マホニア コンフューサの育て方
公開日 2025年09月18日
更新日 2025年09月18日
育てやすさ
初心者の方でも育てやすいのでおすすめです。
監修者情報

覚張大季
植物と人との関わりに魅了され、日本各地の植物農園を見て回る。HanaPrimeの植物部門の立ち上げ後はオフィスや商業施設、個人宅など、幅広いシーンのグリーンコーディネートを数多く担当。植物の生態や特性を深く掘り下げ、それぞれの空間やライフスタイルに適したグリーン空間デザインを提案することが得意。観葉植物の世界に情熱を注ぎ、植物の価値を最大化することを使命としている。

マホニア コンフューサの基本情報
植物名 | マホニア コンフューサ |
学名 | Mahonia confusa |
和名 | コンフューサ |
英名 | Chinese mahonia、Confused mahonia |
別名 | 細葉ヒイラギナンテン(ホソバヒイラギナンテン) |
原産地 | 中国 |
科名 | メギ科 |
属名 | マホニア属 |
開花時期 | 4~5月、10~12月 |
マホニア コンフューサは、中国原産の常緑低木です。
「細葉ヒイラギナンテン」という別名でも知られ、細長く光沢のある葉が羽のように広がる姿が特徴です。
日陰や寒さにも強く、丈夫で育てやすいため、庭木や生垣として幅広く親しまれています。
秋から冬にかけては、明るい黄色の花を咲かせ、その後には青紫色の美しい実をつけるなど、季節ごとの変化も楽しめます。
月別栽培カレンダー
植え付け・植え替え
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肥料
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剪定
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開花
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種類と品種
マホニア コンフューサは、マホニア属に分類される植物のひとつです。
同じ属の中には、葉の形や模様、全体の姿が異なる近縁の品種がいくつかあります。
ここでは、代表的な品種である「ヒイラギナンテン」「ナリヒラナンテン」との違いをご紹介します。
品種名 | 葉の形 | 鋸歯 | 樹高 | 樹形 | トゲの有無 | 育てやすさ | レア度 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
マホニア コンフューサ | 細長い | 目立つが小さめ | 約1m | コンパクトで整う | 軽くチクっとする程度 | 育てやすい | やや珍しい |
ヒイラギ ナンテン | 幅広で厚みがある | 鋭くて強い | 1~2m | やや大ぶり | はっきりとトゲがある | 丈夫で育てやすい | 一般的 |
ナリヒラナンテン | やや細めで丸みがある | やや控えめ | 約1m | 柔らかい印象 | ほとんど気にならない | 育てやすい | 稀少ではない |
マホニア コンフューサ

マホニア コンフューサは、葉が細く、葉の縁がギザギザとしているのが特徴です。
高さは1m前後でまとまりやすく、低木として庭のアクセントに重宝されます。
寒さや日陰にも強く、初心者でも育てやすい品種です。
ヒイラギナンテン

ヒイラギナンテンは、やや大型で力強い印象を持つ品種です。
葉には鋭いトゲがあり、樹高は1〜2m程度に育ちます。
生垣や目隠しとして植えられることも多く、広いスペースに向いています。
ナリヒラナンテン
ナリヒラナンテンは、葉に丸みがあり、トゲが少ないやさしい見た目の品種です。
高さは1m程度におさまり、比較的コンパクトに育てられます。
住宅の玄関まわりや和風庭園の植栽にもよく使われます。
マホニア コンフューサの葉っぱの特徴

マホニア コンフューサの葉は、細長くつやのある濃い緑色をしていて、複数の小さな葉が羽のように連なっています。
葉のふちにはのこぎりの刃のようなギザギザ(鋸歯)があり、葉先には小さなトゲがついているため、剪定や植え替えの際には注意が必要です。
冬には葉色がほんのり赤みを帯びることもあり、季節ごとに違った表情を楽しめ、洋風・和風どちらの庭にもよくなじむ美しさを持っています。
マホニア コンフューサはどんな花が咲く?

