テイカカズラ 黄金錦の育て方

テイカカズラ 黄金錦の育て方

テイカカズラ 黄金錦は、暑さ・寒さに耐性があり、乾燥にもある程度強い丈夫な植物です。

土質を選ばず、肥料が控えめでもよく育ちます。

病害虫の被害も少なく、水はけと風通しを確保すれば、日常的な管理はそれほど必要ありません。

水やりの頻度

テイカカズラ 黄金錦は、過湿状態になると根が傷むおそれがあるため、水はけと風通しの良い場所を選んで育てましょう。

地植えの場合

植え付け直後にはたっぷりと水を与え、根が落ち着くのを待ちます。

根付いたあとは、降雨が少ないときや乾燥が続く日に水を与える程度で問題ありません。

ただし夏の暑い時期は、朝か夕方のどちらかに水をしっかり与えると安心です。

鉢植えの場合

土の表面が乾いたことを確認したうえで、数日以内にたっぷりと水を与えます。

根腐れを防ぐには、水をやりすぎないのが大切です。

乾燥と湿気のバランスがとれるよう、植物の様子をみながら調整しましょう。

肥料のあげ方

テイカカズラ 黄金錦は、多くの肥料を必要としない植物です。

地植えの場合は施肥の必要がほとんどなく、鉢植えも少量の緩効性肥料を与える程度で十分に育ちます。

もし生育がゆっくりに感じられるときは、薄めた液体肥料を補助的に与えると良いでしょう。

ただし、肥料をやりすぎるとツルばかりが伸びて株全体の形が乱れることがあるため、量には注意が必要です。

病害虫・害虫対策

テイカカズラ 黄金錦は病害虫に比較的強く、トラブルが少ない植物です。

通気性の良い環境に植えると蒸れ・根腐れを回避でき、病害虫のリスクをさらに抑えられます。

風通しが悪いとカイガラムシやアブラムシが発生することがあるため、ツルが混み合ってきたら根元から間引いて通気性を確保しましょう。

カイガラムシ

カイガラムシは、貝殻のような見た目やロウ質の被膜をまとっている害虫で、多くの植物に寄生します。

枝が混み合うなど、通気性が悪い環境で発生しやすいのが特徴です。

もし発見した場合は、歯ブラシなどを使ってこすり落としましょう。

アブラムシ

アブラムシも、多くの植物に寄生することで知られる害虫です。

新芽やつぼみなど柔らかい部分に集中して発生しやすく、アブラムシの排泄物によって葉の表面がベタつくことがあります。

市販の殺虫剤を早めに使うのが効果的ですが、薬剤を使いたくない場合は手で取り除くか、葉の裏も含め水で洗い流すなどして対処しましょう。

植え付け

テイカカズラ 黄金錦の植え付けに適した時期は、気温が落ち着き根が安定しやすい4〜7月上旬や9月頃です。

健やかに育てるには、日の当たる場所と水はけの良い土壌を選びましょう。

植え付け後は根が順調に張るよう、水分をしっかり与えて乾燥を防ぐことが大切です。

① 植える場所と土を用意する

日当たりと風通しの良いスペースを選び、土をよく耕しましょう。

庭土には腐葉土や堆肥を混ぜ込むと排水性と保水性のバランスがとれ、根張りが良くなります。

② 鉢やポットから株を外す

株元をやさしく持ち、鉢から丁寧に取り出します。

うまく抜けないときは、鉢を少しゆすったり、周囲の土を軽くほぐしたりすると取り出しがスムーズです。

③ 根の状態を確認しほぐす

根が密に絡んでいるようなら、外側を軽くほぐして広がりやすくしておきます。

ただし、とくに詰まっていなければそのままで問題ありません。

④ 株を植え付ける

あらかじめ掘った穴に株を置き、根元の位置が地表とそろうように調整します。

その後、周囲に土を戻し、株がぐらつかないようやさしく押さえて固定しましょう。

