コーヒーの木の育て方

育てやすさ

育て方の難易度は普通レベルです。

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コーヒーの木の基本情報

植物名コーヒーの木
学名Coffea arabica
和名コーヒーノキ
英名Coffee tree
別名アラビカコーヒーノキ
原産地熱帯アフリカ
科名アカネ科
属名コーヒー属
開花時期5月~6月

コーヒーの木は、光沢のある深緑色の葉が美しいアカネ科に属する常緑樹です。

「コーヒーベルト」と呼ばれる赤道エリア一帯で栽培されていて、高温多湿を好み日当たりの良い場所で育ちます。

コーヒーチェリーと呼ばれる赤い果実の中に2つの種子があり、これを加熱加工したものが私たちの知るコーヒー豆となります。

温度管理に気をつければ比較的育てやすいため、インテリア性の高い観葉植物としても人気です。

月別栽培カレンダー

種まき

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植え付け・植え替え

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肥料

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種類と品種

コーヒー属は約40種以上に分かれていますが、商業用に流通しているのは「アラビカ種」と「ロブスタ(カネフォラ種)」の2つです。

この2つに「リベリカ種」をくわえて「コーヒーの三大原種」と呼ばれています。

それぞれの品種の特徴は次のように異なります。

種類・品種原産地特徴味の特徴
アラビカ種中南米世界のコーヒー生産量の約60~70%を占める。ほかの品種より病害虫に弱く、標高1,000m以上の高地で栽培される。味と香りが豊かで高品質
ロブスタ(カネフォラ種)アフリカ病害虫に強く低地でも栽培が可能。安価なため缶コーヒーやインスタントコーヒーに使用される。苦味が強く酸味が弱い
リベリカ種アフリカ世界のコーヒー生産量の約1~2%程度で、大木で成長が遅く収穫量が少ない。独特の風味が特徴で酸味が弱い
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コーヒーの木はどんな花が咲く?

コーヒーの木は、1~2cm程の雪のように白い小さな花を咲かせます。

葉の根元近くに咲くため深いグリーンに美しく映え、香りはジャスミンに似た華やかな甘さです。

開花期間が非常に短く、2~3日でしぼんでしまうため「幻の花」と呼ばれています。

コーヒーの木から実はとれる?

