リプサリス プニセオディスクスの育て方

更新日 2025年12月09日

育てやすさ

初心者の方でも育てやすいのでおすすめです。

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監修者情報

株式会社HanaPrime|植物アドバイザー

覚張大季

覚張大季

植物と人との関わりに魅了され、日本各地の植物農園を見て回る。HanaPrimeの植物部門の立ち上げ後はオフィスや商業施設、個人宅など、幅広いシーンのグリーンコーディネートを数多く担当。植物の生態や特性を深く掘り下げ、それぞれの空間やライフスタイルに適したグリーン空間デザインを提案することが得意。観葉植物の世界に情熱を注ぎ、植物の価値を最大化することを使命としている。

リプサリス プニセオディスクスの育て方

リプサリス プニセオディスクスの育て方のポイントは以下の通りです。

  • 水やりは土の表面が乾いてから
  • 葉水は定期的に行う
  • 肥料は生育期に与える
  • 風通しをよくし、株をこまめにチェックする

水やりの頻度

  • 真夏の時期は夕方以降の涼しい時間帯に行う
  • 晩秋は冬に向けて徐々に水やりの頻度を減らす
  • 受け皿に溜まった水はこまめに捨てる

リプサリス プニセオディスクスはサボテンの仲間ですが、砂漠の一般的なサボテンよりも水分を好みます。

ただし、土壌の過湿は根腐れの原因となるため注意が必要です。

リプサリス プニセオディスクスの水やり頻度は季節によって異なります。

春、秋(3~5月、10~11月頃)土の表面が乾いたら
夏(6~9月頃)土の表面が乾いてから2~3日
冬(12~2月頃)月に1回程度、もしくは断水

春と秋は成長が活発になる時期なので、土の表面が乾いたら鉢底から水が流れ出るまでたっぷりと与えます。

夏は成長が緩やかになるため、土の表面が乾いてから2~3日経ってから与えるなど、春よりも頻度を減らしてください。

休眠期である冬場は、土の湿り気を確認しながら少量の水を月に一回ほど与えるか完全に断水しても良いでしょう。

茎がしぼんだりしわが寄ったりした場合は水分が不足しているサインなので気をつけましょう。

葉水

リプサリス プニセオディスクスは、原産地の熱帯雨林のような空気中の湿度が高い環境を好むため、季節を問わず葉水を行うのが大事です。

基本的に毎日行っても問題ないので、乾燥が気になるようであれば回数を増やしても良いでしょう。

特に冬場の室内はエアコンにより乾燥するので、株の様子を見ながら頻度を調節してください。

また、葉水を行うのは朝か夕方の涼しい時間帯にしましょう。

肥料のあげ方

リプサリス プニセオディスクスは活発に成長する生育期に緩効性肥料、もしくは液体肥料を与えるのが最適です。

肥料のあげ方は以下の通りです。

固形肥料5月と9~10月に1回ずつ
液体肥料5~10月に2週間に1回程度

固形肥料は緩効性の化成肥料を5月と9~10月に1回ずつ、液体肥料は2000倍に希釈したものを5~10月に2週間に1回程度の頻度で株の状態を見ながら適量与えます。

夏場(7~8月)は暑さで成長が止まる場合があるので、通常より薄め(2000倍よりもさらに薄く)にして与えると安心です。

冬は休眠期になるため施肥は控えてください。

肥料の与えすぎは根にダメージを与え、最悪の場合枯れる恐れがあるため必ず適切な量と頻度を守りましょう。

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病害虫・害虫対策

リプサリス プニセオディスクスは比較的丈夫な植物ですが、栽培環境が悪いとハダニやカイガラムシが発生する場合があります。

