ユッカ ロストラータの育て方
公開日 2025年01月16日
更新日 2025年01月15日
育てやすさ
初心者の方でも育てやすいのでおすすめです。

INDEX
目次
ユッカ ロストラータの基本情報
植物名 | ユッカ ロストラータ |
学名 | Yucca rostrata |
和名 | ユッカ ロストラータ |
英名 | Beaked yucca、Big bend yucca |
別名 | くちばしユッカ |
原産地 | アメリカ南部、メキシコ北部 |
科名 | リュウゼツラン科 |
属名 | ユッカ属(イトラン属) |
開花時期 | 5~10月 |
ユッカ ロストラータは、アメリカ南部やメキシコ北部を原産地とする観葉植物です。
放射状に生える鋭い葉が特徴的で、エネルギッシュな力強い見た目をしています。
耐暑性や耐寒性に優れるため、初心者にもおすすめの植物です。
鳥のくちばしのようにとがった葉の形から、「くちばしユッカ」という別名で呼ばれることもあります。
月別栽培カレンダー
種まき
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植え付け・植え替え
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肥料
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開花
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種類と品種
ユッカ ロストラータはユッカ属、別名イトラン属に含まれる植物のひとつです。
ここにはユッカの代表的な品種「ユッカ エレファンティペス」や明治時代に渡来したとされる「ユッカ グロリオサ」などが含まれています。
ユッカ エレファンティペス

象の足に似た太い幹が特徴的。
ユッカの代表的な品種で流通量も多い。
ユッカ グロリオサ

「アツバキミガヨラン」という和名で知られ、日本庭園などでも目にする品種。
ユッカ ロストラータはどんな花が咲く?

ユッカ ロストラータは5~10月にかけて、白い小さな花を咲かせます。
ひとつの茎に複数の花がつくため、それらが一斉に開く姿はとてもゴージャスです。
花をつける際は花茎がにょきにょきと伸びていき、そこだけが別の植物になったような不思議な見た目になります。
咲くタイミングは不定期なので、目にする機会はそれほど多くないでしょう。
ユッカ ロストラータの葉っぱの特徴

ユッカ ロストラータは幹のてっぺんから上向きに葉を生やします。
葉はとても鋭く、剣のようにも見える細長い形が特徴的です。
鮮やかな緑色をした葉が放射状に広がる姿はとても力強く、シンボルツリーにも適しています。
ユッカ ロストラータの花言葉
ユッカ ロストラータの育て方

ユッカ ロストラータは耐暑性や耐寒性に優れているため、育てやすい植物だといわれています。
また、直射日光や乾燥にも強いため、地植えにも適した植物です。
育て方次第では4mを超えることもありますが、成長スピードは非常に遅く、年に数cm程度しか大きくなりません。
水やりの頻度
ユッカ ロストラータは乾燥に強いため、水を与えすぎると根腐れの原因になってしまいます。
鉢植えと地植えの場合で水やりの頻度も変わるため、以下の表を参考にしながら水を与えてください。
鉢植えの場合は土が乾いたタイミングでたっぷり水を与え、受け皿の水はすぐに捨てるようにしましょう。
そのままにしておくと、根腐れに繋がることもあります。
地植えの場合は基本的に雨水のみで問題ありませんが、晴天が続き土がカラカラに乾いた場合は水をしっかりあげるようにしましょう。
また、氷点下を下回る時期に水を与えると根が凍結する恐れがあるので、冬場の水やりは午前中のあたたかな時間帯に行ってください。
肥料のあげ方
ユッカ ロストラータは肥料なしでも問題なく育ってくれることがほとんどです。
肥料を与える場合は成長のピークを迎える前、4~5月あたりに緩効性の肥料をあげるとよいでしょう。
1年に1回、このタイミングで肥料を与えれば成長を大きく助けてくれます。
ユッカ ロストラータは気温20℃以上から活発に育っていくため、それを目安に与える時期を見極めていきましょう。
病害虫・害虫対策
ユッカ ロストラータを健康に育てるためには、病害虫を防ぐことが大切です。
基本的には虫の被害にあいにくい植物ですが、日当たりや風通しが悪いと虫がつきやすくなるので注意しましょう。
ここでは、主な病害虫と害虫対策を紹介します。
ダンゴムシ
- ユッカ ロストラータの樹皮が割れた箇所などから侵入し、幹を食べてしまう
- 進行していくと幹の内部が空洞化し、グラつきが発生する
- 発生頻度は高くないが、枯れる原因にもなるため注意した方がよい
枯れ葉を主な食料としているため、地面に落ちた葉はすぐに掃除し清潔な状態を維持する。
湿気の多い環境を好むので、日当たりや風通しのよい場所で育てて予防する。発生した場合は殺虫剤で除去していく。
ハダニ
- ユッカ ロストラータにつく代表的な虫で、葉の裏側などに生息し汁を吸う
- 鮮やかな葉の緑が薄くなっていき、色味が白っぽく変化していく
- 放置しておくと、葉が枯れる原因になる
葉水をあげて湿度を保ち予防し、発生した場合は水による洗浄や、殺虫剤で退治していく。
傷み出した葉は早い段階で剪定し、清潔な環境を維持して被害の拡大を防ぐ。
アブラムシ
- 葉や幹から汁を吸う害虫で、葉の裏などに生息する
- ユッカ ロストラータの成長を大きく妨げるほか、新芽や葉の委縮を引き起こす
- 緑の葉が黄色く変化したり、本来ならまっすぐ伸びるはずの葉が縮れてしまう
数が少ない場合は、アルコールをつけた綿棒などで除去する。
多い場合は水による洗浄や、殺虫剤で退治していく。
変色及び変形した葉は早い段階で剪定し、清潔な環境を維持して被害の拡大を防ぐ。
カイガラムシ
- 葉や幹の汁を吸う害虫で、アブラムシと同様に成長を大きく妨げる
- 葉の緑がところどころ薄くなったり、黄色く変化することもある
- 葉をベタつかせる排泄物を放置すると、すす病による黒カビの発生に繋がる
水による洗浄や、殺虫剤で退治する。
貝殻をかぶったような姿の成虫には薬が効きにくいため、柔らかなブラシなどで直接除去していく。
定期的に葉水をあげて予防し、ベタつきを見つけた場合はすぐに拭き取り清潔な環境を保つ。
ユッカ ロストラータの栽培環境

