モンステラの育て方
公開日 2024年08月20日
更新日 2025年11月18日
育てやすさ
初心者の方でも育てやすいのでおすすめです。
監修者情報
覚張大季
植物と人との関わりに魅了され、日本各地の植物農園を見て回る。HanaPrimeの植物部門の立ち上げ後はオフィスや商業施設、個人宅など、幅広いシーンのグリーンコーディネートを数多く担当。植物の生態や特性を深く掘り下げ、それぞれの空間やライフスタイルに適したグリーン空間デザインを提案することが得意。観葉植物の世界に情熱を注ぎ、植物の価値を最大化することを使命としている。
モンステラの基本情報
| 植物名 | モンステラ |
| 学名 | Monstera deliciosa |
| 和名 | ホウライショウ |
| 英名 | Monstera、Swiss cheese plant、Cheese plant |
| 別名 | デンショウラン、ペッサム |
| 原産地 | 熱帯アメリカ |
| 科名 | サトイモ科 |
| 属名 | モンステラ属 |
| 開花時期 | 国内:5月前後(成熟した場合のみ開花する) |
モンステラは、切れ込みが入った特徴的な葉が美しい、人気の観葉植物です。
熱帯アメリカ原産でジャングルの木陰で育つことから耐陰性があり、生命力が強いことからインテリアグリーンとして親しまれています。
同じ品種でも葉の形や色の出方に個体差があり、その独自性がコレクターを惹きつける理由にもなっています。
基本的なポイントを押さえればあまり手間がかからないため、初心者にも育てやすい植物です。
観葉植物 モンステラ
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月別栽培カレンダー
種まき
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植え付け・植え替え
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開花
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モンステラはどんな花が咲く?

モンステラは成熟するとサトイモ科の植物によく見られる、ミズバショウを大きくしたような花を咲かせます。
真ん中の黄色い棒は「肉穂花序(にくすいかじょ)」と呼ばれ、熟すとマンゴーやパイナップルのような甘い香りになるのが特徴的です。
モンステラの葉っぱの形

モンステラの葉は、大きな切れ込みや穴があいた特徴的な形をしています。
モンステラは多数の植物が生い茂る熱帯ジャングルで育つため、切れ込みや穴によって下の葉にも光を届けたり、雨や風などで葉が破れたりしないよう進化しました。
そのため、まだ小さな株で葉が少ない場合は切れ込みや穴がなく、成長につれて葉が多くなると現れます。
葉は鮮やかで艶々した緑色が多いですが、品種によって黄色や白色の斑が楽しめるので、モンステラを選ぶ際には見比べるとよいでしょう。
モンステラの花言葉
モンステラの花言葉は「壮大な計画」「うれしい便り」「深い関係」です。
モンステラの育て方

モンステラは耐暑性と耐陰性に優れた、丈夫で育てやすい植物です。
水やりや肥料、仕立て方などの基本ポイントを押さえて適切に管理すれば、健やかに成長し、立派な大株へ育てることができます。
水やりの頻度
| 季節 | 時間帯 | タイミング |
|---|---|---|
| 春・秋 | 午前中 | 土の表面が乾いたら |
| 夏 | 早朝または夕方 | 土の表面が乾いたら |
| 冬 | 昼近く | 土が乾いて2~3日後 |
モンステラの水やりのタイミングは季節によって異なりますが、必ず土が乾いているかを確認して水やりすることが大切です。
モンステラは多湿を好む性質がありますが、水はけが悪いと根腐れを起こす原因になります。
そのため、受け皿に溜まった水はこまめに捨ててください。
一方、乾燥が気になる場合は、スプレーなどで葉水を与えるとよいでしょう。
観葉植物 モンステラ
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肥料のあげ方
生育が旺盛なモンステラは、肥料がなくても元気に育ちます。
ただし、大きく育てたい場合は元肥や置き肥、液肥を使うと大きく育てやすくなるでしょう。
肥料をあげるタイミングは下記のとおりです。
- 植え替え時に元肥を入れる
- 春から夏の生育期は2ヶ月に1回置き肥する
- 葉の色が悪い場合、2週間に1回液体肥料を与える
