ディスキディア オバタの育て方
公開日 2025年12月24日
更新日 2025年12月24日
育てやすさ
育て方の難易度は普通レベルです。
監修者情報
覚張大季
植物と人との関わりに魅了され、日本各地の植物農園を見て回る。HanaPrimeの植物部門の立ち上げ後はオフィスや商業施設、個人宅など、幅広いシーンのグリーンコーディネートを数多く担当。植物の生態や特性を深く掘り下げ、それぞれの空間やライフスタイルに適したグリーン空間デザインを提案することが得意。観葉植物の世界に情熱を注ぎ、植物の価値を最大化することを使命としている。
INDEX
目次
ディスキディア オバタの育て方

ディスキディア オバタは、正しい頻度で水を与え、土の過湿に気をつけながら育てましょう。
肥料は、春から秋にかけての生育期に与え、冬の休眠期は避けてください。
カイガラムシやハダニが発生することがありますが、適切に対処すれば枯れることはありません。
水やりの頻度
ディスキディア オバタは土の過湿状態が続くと、葉っぱを落としたり根腐れを引き起こしたりするので、水を与えすぎないよう注意しましょう。
季節によって、以下の頻度を目安にしてください。
| 季節 | 頻度の目安 |
|---|---|
| 春~秋(生育期) | 表土が乾いたら |
| 冬(休眠期) | 月に1回程度 |
季節を問わず、水やりの際は、下から漏れ出すくらい十分な量の水を与えるのが適切です。
休眠期の冬は月に1回程度が目安ですが、暖房による乾燥が続く環境であれば、株の様子を観察しながら頻度を調節しましょう。
なお、空気中の湿度を好むので、季節を問わず毎日葉水をすることが大切です。
肥料のあげ方
ディスキディア オバタの肥料は、春から秋にかけての成長期に与えてください。
以下のように、肥料の種類によって与え方が異なります。
| 肥料の種類 | 頻度の目安 |
|---|---|
| 液体肥料(速効性) | 3週間~1ヵ月に1回 |
| 固形肥料(緩効性) | 2ヵ月に1回 |
液体肥料は、希釈して水やりの代わりに与えましょう。
液体肥料と固形肥料は、併用して与えても問題ありません。
休眠期の冬に与えると、以下の症状を伴う肥料焼けを引き起こす可能性が高いので注意してください。
- 葉っぱが変色する
- 根っこが痛む
- 生育不良になる
- しおれて枯れる
病害虫・害虫対策
ディスキディア オバタは、以下のような病害虫が発生するリスクがあります。
- カイガラムシ
- ハダニ
病害虫を放置すると、排泄物をエサにカビが繁殖する「すす病」を誘発する恐れがあるので、正しい方法で対策および対処することが大切です。
それぞれの病害虫の特徴や対策法に加え、発生した場合の対処法を解説するので参考にしてください。
カイガラムシ
- 葉っぱや茎をベタベタさせたり変色させたりする
- 日当たりと風通しの悪い場所で繁殖する
カイガラムシは、葉っぱや茎から栄養を吸い取って生育を遅らせ、最終的には枯らしてしまいます。
予防するためには、風通しを良くして過湿状態にならないようにすることが大切です。
幼虫か成虫かによって発生後の対処法が異なるので、以下を参考に駆除してください。
| 形態 | 駆除方法 |
|---|---|
| 幼虫 | 市販の殺虫剤や希釈した牛乳を吹きかける |
| 成虫 | 柔らかい布やブラシでこそぎ落とす |
ハダニ
- 葉っぱに斑点や傷をつけ、葉色が薄くなる
- 乾燥した環境で繁殖する
ハダニは、葉っぱの裏から吸汁し、白い斑点をつけたり葉色を退色させたりする病害虫です。
予防するためには、こまめに葉水をして乾燥を防ぎ、葉っぱを清潔に保ちましょう。
繁殖した場合には、市販の殺虫剤や希釈した牛乳を吹きかけるほか、5~15分ほど鉢ごと水に浸して駆除するのが効果的です。
植え方
ディスキディア オバタは、種の流通がほとんどないため、ある程度育った株を植え付けて育てましょう。
植え付けに適した時期は生育期の春と秋で、株に負担をかけてしまう猛暑日は避けてください。
土に植え付ける場合
ディスキディア オバタは、排水性や保水性に優れた土に植え付けましょう。
市販の観葉植物用の土だけでなく、同量の赤玉土やピートモスも混ぜた土もおすすめです。
根っこを傷つけないように植え付け、隙間に土を追加して株を固定しましょう。
水やりの際は、適切な頻度でたっぷりの水を与えるのに加え、毎日葉水をしてください。
着生剤に植え付ける場合
ディスキディア オバタは着生植物なので、鉢だけでなく、水苔やベラボンなどの着生剤に植え付けて育てるのにも適しています。
水苔やベラボンを水で戻してから、根っこを優しく包み込むように植え付けてください。
水やりの際は、着生材が湿る程度に水を与え、毎日葉水をしましょう。
ディスキディア オバタの基本情報
| 植物名 | ディスキディア オバタ |
| 学名 | Dischidia ovata |
| 英名 | Dischidia ovata、Dischidia watermelon |
| 別名 | ウォーターメロン |
| 原産地 | 東南アジア、オーストラリアなど |
| 科名 | ガガイモ科 |
| 属名 | ディスキディア属 |
| 開花時期 | 不定期 |
ディスキディア オバタは、東南アジアやオーストラリアなどを原産とする観葉植物で、自生地では木に着生して育つのが特徴です。
丸い肉厚の葉っぱにスイカの皮のような白い模様(葉脈)が入るので、別名「ウォーターメロン(スイカ)」とも呼ばれています。
成長に伴ってつるをどんどん伸ばすので、ハンギングで吊るして飾ると、より存在感を引き立てられるでしょう。
水分や温度管理に気をつけて適切に育てれば、米粒ほどのかわいらしい花を不定期に咲かせてくれます。
月別栽培カレンダー
種まき
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植え付け・植え替え
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肥料
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開花
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種類と品種