ユッカ ロストラータは耐暑性・耐寒性に優れていて、とても育てやすい植物だといわれています。
また、乾燥にも強く耐陰性も持っていますが、暗すぎる場所だと成長に悪影響を及ぼすので注意してください。
置き場所と日当たり
ユッカ ロストラータは日当たりと風通しのよい場所を好みます。
直射日光も苦にしないため、鉢植えなら日が当たるベランダなどに置くとよいでしょう。
また、地植えの場合は建物の影が落ちにくい、明るくひらけた場所を選ぶのがおすすめです。
適切な温度|どれくらいの寒さまで耐えられる?
ユッカ ロストラータは耐暑性・耐寒性、どちらも優れている丈夫な植物です。
寒さには特に強く、-10℃程度なら耐えられるといわれています。
ただ、寒い環境が適しているわけではなく、栽培に適しているのはあくまでも温暖な気候です。
気温20℃を超えると成長スピードが上がっていくため、栽培適温は20~30℃あたりになります。
用土
ユッカ ロストラータは湿度の高い環境を嫌うため、水はけのよい土を使うようにしましょう。
鉢植えなら観葉植物用の土で十分ですが、土の排水性を上げるパーライトを混ぜるのもおすすめです。
地植えの場合は排水性と通気性の高い鹿沼土や、そこにパーライトを混ぜたものを使用するとよいでしょう。
ユッカ ロストラータの種まき
ユッカ ロストラータは種から育てることも可能です。
上手に育てれば、短い期間ですぐに芽を出してくれます。
ただ、苗木から育てるよりも時間や労力を要するため注意が必要です。
種まきにおすすめの時期は6月以降
ユッカ ロストラータの種まきは、6月以降の暖かい時期に行うのがおすすめです。
この期間は発芽しやすい環境が整いやすく、生育期でもあるため発芽以降の栽培も容易になります。
ただし、暑すぎる気候はストレスとなるため、その点には注意が必要です。
種まきと植え方
ユッカ ロストラータの種まきと植え方の手順を紹介するので参考にしてください。
① 園芸店などで種を購入する
② 発芽促進剤に種を浸ける
濃度や時間は使用する促進剤を参照してください。
③ 鉢の底にネットと石を敷き、種まき用の土を入れる
④ 土に熱湯をかけて消毒し、土が冷えたら種をまく
ある程度間隔を置き種が重ならないようにしましょう。
⑤ 受け皿に水を入れ、鉢にラップなどで蓋をし湿度の高い状態で管理する
受け皿の水には促進剤などを混ぜてもよいです。
種まきを終えたあとは、10日ほど発芽状況やカビの有無をチェックしてください。
カビが生えてしまった場合は、その種を除去しましょう。
発芽したあとはポットなどに移し、明るく風通しのよい場所で水やりをしながら管理してください。
1ヵ月ほど経つと成長が安定してくるため、それ以降は通常の苗木と同じように育ってくれるでしょう。
ユッカ ロストラータを種から育てると大変?
ユッカ ロストラータを種から育てるとき、そこまで難しい作業は必要になりません。
早ければ10日ほどで芽を出すため、結果を見て改善点を探ることも比較的容易です。
ただ、気温や湿度が極端に高かったり低かったりする場合は、発芽がうまくいかない場合があります。
温度・湿度管理などの手間がかかるのは間違いないため、心配な方は苗木から育てるのがおすすめです。
ユッカ ロストラータの開花時期

