マランタ レウコネウラ エリトロネウラの育て方
公開日 2025年10月03日
更新日 2025年10月30日
育てやすさ
初心者の方でも育てやすいのでおすすめです。
監修者情報
覚張大季
植物と人との関わりに魅了され、日本各地の植物農園を見て回る。HanaPrimeの植物部門の立ち上げ後はオフィスや商業施設、個人宅など、幅広いシーンのグリーンコーディネートを数多く担当。植物の生態や特性を深く掘り下げ、それぞれの空間やライフスタイルに適したグリーン空間デザインを提案することが得意。観葉植物の世界に情熱を注ぎ、植物の価値を最大化することを使命としている。
INDEX
目次
マランタ レウコネウラ エリトロネウラの基本情報
| 植物名 | マランタ レウコネウラ エリトロネウラ |
| 学名 | Maranta leuconeura var. erythroneura |
| 英名 | banded arrowroot Red-vein maranta |
| 別名 | レッド マランタ |
| 原産地 | 熱帯アメリカ |
| 科目 | クズウコン科 |
| 属名 | マランタ属 |
| 開花時期 | 7〜9月 |
葉の裏が鮮やかな赤色のマランタ レウコネウラ エリトロネウラはレッド マランタとも呼ばれ、その色合いの鮮やかさからインテリアとして人気が高い観葉植物です。
10度を下回る寒さや、乾燥・直射日光に弱い性質がありますが日陰を好むため室内で育てやすく、多年草なので丁寧に育てると何年も楽しめます。
茎が地面を這うように伸び、成長しても高さは20cmほどのため、葉の裏側も鑑賞できるように吊るして飾るのもおすすめです。
月別栽培カレンダー
植え付け・植え替え
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
肥料
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
開花
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
種類と品種
| 品種 | 葉の色 | 葉脈の色 | 斑の色 | レア度 | 育てやすさ |
|---|---|---|---|---|---|
| マランタ レウコネウラ | 青緑色 | 灰白色 | 紫褐色 | やや高め | 初心者向け |
| マランタ レウコネウラ エリトロネウラ | 青緑色 | 赤色 | 深緑色 | やや高め | 中級者向け |
| マランタ レモンライム | 濃緑色 | 黄色 | 黄緑色 | 高め | 初心者向け |
| マランタ キャットマスターシュ | 濃緑色 | 黄緑色 | 黄緑色 | 高め | 中級者向け |
| マランタ マッサンゲアナ | 濃緑色 | 黄緑色 | 白緑色 | 高め | 初心者向け |
マランタは30種類以上が熱帯アメリカで自生していますが、観賞用としてはマランタ レウコネウラの変種が多く流通しています。
マランタ レウコネウラの変種以外のマランタも何種類か流通していますがいずれも希少です。
マランタ レウコネウラ

市場に出回る多くのマランタの原種で、中央から左右に羽のように広がる紫褐色の斑があります。
湿気を好みますが乾燥にもある程度は耐えられて丈夫なため、初心者向けの観葉植物です。
マランタ レウコネウラ エリトロネウラ
鮮やかな赤色の葉脈と中央から羽のように広がる深緑色の斑のコントラストが美しく、人気があります。
耐陰性があり、日陰でも育てられますが、長時間暗い場所に置いておくと発色が悪くなるので注意が必要です。
マランタ レモンライム

全体的に明るい色合いで左右に細めの黄緑色の斑が入るのが特徴です。
日光に比較的強く、他のマランタよりも葉焼けしにくい性質があります。
マランタ キャットマスターシュ

キャットマスターシュは「猫のヒゲ」という意味で、黄緑色の葉脈と斑の模様から名付けられました。
乾燥に弱く、日照量が多いと葉焼けして少ないと葉の模様が薄くなるため育てるのが少し難しく、中級者向けの観葉植物です。
マランタ マッサンゲアナ
葉は光沢の無いマットな質感で表は濃緑〜白緑色の色合い、裏は赤色で、はっきりした色合いで人気があります。
他のマランタに比べ耐陰性に優れ根腐れしにくい、丈夫な品種です。
マランタ レウコネウラ エリトロネウラの葉っぱの特徴