ディスキディア オバタはディスキディア属に含まれ、ほかの仲間と比べて流通量が少なく希少価値のある品種です。
ここでは、比較的メジャーとされる同属の品種と、葉っぱや花の特徴を比較してみました。
| 品種名 | 葉っぱの色 | 葉っぱの形 | 花 | 育てやすさ | レア度 |
|---|---|---|---|---|---|
| オバタ | 深い緑色に白い葉脈が入る | 楕円形 | つぼ型、橙または黄色 | やや慣れが必要 | ★★★★☆ |
| ミリオンハート | ツヤのある緑色 | ハート形で小さい | 星型、白色 | 初心者向け | ★☆☆☆☆ |
| カンガルーポケット | 淡い緑色 | 肉厚で大きい、袋状に膨らむ | 筒状、ピンクまたは赤色 | やや慣れが必要 | ★★☆☆☆ |
ディスキディア オバタ

ディスキディア オバタは、葉っぱにスイカの皮のような白い葉脈が入っているのが特徴です。
空気中の水分を吸収して育つので、通常の水やりに加えて毎日葉水をして育てる必要があります。
ディスキディア ミリオンハート

ディスキディア ミリオンハートは、ハート形の小さな葉っぱを連なるようにつけるのが特徴です。
水やりや葉水の頻度も少なくて済むので、初心者でも育てやすいでしょう。
ディスキディア カンガルーポケット

ディスキディア カンガルーポケットは、葉っぱの内部に水分や養分を溜め込める袋状の貯水嚢(ちょすいのう)をもつのが特徴です。
葉っぱからも水分を吸収するので、健康に育てるためには毎日葉水を行いましょう。
ディスキディア オバタの葉っぱの特徴

ディスキディア オバタの葉っぱは深い緑色で、先の尖った楕円形をしているのが特徴です。
表面には白い葉脈が入っていて、スイカの皮のような見た目をしています。
ディスキディア属の一部に見られる、水分や養分を溜め込む貯水嚢はありません。
ディスキディア オバタはどんな花が咲く?
ディスキディア オバタは、橙または黄色の花を咲かせます。
スズランの花に似た形をしていて、米粒くらいに小さいのが特徴です。
ディスキディア オバタの花言葉
丸みを帯びた葉っぱから、平和をイメージできるとしてつけられました。
ディスキディア オバタの栽培環境

ディスキディア オバタは、室内の明るい日陰で育ててください。
10℃を下回ると生育不良を引き起こすので、15℃以上をキープすることが大切です。
土に植えて育てる場合は、通気性と保水性に優れた用土を使用しましょう。
置き場所と日当たり

ディスキディア オバタは、明るい日陰で育てるのが適切です。
直射日光や寒さに弱いので、季節を問わず室内に置くのが良いでしょう。
適切な温度|どれくらいの寒さまで耐えられる?
ディスキディア オバタは寒さに弱い品種なので、15℃以上の環境をキープすることが大切です。
10℃を下回ると、以下のような症状を伴う「低温障害」を引き起こす可能性があります。
- 葉っぱが茶色く変色する
- 葉っぱが落ちる
- 生育不良になる
用土

