ユッカ ゴールデンソードの育て方

ユッカ ゴールデンソードの基本情報

植物名	ユッカ ゴールデンソード
学名	Yucca filamentosa ‘Golden Sword’
和名	糸蘭（イトラン）
英名	Golden Sword Yucca
原産地	アメリカ
科名	リュウゼツラン科
属名	ユッカ属
開花時期	5～10月

ユッカ ゴールデンソードは、アメリカを原産地とする観葉植物です。

剣のような鋭い形状の葉、そこに入る黄色い斑が大きな特徴となっています。

葉のふちあたりに糸状の繊維が現れる点も特徴のひとつです。

耐暑性や耐寒性に優れるうえ乾燥にも強いため、初心者でも簡単に育てることができます。

月別栽培カレンダー

種類と品種

ユッカ ゴールデンソードはユッカ属に含まれる植物のひとつです。

ここにはユッカ属の代表的品種として知られるユッカ エレファンティペスや、ユッカ ゴールデンソードと近い品種のユッカ フィラメントーサなどが含まれています。

品種名	葉の形状	葉の生え方	斑の有無	育てやすさ	レア度
ユッカ ゴールデンソード	鋭く細長い	放射状	有	とても育てやすい	中
ユッカ エレファンティペス	まっすぐで鋭い	上向き	無	育てやすい	低
ユッカ フィラメントーサ	鋭く細長い	放射状	無	とても育てやすい	低

