ボトルツリー(ブラキキトン)の育て方

更新日 2025年11月13日

育てやすさ

初心者の方でも育てやすいのでおすすめです。

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監修者情報

株式会社HanaPrime|植物アドバイザー

覚張大季

覚張大季

植物と人との関わりに魅了され、日本各地の植物農園を見て回る。HanaPrimeの植物部門の立ち上げ後はオフィスや商業施設、個人宅など、幅広いシーンのグリーンコーディネートを数多く担当。植物の生態や特性を深く掘り下げ、それぞれの空間やライフスタイルに適したグリーン空間デザインを提案することが得意。観葉植物の世界に情熱を注ぎ、植物の価値を最大化することを使命としている。

ボトルツリー(ブラキキトン)の基本情報

植物名ボトルツリー(ブラキキトン)
学名Brachychiton rupestris
和名カエデゴウシュウアオギリ(楓豪州青桐)
英名Queensland bottle tree、Narrow-leaved bottle tree、Barrel tree
別名トックリノキ
原産地オーストラリア クイーンズランド州
科名アオイ科
属名ゴウシュウアオギリ属
開花時5〜7月

ボトルツリーは成長とともに根本近くの幹が膨らみワインボトルに似た樹形になることから「ボトルツリー」と呼ばれるようになりました。

日本では注ぎ口に向かって細くなる酒器の徳利(とっくり)に似ていることから「トックリノキ」とも呼ばれています。

鉢植えであれば成長しても約1mほどとそこまで大きくならないため、狭い空間でもインテリアグリーンとして飾りやすいです。

太い幹には水分を溜め込む性質があるため乾燥に強く、耐陰性も備えています。

月別栽培カレンダー

種まき

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植え付け・植え替え

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肥料

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開花

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種類と品種

ブラキキトン属は約30種あり、それぞれ「幹の形」「葉」「花」に独自の特徴があります。

ブラキキトンの中でも幹の根元が膨らみ見た目がワインボトルのようになる代表的な品種ルペルトリスが「ボトルツリー」と呼ばれるようになりました。

日本で流通しているボトルツリーは全長約1m前後が多いですが、原産地のオーストラリアに自生している大型の株は20〜25mの大きさにまで成長する品種も存在します。

名前幹の形花の色成長時のサイズレア度育てやすさ
ルペルトリス根元が膨らむクリーム色100cm幹が太くなればなるほど希少種
ポプルネウス根元が膨らむ白色40〜70cm普通
アケリフォリウス細い赤色100〜150cm希少種
ビドウィリー根元が膨らむ赤色40〜50cm希少種