マホニア コンフューサは、秋から初冬(10〜12月)にかけて黄色い小さな花を咲かせます。
春(4〜5月)にも咲くことがありますが、代表的な開花時期は秋から冬にかけてです。花は小さなベルのような形をしていて、穂のように連なって咲く姿(総状花序)が特徴的です。
明るいレモンイエローの花色は、常緑の深い緑の葉に映え、冬の庭を明るく彩ってくれます。
花が終わると光沢のある青紫色の実が房のように実り、花と実の両方を楽しめる点も大きな魅力です。
マホニア コンフューサの花言葉
マホニア コンフューサの花言葉は「激しい感情」「慈愛」「思慮深さ」などです。
光沢のある葉と鋭さを持つ外見、そして寒さの中でも咲く黄色い花が、内に秘めた強さとやさしさの両面を表しているといわれています。
マホニア コンフューサの育て方
マホニア コンフューサは丈夫で環境への適応力が高い植物です。
地植え・鉢植えのどちらでも育てられますが、場所や管理方法によって注意点が少し異なります。
栽培に慣れていない方でも手入れがしやすいため、初心者にもおすすめできる常緑低木です。
ここでは、水やり・肥料・病害虫対策・植え付け方法について順に解説していきます。
水やりの頻度
マホニア コンフューサは水が少なくても元気に育つ植物で、湿った状態が続くのは苦手で、特に鉢植えでは、水の与えすぎが根腐れの原因になるため注意が必要です。
以下の表を参考に、季節や植え方に合わせた水やりを心がけましょう。
育て方 | 春~秋 | 冬 |
---|---|---|
鉢植え | 土の表面が乾いたらたっぷり与える | 土が乾いてから数日後に軽く与える |
地植え | 雨が少ない時のみ水やり | 基本的に水やり不要 |
鉢植えの場合は、土の表面が乾いてからたっぷりと与えるのが基本です。
ただし、鉢底に水がたまったままにすると根腐れの原因になるため、受け皿の水は必ず捨ててください。
一方、地植えの場合は基本的に雨だけで十分ですが、夏場に晴天が続いた場合などは様子を見て水やりを行いましょう。
肥料のあげ方
マホニア コンフューサは、肥料がなくても元気に育つ丈夫な植物ですが、肥料を与えると葉色がよくなり花も咲きやすくなります。
特に鉢植えでは土の中の栄養が減りやすいため、春〜初夏(3〜6月)と秋(9〜10月)に定期的に肥料を与えるのがおすすめです。
鉢植えの場合
鉢植えでは、ゆっくりと効く粒状の置き肥を2カ月に1回のペースで与えるとよいでしょう。
液体肥料を使う場合は、2週間に1回が目安です。
土の量が限られている鉢植えでは、栄養不足を防ぐために定期的な施肥が効果的です。
地植えの場合
地植えでは土の中に栄養が残りやすいため、頻繁な施肥は必要ありません。
春または秋に1〜2回、緩効性の置き肥を与えれば十分です。
過剰な肥料は根に負担をかけるため、与えすぎないように注意しましょう。
病害虫・害虫対策
マホニア コンフューサは比較的病害虫に強い植物ですが、環境が悪いとまれに被害を受けることがあります。
特に風通しが悪い場所や、枯れた葉を放置したままにすると害虫が発生しやすくなるため、日頃のチェックと早めの対処が大切です。
アブラムシ
- 新芽や葉の裏につく
- 養分を吸い取って生育を妨げる
- 繁殖が早く、見逃すと増えやすい
アブラムシを見つけたら、早めに対処しましょう。
数が少ないうちは水で洗い流すだけでも効果があります。広がっている場合は、市販の殺虫剤を使って駆除してください。
発生を防ぐには、新芽の状態をこまめにチェックするのが有効です。
カイガラムシ
- 幹や葉に固着して樹液を吸う
- 排せつ物が病気の原因になることもある
- 表面に硬い殻があり、薬剤が効きにくい
カイガラムシは発見が遅れると駆除が難しくなるため、早めの発見と物理的な除去が重要です。
ブラシなどで擦り落とした後に薬剤を散布しましょう。
冬の休眠期など、活動が緩やかな時期に駆除するのもおすすめです。
ハダニ
- 葉の裏に発生しやすい
- かすり状の斑点が出る
- 乾燥した環境を好む
ハダニは乾燥した場所で発生しやすいため、葉水をこまめに与えて予防しましょう。
発生してしまった場合は、ハダニ専用の殺ダニ剤を使う必要があります。
特に葉の裏側を重点的に確認し、見つけ次第対応することが大切です。
植え付け方
植え付けは春(3〜5月)または秋(9〜10月)が適期です。
植え付け直後は根が不安定なため、強風や直射日光を避けて管理すると安心です。
- 植え付ける場所を選ぶ
- 植え穴を掘る
- 苗を植え付ける
- 土を戻して軽く踏み固める
- たっぷり水を与える
① 植える場所を選ぶ
マホニア コンフューサを庭に植える際は、日当たりと水はけのよい場所を選びましょう。
鋸歯のある葉に触れると痛みを感じることがあるため、人が頻繁に通る場所は避けるのが無難です。
② 植え穴を掘る
苗より一回り大きな穴(目安:直径30cm×深さ30cm)を掘ります。
粘土質の土壌や水はけが悪い場所では、腐葉土や軽石を混ぜることで排水性が向上し、根腐れを防げます。
③ 苗を植え付ける
掘った穴に苗を入れ、根鉢の上部が地面と同じ高さになるよう調整します。
植え込みが深すぎると蒸れの原因になるため、浅植えを意識しましょう。
植える前に根鉢を軽くほぐすと、根張りがよくなります。
④ 土を戻して軽く踏み固める
戻した土で苗を軽く固定します。
ぐらつかないように、株元の周囲を足で軽く押さえて安定させましょう。
強く踏みすぎると土が締まりすぎるため、あくまで軽くがポイントです。
⑤ たっぷり水を与える
植え付け後は根と土がしっかりなじむようにたっぷりと水を与えます。
その後は水の与えすぎに注意し、乾燥気味に管理しましょう。
鉢植えの場合は特に水はけを確認し、受け皿の水はためないよう注意が必要です。
マホニア コンフューサの栽培環境
テマホニア コンフューサは、日陰にも強く丈夫な性質を持っているため庭木や生垣として幅広い場所に植えられていますが、環境によっては成長や花つきに差が出ることもあります。
ここでは、適した置き場所・温度・土壌について解説します。
置き場所と日当たり

