ウスネオイデスの育て方
公開日 2025年03月13日
更新日 2025年03月13日
育てやすさ
初心者の方でも育てやすいのでおすすめです。

ウスネオイデスの基本情報
植物名 | ウスネオイデス |
学名 | Tillandsia usneoides |
和名 | サルオガセモドキ |
英名 | Spanish moss |
別名 | スパニッシュモス |
原産地 | 中南米 |
科名 | パイナップル科 |
属名 | チランドシア属 |
開花時期 | 不定期 |
ウスネオイデスは、一節一節の小さな株が連なって伸びるユニークな見た目の植物です。
スパニッシュモスという別名を持ちますが、原産国はスペインではなく中南米で、現地では大木の枝から垂れ下がって育ちます。
成長すると50cm以上に伸び、自生地ではふわふわした形状から荷物の緩衝材として使われていたそうです。
銀色がかったふわふわの葉が垂れるシルエットが美しく、ナチュラルなインテリアに取り入れられ人気があります。
ウスネオイデスは蒸れに弱いので通気性の管理が必要ですが、土に植える手間がなく乾燥に強いので初心者にも育てやすいでしょう。
月別栽培カレンダー
種まき
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植え付け・植え替え
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肥料
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開花
不定期
種類と品種

ウスネオイデスは一般的に太葉、中葉、細葉の3種類に区別されます。
細葉の中でも特に細いものは極細葉と呼ばれることがあるようです。
太葉は丈夫で乾燥に強い一方、細葉は枯れやすいといった特徴があります。
それぞれの違いは以下のとおりです。
葉っぱの種類 | 太さ | 乾燥しやすさ | 育てやすさ |
---|---|---|---|
太葉 | 太い | 強い | 簡単 |
中葉 | 中間 | 普通 | 普通 |
細葉 | 細い | 弱い | 難しい |
ウスネオイデスの葉っぱの特徴

ウスネオイデスの葉っぱは、やわらかくふわふわと茂っているのが特徴的です。
個体差により太葉、中葉、細葉と分かれ、強い紫外線から身を守り、空気中の水分を吸収するトリコームに覆われています。
トリコームは白い極細の毛のような器官で、ウスネオイデスが美しいシルバーリーフに見えるのはこのためです。
ウスネオイデスはどんな花が咲く?
ウスネオイデスは3枚の花弁がカールしたとても小さい花を咲かせます。
サイズが5mm程度なく、黄緑や濃い緑の色をして目立たないので、よく観察しないと見つけにくいでしょう。
花は小さいですが豊かな甘い香りを漂わせ2、3日開花しています。
ウスネオイデスから甘い香りを感じたら、開花していないか探してみてください。
ウスネオイデスの花言葉
ウスネオイデスの花言葉は「不屈」です。
ウスネオイデスの育て方

ウスネオイデスは水を好む植物です。
水やりの方法や頻度のほか、ウスネオイデスを美しく仕立てて吊るす解説をします。
水やりのやり方と頻度
水やりのやり方
細い葉っぱを持つウスネオイデスは、水に浸けるソーキングを行うと引き上げた際、水分の重さにより傷みやすくなります。
通常は霧吹きで葉水を行うと負担になりません。
2~3時間濡れた状態が続くと良いですが、蒸れには弱いのでサーキュレーターなどで風を当てるようにしてください。
水やりの時間は、気孔が開く夕方以降が適しています。
ただし冬季は水が冷たいので、午前中に水を与えて日中に乾かすようにすると良いでしょう。
水やりの頻度
ウスネオイデスの水やり頻度は、生育期は2~3日に1回、休眠期は週に1回程度にしましょう。
ウスネオイデスは、自然環境のように雨に当てると良く育つので、梅雨の時期はできるだけ屋外で雨に当てることをおすすめします。
生育期(春夏) | 2~3日に1回 |
休眠期(秋冬) | 週1回程度 |
梅雨の時期 | 屋外で雨に当てる |
肥料のあげ方
ウスネオイデスに肥料を与える必要はありませんが、春と秋に液体肥料を薄めて使用するとよく育ちボリュームが増します。
具体的には、ハイポネックスを2000倍に薄めたものを週に1回程度、葉水として与えるのが効果的です。
生育が鈍る冬季の肥料は、過剰な栄養でストレスになるので避けましょう。
病害虫・害虫対策
ウスネオイデスは病害虫に強いですが、まれに以下のような病害虫被害があります。
購入時に付着している場合が多いため、購入後すぐに薬剤を薄めた水に浸けて初期の段階で病害虫を取り除くことをおすすめします。
カイガラムシ
- 湿度が高い場所を好むため、ウスネオイデスが絡まり密集していると内部で増えやすい
- 養分を吸われた部分が斑点状に変色し、葉っぱ全体に広がっていく
成虫になると殻が固くなり薬剤が効きにくいため、歯ブラシで取り除いてください。
一回で全て駆除するのは難しいので、毎日観察して減らしていきましょう。
ハダニ
- 葉っぱにクモの巣のような糸が張られる
- 繁殖力が強く、対策をしないとウスネオイデス全体が茶色く変色する
まず、症状のある葉っぱを取り除きます。
その後に、薬剤を薄めた水で内側まで丁寧に洗浄してください。
すす病
- 葉っぱや茎の部分がすすのようなカビで黒くなる
- カイガラムシの排せつ物に含まれる糖分により発症する
カイガラムシを駆除し、発生させないようにするのが一番の予防策。
発生したら菌が付着した葉っぱを取り除き、薬剤を薄めて散布します。
湿度が高くならないよう、通気性を良くして管理しましょう。
ハンギング用ハンガーの作り方

