずに挑戦を続けてみましょう。
剪定の時期はいつがいい?
- 剪定は5~9月頃がおすすめ
- カットした茎は水挿しや挿し木に利用できる
モンステラ ジェイドウィングの剪定は、生育期の5~9月頃に行うのがおすすめです。
傷んだ葉や無造作に伸びて気になる茎などがあれば、すぐにカットしましょう。
ある程度長さのある茎なら、そのまま水挿しや挿し木に利用できます。
水挿しのやり方
モンステラ ジェイドウィングの水挿しは、生育期の5~9月頃に行うのがおすすめです。
剪定時にカットした茎をそのまま使用しても問題ありません。
水挿しをする際は、以下のものを準備してください。
- コップなどの容器
- 清潔なハサミ
水挿しの手順
- モンステラ ジェイドウィングの茎を切る
- コップなどの容器に水を入れる
- 切った茎を容器に挿す
- 定期的に水を交換しながら様子を見る
① モンステラ ジェイドウィングの茎を切る
節が3~4つほどある茎を探しましょう。
根は気根から伸びるため、突起状の気根が生えた茎を選んでください。
気根のひとつ下あたりの節を目安にカットしましょう。
② コップなどの容器に水を入れる
コップ・花瓶・ペットボトルなど、清潔な容器に水を入れてください。
成長の様子が見えるよう、透明なものを選ぶとよいでしょう。
③ 切った茎を容器に挿す
気根が水にしっかり浸るよう、容器に挿します。
④ 定期的に水を交換しながら様子を見る
1日1回を目安に水をかえながら、清潔な環境を保ってください。
1ヵ月ほど経つと根が伸び始めるので、それまでは様子を見ましょう。
ある程度育った段階で土に植え替え、通常通りの環境で管理してください。
挿し木のやり方
モンステラ ジェイドウィングの挿し木は、生育期の5~9月頃に行うのがおすすめです。
剪定した茎をそのまま利用できますが、気根が小さいと発根しない場合もあります。
モスポールを利用した栽培で気根を成長させ、そののち挿し木に利用すると成功率が大きく上がるでしょう。
挿し木をする際は以下のものを準備してください。
- 鉢
- 鉢底石
- 鉢底ネット
- 観葉植物用の土
- 清潔なハサミ
挿し木の手順
- ある程度長さのある茎をカットする
- 鉢に鉢底ネット・鉢底石・土をセットする
- 茎を鉢に植え通常通りの環境で管理する
① ある程度長さのある茎をカットする
3~4つほどの節を含んだ、気根のある茎をカットしてください。
モスポールを利用している場合は、気根からの根が水苔のなかに伸びている可能性があります。
土へ植え替える前に、根に付着した水苔を綺麗に取り除きましょう。
② 鉢に鉢底ネット・鉢底石・土をセットする
③ 茎を鉢に植え通常通りの環境で管理する
気根が土に埋まるよう、しっかり植えましょう。
土に植えた後はたっぷりと水を与え、通常通りの環境で管理してください。
植え替え時期はいつがいい?
モンステラ ジェイドウィングの植え替えは5~7月頃に行うのがおすすめです。
暑さや湿気によるダメージを避けるため、夏場や梅雨時期はなるべく植え替えをしないでください。
気候が安定している5月頃に行うのが無難でしょう。
鉢替えのやり方
モンステラ ジェイウィングは成長が早いため、1年に1回ほどの頻度で鉢替えをしてください。
放置しておくと根詰まりを起こす可能性が高いので注意が必要です。
また、モスポールの高さが足りなくなってきた場合は、鉢替えと共にモスポールの新調も検討しましょう。
鉢替えをする際は、以下のものを準備してください。
- 一回り大きい鉢
- 鉢底ネット
- 鉢底石
- 観葉植物用の土
鉢替えの手順
① モンステラ ジェイドウィングを鉢から取り出す
モンステラ ジェイドウィングを取り出し、優しく土を落としていきましょう。
傷んだ根や萎れた根がある場合は、ここで剪定してください。
また、買ったばかりのモンステラ ジェイドウィングを植え替える際は、根に水苔が付着していないかしっかりチェックしましょう。
水苔がついたまま土に植えると、成長が大きく阻害される場合があります。
② 新しい鉢に鉢底ネットと鉢底石を設置し、土を1/3程度入れる
③ モンステラ ジェイドウィングを植え、土を足しながら固定する
モスポールを使う場合は、このタイミングで設置してください。
④ 水を与え通常通りの環境で管理する
水を与えて明るい日陰に置き、通常通りの環境で管理しましょう。
植え替え直後はモンステラ ジェイドウィングに大きなストレスがかかっています。
日当たり・風通し・水やりの頻度など、いつも以上に栽培環境に気を配ってください。