アガベ イシスメンシスの育て方

アガベ イシスメンシスの育て方

アガベ イシスメンシスの育成には次のポイントを意識しましょう。

水やりの頻度

アガベ イシスメンシスは、一年を通して乾燥ぎみに育てます。

春～秋の水やり

頻度・量	土が乾燥した数日後にたっぷり
時間帯	夕方～早朝

生育期の春～秋には、土が完全に乾いてから数日後に、鉢底から流れ出るくらいたっぷりと水を与えましょう。

特に夏は鉢内の水が高温になりすぎないよう、夕方～早朝の涼しい時間帯に与えるのがおすすめです。

受け皿に溜まった水は、根腐れの原因になるのですべて捨てましょう。

冬の水やり

頻度・量	月に1回程度、少なめに
時間帯	昼

休眠期の冬は断水するか、暖かい室内で育てている場合は1ヶ月に1回ほどの頻度で水を与えます。

土の表面が湿る程度の量を目安にし、昼の比較的あたたかい時間帯に行うのが良いでしょう。

冬から春、秋から冬の季節が変わるタイミングには、いきなり水の量を変えるとダメージを与えてしまうため、徐々に水の量を調整するようにするようにします。

肥料のあげ方

アガベ イシスメンシスの生育が活発な4～6月、9～10月に、緩効性肥料か液肥のどちらかを与えます。

緩効性肥料	2ヶ月に1回置く
液肥	規定量を水で薄めて2週間に1回与える

肥料の与えすぎは植物にダメージを与える可能性があるため、必ず量や頻度を守って使用しましょう。

生育が緩慢になる夏、また休眠期の冬は、肥料を与える必要はありません。

病害虫・害虫対策

アガベ イシスメンシスは病気や害虫に強い植物ですが、次の病害虫には注意が必要です。

アブラムシ

アブラムシは増殖が早いため、早急な対応が必要です。

葉に付いているのを見つけたときはもちろん、葉の表面がベタベタしていたらアブラムシを疑い、全体を確認しましょう。

粘着テープで捕獲したり、殺虫剤を使用したりして残さず駆除します。

カイガラムシ

カイガラムシは体長2～10mmほどの害虫で、成虫は白い貝殻を背負っているような見た目をしています。

葉の表面に白くベタベタした物質が付着していたらカイガラムシを疑い、駆除の準備をしましょう。

幼虫の段階では殺虫剤や牛乳、木酢液をスプレーして駆除し、成虫は歯ブラシなどで物理的に取り除きます。

炭疽病（たんそびょう）

炭疽病（たんそびょう）にかかると葉に斑点が出現し、徐々に広がって植物全体を枯らせます。

高温多湿な環境で発生するため、予防のためには風通しの良い環境にしておくことが大切です。

症状を見つけたら該当の葉ごと取り除いて殺菌剤を散布しましょう。

アガベ イシスメンシスの基本情報

植物名	アガベ イシスメンシス
学名	Agave isthmensis
英名	Agave isthmensis
別名	雷帝
原産地	メキシコ
科名	キジカクシ科（クサスギカズラ科）
属名	リュウゼツラン属
開花時期	数十年に一度

「アガベ イシスメンシス」は幅広く肉厚な葉をもつアガベで、どっしりとした佇まいでありながらも、大きくなりすぎないサイズ感が人気の品種です。

大株になっても高さ20cmほどまでしか成長しないため、部屋の中でも扱いやすく、様々な場所に飾って楽しめるでしょう。

もともとはアガベ ポタトラムの変種と考えられていましたが、1993年に独立した品種と定められ、現在まで広く愛されています。

月別栽培カレンダー

種類と品種

アガベ イシスメンシスには複数の品種があります。

ここでは代表的な3種類を紹介しましょう。

名前	レア度	葉の色	斑	鋸歯の形	鋸歯の色
カブトガニ	★★★☆☆	シルバーグリーン～明るい緑色	なし	連棘	赤色・赤みのある茶～黒色
王妃雷神	★★☆☆☆	シルバーグリーン～明るい緑色	なし	控えめ	赤色・赤みのある茶～黒色
楊貴妃	★★★★★	緑色（明～濃）	あり	控えめ	赤色・赤みのある茶～黒色

