クワズイモの育て方
育てやすさ
初心者の方でも育てやすいのでおすすめです。
INDEX
目次
クワズイモの基本情報
植物名 | アロカシア オドラ |
学名 | Alocasia odora |
和名 | クワズイモ |
英名 | Chinese taro |
別名 | 出世芋 |
原産地 | 中国・台湾・東南アジア・インド・日本 |
科名 | サトイモ科 |
属名 | アロカシア属 |
開花時期 | 6~8月 |
クワズイモは、熱帯地域に生息する常緑性の多年草です。
サトイモ科の植物ですが「食わず」の名前のとおり、食用ではありません。
葉の形はサトイモとよく似ていますが、口にすると悪心・嘔吐・麻痺・皮膚炎などの中毒症状が現れるため、誤って食べないように注意してください。
初心者に育てやすい植物でありながら、工夫次第で大きく成長させられるため、存在感のある緑を求める方に人気の観葉植物です。
月別栽培カレンダー
種まき
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植え付け・植え替え
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肥料
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開花
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種類と品種
クワズイモにはさまざまな品種があり、種類によって特徴が異なります。
一般的にクワズイモと呼ばれる品種は「アロカシア オドラ」です。
小型の品種では「シマクワズイモ(アロカシア ククラタ)」や「アロカシア バンビーノ」などがあり、この2種はテーブルに置いても楽しめます。
他にも、茎にシマウマのような柄がある「アロカシア ゼブリナ」や成長するにつれ葉の色が変わる「アロカシア クプレア」など、クワズイモの品種は多種多様です。
クワズイモはどんな花が咲く?
クワズイモは初夏から夏にかけて株が成熟し、同じ頃に花を咲かせます。
実は、クワズイモの花は薄い黄色の棒状部分であり、花びらのように見える白い楕円形の部分は花を守るために進化した葉です。
この花を囲む白い葉は、仏炎苞(ぶつえんほう)と呼ばれ、特徴的な形が「仏像の後ろにある炎に似ている」ことから名付けられました。
またクワズイモの花はかすかに甘い香りがするため、花が咲いたら香りを楽しむのもおすすめです。
クワズイモの葉っぱの特徴
クワズイモの葉は、ハート型の可愛らしい形が特徴的です。
またクワズイモにはさまざまな品種があり、種類によって葉の特徴も異なります。
大きな葉脈が目を引く「アロカシア アマゾニカ」や葉の質感が特徴的な「アロカシア グリーンベルベット」など、多くの品種があるため、あなたの好みに合ったクワズイモを選びましょう。
クワズイモの花言葉
クワズイモの花言葉は「仲直り」「復縁」です。
この花言葉は、クワズイモの特徴的な葉の形から連想してつけられたと言われています。
クワズイモの育て方
成長の速いクワズイモは、葉を60cm以上、茎を2m近くまで育てることも可能です。
ここでは、クワズイモを上手に育てるためのポイントを紹介します。
水やりの頻度
クワズイモは、水やりのタイミングが季節によって異なります。
- 春夏:土の表面が乾いていたら水やりする
- 秋冬:土の表面が乾いてから2〜3日後に水やりする
クワズイモは幹の保水性が高いため、常に土が湿っている状態だと、水分が多すぎて根腐れしたり、茎が伸びすぎたりします。
また秋から冬は休眠期に入り、葉や茎の水を吸い上げる力が弱くなるため、春夏よりも水やりの頻度を減らしましょう。
肥料のあげ方
肥料は、クワズイモの成長時期である春から秋にかけて与えましょう。
固形タイプは2カ月に1回を目安に、液状タイプは1週間〜10日に1回を目安に与えると効果的です。
なお、冬はクワズイモの休眠期にあたるため、肥料は必要ありません。
また、肥料は各商品の説明をよく読み、必ず用量・用法を守って使用してください。
病害虫・害虫対策
クワズイモには病害虫が湧くケースがあるため、日々のお手入れは欠かさないようにしましょう。
なお剪定後の茎の切り口を枯れた状態のまま放置しておくと、切り口付近から病害虫が湧く可能性があります。
剪定後の切り口が枯れてきたら、元気な茎を傷つけないように、枯れた部分を優しく剝がしましょう。
ハダニ
特徴:葉の裏に寄生して汁液を吸われる。 葉にクモの巣のような糸がついているときはハダニがいる可能性が高い。
対策:乾燥しないように葉水をすると予防になる。発生したら殺虫剤を使用する。
アブラムシ
特徴:汁液を吸われ成長が悪くなり、葉が枯れる。葉が縮れていたり、ベタベタしたりする場合はアブラムシを疑う。
対策:水で洗い流して直接取り除く。専用の殺虫剤を使用する。
カイガラムシ
特徴:葉に黒いカビのようなものが付着している。
対策:殻がついていて硬いので、布やブラシでこそげ落とすようにして取り除く。殺虫剤を使用する。
種まき・植え方
クワズイモの種が市販されているケースはほとんどありません。
そのためクワズイモを種から育てたいと考えた場合は、自宅にあるクワズイモから種を取る作業が必要です。
花が枯れた後にできる赤い実を軸からはずし、水で洗って種を取り出します。
取り出した種は小さなポットや鉢に植え、芽が出て大きくなってきたら、ひと回り大きな鉢に植え替えましょう。
なおクワズイモには毒性があり、素手で作業するとかゆみがでたり、かぶれたりする可能性があるため、必ずビニール手袋をつけて作業してください。
剪定
クワズイモは、古い葉や黄色くなった葉、伸びすぎている葉を中心に剪定しましょう。
なお黄色くなった葉や伸びすぎている葉でも「新芽」の場合は、剪定しないでください。
新芽を剪定すると新しい芽が出なくなる可能性があります。
剪定の際は、剪定したい葉の茎を、清潔なハサミで根元付近から切り落としましょう。
不衛生なハサミを使用すると病気の原因となるため、クワズイモを元気に育てるには使用する道具にも気を配ることが大切です。
また樹液に触れると、かゆみが出たり、かぶれたりする可能性があるため、作業の際はビニール手袋を着用しましょう。
クワズイモを太くするにはどうすればいい?
