ザミオクルカスの育て方
育てやすさ
初心者の方でも育てやすいのでおすすめです。
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目次
ザミオクルカスの基本情報
植物名 | ザミオクルカス |
学名 | Zamioculcas zamiifolia |
和名 | ソテツバカイウ(蘇鉄葉海芋) |
英名 | Zamioculcas、Zanzibar gem |
別名 | 金銭樹 |
原産地 | 東アフリカ、ザンジバル諸島(タンザニア) |
科名 | サトイモ科 |
属名 | ザミオクルカス属 |
開花時期 | 9月~10月 |
一般的な観葉植物は、幹から伸びた枝に葉がつきますが、ザミオクルカスは枝が地面から直接生えるという珍しい性質を持った植物です。
新芽の成長のしかたも個性的で、地面から出た枝は葉が閉じて巻き付いた棒状のまま伸びていき、ある程度の長さになると一斉に葉が開きます。
幹の無いスタイリッシュな樹形や肉厚で光沢のある葉など、通常の観葉植物とも多肉植物とも違う独特な雰囲気が魅力です。
アフリカ原産で強い生命力があり、保水性が高く水切れや乾燥に強いので初心者にも育てやすいインテリアグリーンとして人気があります。
月別栽培カレンダー
植え付け・植え替え
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肥料
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開花
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種類と品種
ザミオクルカスには、主な品種として、ザミオクルカス ゼミフォーリア、ザミオクルカス レイヴン、ザミオクルカス ドワーフ(ゼンジー)があります。
ザミオクルカス ゼミフォーリア | 一般的なザミオクルカスの品種。肉厚で光沢のあるグリーンの葉が美しい。 |
ザミオクルカス レイヴン | 黒い葉をもつ芸術性の高い品種。緑色から黒色に変化していく様子を楽しめる。流通が少ない。 |
ザミオクルカス ドワーフ(ゼンジー) | ゼミフォーリアをコンパクトにした矮性品種。成長しても30cmほどのかわいいサイズ。 |
ザミオクルカスはどんな花が咲く?
ザミオクルカスは、土から直接出て花をつける茎(花茎)の先に、白いトウモロコシのような見た目をした棒状の花を咲かせます。
アフリカの自生地では花が咲きますが、日本の室内で育てる場合は開花するのは珍しいです。
ザミオクルカスの葉っぱの特徴
ザミオクルカスはつやつやとした光沢のある肉厚な葉をつけます。
新芽は葉が閉じたまま伸びていき、ある程度の長さになると花が咲くように一斉に開くのが最大の特徴です。
葉と枝だけのシンプルな樹形ですが、濃いグリーンの厚い葉が連なって伸びる姿は力強さと美しさを感じさせます。
ザミオクルカスの花言葉
ザミオクルカスの花言葉は「輝く未来」です。
ザミオクルカスの育て方
ザミオクルカスは耐陰性があり、乾燥にも強い比較的育てやすい観葉植物です。
水やりや肥料についてなど、元気に育てるためのポイントを以下で紹介していきます。
水やりの頻度
ザミオクルカスはサトイモ科の植物で根に水を貯め込む芋があり、葉も肉厚なため保水性がとても高く水切れに強いです。
そのため、土が常に濡れているような状態では根腐れしてしまうので水やりは少なめにしましょう。
春から秋は、たっぷり水やりをして土が乾いてから2日後に水やりをするくらいの頻度で大丈夫です。
冬場は成長が緩やかになるためさらに水やりは少なくし、水切れのサインである葉のにシワがでてきたら水やりをする程度にしましょう。
肥料のあげ方
ザミオクルカスの肥料は、生育期の春~秋に液体肥料を2週間に一度与えましょう。
ただし、真夏は気温が高く成長が緩やかになるため、肥料を与えすぎると根が傷む恐れがあります。
真夏はできるだけ肥料を与えるのを控え、株の状態をみて元気のない時にだけ与えるようにしましょう。
冬場は休眠期のため、肥料を必要としません。
病害虫・害虫対策
ザミオクルカスにはカイガラムシやハダニ、アブラムシ、コバエなどが発生することがあります。
それぞれの特徴や対策は以下の通りです。
病害虫 | 特徴 | 対策 |
カイガラムシ | 葉がべたべたしている 樹液を吸うことで、葉が黒いすすに覆われるすす病、灰色や茶褐色のカビが生えるこうやく病を引き起こす | 布で拭き取り除去、オルトランなどの殺虫剤を使用する 混みあった葉を剪定して風通しを良くして予防する |
ハダニ | 葉に細かい白い糸がつき、全体的に白く変色する | 水に弱いのでお風呂場や屋外で水をかけて洗い流す 濡れた雑巾で拭き取る |
アブラムシ | アリが寄ってきたり、他の病気を誘発させたりする | 殺虫剤を吹き付け歯ブラシでこすりとる 肥料を控える 風通しを良くする |
コバエ | 直接的な被害はないが不快感を与える 繁殖力が高い | 鉢ごと水に浸ける 新しい土に植え替える |
葉を清潔に保つことや霧吹きで葉水を行うことで一定の予防効果があるので、普段から手入れをしっかり行うのが大事です。
植え方
植え替えは春に以下の手順で行います。
- ポットから苗を取り出し土をよく落とす
- 鉢に鉢底石を敷き詰めて水はけのよい用土を入れる
- 芋が隠れる程度の深さに苗を植える
- 水をたっぷりと与える
植えた後は定着するまで明るい日陰で管理し、土が乾いたら水をあげるようにしましょう。
ザミオクルカスの栽培環境
ザミオクルカスを丈夫に育てるためには適切な環境を整えることが大切です。
置き場所や耐寒温度など、育成に適した環境を知り元気に育てましょう。
置き場所と日当たり
ザミオクルカスは耐陰性があるので比較的暗い場所でも枯れることはありませんが、日光が少なすぎる環境では間延びしてしまうことがあります。
明るい場所がよいですが直射日光は苦手なので、レースカーテン越しの柔らかい日が当たる室内がおすすめです。
屋外に置く場合、春から秋にかけては温度の上昇に注意しながら、木陰などの明るい日陰に置くようにしましょう。
また、ザミオクルカスの樹液には有害な物質が含まれていて、切り口からでる樹液が皮膚に触れるとかぶれてしまうこともあります。
ペットや子どものいる家庭では、誤飲してしまわないように手の届かない場所に置くなどの対策をしましょう。
適切な温度|どれくらいの寒さまで耐えられる?
