シンゴニウムの育て方

育てやすさ

初心者の方でも育てやすいのでおすすめです。

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シンゴニウムの基本情報

植物名シンゴニウム
学名Syngonium podophyllum
和名ミツバカズラ
英名Arrowhead plant
別名シンゴニューム 、シンゴジウム
原産地熱帯アメリカ
科名サトイモ科
属名シンゴニウム属
開花時期5月~7月

シンゴニウムは、エキゾチックな雰囲気と、初めての方も育てやすい生命力の強さを持ち合わせている人気の観葉植物です。

葉の形は大半が矢尻型になりますが、色や模様は多岐に渡り、緑色の中に白く模様が入ったもの、ピンクや茶色などの珍しい色になるものも存在しています。

シンゴニウムは半ツル性の植物のため、ある程度自立した形も楽しめると同時に、支柱を立てればスラとした姿に整えることもできるのが嬉しいポイントです。

お部屋の雰囲気や好みに合わせながら、シンゴニウムを育ててみてはいかがでしょうか。

月別栽培カレンダー

植え付け・植え替え

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肥料

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種類と品種

原産地である熱帯アメリカでは、35種類が自生しているシンゴニウム。

ここでは観賞用として人気の高い8種類を紹介します。

種類・品種特徴
シンゴニウム ポドフィルム
(シルキー)
矢尻型の葉は全体的に灰緑色
葉脈に沿ってほんのりと白い模様が入る
シンゴニウム ポドフィルム
(ホワイト バタフライ)
葉は卵形で明るい緑色
葉脈に沿って白い模様が入り、蝶の羽のような雰囲気で軽やかな印象
シンゴニウム ヴェンドランディー葉は矢尻形で濃い緑色
中心の主脈に沿って、白い線がすっと入り、ベースの緑とのコントラストが美しい
シンゴニウム ネオン矢尻型の葉の表面が柔らかなピンク色
葉の裏や茎は緑色で、表面との色の対比や優しい雰囲気が楽しめる
シンゴニウム チョコレート
(シンゴニウム エリスロフィルム)
矢尻型や楕円形をした葉の表面は艶のある深緑色で、葉の裏が赤茶色をしているのが特徴
落ち着いたシックな雰囲気
シンゴニウム フレンチマーブル長めの矢尻型の葉はベースが緑色で、ランダムに白い模様が入る個性的な見た目が特徴
個体によっては縦半分で色がはっきり分かれたり、真っ白の葉が混ざったりする場合がある
シンゴニウム ブラックベルベット矢尻型の深緑色の葉に、主脈に沿った白い線が入る
葉の表面は名称通りベルベットのようななめらかな質感
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シンゴニウムはどんな花が咲く?