- 冬は肥料を与えない
病害虫・害虫対策
モンステラは丈夫な植物ですが、日ごろから葉や茎の状態をチェックしておくことが早期発見につながります。
モンステラに発生しやすい病害虫や害虫は以下のとおりです。
ハダニ
- 葉に白い斑点が出る
- 葉の裏に寄生して養分を吸う
ハダニは乾燥していると発生しやすく水に弱いため、発見したら葉の裏を中心に勢いよく水をかけたり、濡れたタオルで拭いたりしてください。
改善しない場合は、薬剤を噴霧するとよいでしょう。
アブラムシ
- 葉や茎に小さな虫が群がる
- 葉がベトベトする
- 葉が縮れたり、新芽が変形したりする
アブラムシを発見したらピンセットやブラシで取り除きます。
範囲が広い場合は、アブラムシ用の薬剤を散布しましょう。
葉が茂りすぎている場合は剪定し、風通しをよくすると発生を防ぐことができます。
カイガラムシ
- 白い貝殻のような虫が葉や茎につく
- 葉がベトベトする
- 葉や茎が黒くなる(すす病)
カイガラムシは柔らかい布やブラシで取り除くか、薬剤の散布が効果的です。
また、カイガラムシのフン害によってすす病が発症したら黒くなった葉を剪定し、袋に入れて処分してください。
種まきと植え方
モンステラの種まきに最適な時期は比較的温暖な4~6月です。
室内で種まきをする場合、暖かく高湿度な環境であれば年間を通して種まきができます。
種まきの際には、水はけの良い土または種まき用の土を使い、芽が出るまで常に土が湿っている状態を保つことがポイントです。
仕立ての種類
モンステラには「支柱仕立て」「根上がり」「幹上がり」など、仕立て方にバリエーションがあります。
それぞれの特徴と仕立て方について、確認しておきましょう。
支柱仕立て
モンステラを自然に近い姿で育てたい場合は、支柱仕立てが適しています。
支柱仕立ては、モンステラが本来根を横に伸ばして木などに活着して成長する姿を、支柱で再現する方法です。
通常の支柱で仕立てられますが、根が絡みつきやすいヘゴ支柱や、ココナッツの繊維で作られた支柱などを使用すると、より自然な雰囲気に仕立てられます。
葉は基本的に剪定をせず、エキゾチックな姿が楽しめます。
根上がり
根上がりは別名「根立ち」とも呼ばれ、モンステラの気根を目立たせたい場合に適した仕立て方です。
土に伸びた気根を支えに、支柱が無くでもモンステラ自身で自立する姿を目指します。
仕立てる際には、成長に従って横に広がる根を土へ誘導させ、モンステラを支えるように育てるのが基本です。
また、茎も横に広がらないよう適度な誘引して形を整えていきます。
気根を目立たせるために古い葉を落とし、幹の上部で葉が展開していくように管理しましょう。
幹上がり
幹上がりは別名「幹立ち」と呼ばれ、真っ直ぐに伸びた幹でモンステラを直立させる仕立て方です。
根上がりに近い方法ですが、幹を真っ直ぐに長く伸ばすことがポイントとなります。
幹がまだ垂直なうちに、ビニールタイを使って支柱と幹を結び、そのまま幹が太くなり根がしっかり張るまで育てます。
モンステラの幹がすでに曲がっている場合は、植え替えのタイミングで仕立て直すとうまくいきやすいです。
支柱の立て方
モンステラを大きく育てたい場合には、自重で倒れたり茎が折れたりするのを防ぐために支柱が必要です。
支柱無しで自立させる「根上がり」や「幹上がり」という仕立て方もありますが、その場合も幹が太くなるまでは支柱で支えます。
モンステラの支柱を立てる際のポイントは、以下のとおりです。
- 安定するように支柱は鉢底まで深く挿す
- 茎の自然な伸び方を崩さないように支える
- 新しく出たばかりの葉は結束しない
- できれば茎の回復が速い生育期に行う
その後成長し、支えられなくなってきたら、位置を変えて結び直しましょう。
モンステラの栽培環境

モンステラは日光を好みますが、直射日光に当てると葉焼けを起こしてしまうため注意が必要です。
室内で育てる場合は、レースのカーテン越しの日が当たるところに置くと元気に育ちます。
多湿の環境を好むので、乾燥していると感じたらこまめに葉水をするようにしましょう。
置き場所と日当たり

モンステラは直射日光を避けた半日陰で育てるようにしましょう。
室内であれば、レースのカーテン越しの日差しが当たるところがおすすめです。
モンステラは屋外でも育てられる?
モンステラは、春から秋の暖かい時期であれば屋外でも育てられます。
その際は、遮光ネットなどを使い直射日光を避けましょう。
気温が15℃以下になり始めたら、室内に取り込んでください。
適切な温度|どれくらいの寒さまで耐えられる?
