ディアネラの育て方
公開日 2025年11月17日
更新日 2025年11月17日
育てやすさ
初心者の方でも育てやすいのでおすすめです。
監修者情報
覚張大季
植物と人との関わりに魅了され、日本各地の植物農園を見て回る。HanaPrimeの植物部門の立ち上げ後はオフィスや商業施設、個人宅など、幅広いシーンのグリーンコーディネートを数多く担当。植物の生態や特性を深く掘り下げ、それぞれの空間やライフスタイルに適したグリーン空間デザインを提案することが得意。観葉植物の世界に情熱を注ぎ、植物の価値を最大化することを使命としている。
INDEX
目次
ディアネラの基本情報
| 植物名 | ディアネラ |
| 学名 | Dianella |
| 和名 | キキョウラン |
| 英名 | flax lily |
| 別名 | フラックスリリー |
| 原産地 | オーストラリア、日本(四国~九州以南) |
| 科名 | ユリ科 |
| 属名 | ディアネラ属 |
| 開花時期 | 4~7月 |
ディアネラは、シュッと細く伸びる葉が印象的な常緑多年草のひとつです。
葉の色は品種によって異なり、青みを帯びた緑色のほか、白やクリーム色の縦縞模様が入った斑入りや紫がかったものもあります。
控えめな個性でほかの草花との相性も良く、ガーデニングや寄せ植え、アレンジメントのアクセントなど幅広く使いやすい植物です。
月別栽培カレンダー
種まき
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植え付け・植え替え
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肥料
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開花
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種類と品種
| 品種 | 葉の色 | 斑入りタイプ | レア度 |
|---|---|---|---|
| ディアネラ タスマニカ | 濃い緑色 | あり | 低い |
| ディアネラ レボルタ | 青緑色 | なし | 普通 |
| ディアネラ カエルレア | 濃い緑色 | あり | 普通 |
| ディアネラ エンシフォリア | 緑色 | あり | やや高い |
日本での流通量が多いのは、オーストラリアのタスマニア島などが原産のディアネラ タスマニカです。
ディアネラは品種によって緑色の葉にも多様なバリエーションがみられ、斑入りタイプもあるため、葉色を楽しむカラーリーフとして高い人気があります。
ディアネラ タスマニカ

葉は太くしなやかでボリュームがあり、斑入りの園芸品種「バリエガタ」は明るい雰囲気でとくに人気です。
ディアネラ レボルタ

ディアネラのなかでも葉がより直線的で、青みがかった色合いが特徴的な品種です。
ディアネラ カエルレア

細めの葉先が垂れる様子と小ぶりなサイズ感から、繊細かつ柔らかな印象があります。
ディアネラ エンシフォリア

葉はクセのない鮮やかな緑色のため、ナチュラルで落ち着いた雰囲気を楽しめます。
ディアネラはどんな花が咲く?