シンゴニウムの花は、一般的に「花」と聞いて想像するような姿ではありません。

ごく小さな花が棒状に密集して咲く「肉穂花序(にくすいかじょ)」という咲き方で、その周りを仏炎苞(ぶつえんほう)と呼ばれる大きな白い部位が包みこんでいます。

これはサトイモ科の植物によく見られる花の形で、ミズバショウやスパティフィラムの花を想像するとイメージがつきやすいかもしれません。

ただし、シンゴニウムが花を付けるには大きく成長した成熟株であることが必要なため、観葉植物として育てる場合には花を見ることは難しいでしょう。

シンゴニウムの葉っぱの特徴

シンゴニウムの葉っぱは、形と色に大きな特徴があります。

観葉植物として一般的に販売されているシンゴニウムは、実は成長途上の段階です。

このときの葉(幼葉)は多くが矢尻型で、どこかエキゾチックな印象を受けたり、ハート形にも見えることから可愛らしく感じたりする方もいるでしょう。

家庭で育てる場合は幼葉の状態が続きますが、自生個体では成長とともに葉が大きな卵型になり、成熟株になると数か所に切れ込みが入って堂々とした佇まいになります

色は種類によって様々で、明るい緑、濃い緑、灰緑色、ピンク色、茶色などがあり、葉脈に沿って白い線が入るものや、まだらに模様が入るものもあります。

葉の表と裏で色が違う場合もあり、バラエティ豊かな表情を見せてくれるでしょう。

シンゴニウムの花言葉

シンゴニウムの花言葉「心変わり」「喜び」です。

「心変わり」は葉の成長の様子に由来しています。

幼葉の矢尻型から成長して卵型になり、さらに切れ込みが入った形にどんどん変化していくことが花言葉につながりました。

「喜び」はシンゴニウムがツルをのばす姿に由来し、まるで成長を喜んでいるかのように八方に生い茂ることからつけられた花言葉だといいます。

シンゴニウムの育て方

シンゴニウムは生命力が強く、初めての方でも育てやすい植物です。

守りたいお世話のポイントがいくつかあるため、適切な管理方法を確認しながら丈夫に育てていきましょう。

  • 水をやりすぎない
  • 明るい場所に置く
  • 温度の低い環境を避ける
  • 病害虫には注意が必要
  • 定期的な鉢替えで根詰まりを防ぐ

このような管理を心がけることで、元気な姿を持続させることができます。

水やりの頻度

シンゴニウムは乾燥ぎみの環境で育てるのが適しているため、あまり水やりに神経質になる必要はありません。

春~夏には、土の表面が乾いてきたら根元にたっぷり水をやりましょう

鉢底から水が流れ出るくらいの量を与えるのがポイントです。

受け皿に溜まった水は放置すると根腐れの原因になるため、流れ出る水が落ち着いたタイミングで捨てるようにしましょう。

秋~冬は、土が中まで乾いたのを確認してから、その2~3日後に水をやるくらいの頻度で問題ありません。

また、一年を通して定期的に葉水をすることで、葉をつややかな状態に保つことができます。

肥料のあげ方

シンゴニウムは肥料が少なくても元気に育つため、無理に肥料を準備する必要はありませんが、葉の艶や枚数を増やしたい場合には、肥料を与えて生育を良くすることも可能です。

その場合は生育が進む5月~10月に肥料を与え、生育が緩慢になる冬には与えないようにして管理するのが良いでしょう。

肥料は水で薄めた液体肥料を2週間に1度程度与えるか、緩慢性肥料を2ヶ月に1度程度に置き肥するのが適量です。

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病害虫・害虫対策

病害虫対策は、シンゴニウムを健康に保つために重要です。

ここではおもな病害虫と害虫対策を4つ紹介します。

病害虫特徴対策
斑点病春から秋に葉や茎に褐色~黒色の斑点が発生する
糸状菌(カビ)や細菌が原因
斑点が発生部位を取り除き、風通しのいい環境を心がける
軟腐病虫などがつけた傷から細菌感染し、土面付近の茎が柔らかくなり腐敗する傷の原因となる虫の寄生を防いだり、除去したりする
病気の発生部分を除去する
カイガラムシ吸汁により生育を阻害
排せつ物が別の病気(すす病)を引き起こすことも
幼虫段階は殺虫剤が効果あり
成虫には薬剤の効果が薄いため、ブラシなどでこすり落とす
ハダニ葉の裏に付いて吸汁し生育を阻害したり、葉を落としたりする
吸汁された葉は白くかすり状になる
予防のため定期的に葉水する
寄生後は速やかに殺虫剤で駆除

植え方

シンゴニウムは横方向に向かって成長していく性質があるため、植え方や管理の仕方次第で様々なシルエットにして楽しむことができます。

性質を生かして自由に伸びる様子を見守ったり、ハンギングバスケットに植えてツルが下に垂れる優雅な姿を楽しんだりするのもいいでしょう。

支柱の立て方

縦方向に成長させたい場合には、支柱を立てることで上手く形を作ることができます

支柱を準備する際は、一般的な細いものではなく、「ヘゴ支柱」と呼ばれる太さのある支柱を選ぶのがおすすめです。

ヘゴ支柱はヘゴ科の植物からできていて、水はけの良さや保水性・耐久性の高さといった機能性はもちろん、インテリアとしてのデザイン性にも優れています。

立て方は簡単で、鉢の真ん中にヘゴ支柱を立て、シンゴニウムのツルを絡ませれば完成です。

成長とともにツルが自然に巻き付き、スラッとした立ち姿を見せてくれるでしょう。

ひょろひょろ伸びてしまう原因は?

シンゴニウムの茎がひょろひょろ伸びてしまう現象を「徒長(とちょう)」といいます。

徒長が発生する主な原因は日当たり不足です。

日の当たらない場所に置き続けると、光を探そうと懸命にツルを伸ばし、結果としてひょろひょろとした弱々しい見た目になってしまいます。

徒長かもしれないと感じたら、長く伸びてしまったツルを剪定してから日当たりの良い窓辺などに置いてあげましょう

十分に日光に当たれば、また元気な姿に戻ってくれます。

シンゴニウムの栽培環境

シンゴニウムの理想的な栽培環境は、日当たりが良く、20~30℃の暖かな空間です。

水はけが良い土壌を好むため、適切な用土を用意することも大切になります。

それぞれ詳しく見ていきましょう。

置き場所と日当たり

シンゴニウムは日当たりの良い環境が大好きな植物です。

観葉植物という観点では、葉をつややかな状態に保つために、葉焼けの懸念がある直射日光は避けるのが安心でしょう。

レースのカーテン越しに光が当たるような窓際や、昼間に照明がいらないような明るい部屋に置くのがおすすめです。

適切な温度|どれくらいの寒さまで耐えられる?