ルペルトリス

ルペルトリス

ルペルトリスは「ボトルツリー」として知られる代表的な品種です。

他の品種に比べ、ルペルトリスは根元が膨らみやすく、まるでワインボトルのような樹形になることからそう呼ばれるようになりました。

日本では成木になっても花がつきにくいですが、原産地では内側にピンクの斑点がついたクリーム色の釣鐘形の花を咲かせます。

ポプルネウス

ポプルネウス

ポプルネウスは個体によって葉の形が異なるユニークな品種です。

丸みがあって緩やかに波うつような葉から、細長い葉形もあるので、好みによって選ぶ楽しさがあります。

白い花の内側が赤色に彩られコントラストが美しく、日本でも生育環境が整えば稀に開花しますが非常に珍しく、常に咲くわけではありません。

アケリフォリウス

アケリフォリウス

アケリフォリウスは他のブラキキトン属に比べ根元が膨らまずスリムな樹形をしているため、ボトルツリーという名前では流通していませんが同じ仲間です。

他の品種は主に根元に水分を蓄えますが、アケリフォリウスは幹全体に蓄えることができます。

濃い赤色の釣鐘形の可憐な花を咲かせますが、その姿を見られるのはとても希少です。

ビドウィリー

ビドウィリー

ビドウィリーの葉はカエデに似た掌状葉で、葉には柔らかい産毛が生えているのが特徴です。

根元が膨らんで水分を蓄えるため、乾燥に強く耐陰性もあるため街路樹としても人気があります。

2〜3cmの可愛らしい真っ赤な花を咲かせますが、花を咲かせるまでの環境管理が難しく、育成する難易度がやや高めといえるでしょう。

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ボトルツリー(ブラキキトン)の葉っぱの特徴

ボトルツリー(ブラキキトン)の葉っぱの特徴

ボトルツリーの葉っぱの特徴は主に「細長い葉」「丸みを帯びた葉」があり品種によっては切れ込みが入った独特な形をします。

枝を横に広げるのではなく、まっすぐ上に幹を伸ばし、上部に葉を茂らせるのが特徴です。

葉の色は光沢のある鮮やかな緑色で、一部の品種では表面に産毛が生えたものや、若葉の葉脈にそって赤い線が入り成長とともに次第に消えていくものもあります。

ボトルツリー(ブラキキトン)はどんな花が咲く?

ボトルツリー(ブラキキトン)はどんな花が咲く?

ボトルツリーは釣鐘形の小ぶりな花を咲かせます。

ひとつひとつは小さいですが、枝の先端に数十個集まって咲いて房状になるため、遠目にも目立つ魅力的な花です。

花の色や形は品種によって異なり、白やクリーム色の花の内側にピンクや赤の斑点模様があるポプルネウスや、真っ赤で星形にも見えるビドウィリーなどがあります。

ボトルツリー(ブラキキトン)の花言葉

ボトルツリーには花言葉がつけられていません。

ボトルツリー(ブラキキトン)の育て方

ボトルツリー(ブラキキトン)の育て方

ボトルツリーは幹や根元に水分を蓄える性質があるので、基本的には水の与え過ぎにならないように注意しながら乾燥気味に管理してください。

水やりの頻度

時期水の量タイミング与える時間
3〜4月少しずつ量を増やす2〜3日に1回夕方、夜
5〜9月たっぷりと週に2〜3回夕方、夜
10〜11月少しずつ量を減らす2〜3日に1回
12〜2月控える3週間〜1ヶ月に1回

ボトルツリーの水やりは、土が乾いたら鉢底から水が出るくらいたっぷり与えてください。

春から夏にかけては日中の気温が高くなるため、涼しくなり始める夕方に水やりを行い、冬は夕方から夜にかけて気温と土の温度が下がるため、朝に水やりを完了しましょう。

ボトルツリーは根や幹に水分を蓄える性質があるため、水の与えすぎを避けて根腐れをしないように乾燥気味に管理します。

また、冬場の湿度が低く乾燥する時期は葉水をこまめに行ってください。

肥料のあげ方

ボトルツリーに与える肥料は、液体肥料緩交性化成肥料を用途によって使い分けましょう。

時期4〜9月10〜11月12〜3月
液体肥料2週間に1回2週間に1回無し
緩効性化成肥料2ヶ月に1回無し無し

液体肥料

生育期には2週間に1度、規定量の約500倍に薄めた液体肥料を水やりの代わりに与えましょう。

根から素早く吸収され効果も早くあらわれますが、濃度が高くなりすぎると肥料焼けのを起こすおそれがあるため注意が必要です。

緩効性化成肥料

緩交性化成肥料とは肥料を固めた固形肥料のことを言い、即効性はありませんがゆっくりと土に溶け出し長期間にわたって安定した栄養補給ができます。

効果が緩やかにあらわれるので、変化がわかりにくいことがありますが、与えすぎると肥料焼けの原因になるので必ず規定の量を使用してください。

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病害虫・害虫対策

ボトルツリーに付く害虫は葉の裏に潜んでいることが多く、柔らかい葉の部分や新芽の葉汁を吸って寄生します。

葉水を行い風通しの良い場所に置くことで、ある程度予防ができるでしょう。

早期発見と迅速な対処が大切なので、こまめに健康状態を管理してください。

アブラムシ

  • すす病が発生する
  • 虫こぶの原因になる

アブラムシの排泄物は糖分が多く含まれるため葉がベタついて「すす病」という黒いカビを発生し、表面が黒ずんでしまうことがあります。

すす病にかかると光を吸収できなくなり生育に悪影響を及ぼすため、黒ずみを見つけたら丁寧に洗い落としてください。

つぼみや新芽の柔らかい部分の葉汁を吸い成長を阻害し、影響で葉が縮んだり表面にコブ状の袋ができるため、その中にたまごを産みつけることがあるので、被害を防ぐために見つけたら早期に薬剤を散布しましょう。

