ディスキディアの育て方
育てやすさ
育て方の難易度は普通レベルです。
ディスキディアの基本情報
植物名 | ディスキディア |
学名 | Dischidia |
和名 | フクロカズラ |
英名 | Dischidia |
別名 | カンガルーポケット |
原産地 | 東南アジア、オセアニアなど |
科名 | ガガイモ科 |
属名 | ディスキディア属 |
開花時期 | 夏ごろ |
ディスキディアは東南アジアやオセアニアを原産としていて、ほかの樹木に根っこを張りつけながら成長する着生植物です。
「貯水嚢(ちょすいのう)」という水分や養分を貯める器官がカンガルーのお腹の袋に似ていることから、別名「カンガルーポケット」と呼ばれるようになりました。
肉厚でぷっくりとした葉っぱが最大の特徴で、品種によってさまざまな葉形を楽しめます。
高温多湿な環境を好みますが、水を与えすぎると根腐れを起こすので注意しましょう。
月別栽培カレンダー
種まき
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植え付け・植え替え
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肥料
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開花
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種類と品種
ディスキディアには約130種類の仲間たちが存在し、さまざまな特徴があります。
ここでは、人気の高い品種をいくつか紹介するので、ぜひ参考にしてください。
品種 | 特徴 |
ペクテノイデス | 貝のような見た目の貯水嚢をもつ、別名「フクロウカズラ」と呼ばれる |
エメラルド | 白い斑の入った葉っぱをつける |
ルスキフォリア | ハート形の葉っぱをたくさんつける、日光によく当たると葉っぱが赤くなる |
ヌンムラリア | マットな質感のぷっくりとした葉っぱをつける |
フォルモサナ | 丸やハートの形をした葉っぱをつける、別名「ハートジュエリー」と呼ばれる |
ディスキディアはどんな花が咲く?
ディスキディアは6月から8月にかけて、葉っぱの間にある節に白やピンクなどの色をした小さな花を咲かせます。
品種によって、ベルに似たかわいらしい形をしたものや心地よい香りを放つものなど、花の特徴はさまざまです。
開花後は基本的に自然と花が落ちるので、特別な手入れは必要ありません。
ディスキディアの葉っぱの特徴
ディスキディアの葉っぱは肉厚でぷっくりとしているのが特徴で、しずく型やハート形などさまざまな葉形の品種が存在します。
また、垂れ下がるように伸びる茎に、たくさんの葉っぱが連なってつくのも特徴的です。
葉っぱの魅力をさらに引き立てたいなら、天井に吊り下げたり壁にかけたりして飾るのが良いでしょう。
ディスキディアの花言葉
ディスキディアの花言葉は「平和」です。
丸やハートの形をした肉厚でかわいらしい葉っぱの見た目に由来しています。
ディスキディアの育て方
ディスキディアは、日当たりと風通しの良い場所や高温多湿な環境を好む植物です。
しかし、直射日光に当てたり水を与えすぎたりすると弱ってしまうので注意しましょう。
ここでは、ディスキディアの基本的な育て方を紹介します。
水やりの頻度
ディスキディアは多湿に弱い植物なので、水の与えすぎには注意しましょう。
適した水やりの頻度は、以下を確認してください。
時期 | 水やりの頻度の目安 |
春から秋にかけての成長期 | 土が完全に乾いてから |
冬の休眠期 | 土が完全に乾いてから1週間後 |
なお、成長期には鉢底からあふれるくらいたっぷりの水を与え、休眠期には水量を減らして乾燥気味に育てることが大切です。
水やりをしすぎると、根腐れを起こして枯れてしまう恐れがあるので注意しましょう。
肥料のあげ方
ディスキディアに肥料を与える場合は、春から秋にかけての生育期が適しています。
肥料を与えすぎると肥料焼けを起こしてしまうので、以下の頻度で控えめに与えましょう。
肥料の種類 | あげ方 |
固形肥料 | 2ヶ月に一回 |
液体肥料(水に薄める) | 2週間に一回(水やりの代わりに) |
もし、植え替え時に肥料を土に混ぜている場合は、追加で与えないように注意してください。
病害虫・害虫対策
ディスキディアを健康に育てたいなら、病害虫から守ってあげることが大切です。
ディスキディアにつく主な病害虫の特徴と対策を紹介します。
病害虫 | 特徴 | 対策 |
アブラムシ | 葉っぱが縮れる、ベタベタする | 縮れた葉っぱをカットする、アブラムシを取り除く、殺虫剤や木酢液を吹きかける |
カイガラムシ | 黒いカビが発生する、ベタベタする | 殺虫剤を吹きかける、布やブラシで優しくこそぎ落とす |
種まきと植え方
ディスキディアの種まきは、4月から5月くらいまでが適した時期です。
【種まきの手順】
- 鉢に水を含ませた水苔を入れる
- 種をまく(綿がついたままでOK)
- 乾燥してきたら霧吹きで水を与える
種をまいてから約1週間で芽を出すので、発芽してある程度大きくなったら新しい鉢に定植すると良いでしょう。
ディスキディアの栽培環境
ディスキディアは、日当たりと風通しの良い場所や高温多湿な環境を好む植物です。
ここでは、ディスキディアの適した栽培環境について詳しく解説します。
置き場所と日当たり
ディスキディアは日当たりの良い場所を好みますが、直射日光は苦手な植物です。
ですので、春と秋から冬にかけては明るい半日陰に、夏は明るい日陰に置いてください。
ただし、日陰に置いてばかりいると葉っぱが落ちてしまうので、適度に日光に当ててあげることが大切です。
適切な温度|どれくらいの寒さまで耐えられる?