カブトガニ

「カブトガニ」は、その名の通りカブトガニの甲羅のような形状の葉が特徴で、「甲蟹」や「兜蟹」と表記されることもあります。

葉が短くずっしりとした厚みがあり、ぎゅっと詰まった姿は重厚感があるものの、コロンとしたフォルムでどこか可愛らしさも感じられるでしょう。

隣り合う鋸歯が融合してできる「連棘（れんきょく）」も特徴の1つで、個々の鋸歯が板状にくっついている様子はまるで兜のような厳めしさです。

連棘が出ていない個体でも、鋸歯にうねりがあり力強い印象を与えてくれます。

別に「カブトガニ錦」と呼ばれる斑入りの種類もあり、覆輪斑（葉の周辺に入る斑）を中心に、中斑（葉の中央に入る斑）、散斑（点々と入る斑）なども楽しめるでしょう。

王妃雷神

「王妃雷神」と呼ばれる種類はイシスメンシスとポタトラムに見られますが、イシスメンシスの王妃雷神はより葉が短く厚みがあり、サイズもコンパクトです。

高さは15cmほど、直径は20cmほどまでしか大きくならないため、部屋の中で管理したい方にもぴったりでしょう。

見た目の特徴は一般的なイシスメンシスの印象をしっかり受け継いでいて、厚い葉にぎゅっと詰まったフォルムは健在ですが、鋸歯はやや控えめな印象です。

「王妃雷神錦」と呼ばれる斑入りの種類も別にあり、覆輪斑や中斑、縞斑、全斑など入り方は様々で、色も白、黄色、黄緑色、クリーム色など多岐に渡ります。

楊貴妃

「楊貴妃」は斑が放射状に入る縞斑が特徴的な種類で、何本ものラインが入るものから、覆輪斑や中斑、全斑に近いものまで入り方は様々です。

斑の色も、白、クリーム色、黄色、黄緑色、淡緑色など多様で、1枚の葉に複数の色が含まれることもあり、楊貴妃の名に恥じない美しい姿を見せてくれます。

一般的に葉が短く厚いイシスメンシスの中では、やや薄くスラっとした形状ともいわれ、鋸歯も控えめなため個体によってはスマートな印象を持つ場合もあるでしょう。

アガベ イシスメンシスの葉っぱの特徴

アガベ イシスメンシスはアガベ ポタトラムと非常に似た葉っぱですが、中株や大株に成長すると、それぞれの特徴が際立ってきます。

2つを対比させながら、代表的な特徴を確認していきましょう。

	イシスメンシス	ポタトラム
葉の形状	幅広で短い	やや幅広で長め
葉の厚み	非常に肉厚	肉厚
葉の色	シルバーグリーン、明るい緑、濃い緑など	シルバーグリーン、明るい緑、濃い緑など
鋸歯	うねりや連棘あり	シャープで均等
根元の切れ込み	深い	浅い