葉は広楕円形で長さ10cmほどで、葉の裏は赤色、表面はビロード状で青緑色の葉に赤色の葉脈と深緑色の斑が鮮やかです。
新芽は全て青緑色ですが、成長して葉の大きさが10cmほどになるまでにははっきりした模様が出てきます。
一枚一枚の葉の模様が微妙に異なるため、見ていて飽きないのもマランタ レウコネウラ エリトロネウラの人気のポイントの一つです。
マランタの葉っぱの休眠運動とは?
マランタは夜間、葉からの蒸発を防ぐため、葉の裏側が見えるように葉が閉じて、立ち上がるようになる休眠運動を行います。
その姿が祈りを捧げているように見えたことから英名は「prayer plants(祈りの植物)」と名付けられました。
夕方くらいから葉が閉じ始めて夜には完全に閉じ、午前中の間にだんだんと開きます。
マランタ レウコネウラ エリトロネウラはどんな花が咲く?
室内で育てている場合不定期になることもありますが、原産地の熱帯アメリカでは7〜9月に直径5〜8mmの薄紫色の花が咲きます。
花弁は3枚でそれぞれの大きさは不揃い、中央部に濃紫色の線が入って可愛らしい印象ですが、株を元気に保つために早めに切るのが良いでしょう。
切った花は1日ほどしか保ちませんが、花瓶に飾るのがおすすめです。
マランタ レウコネウラ エリトロネウラの花言葉
マランタ レウコネウラ エリトロネウラの花言葉は「温かい祈り」「永遠の富」です。
この花言葉はマランタ属に共通していて「温かい祈り」は休眠運動が祈りを捧げている姿に見えることから、「永遠の富」は年中美しく艶やかな葉の様子からつけられています。
マランタ レウコネウラ エリトロネウラの育て方

マランタ レウコネウラ エリトロネウラは育て方にコツが必要ですが、乾燥や害虫の対策をすると枯らさず長く楽しめます。
植物の様子を確認し、違和感を感じたら注意点を確認して調整してみてください。
水やりの頻度
| 春〜秋 | 土の表面が乾いたタイミング |
| 冬 | 2〜3週間に一度 |
成長期であり乾燥しやすい春〜秋の水やりの頻度は多めに、冬は頻度を少なめにしましょう。
一度にやる水の量は鉢底から水が出てくるくらいが適量で、水はカルキの抜けた一晩汲み置きしたものを用意してください。
葉水のやり方
葉水は霧吹きなどを用いて乾燥や病害虫を防ぐために毎日、水が滴らない程度に葉の裏表に行いましょう。
葉水のタイミングは葉が開いて日が昇りきる前の午前中が最適で、日が昇りきった後ではすぐに葉水が蒸発してしまうのであまりおすすめできません。
肥料のあげ方
成長期の5〜10月に2週間に一度液肥を与えるか、2ヶ月に一度置き肥を与えましょう。
液肥を与える場合は水やりのタイミングで水の代わりにしてください。
病害虫・害虫対策
マランタ レウコネウラ エリトロネウラを育てるさいは以下の病害虫に注意しましょう。
- マランタ円斑病
- カイガラムシ
- ハダニ
マランタ円斑病
- 葉に黄色斑点が発生する
- 褐色〜灰褐色の円形の斑点になる
- 葉を枯らす
湿度が高すぎる際に発生するため、剪定などを行い風通しをよくすることで予防できます。
マランタ円斑病が発生したらなるべく早く症状のある葉を切り取りましょう。
カイガラムシ
- 繁殖力が強く、薬剤耐性がある
- 貝がらのようなもので覆われている
- 葉や幹がベトベトする
- 黒カビの原因となる
カイガラムシは活動が活発になる5〜7月に市販の殺虫剤を散布することで予防できます。
発生した場合は早めに柔らかい布やブラシで擦り取り、市販の殺虫剤を散布してください。
ハダニ
- 繁殖力が強く、薬剤耐性がある
- 蜘蛛の糸のようなものが葉に付く
- 葉の裏につきやすい
- 葉に傷や斑点ができる
- 黒カビの原因となる
ハダニは葉水で乾燥を防いだり、葉についたホコリをこまめに拭くことで予防できます。
発生した場合は傷んだ葉を切り落とし、葉の表裏を水で洗い流してから市販の殺虫剤を散布しましょう。
マランタ レウコネウラ エリトロネウラの栽培環境

マランタ レウコネウラ エリトロネウラは栽培環境が整わないと模様が薄くなったり、葉が黄色く変色したりしてきます。
栽培環境を整えれば長く楽しめ花も咲くので、適した日当たりや温度に調整してあげましょう。
置き場所と日当たり

室内直射日光の当たらない明るい場所、レースカーテンを引いた窓際などがおすすめです。
夏以外は屋外でも育てられますが、夏の強い日差しは葉焼けを起こす原因になるので注意しましょう。
耐陰性は高いですが長時間暗い場所に置いておくとだんだんと葉の模様が薄くなってきます。
いきなり明るい場所に移動すると葉焼けを起こしやすくなるため、模様がぼやけてきたら徐々に明るい場所に移動してください。
適切な温度|どれくらいの寒さまで耐えられる?
マランタ レウコネウラ エリトロネウラは熱帯アメリカが原産地で寒さに弱く、10度を下回る環境では育ちません。
冬の窓際は10度を下回ることもあるので朝晩は窓から離れた場所に置き、日中で窓際の気温が10度以上の場合に限り窓際に置くと良いでしょう。
マランタ レウコネウラ エリトロネウラの土の配合比率(用土)