病害虫を予防する基本的なポイントは以下の通りです。

  • 風通しをよくする
  • 適切な水やりや肥料を与えストレスを減らして抵抗力をあげる
  • ほこりなどを取り除き清潔に保つ

日頃からの適切な管理や、茎の裏や付け根などに虫がいないか定期的な確認が大切です。

ハダニ

  • 葉の裏などに潜む小さな虫
  • 赤、茶、緑など種類によって体色が異なる

白い小さな点々やクモの巣のようなものが現れた場合ハダニが発生している可能性が高いです。

吸汁されると葉の色が悪くなり、最終的に枯れる恐れがあるので注意しましょう。

発生初期であれば、水で洗い流したり濡らした布で拭き取って駆除し、症状がひどい場合は、専用の殺ダニ剤を散布してください。

薬剤の使用に抵抗がある人は、天然成分由来のニームオイルを水で希釈してスプレーするのも効果が高く、殺虫効果のほか忌避作用もあるのでおすすめです。

ハダニは乾燥を好むため、定期的な葉水が予防になります。

カイガラムシ

  • 茎や葉にいる白い綿に覆われた動かない虫
  • 体長3~6mm程度

カイガラムシは茎にひっついて動かずに植物の汁を吸う虫で、発生すると黒いすすのようなカビが生えるすす病を誘発する恐れもあります。

成虫を見つけた場合は、薬剤が効きにくいので歯ブラシなどでこすり落として物理的に取り除きましょう。

大量発生した場合は、茎に浸透して散布後に発生した害虫も退治できる浸透移行性の殺虫剤など、カイガラムシに効果のある薬剤を使用するのもおすすめです。

リプサリス プニセオディスクスの基本情報

植物名リプサリス プニセオディスクス
学名Rhipsalis puniceodiscus
和名五月雨
英名Red Mistletoe Cactus
別名森林サボテン
原産地北アメリカから南アメリカ、ブラジル
科名サボテン科
属名リプサリス
開花時期夏頃(栽培環境による)

リプサリス プニセオディスクスはリプサリスの品種の一つで、南米やブラジルなどの熱帯気候原産のサボテンの仲間です。

砂漠のサボテンと違い森の中に自生するため「森林サボテン」とも呼ばれます。

リプサリス プニセオディスクスは一般的な観葉植物のような葉が無く、代わりにひものような茎を伸ばすのが最大の特徴です。

垂れ下がるように長く伸びる茎がとても個性的で、ハンギング仕立てで飾るのにも向いています。

乾燥に強く丈夫で、耐陰性もあるため初心者にも育てやすい植物です。

月別栽培カレンダー

植え付け・植え替え

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肥料

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開花

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剪定

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挿し木

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種類と品種

品種茎の形状花の色毛の有無育てやすさレア度
リプサリス プニセオディスクスひも状薄ピンク★★★★☆★★★★☆
リプサリス ヘテロクラダ円柱状濃い黄色★★★☆☆★★★★☆
リプサリス パラドクサ角ひも状薄黄色★★★★☆★★★★☆
リプサリス ラムローサコンブ状白、薄ピンク★★★★☆★★☆☆☆
リプサリス カピリフォルミス細いひも状★★★★☆★★☆☆☆
リプサリス クラバータひも状★★★★☆★★★☆☆
リプサリス ケレウスクラひも状個体による★★★★☆★★☆☆☆
リプサリス プリスマティカひも状クリーム色★★★★☆★★★★☆