季節
適温20~30℃5℃以上

シンゴニウムは、熱帯アメリカが原産という点からも想像できるとおり、暖かい環境を好む植物です。

夏は20~30℃の温度が適温のため、人間に合わせた室温で問題なく育てることができます。

反対に寒さは苦手で、冬は5℃以上の環境を用意することが重要です。

窓際など冷気を感じる場所は避け、部屋の中央で管理するなどの工夫が必要でしょう。

用土

シンゴニウムは乾燥ぎみの土壌で育てると元気に成長するため、水はけの良い用土を使用するのが適しています。

例えば、赤玉土の小粒と腐葉土が7:3程度の割合で配合してある土を使用するのもいいでしょう。

その他、身近で用意可能な水はけの良い用土を探して試してみるのがおすすめです。

シンゴニウムの開花時期

シンゴニウムは成熟株になると、白い苞に包まれた独特な形状の花を咲かせます

開花時期や花が咲かないときの原因について確認していきましょう。

開花時期は5月~7月

シンゴニウムの開花時期は5月~7月で、日本では季節になると植物園などで見ることができます

実物を見てみたい方は、シンゴニウムを栽培している植物園を探して訪問してみるのもいいでしょう。

シンゴニウムの花が咲かない原因は?

シンゴニウムの花が咲かないのは、まだ成長途上で成熟していない株であることが主な原因です。

シンゴニウムは自生個体であればぐんぐん成長し、葉に切れ込みが入るなどの見た目の変化とともに成熟していきますが、家庭で育てる場合、一般的には成熟まで至りません。

そのため、花を咲かせることを過度に期待せず、現時点の美しい佇まいを楽しむ気持ちでお世話を続けるのがいいでしょう。

シンゴニウムの増やし方

シンゴニウムを増やすには、ツルを剪定して挿し木をしたり、株分けをしたりする方法があります

それぞれの詳しいやり方を次から確認していきましょう。

剪定・株分けの時期はいつがいい?

挿し木に使用するツルを剪定する、あるいは全体の形を整えるために剪定する場合は、生育期の5月~10月に実施するのがおすすめです。

葉が出ているツルであれば、剪定する場所はどこでも問題ありません。

また、株分けも同じく生育期の5月~10月が最適です。

株分け後に鉢に植えた際に十分に根が土に定着するよう、成長が進みやすい時期に行います。

挿し木のやり方

挿し木に使用するツルは葉のついた部分を選び、先端から10cm程度のところで剪定します。

水を吸いやすいよう、切り口を斜めやV字にカットしておきましょう。

葉を2~3枚ほど残して取り除き、1~2時間ほど水に浸けておきます。

お好みの鉢に鉢底石を敷いて土を入れ、ツルをぐらつかないように挿して、土を軽く押さえたら完成です。

2週間ほどで根がはり、新しい芽が見られるようになるので、それまでは土を乾燥させないよう、こまめに水をやりましょう

植え替え時期はいつがいい?

シンゴニウムの植え替えは、生育期かつ気温が十分に暖かい5月~8月が適しています

成長スピードの速いシンゴニウムは、根詰まりを防ぐために年に1回程度の植え替えが必要です。

これまでよりひとまわり大きな鉢を用意して、根がはるスペースを十分に確保してあげましょう

鉢替えのやり方

鉢替えは、傷んだ根を取り除く、新しい鉢に植える、水を通して細かな土を流す、の3ステップで行います。

まずは古い鉢からシンゴニウムを引き抜き、根を傷つけないように注意しながら、古い土を3分の1ほど取り除きましょう。

根をよく観察し、傷んだ根があればカットして取り除いていきます

新しい鉢の底に水はけを良くするための鉢底石を敷き、シンゴニウムの根元が鉢の7~8分目の高さに来るように土を入れましょう。

シンゴニウムを鉢に入れたら、手で支えながら周囲に土を入れ、手で土を軽く押さえて固定してください。

最後に、水はけの悪さの原因になる細かすぎる土を流すため、多めの水を根元に回しかけていきます。

鉢の底から流れ出る水が透明になったら完了の合図です。

シンゴニウムが好む明るい環境でお世話を再開していきましょう。


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