イシスメンシスとポタトラムを見分けるには、次の3つに着目すると良いでしょう。

イシスメンシスが短く非常に幅広い葉っぱをもつのに対し、ポタトラムはやや長めで、幅はイシスメンシスほどではありません。

葉の厚みは圧倒的にイシスメンシスに軍配が上がり、鋸歯の根元の切れ込みの深さと相まって、どっしり、ぷっくりとした印象を感じるでしょう。

アガベ イシスメンシスはどんな花が咲く？

1.5～2mほどの花芽が枝分かれするように伸び、それぞれの先に小さな黄色の花が密集して咲きます。

おしべやめしべが花から飛び出るため、実際の花の大きさよりもボリュームがあるように見えるでしょう。

アガベ イシスメンシスの花言葉

アガベ イシスメンシスの花言葉は、他のアガベと同様に「繊細」「気高い貴婦人」です。

数十年～100年に一度だけ花を咲かせ、その後に親株は枯れてしまいます。

その性質の繊細さ、そして気高さが花言葉の由来となりました。

アガベ イシスメンシスの栽培環境

アガベ イシスメンシスの栽培環境を整えるため、次の3つのポイントを意識しましょう。

置き場所と日当たり

アガベ イシスメンシスは日差しを好むため、1年を通して日当たりの良い場所に置きましょう。

おすすめの置き場所

屋根のある屋外や、室内の明るい窓辺が適しています。

ただし、夏の直射日光は葉焼けの原因になるため、強すぎる日差しはレースカーテンなどを通して柔らかくしましょう。

十分な日当たりを確保できない場合は、LEDの育成ライトの活用もおすすめです。

避けたい置き場所

ジメジメした場所は苦手ですので、サーキュレーターなどを使用して風通しの良い環境を作ってあげましょう。

ただし、エアコンの風が当たると植物が弱ってしまうため、空調機器の近くは避けるようにします。

適切な温度｜どれくらいの寒さまで耐えられる？

季節	夏	冬
適温	15～30℃	0℃以上

アガベ イシスメンシスの生育適温は15～30℃で、高い気温でも元気に育ちます。

一方で耐寒性は低く、0℃を下回ると枯死する可能性があるため、屋外で育てている場合でも冬は室内に移しましょう。

アガベ イシスメンシスの土の配合比率（用土）

アガベの仲間は乾燥した土壌を好むため、水はけの良い用土を使用します。

市販品では、アガベ専用や多肉植物用、サボテン用、塊根植物用などの土を購入するのがおすすめです。

自分で土を配合する場合は、日向土：赤玉土：軽石を4：4：2程度の割合で混ぜるのが良いでしょう。

アガベ イシスメンシスの種まき

アガベ イシスメンシスの種まきについて紹介します。

実生（種からの育成）に挑戦したい方は参考にしてみてください。

アガベ イシスメンシスの種を入手する方法

アガベ イシスメンシスの種は主に次の方法で入手できます。

入手方法	おすすめ度	価格	少量から買える	種の管理・配送方法	手数料
オンラインショップ	◎	○	△	安心	かからない
フリマアプリ	○	○	◎	懸念がある	かからない
個人輸入	△	○	○	懸念がある	かかる