リプサリス プニセオディスクスが属するリプサリス属には約60以上の種類が存在し、ブラジルや北アメリカ南部、熱帯アフリカやスリランカなどに自生しています。

細長いひも状で垂れ下がるものや平たい葉状のもの、さらには上向きに成長する立性のものなど品種によって茎の形状が違うのが特徴です。

以下で人気のリプサリスの品種を紹介します。

リプサリス ヘテロクラダ

茎の立ち上がりがよくたくさん分岐する品種です。

濃い黄色の美しい小花を咲かせ、新芽の先端には毛が生えています。

リプサリス パラドクサ

鎖のように連なった肉厚な茎が連なり、鉢からダランと垂れるように伸びるのが特徴です。

その特徴的な見た目から海外ではチェーンカクタス(鎖サボテン)とも呼ばれています。

リプサリス ラムローサ

コンブのような見た目の多肉質で平べったい茎がユニークな品種です。

日光に当てると鮮やかな茎が赤色に変色する性質があります。

リプサリス カピリフォルミス

「松風」という名前で流通する、かなり細いひも状の茎がたくさん分岐するのが特徴のリプサリスです。

サラサラとした茎は涼し気な印象で、春には白い小花が咲きます。

リプサリス クラバータ

スギの葉のような形状の茎を持つ品種で、普段は濃い緑色ですが日照量が多い時や冬場の気温が下がる時期になると新芽が紅く染まります。

リプサリス ケレウスクラ

リプサリス ケレウスクラ

茎がじっくりと成長する、リプサリスの中でも比較的生育が緩やかなタイプです。

数本だけ上に飛び出すようにピョンピョンと茎が伸びる性質があります。

リプサリス プリスマティカ

長く伸びた茎の先端が線香花火がはじけるように分岐します。

放射線状に茎を伸ばす姿はまるでアート作品のようでとても個性的です。

リプサリス プニセオディスクスの葉っぱの特徴

リプサリス プニセオディスクスの葉っぱの特徴

リプサリス プニセオディスクスを含むリプサリス属の植物は葉が無く、代わりに「葉状茎」という茎を持ちます。

リプサリス プニセオディスクスの茎は、細いひも状で枝分かれが比較的少なくまっすぐ伸びるのが特徴です

鉢から垂れ下がるように伸びる性質を活かしてハンギング仕立てでよく飾られます。

サボテン科の植物のため茎には白いトゲのようなものが生えますが、触っても刺さるような硬さではありません。

成長速度は年間で10cm程度とかなり緩やかです。

リプサリス プニセオディスクスはどんな花が咲く?

リプサリス プニセオディスクスは他のリプサリス同様、花柄がなく茎に直接花がつきます。

花びらは透明がかった薄いピンク色で梅の花のような見た目をしていて、花芯は鮮やかな赤色でとても美しいです。

リプサリス プニセオディスクスの開花時期は夏頃が一般的ですが、暖かい室内では冬でも咲く場合もあるため栽培環境によって異なります。

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リプサリス プニセオディスクスの花言葉

リプサリス プニセオディスクスの花言葉「温かい心」「偉大」「燃える心」「枯れない愛」です。

これらはサボテン科に共通する花言葉となっています。

リプサリス プニセオディスクスの栽培環境

リプサリス プニセオディスクスは森林で樹上に着生して育つ植物のため、木漏れ日のような日光の当たり方を好みます。

原産地が熱帯雨林のため暑さには強いですが、冬の寒さには弱いので注意が必要です。

以下で、リプサリス プニセオディスクスの栽培環境について解説します。

置き場所と日当たり

リプサリス プニセオディスクスの置き場所は、風通しがよく直射日光を避けた明るい場所がおすすめです。

屋外直射日光が当たらない明るい半日陰
室内レースカーテンのある窓辺

5~10月頃までは屋外での栽培も可能ですが、直射日光に当たらないよう明るい半日陰で管理し、雨が続く場合は軒下に入れます。

室内であればレースカーテン越しの柔らかな光が当たる窓辺がよいでしょう。

耐陰性はありますが、暗すぎる場所では成育が悪くなるので注意が必要です。

風通しが良い環境を好みますがエアコンの風が直接当たる場所は乾燥するため避けましょう。

適切な温度|どれくらいの寒さまで耐えられる?

リプサリス プニセオディスクスの成育に適切な温度は18~24℃です。

耐寒温度は約5~7℃で寒さには弱いため、霜に当たると枯れる恐れがあります。

冬場は10℃以上の環境に置き、株の耐寒性を高めるためにも水やりを減らしましょう。

屋外で育てている場合は冬場は霜の当たらない場所に移動するのがよいですが、室内に取り込んだ方が安心です。

リプサリス プニセオディスクスの土の配合比率(用土)

リプサリス プニセオディスクスの土の配合比率

リプサリス プニセオディスクスの栽培には水はけのよい土壌が適しています。

リプサリス プニセオディスクスは市販のサボテン用や多肉植物用の用土でも十分育ちます。

自作する場合のおすすめの配合は以下の通りです。

  • 赤玉土(小粒):5
  • 鹿沼土(小粒):2
  • 軽石(小粒):2
  • 腐葉土:1

さらに水はけや根腐れを予防をしたい場合は、くん炭またはゼオライトを少量入れてください。

ハンギングのやり方

ハンギングのやり方

リプサリス プニセオディスクスは茎が垂れ下がる性質があるため、ハンギング仕立てにしておしゃれに飾れます。

やり方は簡単で、ハンギングプランターやバスケットに入れてチェーンやロープを取り付けて吊るすだけですが、以下の点に注意しましょう。

  • 重い鉢は使用しない
  • 設置箇所の耐荷重を確認
  • 乾燥に注意する

ハンギングバスケットにいれる場合は、落下の危険があるため鉢と用土はできるだけ軽いものを使用しましょう。

細い突っ張り棒など耐荷重が低いものは避け、しっかりと鉢を支えられるものを選んでください。

リプサリス プニセオディスクスを種から育てると大変?