モンステラを育てる際の適温は、夏と冬ともに15~30℃です。
耐暑性がありますが、夏は35℃以上になると生長がとまってしまいます。
また、冬は10℃以下になるとダメージを受ける可能性があるため、冷え込む場合は室内で育てましょう。
モンステラの土の配合比率(用土)
モンステラを植えるときは、水はけの良い土を使うようにしましょう。
水はけの良い土の配合例

- 赤玉土(小粒):7
- 腐葉土:3
赤玉土にピートモスや川砂、パーライトを混ぜる配合も水はけがよくなります。
土選びや配合で迷ったら、ホームセンターで売っている「観葉植物用の土」を買うのがおすすめです。
また、腐葉土を使用した場合は、鹿沼土や砂利を土の上に置くことでコバエ対策にもなります。
モンステラの種まき
モンステラの種は販売されていることが珍しく、手に入れるのが難しいです。
種を植える際は苗を植えるとき同様、水はけの良い土に植え、水をたっぷり与えましょう。
種を植える環境にもよりますが、約10日~3週間ほどで芽がでます。
種まきにおすすめの時期は4~6月
モンステラは温暖な気候を好む観葉植物です。
種の植え付けは気温が約20℃くらいの4~6月に行うとよいでしょう。
モンステラを種から育てると大変?
モンステラの種は希少ですが、種を入手できたら以下の点に注意して、種から育ててみてください。
- 気温約20℃の時期に行う
- 水はけの良い土に植える
- 直射日光は避ける
- 水を切らさない
モンステラの開花時期
モンステラの花は初夏に開花を迎えます。
ただし、成熟しないと花は咲かないため、花が咲くことを知らない人も多いでしょう。
モンステラの開花時期は5月前後
気温や環境によりますが、モンステラの花の開花時期は5月前後です。
観賞用のモンステラは花が咲くことが稀ですが、株が大きく成長すれば、花を見ることができるかもしれません。
一方、熱帯で自生しているモンステラは、年中開花すると言われています。
モンステラの花が咲かない原因は?
モンステラは株が十分に育ち、環境や条件が整えば開花します。
そのため、花が咲かない理由として、株が成熟していない可能性が考えられます。
モンステラの増やし方
モンステラは、以下の4つの方法で増やすことができます。
- 水挿し
- 挿し木
- 茎伏せ
- 株分け(2株以上の場合)
モンステラを増やす場合は、成長期にあたる5~9月に行いましょう。
また、茎を剪定すると白い液が出るため、必ずゴム手袋を着用してください。
水挿しのやり方
- 茎を切る
- コップに水を用意する
- 切ったモンステラを入れる
- 約1ヶ月で根がでてくる
① 茎を切る
モンステラの茎を切る時は、清潔でよく切れるハサミを使います。
茎のすこし膨らんだ節(せつ)の部分から新根が出てくるので、必ず1つは節がついた状態になるように切りましょう。
② コップに水を用意する
水に発根促進剤を入れると根っこが出やすくなります。
コップのほか花瓶や半分にカットしたペットボトルでも大丈夫です。
③ 切ったモンステラを入れる
水を入れた容器に、切ったモンステラを入れます。
モンステラについている葉や気根はそのままにして、気根が長い場合はカットしてください。
④ 約1ヶ月で根がでてくる
腐らせないように、容器の水は定期的に交換しましょう。
根が出てきたら、鉢に植え替えます。
挿し木(茎挿し)のやり方
- 茎を切る
- 切った茎を水につける
- 土に茎を埋める
- 水やりをする
① 茎を切る
茎を切る時は、清潔でよく切れるハサミを使います。
必ず節がついた茎になるように切り、茎を切った際にどちらが根の方かわかるようにしておくと後の作業で迷いません。
② 切った茎を水につける
切った茎は2~3時間ほど発根促進剤をいれた水に入れておきます。
この際に、根の方にあたる切り口側が水につくようにしましょう。
③ 土に茎を植える
育苗トレーやスリットが入ったプラスチックの鉢を用意します。
鉢に挿し芽用の土または鹿沼土(細粒)を入れ、一節が埋まるくらいの深さで茎を埋めます。
気根が出ている場合は気根も土に埋め、蒸散を防ぐために葉は切り落とすのがおすすめです。
④ 水やりをする
挿し木した後は、直射日光を避けた場所に置きます。