初めて種を購入する方は、大手のオンラインショップを活用するのが良いでしょう。

種の管理や配送方法にしっかり配慮されているため、品質の高いものを購入できます。

少量から購入できるフリマアプリもおすすめですが、プロではない出品者もいるため、レビューをチェックして納得できるショップを探してみてください。

価格重視の方には個人輸入も選択肢の1つであるものの、「植物検疫証明書」という書類の発行に手数料がかかるため、購入数によっては割高になってしまう可能性もあります。

種まきにおすすめの時期は3～6月

アガベ イシスメンシスの種まきは、気温が上昇する3～6月ごろに行いましょう。

具体的には、1日を通じて20～25℃の気温（室温）になる時期が適しています。

お住まいの地域によって季節の変化が前後するため、気温の予報などを確認しながら時期を調整してみてください。

種まきのやり方

① 鉢に用土を入れて水を通す

スリットが入った小さい鉢と、新品の用土を用意します。

用土は古いものでも使用できますが、雑菌が混入している場合があるため、熱湯消毒後にしっかりと冷ましてから使いましょう。

鉢の8分目程度まで用土を入れて全体に水を回しかけ、底から出てくる水が透明になるまでしばらく続けます。

② 土の上に種を乗せてラップで温室状態を作る

土の上に一定間隔で種を置きます。

発芽には光が必要なため、土はかぶせないようにしましょう。

その上からラップをかけて簡易的な温室状態を作り出し、発芽に必要な湿度を確保します。

③ 腰水をする

種の発芽に必要な水分を補給するため、「腰水」という方法で水やりを行います。

受け皿の中に水を入れ、その状態で鉢を置きましょう。

鉢底から土が水を吸い、十分な水分を抱え込んでくれます。

水が切れないように補充しつつ、1～2日に1回は水を全て交換して清潔な状態を保ちましょう。

④ 発芽を待つ

目安として3～7日程度で発芽します。

発芽までの日数には個体差があるため、焦らずに待ちましょう。

途中で種にカビが生えてしまうことがあるため、該当の種は早めに取り除きます。

⑤ ラップを外す

発芽した後はラップを外して管理します。

⑥ 葉が3枚ほど出たら通常の水やりに切り替える

葉が3枚ほど出て株がしっかりしてきたら腰水をやめ、成株と同じ方法で水やりを行います。

最初は多めに水を与え、徐々に減らして乾燥した環境に慣らしていくようにしましょう。

アガベ イシスメンシスの成長速度はどれくらい？

成長が緩やかなアガベの仲間の中でも、アガベ イシスメンシスの成長速度は特に遅く、発芽後3ヶ月で葉が2枚出るかどうかというスピードです。

焦らずじっくりとお世話を続け、成長を見守ってあげましょう。

アガベ イシスメンシスの増やし方

アガベ イシスメンシスの増やし方は、先ほど紹介した種まき（実生）の他に、株分けや挿し木という方法が挙げられます。

1つ目の株分けは、親株の根元にできた子株を切り離して植える方法です。

2つ目の挿し木は、既に十分に成長した株の上部を切り離して別の株として植えると同時に、元株から子株の発芽を促す方法で、株分けを併用した増やし方といえるでしょう。

剪定・株分けの時期はいつがいい？

剪定・株分けは生育期前半の3～5月ごろに行うのがおすすめです。

作業後も生育期が続くため、その期間で十分に根が成長でき、株のダメージを最小限に抑えることができます。

株分けのやり方

① 水やりを数日控える

株分けの前は2～3日は水やりを控え、土を乾燥させましょう。

鉢から引き抜くときの抵抗が減り、根を傷つけるリスクが軽減されます。

② 子株を丁寧に外す

株を支えながら、ゆっくりと鉢から引き抜きます。

抵抗を感じる場合は、鉢の周囲を叩いて隙間を作ったり、鉢をひっくり返したりすると抜けやすくなるので試してみてください。

株が抜けたら、根の部分を優しくほぐしながら子株を取り外していきます。

親株にくっついている場合は、子株を優しくつまんで左右に振るようにして外しましょう。

枯れた葉や傷んでいる根は清潔なハサミを使って取り除き、余分な土は優しくほぐすようにして落とします。

③ 子株を新しい鉢に植える

新しい用土と、子株の大きさに合う鉢（スリットが多いもの）を用意します。

3割程度まで用土を入れて子株を植える位置を確認しましょう。

場所が定まったら、株を支えながら用土を隙間なく敷き詰め、子株の根元までしっかり埋まるようにします。

株の根元から土全体にたっぷりと水をかけ、鉢底から出る水が透明になるまで続けましょう。

親株も別の鉢に植えていきます。

詳しい手順は、後ほど紹介する「鉢替えのやり方」の④以降の内容を参考にしてみてください。

④ 子株に腰水で水やりをする

植えた子株は腰水で管理します。

水を切らさないように補充しながら、1～2日に1回は水をすべて交換して清潔な状態を保ちましょう。

⑤ 半年ほどで通常の水やり方法にする

半年ほど経って葉が数枚出てきたら、成株と同じ水やり方法に切り替えます。

急に切り替えると環境に慣れずにダメージを受けるため、最初は多めに水を与え、徐々に減らしていきながら環境に慣れさせましょう。