ザミオクルカスは寒さに弱いので、10℃を下回ると成長が緩やかになります。
5℃を下回る寒さに当たると枯れてしまう恐れがあるので注意しましょう。
屋外で管理している場合は、目安として15℃をきるようになったら室内に移動するようにします。
用土
ザミオクルカスは保水性が高いため、水はけのよい軽い土を使用します。
観葉植物用の土でも、粘土質であったり重くて排水性が悪かったりする場合があるのでパーライトや赤玉土を加えて水はけをよくしましょう。
観葉植物用よりも軽くて水はけのよい多肉植物用の土を使用するのもおすすめです。
ザミオクルカスを種から育てると大変?
ザミオクルカスの種は基本的に流通していません。
花が咲くことも珍しいので、自分で育てて種を採取することも難しいでしょう。
苗を購入して育てるか、後述する挿し木や葉挿しで増やして育てるのがおすすめです。
ザミオクルカスの開花時期
ザミオクルカスは室内で育てる場合、開花するのは珍しいです。
開花時期や花が咲かない原因について以下で紹介します。
開花時期は9月~10月頃
ザミオクルカスの開花時期は9月~10月頃です。
ザミオクルカスの花が咲かない原因は?
ザミオクルカスの花はアフリカの自生地では咲きますが、室内で育てていて咲くことはあまりありません。
開花させるには、屋外で育てることや株が成熟することなどの条件が必要で、すこし難しいでしょう。
なお、花が咲くときには株は体力を消耗します。
元気で丈夫に育てたい場合は早めに花を摘み、肥料を与えて体力を回復させるようにしましょう。
ザミオクルカスの増やし方
ザミオクルカスを増やすのにおすすめの方法は株分けや挿し木、葉挿しです。
株分けの適切な時期や挿し木、葉挿しのポイントなどを以下で紹介します。
ザミオクルカスを増やしたい方は是非参考にしてみてください。
剪定・株分けの時期はいつがいい?
剪定は成長期である春〜初秋に行いましょう。
ただ、ザミオクルカスは地面から枝が伸びて葉をつけるため株元の通気性が悪くなることはあまりありません。
また、葉が交互につくタイプなので葉同士が日光を遮ることがないため、基本的に剪定は必要ないでしょう。
株分けは気温の低い時期を避けて、春に行います。
株の負担を軽減するために、株分けは基本的に春の鉢替え時に一緒に行いましょう。
挿し木・葉挿しのやり方
ザミオクルカスを増やしたい場合は、挿し木や葉挿しで比較的簡単にできます。
挿し木のやり方
- 3枚ほど葉がついた枝をカットし、数時間水に浸ける
- 挿し木用の土に挿す
- 定着するまで、土が乾いたら水やりをする
葉挿しのやり方
- 元気な葉を1cm程軸を残してカットし、水に2週間ほど浸す
- 小さな芋ができたら濡らした挿し木用の土に葉の根本を1cmほど挿す
- 新しい芽がでるまで、土が乾いたら水やりをする
挿し木、葉挿しどちらも直射日光の当たらない明るい日陰で管理しましょう。
新芽がでるまで半年~1年ほどかかります。
植え替え時期はいつがいい?
植え替え時期は春から初秋が適期です。
ザミオクルカスは成長するとともに、根にできる芋も大きくなるので、鉢が小さいままだと根腐れを起こす原因になります。
1年か2年に一度、新しい鉢に植え替えるようにしましょう。
鉢替えのやり方
株を鉢から抜き、土を落とします。
茶色になった痛んだ根がある場合は取り除き、乾かしてから植えるのがポイントです。
植え付けの時と同様に鉢底石を敷き、観葉植物用か多肉植物用の土を使用します。
大き過ぎる鉢にすると根腐れの原因になるので、用意する鉢は一回り大きいものにしましょう。
鉢替え後はたっぷりと水やりをして、定着するまで直射日光を避け明るい日陰で管理します。