「コーヒー豆」と言われているのでマメ科と思われがちですが、果実が実るフルーツです。

花が散ると緑の果実が成り、熟すにつれ赤い色になってコーヒーチェリーと呼ばれます。

コーヒーの実は完熟すると濃い深紅になり、さくらんぼに似ていることが由来です。

コーヒーチェリーは外皮、果肉、パーチメント、シルバースキンと層になっていて、中心に2つあるのがコーヒーの種子です。

さらに種子から生豆を取り出し焙煎して、やっと見慣れた茶色いコーヒー豆になります。

コーヒーの木の葉っぱの形

コーヒーの木の葉は先端がとがった楕円形です。

つやのあるグリーンが特徴的で、成長するにつれ緑の濃さと光沢が増していきます。

コーヒーの木の花言葉

コーヒーの木の花言葉「一緒に休みましょう」です。

仕事の合間に一息入れて飲むコーヒーは、休憩そのものを表し「コーヒーブレイク」という言葉ができるほど世界中で愛されています。

コーヒーの木の育て方

コーヒーの木は、年間を通して美しいグリーンを楽しめる人気の観葉植物です。

熱帯地域が原産のため、日本の家庭での育て方や注意点を解説します。

水やりの頻度

春、夏の表面が乾いたら
秋、冬土の中まで完全に乾いてから2~3日後

コーヒーの木への水やりは季節ごとに調整し、基本的に土の表面が乾いてからたっぷりと与えるようにし、乾燥気味に育てるのがポイントです。

休眠期に入る冬は、土が乾いてからさらに2~3日後に水やりをしましょう。

特に寒い冬場は、冷たい水ではなくぬるま湯を使用して、土の中の根が冷えないように注意が必要です。

■ポイント

葉が垂れ下がると水切れの合図です。

すぐに鉢底からあふれるくらいたっぷりと水を与えましょう。

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肥料のあげ方

コーヒーの木に肥料を与える際は、生育期の5月、7月、9月に行うと効果的です。

この期間中は、緩効性肥料をおすすめします。

緩効性肥料は1~2か月間効果が持続するため、2か月に1回程度の頻度で与えると良いでしょう。

冬場はコーヒーの木が休眠期に入るため、肥料焼けを起こさないように与えるのは控えてください。

■ポイント

コーヒーの木が元気がない場合、即効性のある液体肥料を10日に1回程度与えると効果的です。

病害虫・害虫対策

コーヒーの木が被害を受けやすい病害虫をまとめました。

葉の裏までしっかり確認して病害虫の発生に気をつけましょう。

アブラムシ

特徴:汁液を吸われ成長が悪くなり、葉が枯れる。その他の病気を媒介する。

対策:テープや歯ブラシで駆除する。アブラムシ専用の殺虫剤を散布する

カイガラムシ

特徴:葉や茎が白くなる。病害虫を媒介する。

対策:幼虫は殺虫剤で駆除。成虫は殻に覆われているため薬剤よりも歯ブラシなどで取り除く。

ハダニ

特徴:葉の裏に寄生して汁液を吸われる。葉の表面に白い斑点ができる。葉が枯れる。

対策:乾燥を好むので葉の裏を中心に霧吹きで水をかける。牛乳や薄めた木酢液をハダニに吹きかける。

すす病

特徴:葉に黒いカビが発生し、成長が悪くなる。

対策:付着したカビを水でこすり洗いするか、すす病の部分を剪定してしまう。

さび病

特徴:葉の裏にさびのような褐色の斑点が広がり、葉が枯れる。

対策:斑点が出た葉を取り除き薬剤を散布。剪定して風通しをよくする。

種まきと植え方

コーヒーの木の発芽率は70~90%以上といわれています。

種まきから発芽まではおよそ1~2か月程度かかり、20℃~25℃の温度が必要です。

20℃以下にならない環境が望ましく、温度管理が重要になります。

【種子の準備】

完熟した実を使い、外皮と果肉を取り除きます。

種を水につけることで効率良く吸収させて発芽を促すため、一晩浸種させてください。

植え方

  1. 水はけのよい土に種子を浅く埋めて上から土をかぶせる
  2. 20℃~25℃の環境を保つようにする
  3. 発芽するまで土が乾いたら水を与える
  4. 暖かい季節であれば1~2か月程度で発芽
  5. 本葉が完全に開いたら鉢上げする

コーヒーの木の葉っぱが茶色くなる原因は?

コーヒーの木の葉っぱが茶色くなる原因はさまざまですが、主に以下の4つの要因が考えられます。

根詰まり:葉先が茶色くなるのは根詰まりのサインです。

根腐れ:水の与えすぎや排水性が悪くなっていると根腐れを起こします。

寒さ:冬は葉が傷みやすいので適温を保てるように注意してください。

葉焼け:強い直射日光に当たりすぎると焼けたように葉が茶色く変色します。

コーヒーの木の栽培環境

コーヒーの木は寒さや強い日差しに弱いので、置き場所を移動できる鉢植え栽培がおすすめです。

置き場所と日当たり

置き場所

春や秋は屋外が適しています。

夏は風通しの良い半日陰か室内の明るい窓辺が良いでしょう。

冬は10℃以下にならないよう室内で管理してください。

日当たり

コーヒーの木は直射日光に弱く、強い日差しは葉焼けやしおれの原因です。

生産地の農園では、背の高い木でシェードツリーを作り直射日光を避けています。

レースのカーテン越し程度の日差しが最適です。

■ポイント

春になり屋外へ移動させていきなり直射日光を当てると葉焼けの原因になります。

環境を変える場合は、数日かけて移動させて少しずつ慣らしましょう。

適切な温度|どれくらいの寒さまで耐えられる?

適切な温度15~25℃
耐寒温度約10℃

コーヒーの木は熱帯アフリカ原産のため耐寒性がなく、5℃を下回ると枯れはじめます。

温度は15〜25℃が理想的です。

熱帯性植物ですが30℃を超える高温では生育が止まってしまい、花や実をつけるのが難しくなります。

また、強い直射日光にも弱いため、温度管理には十分な注意が必要です。

用土

コーヒーの木は水はけの良い土を好みます。

鹿沼土、赤玉土、バーミキュライト、ピートモスなどの土がおすすめです。

窒素、リン酸、カリウムなどの栄養素が不足すると、以下のようにコーヒーの木の健康に影響が出るので、バランスよく配合しましょう。

窒素:葉の色が悪くなる

リン酸:開花や結実しにくくなる

カリウム:病気の抵抗力が弱くなる

コーヒーの木の種まき

コーヒーの木は苗から育てるのが一般的ですが、種をまいて栽培することもできます。

種まきの時期や発芽について解説します。

種まきにおすすめの時期は5月~9月

コーヒーの木の種まきは、生育期である5月〜9月の時期に行うのが良いでしょう。

安定して温度が15℃以上になる時期に植えると安心です。

コーヒーの木を種から育てると大変?