春から夏にかけ、細長い花茎の先端に星の形に似た小さい花をまばらに咲かせます。
花びらは淡い青や紫、青紫色が中心で、中央の黄色い雄しべが特徴的です。
和名の「キキョウラン」は、青紫の花色がキキョウに似ていることからつけられました。
開花後は光沢のある紫色の実をつけ、目を引く存在感があります。
ディアネラの葉っぱの特徴
| 葉の形 | 線形 |
| 葉の質感 | 光沢のあるなめらかな質感 |
| 葉の色 | 緑色、青緑色、白やクリーム色の斑入り |
ディアネラの葉は細長くシュッとした剣のような形で、品種によって上に伸びるものや少し垂れ下がるタイプがあります。
やや光沢があり、丈夫な点も特徴です。
ナチュラルな緑色からシックな青緑色、明るい印象の白やクリーム色の斑入りタイプなど、個性的な葉色の美しさを楽しめる植物といえるでしょう。
葉は根元から密に生えるため、全体的にボリューム感があります。
ディアネラの花言葉
ディアネラの花言葉はありません。
ディアネラの育て方
ディアネラは、耐暑性・耐寒性があり乾燥にも強く、半日陰でも育つ丈夫な植物です。
剪定の手間もほとんどなく、年中美しい葉を維持するため、水はけにさえ気をつければ育てやすいでしょう。
水やりの頻度
| 地植え | 植え付け直後はたっぷり、根付いた後は晴天が続いたら与える程度で |
| 鉢植え | 土の表面が乾いたら、たっぷり与える |
ディアネラは、降水量の少ないオーストラリアに多く自生することから、乾燥に強い特徴があります。
ジメジメした土だと根が傷むため、水のやりすぎには注意が必要です。
なるべく通気性にすぐれた環境で育てるようにしましょう。
肥料のあげ方
ディアネラはあまり肥料がなくても育つ植物です。
もし大きくしたい場合は、地植え・鉢植えともに緩効性肥料が適していますが、与える頻度は次のとおり異なります。
- 地植え:植え付け時と春頃に1回ずつ
- 鉢植え:春と秋に1回ずつ
緩効性肥料だけでも十分育ちますが、生育が鈍い場合は補助的に液体肥料を与えるのがおすすめです。
ただし、肥料が多いと伸びすぎて見映えが悪くなるため注意しましょう。
病害虫・害虫対策
ディアネラは病害虫に強いことで知られています。
風通しの良い場所で管理すると、さらに病害虫のリスクを減らし、根腐れも防げるでしょう。
植え方|地植えのやり方
- 植え場所を決めて土を整える
- ポットや鉢から株を取り出す
- 根を軽くほぐす
- 植え付ける
- たっぷりと水を与える
植え付けのタイミングは、根が定着しやすい春か秋が適しています。
丈夫なためあまり場所は問いませんが、なるべく日当たりと水はけの良い環境を選びましょう。
① 植え場所を決めて土を整える
日当たりと水はけの良い場所を選び、スコップなどでよく耕します。
庭土に堆肥や腐葉土を混ぜておくと、根張りが良くなります。
② ポットや鉢から株を取り出す
根を傷めないよう注意しながら、株元を持ち、ゆっくりと引き抜きます。
根鉢が硬ければ、鉢のフチを軽くたたいたり、側面にスコップを入れたりすると取り出しやすくなるでしょう。
③ 根を軽くほぐす
根が絡み合っている場合は、やさしくほぐしましょう。
ただし、無理に崩すと根を傷つけるため、状態が良ければそのままでも問題ありません。
④ 植え付ける
掘った穴に株を入れて土をかぶせたら、周囲をしっかり押さえて安定させましょう。
株元は地面と同じ高さになるようにし、水はけを考慮して深く植えすぎないことがポイントです。
⑤ たっぷりと水を与える
植え付け後は根と土がなじむよう、たっぷりと水を与えましょう。
その後は、土の表面が乾いてから水やりを行います。
ディアネラの栽培環境

ディアネラは、オーストラリア原産の植物「オージープランツ」のひとつで、日当たりの良い場所と水はけの良い土壌が向いています。
半日陰でも育ちますが、やや花つきが控えめになるため、花も楽しみたい場合は日なたで育てるのがおすすめです。
置き場所と日当たり

地植えも鉢植えも、日当たりの良い場所が適しています。
半日陰でも生育しますが、花つきが鈍くなるというデメリットがある点に気をつけましょう。
また、直射日光が当たりすぎると葉焼けを招くおそれがあるため、とくに夏場は注意が必要です。
適切な温度|どれくらいの寒さまで耐えられる?
ディアネラは寒さに比較的強い植物ですが、マイナス5℃以下になるとダメージを受けやすいといわれています。
地植えの場合、しっかり根付いていれば多少の霜や雪に当たっても傷みにくいものの、寒風には弱いため、防風対策があると安心です。
防風ネットの使用がおすすめで、さらに内側に不織布をかけると、防寒・霜よけの効果も高まります。
関東以北の地域では、どちらかというと鉢植えでの栽培のほうが安心でしょう。
ディアネラの土の配合比率(用土)