パームチップ4:赤玉土中粒3:腐葉土2:パーライト1の比率で混ぜたものを使うのがおすすめです。
パームチップは保水性と浸水性、通気性に優れていてそれだけでも使用できますが、養分がないため、肥料を蓄える能力のある赤玉土中粒と腐葉土を入れて用土の環境を整えます。
腐葉土は使いすぎるとコバエが発生するため、一部を人工の土壌改良資材であるパーライトで代用することで排水性も良くなり、より適切な用土となるでしょう。
飾り方・仕立て方
マランタ レウコネウラ エリトロネウラは、茎が垂れ下がり葉の裏側が見えるように高い場所に置いたり、吊り鉢に植えて吊り下げたりするのがおすすめです。
風水の上では楕円の葉を持つため金運に効果があるとされ、お金を呼ぶ西やお金を貯める北に置くと良いと言われます。
また、丸みを帯びた葉はリラックス効果があるので、普段ひと息つくリビングや寝室に置くと良いでしょう。
マランタ レウコネウラ エリトロネウラを種から育てると大変?
マランタ レウコネウラ エリトロネウラは種から育てず、株分けや挿し木で増やします。
株分けや挿し木は初心者でも成功しやすいのでぜひ挑戦してみてください。
マランタ レウコネウラ エリトロネウラの増やし方
マランタ レウコネウラ エリトロネウラは株分けまたは挿し木で増やします。
ポイントを押さえれば簡単に増やせるので、注意点を確認しましょう。
剪定・株分けの時期はいつがいい?
剪定は成長が鈍化する時期に行うと断面が傷むことがあるため、5〜10月にしてください。
株分けは成長が速くなる5〜7月に行うと成功率が高くなります。
株分けのやり方
株分けは乾燥すると失敗しやすく、挿し木よりも難易度が高めのためスピードを重視して以下のとおり作業を行いましょう。
- 鉢から出す
- 株を分ける
- 葉を減らす
- 土に植える
① 鉢から出す
新芽が出ていないと分ける株がないため、株元から新芽が出ているのを確認して鉢から株を取り出します。
この際、マランタ レウコネウラ エリトロネウラの株元をしっかりと持って引っ張りだしてださい。
② 株を分ける
作業の邪魔になるような土をある程度落とし、傷んでいる根は切り落としてください。
根が整ったら根本から茎と茎を離す感覚で株を分け、よく切れるハサミで切り離します。
③ 葉を減らす
乾燥を防ぎ株の負担を減らすため、新しい株の葉を下の方から切り落とし、1割程度減らします。
④ 土に植える
新しい土に植え、鉢から流れ出るくらいたっぷりの水を与えます。
1ヶ月ほど根が落ち着くまでは日陰に置き、湿度が下がらないように管理しましょう。
挿し木のやり方
挿し木は株分けよりも乾燥しにくく、初心者向けの増やし方です。
吸水までの工程は、乾燥を少しでも防いで成功率を上げるために手早く行いましょう。
- 茎を切り落とす
- 葉を切る
- 吸水させる
- 土に植える
① 茎を切り落とす
切れ味の良いハサミで切り口が斜めになるように、茎を先から数えて2〜3節目で切り落とします。
② 葉を切る
葉からの蒸発を防ぐため、一枚を残して残りの葉を切り落とし、一枚残した葉は半分の長さになるように切ります。
③ 吸水させる
発根までの間に萎れにくくするため、ペットボトルなどを用いて1時間ほど吸水させます。
この際に市販の発根促進剤を使うと成功率が上がるのでおすすめです。
④ 土に植える
養分を含まない土に植えて、水を鉢から流れ出るくらい与えます。
1ヶ月ほどすると発根するので、マランタ レウコネウラ エリトロネウラにふさわしい土に植え替えましょう。
植え替え時期はいつがいい?
植え替えはマランタ レウコネウラ エリトロネウラの成長期である5〜7月に行うことで根付きが良く、失敗が少なくなります。
成長による根詰まりや根腐れを防ぐために、年に一度植え替えをするのが良いでしょう。
鉢替えのやり方
鉢替えの手順は以下のとおりです。
- 新しい鉢を用意する
- 鉢から取り出して根を整える
- 鉢に植える
① 新しい鉢を用意する
前回より1〜2回りほど大きな鉢を用意し、鉢底石を鉢底に敷き詰めて土を鉢底石が隠れるくらい入れます。
② 鉢から取り出して根を整える
鉢からマランタ レウコネウラ エリトロネウラを取り出して根を手で優しくほぐし、傷んでいる根があれば切り落としましょう。
③ 鉢に植える
新しい鉢に植えて鉢底から水が流れ出るくらいたっぷりと水をやり、根が落ち着くまでの1ヶ月ほどは日陰で管理してください。