ウスネオイデスは自生地では樹木の枝に垂れ下がって生きています。
そのため、ハンガーに引っ掛けて通気性を良くする飾り方がおすすめです。
特に中央に空洞があって蒸れにくいリングタイプが理想的でしょう。
ハンガーは簡単に自作できるので、以下の手順を参考につくってみてください。
ハンガーの作り方
- 材料の用意
- ワイヤーでコイル状のリングを作る
- 吊り下げ部分を作る
- ハンガーにウスネオイデスをバランスよく引っ掛ける
① 材料の用意
ワイヤー、ニッパー、芯にする棒、必要なら紐を用意します。
ワイヤーは曲げやすいアルミ製がおすすめです。
② ワイヤーでコイル状のリングを作る
ワイヤーをペンなどの棒に巻き付けてから外し、余りをニッパーで切断します。
ワイヤーを伸ばして形を整えながらコイル状のリングを作ってください。
③ 吊り下げ部分を作る
余ったワイヤーをリングに固定するか、紐で吊り下げる場合は麻紐などを結びつけます。
④ ハンガーにウスネオイデスをバランスよく引っ掛ける
ウスネオイデスをコイルの隙間に、バランスを取りながら引っ掛けます。
引っ掛けて仕立てる際のポイントは以下の通りです。
ハンガーで仕立てる際のポイント
- 販売されている株は結ばれた箇所に傷みがあることが多いので、一度ほぐして仕立て直す
- 茶色く変色している部分があれば、できるだけ取り除く
- 消毒したハサミを使って株と株を繋ぐ真ん中を切って形を整える
- 仕立ての際にできる短いウスネオイデスは、ワイヤーでバスケットのような形を作りふんわりと乗せてディスプレイする
茶色くなる・枯れてしまう原因は?

ウスネオイデスに変色や枯れが起こる原因は、水分不足、蒸れ、葉焼けが考えられます。
それぞれの原因を解説するので参考にしてください。
水分不足
ウスネオイデスは水を好む植物で、十分な水やりが必要です。
水分が不足すると枯れ始め、触るとパリパリとした感触になったり、全体が軽くなったりします。
2~3日に1回の丁寧な葉水が効果的です。
蒸れ
風通しが悪いと内部に蒸れが起こり、茶色く変色したりカビが発生したりします。
蒸れを防ぐためには、水やり後に十分な時間をかけて乾燥させることが重要です。
室内ではサーキュレーターや扇風機を使用して、空気が循環する環境を作りましょう。
また壁かけの場合は、壁に触れている面だけが変色してしまうことが多いので、隙間を作るのが大切です。
葉焼け
ウスネオイデスは直射日光に弱く、強い日差しに当たると葉焼けを起こし茶色く変色します。
葉焼けを防ぐには、屋外で直射日光が当たる場合は遮光ネットを使ったり室内に移動させたりしましょう。
特に、夏場の強い日差しには注意してください。
ウスネオイデスの栽培環境

ウスネオイデスは明るい場所を好みますが、直射日光は苦手です。
置き場所や温度の適切な栽培環境を解説します。
置き場所と日当たり
ウスネオイデスの栽培は室内、屋外で多少変わります。
自然な風と日差しが当たり管理しやすい、屋外の方が比較的難易度が低めです。
室内
ウスネオイデスを室内で育てる際には、適度な日光と風通しが不可欠です。
直射日光は葉焼けの原因となるため避けてください。
50%程度の遮光で、レースカーテン越しの柔らかな日差しが最適です。
自然光が不足する場合は、育成ライトを使用して補うことができます。
ウスネオイデスは蒸れに非常に弱いため、サーキュレーターや扇風機などを使用し、室内の空気を動かすようにしてください。
屋外
屋外での栽培はウスネオイデスに適していますが、直射日光には注意してください。
特に、夏の強い日差しは枯れの原因に繋がります。
日当たりの良いマンションのベランダなどでは、遮光ネットを利用して日陰を作ってあげましょう。
屋外では乾燥のし過ぎにも注意が必要です。
定期的に重さをチェックして水やりに気を配るようにしましょう。
適切な温度|どれくらいの寒さまで耐えられる?
適切な温度 | 20〜30℃ |
耐寒温度 | 約5℃ |
ウスネオイデスの生育環境の適温は20〜30℃です。
耐寒性はあまり高くありませんが、関東以南であれば冬でも屋外で栽培ができます。
霜が付着すると枯れる恐れがあるため、寒冷地では冬の間は室内に移動させましょう。
土や着生材が無くても育つ?