ディスキディアは寒さが苦手で、13℃を下回ると葉っぱが落ちてしまいます。
最低でも15℃以上をキープした環境で育てましょう。
用土
ディスキディアの土は、水はけのよい観葉植物用または多肉植物用の培養土がおすすめです。
また、水苔250gに対して水1Lを含ませたものでも生育できます。
ディスキディアの種まき
ディスキディアの種まきにおすすめな時期は、4月から5月ごろです。
種をまいてから1週間ほどで芽を出し、発芽率も高いので、比較的種からでも育てやすいといわれています。
種まきにおすすめの時期は4月~5月
ディスキディアの種まきは、4月から5月くらいまでが適した時期です。
直射日光や寒さに弱いので、種をまいたら明るい日陰に置いて、15℃以上をキープした環境で育ててください。
ディスキディアを種から育てるのは大変?
ディスキディアは発芽が早く発芽率も高いので、初心者でも種から育てやすい植物といえます。
水を含ませた水苔に種をまき、発芽までは乾燥する前に霧吹きで水を与えるだけでOKです。
種まきから1週間程度で芽を出すので、発芽してある程度大きくなったら新しい鉢に定植しましょう。
ディスキディアの開花時期
ディスキディアの開花時期は、初夏から夏にかけてです。
開花時期であっても、日光不足や水不足などが原因で花が咲かないことがあります。
開花時期は夏
ディスキディアの一般的な開花時期は、6月から8月の生育期です。
15℃を下回らないようにして日当たりを確保すれば、一年を通して花を楽しめるでしょう。
ディスキディアの花が咲かない原因は?
ディスキディアの花が咲かない原因には、以下の2つが考えられます。
- 日光不足
- 水不足
ディスキディアは日当たりの良い場所を好むので、直射日光の当たらない明るい場所で生育してください。
基本的には乾燥気味で育てられる植物ですが、水が不足しすぎると開花しないので、土が乾いたらたっぷりの水をあげるようにしましょう。
ディスキディアの増やし方
ディスキディアを増やすのに最も一般的な方法は「挿し木(挿し芽)」です。
株を増やす場合は、春から夏にかけての成長期に行うと植物への負担が軽減するといわれています。
剪定・株分けの時期はいつがいい?
ディスキディアの剪定や株分けに適した時期は、春から秋にかけての成長期です。
春から秋にかけての成長期に行うことで、植物へのダメージを軽減できます。
風通しをよくするために、伸びすぎたり傷んだりしている箇所をメインに切り取ってください。
植え替え時期はいつがいい?
ディスキディアの植え替えに適した時期は4月から5月で、少なくとも2年に一度のペースで行いましょう。
以下の状態も植え替えが必要なタイミングです。
- 鉢の底から根っこが出てきた
- 葉っぱが落ちやすくなった
- 土が吸水しなくなった
鉢替えのやり方
ディスキディアの鉢替えは、初心者でも比較的簡単に行えます。
ここでは、鉢替えのやり方を紹介するので、ぜひ参考にしてください。
まずは、以下のものを用意しましょう。
- 一回り大きな鉢
- 培養土(水を含んだ水苔でもOK)
- 鉢底石
- 根切りばさみ
続いて、鉢替えの詳しい手順を紹介します。
- 新しい鉢に鉢底石と少量の土を入れる
- 古い鉢から株を抜き取る(株を回しながら優しく)
- 株についた古い土を落として傷んだ根っこを切る
- 新しい鉢のなかに株を入れて周りを埋めるように土を足す
- 鉢底から流れ出るくらいたっぷりの水を与える(次回の水やりは土が完全に乾いてから)
鉢替えから1週間後くらいまでは明るい日陰に置き、強い日差しに当てないよう注意してください。
挿し木・挿し芽のやり方
ディスキディアを増やすには、挿し木(挿し芽)という方法が一般的でおすすめです。
まずは、以下のものを用意してください。
- 挿し木用の鉢
- 培養土(水を含んだ水苔でもOK)
- 鉢底石
- 剪定ばさみ
- 発根促進剤
- 水揚げ用の器(水を入れておく)
挿し木(挿し芽)のやり方を紹介します。
- 健康な茎の節の部分を斜めに切り取る(10cmほどの長さになるように)
- 切り口から5cm程度の箇所の葉っぱを摘み取る
- 切り口が水に浸かるように水揚げ用の器に入れる(半日程度浸けておく)
- 挿し木用の鉢に鉢底石を敷き土を入れる
- 挿し穂の切り口に発根促進剤をつける(なじませる程度でOK)
- 土を湿らせておく
- 細い棒で土に穴を開けてから挿し穂を挿す
- 土を押さえながら挿し穂を固定する
- 鉢底から流れ出るくらいの水を与える
挿し木(挿し芽)が完了したら、明るい日陰に置いて乾燥しないように水をしっかりと与えましょう。
2週間程度で根っこが出てくるので、発根後は新しい鉢と土に定植してください。