ディスキディア オバタには、通気性と保水性に優れた土を使用しましょう。
市販の観葉植物用の土だけでなく、赤玉土とピートモスを5:5で混ぜたものでもOKです。
根腐れの原因となるので、粘土質の土は避けてください。
ディスキディア オバタを種から育てると大変?
ディスキディア オバタは、種から育てるのが一般的ではなく、種を入手するのも容易ではありません。
そのため、ある程度育った苗を購入して育てるのが良いでしょう。
ディスキディア オバタの開花時期
ディスキディア オバタは、適切に育てれば時期を問わず開花する品種です。
花を咲かせるには、水分と温度管理を徹底しましょう。
開花時期は不定期
ディスキディア オバタの一般的な開花時期は、生育期の6~9月ごろです。
水を与えすぎないよう注意して、15℃以上にキープすれば、季節を問わず不定期に開花します。
ディスキディア オバタの花が咲かない原因は?
ディスキディア オバタの花が咲かない場合、以下の原因が考えられるでしょう。
- 水を与えすぎている
- 10℃を下回っている
- 暗い場所に置いている(日照不足)
- 肥料を与えていない
- 根腐れや根詰まりを引き起こしている
ディスキディア オバタは空気中の湿度は好みますが、土の過湿は苦手です。
開花を促すためには、水やりの適切な頻度を守り、水を与えすぎないように注意して育てましょう。
もし、根腐れや根詰まりを引き起こしている場合には、早急に新しい土や一回り大きな鉢に植え替えてください。
ディスキディア オバタの増やし方

ディスキディア オバタを増やすには、挿し木(挿し芽)が一般的な方法です。
ここでは、挿し木のやり方に加え、剪定や株分けに適した時期などを解説するので参考にしてください。
剪定・株分けの時期はいつがいい?
ディスキディア オバタの剪定や株分けは、以下の時期を目安に行いましょう。
| 作業 | 適した時期の目安 |
|---|---|
| 剪定 | 春から夏にかけて |
| 株分け | 春から秋にかけて |
ディスキディア オバタは生育が緩やかなので、基本的にこまめな剪定は不要とされています。
見栄えをよくしたい場合には剪定してもかまいませんが、切りすぎないよう注意してください。
生育期であればいつでも剪定および株分けが可能ですが、作業によるダメージからの回復を早めたいなら初春に行うのがおすすめです。
挿し木・挿し芽のやり方
ディスキディア オバタは、挿し木(挿し芽)で増やしましょう。
生育期であればいつ行っても問題ありませんが、気温の高い春から夏の生育期にかけて行うと発根しやすくなります。
挿し木を行う前に、以下を準備してください。
- 剪定ばさみ
- 挿し木用の鉢
- 無菌の培養土
- 鉢底石
続いて、挿し木の手順を紹介します。
- ツルをカットする
- 土に挿す
- 管理する
① ツルをカットする
挿し穂が10cmほどの長さになるよう、ツルの節の部分をカットしてください。
土に挿しやすくするために、断面から5cmほどについた葉っぱはすべて落としましょう。
同様の手順で、複数本の挿し穂を用意します。
なお、断面から出る白い樹液にふれると、皮膚かぶれを引き起こすので注意してください。
② 土に挿す
鉢に鉢底石を敷き、市販の無菌の培養土もしくは、同量の赤玉土とピートモスを混ぜた用土を入れます。
挿し穂を、切り口から1/3程度の部分まで埋まるよう、土に挿してください。
複数本の挿し穂は、同じ鉢に挿しても問題ありません。
③ 管理する
挿し木をしたら、直射日光の当たらない明るい日陰に置いて管理します。
土が乾かないよう、こまめに水を与えましょう。
2週間ほど経って発根したら、新しい土や着生材に定植してください。
植え替え時期はいつがいい?
ディスキディア オバタの植え替えに適した時期は生育期の春と秋で、株への負担を軽減するために猛暑日は避けるのが無難です。
比較的、生育が緩やかな品種なので、2~3年に1回の目安で行うと良いでしょう。
ただし、根腐れや根詰まりを引き起こして以下の症状が現れている場合は、時期を問わずに早急に新しい土または着生材に植え替えてください。
根腐れ・根詰まりの症状
- 葉っぱや根っこが変色する
- 土からアンモニア臭がする
- 土が吸水しにくくなる
- 鉢底から根っこがはみ出す
鉢替えのやり方
ディスキディア オバタは、2~3年に1回くらいの頻度で、一回り大きな鉢に植え替えるのが適切です。
- 新しい鉢に土を入れる
- 鉢から株を抜き取る
- 根っこを整える
- 新しい鉢に植える
- 管理する
① 新しい鉢に土を入れる
一回り大きな鉢に鉢底石を敷き、1/3程度の高さまで土を入れます。
市販の培養土もしくは、同量の赤玉土とピートモスを混ぜた土が良いでしょう。
② 鉢から株を抜き取る
株に負担をかけないよう、優しく引き抜いてください。
土ごと抜き取ると、根っこへのダメージを減らせます。
③ 根っこを整える
根鉢をほぐしながら、古い土を落としましょう。
もし傷んだ根っこがあれば、剪定ばさみで切り落としてください。
④ 新しい鉢に植える
株を新しい鉢の中央に置いて、周りに土を足しながら固定しましょう。
着生材に植える場合は、水で戻した着生材で根っこを包み込むように植えてから、隙間に着生材を詰めて固定してください。
⑤ 管理する
鉢替えが完了したら、下から漏れ出すくらい十分な量の水を与えましょう。
直射日光の当たらない、明るい日陰で管理してください。