ウスネオイデスは土が無くても育つ植物です。
一般的な植物は土に根を張り水分や栄養を吸収しますが、ウスネオイデスは葉っぱの表面にあるトリコームと呼ばれる微細な毛が空気中の養分を吸収します。
また、CAM型光合成という特殊な方法で、効率よく二酸化炭素を取り込み光合成を行っていることも理由のひとつです。
そのため土が無い環境でも育ち、むしろ土に埋めると枯れてしまいます。
着生材も不要
エアープランツの中には、着床材に根を張って体を固定するものもありますが、ウスネオイデスはほとんど発根しないため着床材も必要ありません。
自生地では樹木の枝に垂れ下がって生きているので、同じように流木に引っ掛けたりハンガーに吊り下げたりして栽培しましょう。
ウスネオイデスの種まき
ウスネオイデスの種まきの難易度や手順を解説します。
ウスネオイデスを種から育てると大変?
ウスネオイデスを種から育てるには、長い期間と労力が必要になります。
発芽までに1~2か月、手のひらサイズまで育つには何年もかかるでしょう。
うまく発芽できても、カビの発生や温度の管理ミスで全滅することもあり、細心の注意が求められます。
種から育てる手順
時間はかかりますが、キッチンペーパー(またはコットン)を使用すれば準備は簡単なので、種が採取できたら実生に挑戦してみてください。
種から育てる手順
- 種を採取する
- 湿らせたキッチンペーパーに種を並べる
- 霧吹きで湿らせて保水する
- 1~2か月で発芽する
- 容器を移して半日陰で管理
① 種を採取する
細長い種鞘が弾けると綿毛の付いた種が採取できます。
② 湿らせたキッチンペーパーに種を並べる
皿などにキッチンペーパーを敷き、ピンセットで種を並べてください。
③ 霧吹きで湿らせて保水する
始めの2~3日はたっぷり湿らせ、その後は乾かない程度に水やりをします。
カビが発生しないように定期的にキッチンペーパーを交換してください。
④ 1~2か月で発芽する
順調に育つと1~2か月で種全体が緑色に膨らみ発芽してきます。
⑤ 容器を移して半日陰で管理
発芽後葉っぱが伸びてきたら通気性のいい容器かネットに移します。
ウスネオイデスの開花時期
ウスネオイデスは小さな可愛らしい花を咲かせますが、開花時期は不定期です。
花が咲かない場合の原因を解説します。
開花時期は不定期
ウスネオイデスの開花時期は、栽培環境に大きく影響されるため不定期になります。
確実な時期はありませんが、春から夏の間に開花することが多いようです。
ウスネオイデスの花が咲かない原因は?
ウスネオイデスの花が咲かない原因は、株の充実度不足が考えられます。
株の充実には年間を通じて十分な光合成が必要で、室内で自然光が不足する場合は育成ライトを活用することも必要です。
たっぷり水を与えることも大切で、水分不足だと花芽ができても開花に至らないことがあります。
また、肥料は株をさらに充実させる効果があるので、春と秋の生育がさかんな時期に与えるようにしましょう。
ウスネオイデスの増やし方
ウスネオイデスは手軽に株分けができます。
種から育てて増やす方法に比べ簡単なので、初心者にもおすすめです。
株分けのやり方
ウスネオイデスは親株から細い茎が伸び、その先に新しい子株が伸び、これを繰り返し長く成長していく株の集合体です。
ボリュームがあるウスネオイデスの束は素敵ですが、増えすぎると葉っぱの内側が蒸れやすくなります。
ふさふさに茂ってきたら株分けを心がけましょう。
株分けのやり方
- 全体をほぐす
- 太く健康的な株を選ぶ
- 成長点を残してカット
① 全体をほぐす
ワイヤーや紐などで結んである場合、一旦はずして優しく全体をほぐしましょう。
② 太く健康的な株を選ぶ
太くしっかり成長している株を選んでください。
③ 成長点を残してカット
一つの株ごとにある枝分かれする成長点を残してカットします。
手で引きちぎることもできますが、無理に引っ張るとウスネオイデスを傷めるので清潔なハサミを使ってカットしてください。
植え替えは必要?
ウスネオイデスに植え替えは必要ありません。
ワイヤーや紐で吊っている場合は、結んでいる周辺が蒸れてしまいがちなので、定期的に位置を変えるようにしましょう。