ディアネラは過湿が苦手なため、排水性の高い土に植えることが大切です。
用土は、地植えと鉢植え、それぞれ次のようなものが適しています。
地植えに適した用土
- 庭土:6
- 堆肥:2
- 腐葉土:2
地植えは、庭土を掘り起こして塊をほぐし、堆肥や腐葉土をよく混ぜて通気性・保水性のバランスを整えることが大切です。
鉢植えに適した用土
- 赤玉土(小粒):6
- 腐葉土:3
- 川砂:1
鉢植えの場合、素焼き製は通気性が良くプラスチック製は保水性が高いため、鉢の材質も考慮して配合すると良いでしょう。
通気性を保つ赤玉土は、湿気が多い地域では割合を増やしたり大粒を使ったりするなど、必要に応じて調整すると効果的です。
ディアネラを種から育てると大変?
ディアネラを種から育てる場合、種まきは4〜10月頃に行い、覆土は5mm程度が良いとされています。
ただし、条件が揃わなければうまく芽吹かず、発芽したとしても1〜2カ月以上かかることが多いため、あまり現実的とはいえません。
確実に育てたい場合や初心者は、苗や株分けでの育成がおすすめです。
ディアネラの開花時期

ディアネラは春から夏頃にかけて、星形の小花を咲かせます。
長い花茎が風に揺れる様子は、可憐な雰囲気です。
開花時期は4~7月
品種により時期は多少異なるものの、一般的に4月から7月頃に開花し、代表品種のディアネラ タスマニカは5〜7月頃に咲きます。
小花が次々と咲くため、株全体ではわりと長い間楽しめるでしょう。
青や紫系のカラーが中心の花びらに黄色の雄しべがアクセントになり、涼やかな印象もあります。
ディアネラの花が咲かない原因は?
もし花が咲かない場合は、日照不足が原因となっている可能性が高いといえます。
ディアネラは半日陰でも育つ丈夫な植物ですが、よく日が当たる場所に比べて花つきが悪くなるおそれがあるためです。
花も楽しみたいなら、真夏の直射日光には気をつけつつ、日当たりの良い環境で育てることをおすすめします。
ディアネラの増やし方

ディアネラは、株分けによって効率よく増やせます。
鉢植えで元気な状態を維持するには、適切なタイミングで植え替えをすることも大切です。
剪定・株分けの時期はいつがいい?
枯れたり傷んだりして見映えの悪い葉が出てきたら、根元から取り除いて剪定しましょう。
株分けは、ディアネラの成長期である3〜5月頃に行うのが理想的です。
株分けのやり方
- 株を取り出す
- 根をほぐして分ける
- 傷んだ部分を取り除く
- 葉を切り詰める
- 新しい場所や鉢に植える
株分けは3〜4月、遅くとも5月頃までに済ませておくと良いでしょう。
植え付け後は、直射日光に気をつけ、株が落ち着くまで肥料は控えます。
① 株を取り出す
スコップで周囲の土を軽くほぐした後、株をゆっくりと取り出します。
② 根をほぐして分ける
根をやさしくほぐし、小さな株に分けます。
根が密集して分けにくい場合は、スコップなどを使って株を割りましょう。
③ 傷んだ部分を取り除く
枯れた葉や傷んだ根があれば取り除き、元気な部分だけ残します。
④ 葉を切り詰める
残した葉の長さは半分以下に切り詰めておくと、株の負担を軽減できます。
⑤ 新しい場所や鉢に植える
水はけの良い土に植え付け、植えた直後はたっぷりと水やりしましょう。
その後は、土の表面が乾いてから水を与えます。
植え替え時期はいつがいい?
ディアネラの植え替えは、気温が安定しやすい春(4~5月)や秋(9〜10月)に行いましょう。
株に大きな負担がかかる真夏や真冬は避けるのが鉄則です。
鉢替えのやり方
- 株を引き抜く
- 根を解きほぐす
- 新しい鉢に植え替える
- たっぷりと水を与える
ディアネラは根がしっかり張るタイプなので、根詰まりを避けるため、2年に1度を目安に鉢替えしましょう。
① 株を引き抜く
根を傷めないよう気をつけながら株の外側からスコップを差し入れ、丁寧に掘り出します。
② 根を解きほぐす
根が絡まっている場合は、やさしく解きほぐしましょう。
③ 新しい鉢に植え替える
新しい鉢に入れ、土をかぶせましょう。
水はけを考慮し、植える位置は深すぎないようにすることがポイントです。
また、古い土は無理に落とすと根を傷つけることがあるため、土の状態が悪くなければついたままでも問題ありません。
④ たっぷりと水を与える
植え替えたら、すぐにたっぷりと水やりをすることが大切です。
その後は、土の表面が乾いたのを確認してから水を与えるようにしましょう。