リプサリス プニセオディスクスを種から育てるのは少し難易度が高いとされています。

発芽に2週間ほどかかり、その後5か月ほどは水やりや温度管理などが必要になります。

種から育てるのを楽しみたい場合はよいですが、株を増やしたいのであれば比較的簡単にできる挿し木を行う方がよいでしょう。

リプサリス プニセオディスクスの増やし方

リプサリス プニセオディスクスは株分けや挿し木(葉挿し)で比較的簡単に増やせます。

株分けとは名前の通り株を根から割くように分割する方法で、挿し木とは、カットした茎(挿し穂)を土に植えて成長させ、また新たに株を作る方法です。

以下でリプサリス パラドクサの挿し木のやり方や剪定、鉢替えについて解説します。

剪定・株分けの時期はいつがいい?

リプサリス プニセオディスクスの剪定・株分けの適期は以下の通りです。

剪定成長期であればいつでもOK
株分け春(5~6月頃)

剪定は生育期であればいつでも大丈夫ですが、カットした茎を挿し木にできるため5~6月頃がおすすめです。

株分けは春に植え替えと一緒に行いましょう。

挿し木(挿し芽)のやり方

リプサリス プニセオディスクスの挿し木に最適な時期は5~6月頃です。

  1. 挿し穂の準備
  2. 挿し穂を乾燥させる
  3. 用土に植えつける
  4. 水やりをして日陰で管理する

① 挿し穂の準備

健康な茎を、2~3節(5~10cm程度)の長さに切り取ります。

ハサミは清潔なものを使用しましょう。

② 挿し穂を乾燥させる

挿し穂の切り口にカルス(かさぶたのようなもの)ができるまで1~2週間ほど日陰で乾燥させ発根させます。

③ 用土に植え付ける

乾燥させた挿し穂を、茎全体を寝かせるようにして用土の表面に置き、根に軽く土をかぶせます。

④ 水やりをして日陰で管理する

植え付けが完了したら水やりをしましょう。

その後は土の表面が乾いたら水を与えて明るい日陰で管理し、発根して新しい芽が出てきたら通常通りの育て方に移行してください。

植え替え時期はいつがいい?

リプサリス プニセオディスクスの植え替えは春(4~5月頃)もしくは秋(9~10月)に行いましょう。

土が硬くなるため毎年植替えをおこなうのがおすすめです。

鉢替えのやり方

鉢替えに使用する新しい鉢はあまり大きいサイズにすると根腐れを起こす恐れがあるため、現在のものより一回り大きいものを使用しましょう。

  1. 株を取り出す
  2. 根を整理する
  3. 新しい鉢に土をいれる
  4. 植えつける
  5. 明るい日陰で管理する

① 株を取り出す

鉢替えの数日前から水やりを控え土を乾燥させておくと鉢から抜きやすくなります。

根きにくい場合は、鉢と土の間に割り箸などを差し込んで隙間を作りましょう。

② 根を整理する

根鉢(根と土の塊)をほぐしながら3分の1程度土を落とします。

黒ずんだ根や傷んだ根があったら清潔なはさみでカットしてください。

③ 新しい鉢に土をいれる

新しい鉢の底に鉢底ネットを敷き鉢底石を鉢の高さの5分の1程度入れ、新しい用土を少し入れます。

用土は市販のサボテン用や多肉植物用の用土、もしくは赤玉土(小粒):4~5割、鹿沼土(小粒):2~3割、軽石(小粒):1~2割、腐葉土またはピートモス:1割を混ぜたものがおすすめです。

④ 植えつける

新しい鉢の中央に株を置き、高さを見ながら周りから新しい用土を少しずつ充填していきます。
鉢の縁から2~3cm下くらいに株元がくるようにしましょう。

⑤明るい日陰で管理する

植え替え後は、直射日光の当たらない明るい日陰で管理し、徐々に元の場所に戻していきます。

水やりは根が傷んでいる可能性があるため植え替え直後は控え、1週間~10日ほど経ってからたっぷりと与えましょう。

また、肥料も植え替え後1ヶ月程度は控えてください。

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