水を鉢の下からたっぷり吸わせ、表面まで吸水したら余分な水は捨ててください。
根が出てくるまで1ヶ月程度かかるので、その間は常に土が湿っている状態を保ちながら管理しましょう。
茎伏せのやり方
- 茎を切る
- 切った茎を水苔または土の上に伏せる
- 水やりをする
① 茎を切る
茎を切る時は、清潔でよく切れるハサミを使います。
必ず節がついた茎になるように切りましょう。
葉は1/3を残してカットし、気根が長い場合もカットして調節します。
② 切った茎を水苔または土の上に伏せる
茎を横にして、浅く埋めるように土の上に伏せます。
切り口の半分が土または水苔に接するように、気根が出ている場合は気根が埋まるようにしましょう。
常に湿った状態にするため、水苔を使うのがおすすめです。
③ 水やりをする
直射日光は避けた場所に置き、水苔や土が乾燥しないように管理します。
ただし、水のやり過ぎはかえって茎が腐る原因になるので注意が必要です。
株分けのやり方
- 1週間前から水やりを控える
- 土が乾燥したら株を取り出す
- 株を切り分け、植え付ける
- 水やりをする
① 1週間前から水やりを控える
株分けする日を決め、その1週間前から水やりを控えます。
土を乾燥させることで株が取り出しやすくなります。
② 土が乾燥したら株を取り出す
土が乾いたら鉢から株を取り出します。
根を傷つけないようやさしく土を落とし、変色や腐食している根はカットして取り除きましょう。
また、根や気根がからまっている場合は、丁寧にほどいてください。
③ 株を切り分け、植え付ける
清潔でよく切れるハサミやナイフで、株がつながっている根を切り分けます。
鉢に土を入れ、分けた株ごとに植え付けます。
詳しいやり方は、以下の「鉢替えのやり方」を参照してください。
④ 水やりをする
植え付け後、風通しのよい半日陰に置き、たっぷり水やりします。
その後の水やりは、土が乾いているのを確認して行ってください。
剪定の時期はいつがいい?
モンステラを剪定する時期は、生育期である5〜9月がおすすめです。
この時期は剪定してもどんどん成長していきますが、以下のポイントに注意して行いましょう。
- 暑すぎる時期を避ける
- 風通しが良くなるように適度に間引く
- 清潔でよく切れるハサミを使用する
- 手荒れやかぶれ防止にゴム手袋を着用する
植え替え時期はいつがいい?
- 1年に1回
- 5~9月(成長期)
モンステラは生育が早く、根詰まりを起こしやすい観葉植物のため、毎年植え替えをするのがおすすめです。
植え替えは株に負担がかかりますが、生育期に行うと回復が早く、元気に育つでしょう。
モンステラの鉢替えで必要なモノ
- 鉢
- 鉢底ネット
- 軽石
- 観葉植物の土
- 元肥
- ゴム手袋
- 割りばし(土を詰めるときに使う)
- 砂利や鹿沼土(土が出ないように土の上にのせる)
モンステラの鉢替えのやり方
- 新しい鉢の準備をする
- 鉢から苗を抜く
- 苗の中央に配置し、土を入れる
- 水やりをする
- 支柱を立てる
① 新しい鉢の準備をする
植え替え用の新しい鉢を用意し、鉢底ネットを置き、鉢底が隠れるくらい軽石を入れます。
軽石を約2~3cm敷いたら、その上に元肥をパラパラと入れましょう。
② 鉢から苗を抜く
植え替えの数日前から水やりを控え、土が乾いた状態にすると苗が抜きやすいです。
大きい鉢の場合、鉢の周りを叩くと中の土が少しずつほぐれます。
③ 苗を中央に配置し、土を入れる
苗が鉢の中央になるよう配置し、土を入れていきます。
土がしっかり入るように、割りばしなどを鉢のふちに沿って上から指すのがポイントです。
また、土の上に砂利や鹿沼土を乗せるとコバエの発生を防げます。
④ 水やりをする
水が行き渡るよう、数回に分けてしっかり与えます。
その際、水を吸って土が沈んだ場合は、上から少しずつ土を足して高さを整えましょう。
また、その後の水やりは土が完全に乾いたのを確認して行ってください。
⑤ 支柱を立てる
株が大きい場合は支柱を立てて支えます。
支柱は鉢の底の方まで深く挿し、ビニールタイで結びますが、茎が傷つかないようきつすぎないよう注意しましょう。
観葉植物 モンステラ
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