カイガラムシ

  • すす病が発生する
  • 生育不良により枯れる

カイガラムシは体全体が白い貝殻を纏ったような容姿の小さな虫です。

排泄物に含まれる糖分を栄養源に「すす病」と呼ばれるカビの一種が繁殖し、黒褐色の斑点が葉に広がって光合成が妨げられ生育不良の原因になります。

風通しを良くして発生しないよう注意が必要です。

もし発生した場合は、葉を剪定するか柔らかい歯ブラシで傷つけないように丁寧に落としましょう。

ハダニ

  • 表面に斑点ができる
  • 白い糸が発生する

ハダニが寄生すると、葉汁を吸われた部分に黄色い斑点ができるのが特徴で、葉の裏に潜んでいることが多く、白い糸を張り巡らせてその上を移動します。

小さな虫で見つけにくいですが水に弱いため、発見した場合は葉水を行うか鉢ごと水につけて駆除すると効果的です。

すす病

  • 表面に黒い斑点ができる
  • 光合成が阻害される

害虫の排泄物に糖分が多く含まれるため、葉の表面に黒いカビが繁殖します。

光合成が妨げられて株の生育に悪影響を与えるため、こまめに葉水で予防し、害虫を発見したら柔らかい布や歯ブラシで取り除くか専用の薬剤で駆除してください。

剪定

ボトルツリーの剪定は、5〜9月の気温が暖かい生育期に行うのが最適です。

この時期はボトルツリーが活発に成長し、回復も早いため株への負担が少なく安心して剪定できます。

太い幹は残して細い枝や枯れた箇所を消毒した清潔なハサミで切り落とし、若い枝から剪定して樹形を整えましょう。

ボトルツリー(ブラキキトン)はどれくらい大きくなる?

ボトルツリー(ブラキキトン)はどれくらい大きくなる?

ボトルツリーは成長が速く、特に速いもので鉢植えで育てても約1年で1mの高さに育ちます。

庭植えの場合は、適切な管理を行うことで10mに育てることも可能です。

原産地のオーストラリア クイーンズランドの自然の中で自生している株だと、高さ20mに成長したものもあります。

ボトルツリー(ブラキキトン)の栽培環境

ボトルツリーの栽培環境は、年間を通して明るい日差しが入る場所に置くことで健康に育ちます。

耐陰性はありますが寒さに弱いため、冬場は鉢植えを室内に取り込みましょう。

置き場所と日当たり

ボトルツリーは日光を好む植物なので、明るい窓辺や半日陰に置いてください。

直射日光に晒され続けると葉が焼けて色褪せる原因になるため、レースカーテン越しの柔らかい日差しが入る場所がおすすめです。

耐陰性はあるものの、光が入らない暗い場所では葉が落ちたり成長が鈍るので注意しましょう。

花を咲かせたい場合は急な環境の変化を避けて、ストレスを与えないようにすることが大切です。

適切な温度

ボトルツリーは一般的に5℃まで耐えられます。

品種によっては0℃まで耐寒性がありますが5〜10℃の温度をキープしてください。

生育には15〜30℃前後が適切な温度です。

用土

ボトルツリーは過湿に弱いため、水はけの良い土が適しています。

市販の観葉植物用の土を利用するか、自身で作る場合は以下の配合のような通気性の良い土を用意しましょう。

  • 赤玉土:6
  • 腐葉土:3
  • パーライト:1

ボトルツリー(ブラキキトン)の種まき(実生)