マホニア コンフューサは半日陰を好む植物です。
直射日光が強すぎる場所では葉焼けを起こす可能性があるため、明るい日陰や木漏れ日の当たる場所を選びましょう。
鉢植えの場合は、夏は風通しのよい半日陰に、冬は霜が当たらない軒下などで管理すると安心です。
適切な温度|どれくらいの寒さまで耐えられる?
マホニア コンフューサは耐寒性・耐暑性の両方に優れた常緑低木で、おおよそ−10℃程度まで耐えるとされ、関東以西であれば屋外で越冬可能です。
ただし、冷たい風や霜に当たると葉が変色することもあるため、寒冷地では不織布をかけるなどの防寒対策をしてください。
用土
マホニア コンフューサは水はけのよい弱酸性の土壌を好みます。
鉢植えの場合は「観葉植物用の培養土」や「花木用の土」に軽石やパーライトを2割程度混ぜて排水性を高めるとよいでしょう。
地植えでは、粘土質の重たい土の場合、腐葉土や川砂、軽石などを混ぜて改良すると根腐れを防ぎ、健康に育ちます。
このように環境を整えることで、マホニア コンフューサは1年を通して元気に育ち、花や実のつきも安定します。
マホニア コンフューサの開花時期
マホニア コンフューサの主な開花時期は、秋から初冬(10〜12月)です。
一部では春(4〜5月)にも花を咲かせるとされますが、一般的には秋の花木として知られています。
黄色く小さな花が穂のように連なり、暗くなりがちな冬の庭に彩りを添えてくれます。
開花時期は4~5月と10~12月
開花は、春の4〜5月ごろと、秋〜初冬の10〜12月ごろに見られます。
1本の株に複数の花穂が立ち上がり、明るいレモンイエローの花が咲きそろう姿はとても華やかです。
常緑の濃い葉とのコントラストも美しく、庭木としての鑑賞価値が高い品種といえるでしょう。
マホニア コンフューサの花が咲かない原因は?
マホニア コンフューサの開花は比較的安定していますが、育て方や環境によっては咲かないこともあります。
花を楽しみたい場合は、日当たり・肥料・剪定時期の3点を意識して管理すると効果的です。
花が咲かない代表的な原因は以下のとおりです。
日照不足
マホニア コンフューサは半日陰を好みますが、極端に暗い場所では花芽がつきにくくなります。日当たりのよい場所で管理することで、花が咲く可能性が高まります。
剪定のタイミング
花芽ができる前に剪定すると、花のつく枝を切り落としてしまうことがあります。剪定は花が終わった後に行うのが適切です。
肥料不足
栄養が足りないと、花よりも葉の成長が優先され、花つきが悪くなります。定期的に肥料を与えることで、花芽の形成を促せます。
根詰まり
鉢植えで根が詰まると、水分や栄養がうまく吸収されず、開花が鈍ることがあります。2〜3年ごとに植え替えを行うと、根詰まりを防げます。
マホニア コンフューサの増やし方
マホニア コンフューサは、剪定や挿し木によって比較的簡単に増やすことができる植物です。
ここでは、増やすタイミングや具体的な方法、植え替え時のポイントについて紹介します。
剪定の時期はいつがいい?
剪定の適期は、花が終わったあとの5〜6月頃です。
その年に伸びた枝に翌年の花芽がつくため、開花後すぐの剪定がおすすめです。
古くなった枝や混み合った枝を間引くように切ると、風通しがよくなり、病害虫の予防にもつながります。
剪定のポイント
- 切る場所は節(葉の付け根)の少し上を意識する