クワズイモの幹を太くするには「植え替え」と「株分け」が効果的です。
クワズイモは成長の速い植物のため、1〜2年に1回は植え替えをしないと成長が止まってしまいます。
また新しくできた子株を取り除き、栄養が子株に吸われるのを防いで、幹が太くなるように促しましょう。
なおクワズイモは幹の成長よりも、葉の成長を優先する性質があるため、幹を太くするには根気強く育てていく必要があります。
クワズイモの栽培環境
クワズイモは熱帯地域に生息する多年草のため、暖かい環境を好みます。
植物をうまく育てるためには、生息地に近い環境を用意することを意識しましょう。
置き場所と日当たり
クワズイモは、日当たりがよく、直射日光に当たらない室内で育てましょう。
クワズイモは暖かい環境を好みますが、直射日光に当たると葉焼けするため、レースカーテン越しに光が当たる場所で育てるのがベストです。
また寒さに弱いため、冬場は外気が当たりにくい場所に移動してください。
なお、風通しが良すぎると葉がこすれて痛む原因になるため、扇風機やエアコンの風が当たらないように意識して置き場所を決めましょう。
適切な温度|どれくらいの寒さまで耐えられる?
クワズイモは熱帯地域に生息しているため、寒さに弱い植物です。
冬場は最低でも5℃以上、可能であれば10℃以上の環境で育てるよう心がけてください。
用土
クワズイモの用土には、水はけのよい土を選びましょう。
クワズイモの幹は保水性が高いため、水はけの悪い土で育てると水分が過剰になり、根腐れの原因になります。
また植木鉢の下に受け皿を設置している場合は、水が溜まったらすぐに捨てるよう心がけてください。
水はけのよい土で育てていても、受け皿の水を放置しておくと根腐れしやすくなります。
なお用土を自作する場合は、赤玉60%、腐葉土40%の割合で混ぜるのがおすすめです。
クワズイモを種から育てると大変?
クワズイモは、種から育てると芽が出にくい傾向があります。
数十粒の種を蒔いても、すべて空振りに終わる可能性も高いため、クワズイモを種から育てる際は長い目で見守る気持ちが大切です。
クワズイモの開花時期
クワズイモの花は咲きにくい傾向がありますが、うまく開花させられたときの達成感は大きなものとなるでしょう。
ここでは、クワズイモの開花時期や花が咲かない原因について紹介します。
開花時期は6~8月頃
クワズイモの花は、6〜8月頃の暖かい時期に開花します。
クワズイモは株が成熟していないと花が咲かないため、6〜8月までに充分な栄養を蓄えさせましょう。
クワズイモの花が咲かない原因は?
クワズイモは株が成熟していないと開花しないため、まずは株を充分に成長させることが大切です。
成熟している株は、葉の色が濃い緑色で、幹が太くしっかりと伸びています。
株を成熟させるためには、直射日光を避けつつも日当たりのよい場所で生育し、土を湿らせすぎず、適切な剪定を心がけましょう。
クワズイモの増やし方
この章では、クワズイモを増やす「株分け」「挿し木」の方法を解説します。
株分けの時期はいつがいい?
クワズイモの株分けは、成長期の5〜6月頃に行うのがおすすめです。
植え替えのタイミングで実施すると二度手間にならず、効率よく株分けできます。
株分けの具体的な手順は以下のとおりです。
- 子株を親株から取り外す
- 肥料入りの土に植える
- たっぷりと水をあげる
- 湿度の低い日陰で10日ほど様子をみる
- 新しい芽がでてきたら半月ほどかけて日当たりのよい場所へ移動する
挿し木のやり方
クワズイモの挿し木は、成長期の5〜6月頃に行うのがおすすめです。
ただし暑さで傷の回復が遅れるため、35℃を超える猛暑日での実施は避けましょう。
なお挿し木をした後は、発芽までおおよそ1カ月程度かかります。
- 茶色い茎の部分を剪定する
- 剪定した茎の切り口を1~2日乾燥させる
- 余分な葉をカットして蒸散を防ぐ
- 肥料の入っていない土に植える
- たっぷりと水をあげる
植え替え時期はいつがいい?
クワズイモは、成長期の5〜6月頃に植え替えましょう。
成長期に植え替えをすると、作業の際についた傷が回復しやすくなります。
鉢替えのやり方
クワズイモは成長の速い植物のため、鉢を替えずにいると根詰まりをおこす可能性が高いです。
そのため1〜2年に1回を目安に、ひと回り大きな鉢へ植え替えましょう。
鉢替えの具体的な手順は以下のとおりです。
- クワズイモを現在の鉢から引き抜く
- 土を落とし、割りばしで根を優しくほぐす
- 新しい鉢にネット・底石・少量の土を引く
- クワズイモを入れ、新しい土で隙間を埋める
- たっぷりと水をあげる