ボトルツリーの発芽率は一般的に30%前後ですが、新鮮な種を使用すると60%まで発芽率を上げることが可能です。

寒さに弱いので気温が暖かく安定している時期にまくことで、さらに実生の確率が上がるでしょう。

種まきに適した時期

ボトルツリーの種まきに最適な時期は、真夏の40°近くなる猛暑日を除く5〜9月です。

種まきには20〜30℃の環境が最も適しているため、この時期に撒くことで発芽率が高まり苗が健やかに育ちやすくなります。

種まきのやり方

  1. 土と鉢を用意する
  2. 温度と湿度を管理する
  3. 日光と水やり
  4. 植え替える

① 土と鉢を用意する

水はけが良く栄養分を含まない赤玉土かピートモスと深めの鉢を用意してください。

種を植える前に数時間ほど水に浸し、用意した土に約1cmの深さで植えることで発芽率が高まります。

② 温度と湿度を管理する

発芽をうながすために、15℃以上の温度を維持し、土を湿らせた状態を保ちます。

品種や種の状態によって変わりますが、約2〜3週間で発芽するでしょう。

③ 日光と水やり

発芽後は少しずつ日光に慣れさせるために、最初は少し明るい場所から徐々にカーテン越しの明るい場所に移動させます。

発芽してからは、土が乾いてから水やりをしますが、過湿にならないよう注意してください。

④ 植え替える

根が安定してきたら赤玉土6割、腐葉土3割、パーライト1割の土を用意して、ひと回り大きな鉢に植え替えて、定期的に液体肥料を与えながら育ててください。

ボトルツリー(ブラキキトン)の増やし方

ボトルツリーの増やし方「種まき」もしくは「挿し木」の2通りの方法がありますが、挿し木で増やすほうが根付きやすく成功率が高いです。

挿し木の時期はいつがいい?

ボトルツリーの挿し木に適した時期は、5〜7月の暖かい時期が良いです。

この時期は生育期にあたり活発に成長するため、根付きがよくなります。

秋から冬にかけての気温が15℃を下回る時期は休眠期に入るため、挿し木は避けてください。

挿し木のやり方

  1. 剪定した枝を用意する
  2. 余分な葉を取り除く
  3. 植え付け
  4. 水やりの頻度を調節

① 剪定した枝を用意する

ボトルツリーを剪定した10〜15cmほどの枝を用意します。

枝が腐りにくくするために、消毒した清潔な剪定ハサミで枝の切り口を斜めにカットしてください。

② 余分な葉を取り除く

枝の上部の葉は残して、土に植える下部の葉を取り除きましょう。

葉が付いたまま土に植えてしまうと、光合成ができなったり土の中で湿気がこもり根腐れの原因になります。

③ 植え付け

植え付け前に剪定した枝を数時間水に浸した後、赤玉土やピートモスなど栄養分のない土に優しく差して軽く固定してください。

発根をうながすために、切り口に発根促進剤を塗るのもおすすめです。

④ 水やりの頻度を調整

発根するまで約90日前後の間、直射日光を避けた半日陰に置き、過湿に気をつけながら常に土が湿っている状態を保ちます。

根が出てきたら少しずつ水の量を減らし、安定したら乾燥気味で管理してください。

植え替え時期はいつがいい?

ボトルツリーの植え替えは、5〜9月の生育期に行うことで、植え替え後の負担も少なく安定します。

鉢からはみ出るほど大きく成長したときや、2〜3年植え替えていない場合は、ひとまわり大きな鉢を用意して植え替えましょう。

また、鉢底から根が出てきた場合も植え替えのタイミングです。

鉢植えのやり方

  1. 根についた土を落とす
  2. 用土を用意する
  3. ひとまわり大きな鉢に植える
  4. 風通しの良い環境で育てる

① 根についた土を落とす

ボトルツリーは成長が速く、根が太く丈夫に育つため根詰まりしやすいのが特徴的です。

根も太く大きく成長しますが、植え替えで古い土を落とすときは根を傷つけないよう優しく丁寧に扱いましょう。

② 用土を用意する

古い土は捨てて水はけの良い観葉植物用の土を用意しましょう。

自分で作る場合は赤玉土6割、腐葉土3割、パーライト1割を合わせた通気性の良い土がおすすめです。

③ ひとまわり大きな鉢に植える

鉢底から根が出ている場合や、2〜3年植え替えしていない場合は根詰まりしているため、ひとまわり大きな鉢を用意しましょう。

鉢底石を入れて株を置いたら、土で固めすぎないように植え替えてください。

④ 風通しの良い環境で育てる

新しい鉢に植え替えたら、鉢底から水が流れるくらい水をたっぷり与えてください。

以降は加湿を避けるため、土が乾燥したら水やりを行い、健やかに育てるために風通しの良いカーテン越しの明るい場所で管理しましょう。

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