- 内側に向かって伸びる枝や、交差している枝は取り除く
- 高さを調整したいときは、全体のバランスを見ながら整える
枝先に鋸歯のある葉が多く残っていると作業がしにくいため、軍手や剪定用グローブの着用を推奨します。
挿し木のやり方
マホニア コンフューサの挿し木は、5〜6月の梅雨時期または9月頃が適しています。
挿し木は比較的発根しやすいため、初心者でもチャレンジしやすい方法です。
- 健康な枝を10〜15cmほど切り取る
- 葉を下半分取り除く
- 切り口を斜めにカットし、発根促進剤を塗る(任意)
- 挿し木用の土や赤玉土に挿し、明るい日陰で管理
- 乾かさないように水を与えながら発根を待つ
① 健康な枝を10〜15cmほど切り取る
その年に伸びた若く元気な枝を選び、10〜15cmの長さで切り取ります。
ハサミは清潔なものを使いましょう。
② 下半分の葉を取り除く
葉が多いと水分の蒸発量が多くなり発根しづらいため、下半分の葉を取り除き、上部に数枚だけ残しておきます。
③ 切り口を斜めにカットし、発根促進剤を塗る(任意)
切り口を斜めにカットすることで土との接地面が広くなり、発根しやすくなります。
発根促進剤があれば塗布しておくと成功率が上がります。
④ 挿し木用の土に挿して管理する
清潔な挿し木用土(または赤玉土小粒)に枝を挿し、明るい日陰に置いて管理します。
直射日光は避けましょう。
⑤ 土が乾かないように水を与えながら発根を待つ
発根するまでは土が乾かないように注意しながら水やりを続けます。
順調であれば、2〜3週間ほどで発根が確認できるでしょう。
植え替え時期はいつがいい?
植え替えは、成長が穏やかになる春か秋(3〜5月、9〜10月)が適しています。
鉢植えの場合、根詰まりや土の劣化が見られたら2〜3年に1回を目安に植え替えましょう。
地植えの場合は、基本的に植え替え不要ですが、株が大きくなりすぎた場合には掘り上げて移植することも可能です。
鉢替えのやり方
マホニア コンフューサは成長にともない根が鉢いっぱいになるため、2〜3年に1回の鉢替えが必要です。
鉢替えをして根詰まりを防ぐことで、株の健康を保ちやすくなります。
- 鉢から株をやさしく取り出し、古い土を落とす
- 黒ずんだ根を剪定し、状態を整える
- 新しい鉢に鉢底石と新しい土を入れる
- 株を中央に置いて土を足しながら固定する
- たっぷり水を与え、半日陰で養生する
① 鉢から株をやさしく取り出し、古い土を落とす
根鉢を崩さないよう注意しながら、鉢から株をそっと抜きます。
古い土は軽くほぐして取り除きましょう。
② 黒ずんだ根を剪定し、状態を整える
根が密に絡んでいたり、黒ずんだ部分がある場合は、清潔なハサミでカットします。
傷んだ根を取り除くことで、新しい根の発育が促されます。
③ 新しい鉢に鉢底石と新しい土を入れる
一回り大きい鉢を用意し、底に鉢底石を敷きます。
その上に新しい土を1/3ほど入れて、排水性と通気性を確保します。
④ 株を中央に置いて土を足しながら固定する
株の位置を中央に据え、まわりに土を足しながら固定します。
植え終わったら、株がぐらつかないよう軽く押さえましょう。
⑤ たっぷり水を与え、半日陰で養生する
植え替え後はたっぷりと水を与え、根と土をなじませます。
その後は直射日光を避け、半日陰で1週間ほど様子を見ながら管理しましょう。根が落ち着くまで、肥料も控えます。