コーヒーの木の発芽率は、収穫から3か月以内であれば90%以上と高いものの、それ以降は発芽率が大きく下がります。

日光や温度の管理が難しく、コーヒーの木を種から育てるのは簡単ではありません。

しかし、自分が種から育て収穫した実を使ったコーヒーを飲むというのは、コーヒー好きにとって大変魅力的ではないでしょうか。

コーヒーの木の開花時期

コーヒーの木の開花時期と花が咲かない原因を解説します。

開花時期は5月〜6月

順調に成長したコーヒーの木は、5月~6月にかけてジャスミンに似た甘い香りの可憐な白い花を咲かせます。

開花期間はたった2~3日間だけですぐにしぼんでしまいます。

アラビカ種のコーヒーの木は自家受粉が可能です。

風によって受粉するため、開花時期は風通しの良い場所に移動させて管理しましょう。

コーヒーの木の花が咲かない原因は?

コーヒーの木がなかなか開花しない場合、以下のような原因が考えられます。

成長が足りない

コーヒーの木は成木になるまでに3年以上かかります。

また、背丈が1mを超えてから花が咲きはじめるので、成木になるまでゆっくり待ちましょう。

剪定していない

剪定は枝の成長を促し花芽の形成を助けるので、適切な剪定を行わないと花が咲きにくくなります。

根詰まりしている

鉢の中で根が詰まっていると、栄養の吸収が妨げられ花が咲かない原因になります。

環境が整っていない

コーヒーの木は十分な日光と風通し、適切な温度を必要とします。

特に室内で育てている場合は、日当たりのいい窓際に置いて日光を当てましょう。

コーヒーの木の増やし方

コーヒーの木は「挿し木」「株分け」で増やすことができます。

それぞれの手順や時期を解説します。

挿し木のやり方

挿し木は、生育期である5月~9月に行うのが良いでしょう。

挿し木は株が育つまで待たずに済むため、株分けとは異なり生育が早めというメリットがあります。

挿し木のやり方

  1. 剪定や植え替えのタイミングで切り落とした健康な枝を選ぶ
  2. 10cm程の挿し穂を作り切り口をカットして吸水面を増やす
  3. 葉は2〜3枚だけ残して残りはすべて取り除く
  4. 切り口を数時間水に浸けた後切り口に発根促進剤を塗布
  5. 用土に挿し穂を植えてたっぷり水やりをする
  6. 1〜2か月後に芽を確認できたら植え替えを行う

剪定・株分けの時期はいつがいい?

コーヒーの木の剪定と株分けは、生育期である5月~9月に行うのが適しています。

株分けのやり方

  1. 鉢から丁寧にコーヒーの木を取り出す
  2. 根を傷つけないように注意しながら株を分ける
  3. 分けた株はそれぞれ新しい鉢に植える
  4. たっぷりと水を与える
  5. 植え替え後は直射日光を避け半日陰で管理する

剪定

コーヒーの木は頻繁に剪定する必要はなく、風通しを良くする程度で自然な樹形に整えます。

  • 葉が落ちてしまった部分から新しい葉は生えてこないため、枝を切り落とす
  • 風通しを良くするために混み合った枝を間引く
  • 傷口からの感染を防ぐために剪定後は切り口に癒合剤を塗る

植え替え時期はいつがいい?

コーヒーの木の植え替えは、気温が温かくなり育成期が始まる4月~6月が最適です。

コーヒーの木は地上部に比べて根がよく育つため根詰まりを起こしやすく、1~2年に1回の植え替えが推奨されています。

植え替えのタイミングは、鉢底から根が出ていたり、水の吸い上げが悪くなっていたりする場合が目安です。

■ポイント

コーヒーの木は真っすぐ下に根が伸びる直根性なので、鉢は大きさよりも深さを重視して選ぶと良いでしょう。

鉢替えのやり方

  1. 現在の鉢よりひとまわり大きいサイズの鉢を用意する
  2. 植えている鉢や購入時のポットからコーヒーの木を取り出す
  3. 根が巻いている場合は傷つけないように軽くほぐす
  4. 鉢の底に水捌けを良くするために鉢底石を入れる
  5. コーヒーの木に適した土を1/3程度入れる
  6. コーヒーの木を鉢の真ん中に入れて根を広げる
  7. 残りの土を入れてコーヒーの木をしっかりと固定する
  8. 土の高さは鉢の縁から2~3cmのウォータースペースを残す
  9. 底から水が溢れるくらいたっぷりと水を与える
  10. 鉢替え後は直射日光を避けて半日陰で休ませる

■ポイント

鉢替え直後は根が弱っているため、通常より薄く希釈した活力剤を与えると良いでしょう。


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