ユッカ ロストラータは、5~10月の暖かな時期に開花します。
ただし、その開花条件は明確になっておらず、咲くタイミングも不定期です。
適切に育てていても花をつけない場合があることを念頭に置き、育てるようにしましょう。
開花時期は5~10月頃
ユッカ ロストラータは5~10月頃に、白い花を複数咲かせます。
大きく伸びる花茎に一斉に花がつく姿はとても美しく、普段の力強さとはまた違った印象を与えてくれるでしょう。
開花するまでじっくりと育てて、是非その姿を確認してみてください。
ユッカ ロストラータの花が咲かない原因は?
前述したように、ユッカ ロストラータの開花条件ははっきりしていないため、咲かない原因を特定することができません。
ただ、どんな花も栽培環境が悪いと咲きづらくなるといわれています。
水やりの頻度・日当たりのよさ・肥料の量などにしっかり気を配るようにしましょう。
また、ユッカ ロストラータは地植えの方が大きく成長するため、鉢植えより花が咲きやすいといわれています。
花を咲かせたい場合は、地植えで育てるのがおすすめです。
ユッカ ロストラータの増やし方
ユッカ ロストラータを増やすには挿し木がおすすめです。
ただ、株分けで増やすこともできるため、自身の好みや栽培環境などに合わせて方法を選択するとよいでしょう。
剪定・株分けの時期はいつがいい?
ユッカ ロストラータは成長スピードが遅いため、剪定をほとんど必要としません。
生育期に入る前の4~5月あたりに、枯れた葉を剪定する程度で十分でしょう。
ただし、葉が変色した場合などは、その都度剪定を行うようにしてください。
また、ユッカ ロストラータを育てていくと、根元から子株が出てくる場合があります。
こちらは切り離して株分けすることが可能です。
株分けする場合は5~9月にかけて、植え替えと同じタイミングで行うとよいでしょう。
挿し木のやり方
挿し木は生育期のピークにあたる、5~8月あたりに行うのがおすすめです。
寒い時期は成長が止まるため、暖かいうちにすませるようにしましょう。
ユッカ ロストラータを挿し木する際は、以下のものを用意してください。
- 新しい鉢(挿し木する数と同数)
- 鉢底ネット
- 鉢底石
- 観葉植物用の土
- 発根促進剤
- 枝をカットするための清潔なハサミやノコギリ
挿し木の手順
- 新しい鉢に鉢底ネットと鉢底石を設置し、土を入れる
- 伸びた枝を8cmほどの長さに切る
- 挿し木する枝の切り口に発根促進剤を塗布する
- 新しい鉢に枝を植える
- 新芽がしっかり育ってきたら新しい鉢に植え替える
① 新しい鉢に鉢底ネットと鉢底石を設置し、土を入れる
② 伸びた枝を8cmほどの長さに切る
枝の下部に葉が生えている場合は取り除いてください。
③ 挿し木する枝の切り口に発根促進剤を塗布する
④ 新しい鉢に枝を植える
水を与えてあたたかな日陰で1ヵ月ほど管理します。
⑤ 新芽がしっかり育ってきたら新しい鉢に植え替える
ユッカ ロストラータの新芽が成長したら新しい鉢へ移し、いつも通りの環境で管理していきましょう。
植え替え時期はいつがいい?
ユッカ ロストラータの植え替えは生育期の5~9月に行うようにしましょう。
ただし、気温が高すぎると成長が鈍化するため、気温が上がり切る前の5月頃に行うのがおすすめです。
地植えの場合は植え替える必要がないため、特に対応する必要はありません。
鉢替えのやり方
ユッカ ロストラータは2~3年ほどの周期で鉢替えが必要です。
成長スピードが遅いためそれほど気にする必要はありませんが、鉢の大きさが合わなかったり土の状態が悪化したりすると、成長がさらに鈍化するので注意しましょう。
鉢替えをする際は、以下のものを用意してください。
- 一回り大きい鉢
- 鉢底ネット
- 鉢底石
- 観葉植物用の土
鉢替えの手順
① 新しい鉢に鉢底ネットと鉢底石を設置し、土を少し入れる
② ユッカ ロストラータを古い鉢から取り出す
③ 根から土を落とす
腐っている根があればここで取り除いてください。
④ ユッカ ロストラータを新しい鉢に入れ周囲を土で埋めていく
⑤ たっぷり水を与え1週間ほど涼しい場所で管理
植え替え直後は根を休ませるため日陰で管理し、1週間ほど経ったら通常の栽培環境へ戻すようにしましょう。