深く植えすぎると水はけが悪くなり根腐れの原因になるため、浅めを意識するのがポイントです。

⑤ 植え付け後に水やりをする

植えたあとは、根が用土になじむようたっぷりと水を与えましょう。

その後の水やりは、表土が乾いたタイミングで行うようにすると根腐れを防げます。

誘引のやり方

テイカカズラ 黄金錦は、支柱やフェンスに絡ませながら育てることで、ツル性植物特有の姿と斑入りの葉の美しさがいっそう引き立ちます。

基本種に比べるとツルの伸びはやや緩やかですが、早めに方向づけしておくと形よく仕立てられるでしょう。

① 誘引用の資材を設置する

ツルを這わせたい場所に、フェンスや支柱といった資材を設置します。

格子状のラティスフェンスなど、風通しが良くしっかりした素材を選びましょう。

構造が安定していると、後々の管理もスムーズになります。

② ツルの状態をチェックする

ツルをどこに伸ばすか検討するために、伸び方や生育の方向を確認します。

とくに誘導しやすいのは、柔らかい新しいツルです。

③ ツルを慎重に誘導する

手でやさしくツルを持ち、自然な流れに沿ってフェンスや支柱に絡ませていきます。

力を入れすぎず、ツルの動きに合わせて整えることが大切です。

④ 必要に応じて固定する

ずれやすいツルは、園芸用のソフトワイヤーや麻紐などで軽く結んで固定します。

ツルが傷まないよう、緩めに結ぶのがポイントです。

⑤ 定期的に様子をみて調整する

ツルが増えると絡まりやすくなるため、混み合ってきた部分は軽く剪定して整えましょう。

風通しが良い状態を保てると、蒸れや病害虫のリスクも軽減されます。

葉っぱの色が薄い原因は？

テイカカズラ 黄金錦の葉色が薄くなる場合、以下のような原因が考えられます。

日当たりが弱いと斑の発色が鈍くなり、全体的に色が冴えなくなることがあります。

栄養が不足すると色が淡くなることがあるので、鉢植えの場合は春と秋に施肥を行い、地植えでも必要に応じて薄めの液体肥料を補助的に与えると安心です。

水のやりすぎによる過湿状態が続くと、根の働きが鈍って葉に栄養が届きにくくなり、色が薄くなることがあるため気をつけましょう。

このほか、急な寒さや冷たい風に当たると、葉が黄ばんだり、退色したりすることがあります。

上記の点に気をつけて環境を整えても回復しない場合は、根詰まりや病気なども疑い、植え替えや剪定を検討しましょう。

テイカカズラ 黄金錦の基本情報

植物名	テイカカズラ 黄金錦
学名	Trachelospermum asiaticum ‘Ougonnishiki’
和名	テイカカズラ 黄金錦（定家葛 黄金錦）
英名	Asiatic jasmine、Japanese star jasmine など
別名	マサキノカズラ
原産地	日本、朝鮮半島
科名	キョウチクトウ科
属名	テイカカズラ属
開花時期	5～6月

テイカカズラ 黄金錦は、緑を基調とした葉に黄〜クリーム色の斑が入る常緑のツル性植物です。

一年をとおして斑入りの葉が織りなす色彩のコントラストを楽しめ、庭に明るさと奥行きをもたらしてくれます。

落ち着いた色合いの斑模様は派手すぎず上品な印象で、和の趣ある庭にも洋風の景観にも自然に調和するでしょう。

控えめながらも存在感のある葉色は、他の植栽との相性も良く、混植や寄せ植えの引き立て役としても重宝します。

月別栽培カレンダー

種類と品種

品種	葉の色	斑の有無	新芽の色	紅葉	成長速度	レア度
テイカカズラ	濃い緑色	なし	緑色	なし	速い	普通
テイカカズラ 黄金錦	緑色の地に黄色やクリーム色の斑が入る	あり	オレンジ色	あり	やや遅い	やや高い