ユッカ エレファンティペス

ユッカ エレファンティペスはユッカ属の代表的な品種です。

「青年の木」という別名でも知られ、そのエネルギッシュな見た目から贈答品としても人気を博しています。

象の足のような太い幹、そこから上向きに生える鋭い葉が大きな特徴です。

ユッカ フィラメントーサ

ユッカ フィラメントーサはユッカ ゴールデンソードに近い品種です。

鋭く細長い葉と、葉のそこかしこに現れる糸状の繊維が大きな特徴となっています。

ゴールデンソードと似ていますが、こちらの葉には斑が入りません。

ユッカ ゴールデンソードはどんな花が咲く？

ユッカ ゴールデンソードは春から秋頃にかけて、白い鐘形の花をつけることがあります。

長く伸びた花茎に、複数の花が一斉に咲く姿は壮観です。

ただ、開花条件が明確になっておらず、咲く頻度は不定期になります。

ユッカ ゴールデンソードの葉っぱの特徴

ユッカ ゴールデンソードは、その名の通り鋭い剣状の葉を放射状に生やします。

緑色の葉の真ん中あたりに入る黄色い斑が最大の特徴です。

また、ユッカ フィラメントーサほど目立ちませんが、葉のふち辺りに糸状の繊維が現れます。

ユッカ ゴールデンソードの花言葉

ユッカ ゴールデンソード独自の花言葉はありません。

ユッカ全般の花言葉は「勇壮」「偉大」「颯爽」です。

ユッカ ゴールデンソードの育て方

ユッカ ゴールデンソードは耐暑性・耐寒性が高く、乾燥にも強いとても丈夫な植物です。

水や肥料を適切に与えれば、すくすく成長してくれるでしょう。

鉢植えでも地植えでも育てることができますが、大きく育てたい場合は地植えがおすすめです。

水やりの頻度

育て方	春から秋	冬
鉢植え	土が完全に乾いたら	土が完全に乾いてから数日後
地植え	晴天が数日続いた時のみ	基本的には必要なし

鉢植えの場合は上記のタイミングでたっぷり水を与え、受け皿にたまった水はすぐに捨ててください。

水やりの頻度は春から秋頃が大体月に2回程度、気温が下がってきてからは月に1回程度が目安になります。

地植えの場合は基本的に水やりの必要はありません。

ただし、暑い時期に晴天が続き、土が強く乾燥している場合は水を与えましょう。

肥料のあげ方

ユッカ ゴールデンソードに肥料をあげる場合は、生育期にあたる5～9月頃に与えるのがおすすめです。

使用する肥料の用法・用量をチェックし、それに従い使用してください。

ただ、気温が高くなりすぎると成長が鈍化するため、8月あたりは肥料なしで様子を見てもよいでしょう。

また、冬場も成長が鈍くなるため、肥料を使わず水のみで育ててください。

病害虫・害虫対策

ユッカ ゴールデンソードは病害虫の被害を受けにくい植物です。

ただ、日当たりや風通しの悪い場所で育てると、虫が発生する場合もあります。

栽培環境に気を配り、病害虫の被害を未然に防ぎましょう。

アブラムシ

ユッカ ゴールデンソードにつく代表的な病害虫がアブラムシです。

植物の汁を吸って成長を阻害し、芽の委縮などを引き起こします。

見つけた場合は殺虫剤などですぐに除去しましょう。

数が少ない場合は柔らかいブラシを使い、直接取り除くのも有効です。

ハダニ

ユッカ ゴールデンソードにはハダニがつくこともあります。

こちらも葉の裏などから植物の汁を吸い、成長を阻害する害虫です。

ハダニが発生すると、葉に斑点や傷が現れることがあります。

見つけた場合は殺虫剤などですぐに退治しましょう。

また、ハダニは湿気を嫌うため、霧吹きで定期的に葉水を与えると発生を予防できます。

剪定のやり方｜剪定の時期はいつがいい？

ユッカ ゴールデンソードの剪定は生育期が始まる直前の4月頃に行うとよいでしょう。

冬越しの際に枯れた葉をカットする程度で十分です。

病害虫の影響で葉が傷んだ場合は、その都度剪定してください。

また、花が咲いた年は、咲き終わったタイミングで花茎を根元からカットしましょう。

植え方｜地植えのやり方

① 苗よりひと回りからふた回りほど大きい穴を掘る

ユッカ ゴールデンソードは直射日光を好むため、日当たりと風通しのよい場所を選定します。

そこに苗よりひと回りからふた回りほど大きい穴を掘ってください。

ユッカ ゴールデンソードは水はけのよい土壌を好みます。

庭の土質が心配な場合は軽石やパーライトなどを混ぜる、あるいは土を多肉植物・サボテン用の培養土と入れ替えてもよいでしょう。

② 穴にユッカ ゴールデンソードを植え付け土で固定する

穴の中心にユッカ ゴールデンソードを置き、少しずつ土を足して固定していきましょう。

地植えの場合は地面の高さに合わせて植えるのが基本ですが、水はけのよい環境を作りたい場合は土を盛って地面よりも高い位置に植える「高植え」がおすすめです。

ユッカ ゴールデンソードの栽培環境

ユッカ ゴールデンソードは耐暑性と耐寒性に優れた、とても育てやすい植物です。

ただ、極端に寒い環境だと枯れてしまう場合もあります。

寒冷地で育てる場合は、鉢植えにして室内でも栽培できる状態にしましょう。

置き場所と日当たり

鉢植え・地植えともに、日当たりと風通しのよい場所で育ててください。

耐陰性もあるので明るい日陰で育てることもできますが、ユッカ ゴールデンソードは直射日光を好みます。

屋外であれば日がしっかり当たる場所、屋内であれば日が入る窓際などに置くとよいでしょう。

エアコンの風で葉が傷む場合もあるので、屋内に置く際はエアコンの風が直接当たる場所を避けてください。

適切な温度｜どれくらいの寒さまで耐えられる？

ユッカ ゴールデンソードは上は38℃程度、下は－25℃程度まで耐えるといわれています。