挿し木のやり方

① 下葉を一周残して胴切りする

胴切りをして、そのまま育てる上部（天）と子株を発芽させる下部（地）に分けます。

胴切りをする株は、サイズや葉数が十分にある中株以上の個体を選びましょう。

下葉を一周残し、その上の芯の部分をカットしていきます。

消毒したナイフやカッターを差し込む、あるいはワイヤー（太さ0.45mmがおすすめ）を該当箇所に巻き付けて、左右に引っ張るようにして切りましょう。

できるだけ葉を巻き込まないようにしますが、数枚取れてしまっても問題ありません。

② 断面を消毒して完全に乾かす

切り離した上部、鉢に残った下部は、どちらも切り口を消毒してから完全に乾燥させましょう。

消毒には市販の粉末状の消毒薬を使用し、切り口に塗布します。

乾燥には数日～数週間かかるため、この間は切り口が水で濡れないように注意しながら、日陰で管理しましょう。

ここからは、上部と下部に分けて作業内容を確認していきます。

③ 【上部】発根管理をする

上部は切り口が乾くまで水やりは中断し、完全に乾燥した後で新しい根を出すための発根管理を行っていきます。

新しい水苔を用意し、やわらかくほぐしましょう。

底に穴のない容器に入れてたっぷりと水を含ませ、その上に胴切りした上部を置きます。

風通しの良い日陰に置き、水苔が乾燥しないように水を足しながら、数週間～2ヶ月ほどの時間をかけて発根させましょう。

発根状況が気になる場合は、そっと株を持ち上げて根の様子を確認しても問題ありません。

④ 【上部】鉢に植える

しっかりとした白い根が数cmほど伸びてきたら、土に植えていきます。

新しい鉢（鉢底穴やスリットがあるもの）を用意し、鉢底ネットと鉢底石を敷きましょう。

新品の用土を7割程度入れ、株を支えながら植える位置を確認します。

位置が決まったら周囲に土を入れ、根がしっかりと土に埋まるようにしましょう。

植え終わったら根元から水をたっぷりかけ、鉢底から流れ出る水が透明になるまで続けたら完了です。

⑤ 【上部】1週間ほどは腰水で管理する

植えたばかりのころは根が十分に成長していないため、最初は腰水を行って水を吸いやすい環境を作ります。

1週間ほど経過したら腰水をやめて上からの水やりに変更しますが、まずは土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えるサイクルにし、徐々に水やりの頻度を減らしていきましょう。

ゆっくりと環境に慣れさせながら、最終的には一般的な株と同様の水やりの頻度にします。

また、腰水を中断したタイミングで徐々に日の当たる場所に移動させ、明るい環境にも慣れさせていきましょう。

⑥ 【下部】腰水で水をやる

古い鉢に残った株は、胴切り後も通常の頻度で水やりを続けます。

切り口に水がかかるのを防ぐため、土の表面からの水やりではなく、腰水で与えるようにしましょう。

⑦ 【下部】子株が付いたら上から水をやる

早ければ2週間程度で子株が出てくるので、それを確認したら通常の水やり方法に切り替えます。

子株が十分に成長した段階で切り離し、新たな鉢に植えて増やしていきましょう。

植え替え時期はいつがいい？

植え替えは生育期前半の3～5月ごろに行うのが最適です。

生育期の後半で根がしっかり定着し、安定した状態で休眠期（冬）を迎えることができます。

根詰まりを防ぐため、2年に1回程度は植え替えを行うようにしましょう。

鉢替えのやり方

① 水やりを数日控える

植え替え前の2～3日は水やりを控え、土を乾燥させて株を引き抜きやすい状態にしておきます。

② 鉢から株を引き抜く

鉢を叩いたりもんだりして土との間に隙間を作り、株を支えながら優しく引き抜きます。

鉢をひっくり返すようにすると抜きやすいので、抵抗があるときは試してみてください。

③ 古い土や傷んだ根を取り除く

根を傷つけないように注意しながら、指で軽くもんで古い土を落としていきます。

根が土を抱え込んでいる場合は、根かき棒や割りばしなどの細い棒で優しくつついてほぐすと良いでしょう。

茶色くなって枯れている根は、清潔なハサミで取り除きます。

④ 新しい鉢に植える

新しい用土と鉢を用意します。

大きく成長させたい場合は今までよりもひとまわり大きい鉢、株のサイズを維持したい場合は今までと同じ大きさの鉢（いずれも鉢底穴かスリットがあるもの）を用意します。

鉢底ネットと鉢底石を敷いて、用土を3割ほど入れましょう。

株を支えながら植える位置を確認し、周囲に用土を敷き詰めていきます。

鉢の周囲を軽く叩いて隙間を埋めるか、細い棒で土の中心に向かって刺しながら土を入れ込むとしっかり入るのでおすすめです。

根元が隠れるまで土を入れますが、葉にはかからないように注意しましょう。

⑤ 2～3日後に水やりをする

作業中に付いた細かな傷から菌が入らないようにするため、植え替え後は2～3日断水します。

最初の水やりでは根元からたっぷりと与え、鉢底穴から出てくる水が透明になるまで続けます。

その後は一般的な株と同じタイミングで水やりを行い、乾燥気味に育てましょう。