テイカカズラ 黄金錦は、基本種であるテイカカズラの園芸品種のひとつで下位品種はありません。

テイカカズラは、穏やかな印象で庭全体に溶け込みやすいのが特徴なのに対して、テイカカズラ 黄金錦は斑入りの葉がほどよく華やかな雰囲気を演出します。

どちらを選ぶかは、趣向や目的に合わせて検討するのがおすすめです。

テイカカズラ

テイカカズラは野生種のため、個体によって葉の大きさやツルの伸び方に自然なばらつきがあります。

人工的に改良された品種では味わえない、野趣あふれる表情を楽しめるのが特徴です。

テイカカズラ 黄金錦

テイカカズラ 黄金錦は園芸品種として選抜されたため、葉に入る斑の模様が安定して美しくあらわれるのが特徴です。

基本種にみられるようなばらつきが少なく、整った姿を保ちやすいため、観賞用としても高く評価されています。

テイカカズラ 黄金錦はどんな花が咲く？

テイカカズラ 黄金錦は、春から初夏にかけて、ツルの先端に小さな白い花を咲かせます。

星を思わせる形の花にはほのかな甘い香りが漂い、上品な印象です。

開花が進むと、花びらがわずかにクリーム色を帯びるようになり、素朴ながらも奥行きのある表情をみせてくれるのも見どころのひとつといえるでしょう。

花が終わると細長い果実がつき、やがて熟すと縦に裂けて、綿毛のついた種子が風に乗って舞います。

花も実も繊細な趣があり、四季を通じて変化を楽しめる植物です。

テイカカズラ 黄金錦の葉っぱの特徴

葉の形	長楕円形
葉の質感	適度な厚みを持つ、ツヤのある質感
葉の色	緑色の地に黄色やクリーム色の斑が入る

テイカカズラ 黄金錦の葉には適度な厚みと光沢があり、独特の斑入り模様が特徴です。

一年を通じて鮮やかな色合いを保ち、ほどよい明るさと華やかさで庭のアクセントとして映えるでしょう。

ツルは周囲に絡みつきながら広がり、地面を覆うように茂るため、グランドカバーにも適しています。

葉色の美しさにくわえ、葉が密に茂ってまとまりが良いため、壁面緑化や寄せ植えでも個性を発揮しやすい品種です。

テイカカズラ 黄金錦の花言葉

基本種のテイカカズラと同様、テイカカズラ 黄金錦には「優雅」「優美な女性」「爽やかな笑顔」「依存」などの花言葉があります。

「優雅」「優美な女性」は純白の花とほのかに香る上品な香りにちなんでおり、星形の花が「爽やかな笑顔」を連想させることからつけられました。

「依存」は、ツルが絡みながら伸びる性質が由来となっています。

テイカカズラ 黄金錦の栽培環境

テイカカズラ 黄金錦は、暑さや寒さに比較的強く、関東以西の温暖な地域なら屋外での冬越しも可能です。

明るい日差しを好みますが、ある程度の明るさがあれば半日陰でも育ちます。

ただし、葉の斑模様をしっかり出したい場合や花つきを良くしたいときは、なるべく日当たりの良い場所で育てましょう。

置き場所と日当たり

テイカカズラ 黄金錦は、地植えも鉢植えも日なたでの栽培に適しています。

明るい半日陰でも生育は可能ですが、葉の斑模様が出づらくなり、開花量も減る傾向にあるため、葉色や花を楽しみたいなら日当たりの良い場所を選びましょう。

ただし、直射日光が強いと葉焼けの原因となるため、とくに夏場は日当たりが良くても午後は日陰になるような環境が理想的といえます。

適切な温度｜どれくらいの寒さまで耐えられる？

テイカカズラ 黄金錦は寒さに比較的強いものの、マイナス5℃以下の厳しい寒さだと葉が傷む場合があります。

地植えで根が十分に張っているなら、通常の霜や積雪程度なら問題なく越冬が可能です。

ただし、冷たい風が直接当たる場所では枯れることがあるため注意しましょう。

寒さ対策

フェンスや支柱に絡ませていると全体を覆いにくいため、株元に腐葉土やバークチップを敷くことで根を保護しましょう。

また、不織布を使って根元を覆うのも効果的といえます。

寒冷地では鉢植えで管理し、厳冬期は軒下や室内に移動させると安心です。

用土

テイカカズラ 黄金錦は過湿を嫌うため、水はけの良い土が適しています。

元気に育てるためには、次のような用土の混合がおすすめです。

地植えに適した用土

地植えの場合は庭土を十分に耕し、堆肥や腐葉土を均一に混ぜ込みましょう。

これにより通気性と保水性のバランスが整い、根の成長が促されます。

鉢植えに適した用土

鉢植えでは、水はけと保水の両方が重要です。

気候や鉢の素材に応じて、赤玉土の割合を調整すると良いでしょう。

素焼き鉢には保水性を、プラスチック鉢には排水性をそれぞれ重視した用土が適しています。

テイカカズラ 黄金錦を種から育てると大変？

テイカカズラ 黄金錦を種まきで増やすのは、あまり王道とはいえません。

種から育てるなら春が適していますが、芽が出るまで時間がかかるうえに、条件が整わないとうまく発芽しないこともあります。

株を確実に増やしたい場合は、苗を購入するか、挿し木での繁殖がおすすめです。

テイカカズラ 黄金錦の開花時期

テイカカズラ 黄金錦は初夏を迎える前に、ツルの先端付近に白く可憐な星形の花をぽつぽつと咲かせます。