非常に高い耐暑性と耐寒性を誇りますが、耐えられるだけでこれが適切な温度というわけではありません。

20～25℃あたり、暑すぎず寒すぎない温暖な環境で育ててあげるとよいでしょう。

用土

ユッカ ゴールデンソードを育てる際は、水はけのよい土を使いましょう。

鉢植えの場合は観葉植物用の土、もしくはサボテン・多肉植物用の培養土を使用すれば問題ありません。

そこに軽石やパーライトなどを混ぜ、排水性を高めるのもよいでしょう。

地植えの場合も水はけのよい土を利用してください。

庭の土質が心配な場合は、庭の土と培養土を入れ替えるのもおすすめです。

ユッカ ゴールデンソードの開花時期

ユッカ ゴールデンソードは春から秋頃にかけて花をつけることがあります。

ただし、開花の周期は不定期で、咲く条件も明確になっていません。

毎年必ず花がつくわけではないので、注意してください。

開花時期は5～10月

ユッカ ゴールデンソードの開花時期は5～10月頃です。

にょきにょきと花茎が伸びていき、そこに鐘形の白い花が複数つきます。

そこだけ別の植物になったような不思議な見た目になり、普段のエネルギッシュな姿とはまた違った印象を与えてくれるでしょう。

ユッカ ゴールデンソードの花が咲かない原因は？

ユッカ ゴールデンソードの開花条件は明確になっていません。

ただ、ほとんどの植物は良好な環境を保つことで花をつけやすくなります。

日当たり・風通し・水や肥料の量に気を配り、最適な栽培環境を整えてあげましょう。

また、大きく成長した方が咲きやすくなるという説もあります。

花を見たい場合は、より大きく育つ地植えで栽培するのがおすすめです。

ユッカ ゴールデンソードの増やし方

ユッカ ゴールデンソードは株分けや挿し木で増やすことができます。

必要な物品も少なく作業も簡単なので、比較的容易にトライできるでしょう。

株分けの時期はいつがいい？

ユッカ ゴールデンソードの株分けは、植え替えと同時期の4～5月頃に行うのがおすすめです。

植え替えと同時に行えば、ユッカ ゴールデンソードにかかる負担を最小限に抑えられます。

また、生育期の早い段階に実施することで、株分け後もすくすく成長してくれるでしょう。

株分けのやり方

① 親株を取り出し子株を切り離す

根元に子株が発生した親株を鉢から取り出しましょう。

土をやさしく落とし、根をほぐしてください。

子株の根をしっかり見極め、清潔なハサミなどで切り離しましょう。

地植えの場合は、スコップを使って慎重に掘り上げてから作業を進めてください。

② 新しい鉢に鉢底ネットと鉢底石を設置し、土を1/3程度入れる

③ 子株を植える

鉢に子株をセットし、土を足しながら固定していきます。

④ 通常通りの環境で水を与えながら様子を見る

株分けが終わったら水を与え、通常通りの環境で様子を見ましょう。

ただ、株分け直後は親株・子株ともに、大きな負担がかかっている状態です。

日当たりや風通しなど、栽培環境にいつも以上に気を配ってください。

挿し木のやり方

① 親株の側に出てきた芽を分離する

ユッカ ゴールデンソードを育てていくと、周囲に新しい芽が出る場合があります。

そちらを挿し木に利用してください。

親株を鉢から取り出し、清潔なハサミなどで芽を切り離しましょう。

② 芽をビニールポットなどに植える

分離した芽の大きさに合わせ、ビニールポットや鉢を用意してください。

そこに挿し木用の土をセットし、芽を植えましょう。

発根促進剤を使う場合は、このタイミングで使用してください。

③ 日陰に置き水を与えながら管理する

日陰に置き、水を定期的に与えて様子を見てください。

湿っている状態をキープし、発根を促進しましょう。

根がしっかり張ったら、通常通りの環境で管理してください。

植え替え時期はいつがいい？

ユッカ ゴールデンソードの植え替えは4～5月頃に行いましょう。

気候が穏やかで、その後の成長も見込める最適な時期です。

地植えで育てている場合は、植え替えをする必要はありません。

鉢替えのやり方

ユッカ ゴールデンソードは2年に1度くらいの周期で鉢替えが必要です。

放置すると根詰まりや土の劣化を引き起こし、成長が鈍くなる可能性があります。

鉢底から根がはみ出ている、植物と鉢の大きさが明らかに合っていない、そういった場合はすぐに鉢替えの準備をしましょう。

① ユッカ ゴールデンソードを鉢から取り出す

ユッカ ゴールデンソードを鉢から取り出し、土を落としながら根を優しくほぐしましょう。

萎れた根や傷んだ根を見つけた場合は、ここで取り除いてください。

根を切る際は清潔なハサミなどを使用しましょう。

② あたたかな日陰に置き根を乾かす

あたたかな日陰に置き、根を乾かしてください。

3日程度で乾燥することがほとんどですが、その時々の気候により乾くタイミングは変わります。

状況を見ながら臨機応変に対応しましょう。

③ 新しい鉢に鉢底ネットと鉢底石を設置し、土を1/3程度入れる

土は一般的な観葉植物用の土、もしくはサボテン・多肉植物用の培養土を使用しましょう。

軽石やパーライトなどの土壌改良材を使う場合は、ここで混ぜてください。

④ ユッカ ゴールデンソードを植え、土を足しながら固定する

⑤ 1週間ほど日陰に置き、その後は通常通りの環境で管理する

植え替えた直後は日陰に置き、1週間ほど水を与えずに様子を見ましょう。

その後、通常通りの環境に戻し、水やりをしてください。

ユッカ ゴールデンソードは非常に丈夫な植物ですが、植え替え直後はストレスがかかっているため、いつも以上に栽培環境に気を配ってください。