斑入りの葉と清らかな白い花の組み合わせが爽やかで、ほんのりと漂う甘い香りも魅力のひとつです。

開花時期は5～6月

地域や気温により多少の前後はありますが、一般的には5月から6月にかけて花を楽しめます。

ツルの各所から順に花が開き、全体にふんわりと広がるように咲く姿は、明るく上品な印象です。

一つひとつの花は長持ちしませんが、時期をずらして咲くため、一定期間楽しめます。

テイカカズラ 黄金錦の花が咲かない原因は？

テイカカズラ 黄金錦の花がつかない場合、まず考えられるのは日照不足や剪定時期のズレです。

花は前年に伸びたツルの先に咲くため、春から初夏に多く切ると、その年は開花できません。

また、肥料の与えすぎや極端な乾燥も、花が咲かない原因となります。

葉やツルばかりが茂っていたり、過度に乾燥していたりする場合は、管理方法を見直しましょう。

植物にとって過ごしやすい状態を整えれば、翌年にはまた花を楽しめます。

テイカカズラ 黄金錦の増やし方

テイカカズラ 黄金錦は、挿し木や取り木によって比較的簡単に株を増やすことが可能です。

鉢植えは根詰まりを起こさないよう、適切なタイミングで植え替えましょう。

剪定の時期はいつがいい？

テイカカズラ 黄金錦の剪定に適しているのは、花が終わる6月頃です。

花は前年に伸びたツルの先端に咲くため、冬〜春に剪定してしまうと、次の開花に影響を及ぼします。

剪定は、ツルの絡まりや伸びすぎた部分を軽く整える程度にしましょう。

風通しを良くするために混み合った部分のツルを根元から間引くと、生育がスムーズになり、見た目もすっきり整います。

挿し木のやり方

挿し木は初心者でも挑戦しやすく、気温が高い時期に行うと成功率が上がります。

とくに新芽の多い6〜8月頃は発根しやすく、挿し木に適したタイミングです。

ただし、真夏の直射日光や高温は避けて、作業後は風通しの良い明るい日陰で管理しましょう。

① 若いツルを10cmほど切り取り、下葉を取り除く

葉が2〜3枚ついた新しい部分を、清潔なハサミでカットします。

土に挿す部分の葉を取り除き、すっきりと整えましょう。

② 水に浸け吸水させる

切り口を30分ほど水に浸け、吸水させます。

吸水後は、切り口に発根促進剤を塗布すると効果的です。

③ 挿し木用の土に挿し込む

赤玉土やバーミキュライトなどを混ぜた、清潔で水はけの良い土に挿します。

④ 水をたっぷりと与える

植え付け後にはたっぷり水を与え、直射日光を避けた明るい日陰で管理しましょう。

その後は、極端に乾燥しない程度に水を与えます。

取り木のやり方

テイカカズラ 黄金錦は、ツルや枝を切らずに途中の部分で根を出させる「取り木」でも増やせます。

あらかじめ発根させてから切り分けるため成功率が高く、親株へのダメージが少ないのも特徴です。

挿し木よりも確実に株を増やしたい場合におすすめで、作業は5〜7月の生育期に行うのが適しています。

① 元気なツルを選ぶ

新しく、太さ・長さがしっかりあるツルを選びましょう。

② ツルの外皮をリング状に剥ぐ

清潔なカッターやナイフを用い、1〜2cm幅でツルの途中の外皮のみをリング状に取り除きます。

③ 取り除いた部分を湿ったミズゴケで巻く

切り取った皮の部分に、湿らせたミズゴケを巻きつけます。

④ ビニールで覆って保湿し、発根を待つ

湿度を保つため、ミズゴケの上からビニールやラップで覆い、紐や輪ゴムで固定しましょう。

数週間から数カ月、ミズゴケ内に根が伸びるまで待ちます。

⑤ 発根後に切り取り、新しい土や鉢へ植える

根がしっかり伸びたらツルを切り取り、新しい土や鉢へ植え替えましょう。

⑥ 植え付け後はしっかりと水やりをする

根が新しい用土となじむよう、植え付けた直後はたっぷりと水を注ぎます。

その後は、土の表面が乾いたタイミングで、様子をみながら適度に水分を与えましょう。

過湿を避けつつ、乾燥させすぎない管理が大切です。

植え替え時期はいつがいい？

テイカカズラ 黄金錦の植え替えは、気温が安定しやすい4〜7月上旬や9月頃に行いましょう。

根の負担にならないよう、極端な暑さや寒さを避けたタイミングで行うのがポイントです。

テイカカズラ 黄金錦を鉢植えで育てている場合、根が鉢の底から出てきたり、土が固まって水はけが悪くなってきたりしたときが鉢替えのサインです。

また、葉色が冴えない、成長が鈍ってきたという場合も、鉢の中で根詰まりを起こしている可能性があります。

株の大きさに応じて、1〜2年に1回を目安に鉢替えすると、元気な状態を保ちやすいでしょう。

鉢替えのやり方

① 株を取り出す

鉢のフチを軽くたたいて、根鉢を傷つけないようそっと取り出します。

② 古い土を取り除き、根をほぐす

古い土を軽く落とし、通気性を保つためやさしくほぐします。

③ 新しい鉢に植え直す

成長に合わせたひと回り大きめの鉢に植え替えます。

用土を軽く押さえ、株元を安定させましょう。

④ たっぷりと水やりをする

植え替え後は、一度しっかりと多めの水を与えます。

その後は直射日光を避けた通気性の良い環境で管理し、表土が乾いたら水やりを行いましょう。