フィカス プミラの育て方
公開日 2024年12月24日
更新日 2024年12月24日
育てやすさ
初心者の方でも育てやすいのでおすすめです。
INDEX
目次
フィカス プミラの基本情報
植物名 | フィカス プミラ |
学名 | Ficus pumila |
和名 | オオイタビ |
英名 | Creeping rubber plant |
別名 | プミラ |
原産地 | 日本、東南アジア |
科名 | クワ科 |
属名 | フィカス属 |
開花時期 | 3~5月 |
フィカス プミラは常緑つる性木本の観葉植物で原産地は日本、東南アジアです。
日光を好む植物で粘着性のつるは壁や木をつたって成長し、外壁面緑化としても利用されています。
耐陰性もあり成長が早く、生命力も強いため初心者でも簡単に育てられる植物です。
フィカス プミラの葉っぱは濃いグリーンが美しく、ガーデニングやインテリアプランツとしてさまざまな楽しみ方があります。
月別栽培カレンダー
種まき
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植え付け・植え替え
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肥料
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開花
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種類と品種
フィカス プミラは斑入りの品種が多く、葉っぱの見た目や色のコントラストが美しく人気のある観葉植物です。
フィカス プミラの原種は濃い緑色で成葉に成長しますが、園芸品種として販売されているものは、幼葉のまま成葉にはならず、小さく丸い葉っぱのまま育ちます。
以下は、フィカス プミラの主な品種です。
品種 | 葉っぱの形 | 見た目の特徴 |
---|---|---|
フィカス プミラ サニー | 卵型 | 細く白い斑入り |
フィカス プミラ サニー ホワイト | 丸い | サニーより太めの白い斑入り |
フィカス プミラ 月光の光 | 縮れている | 黄緑色の斑が中央に入る |
フィカス プミラ ミニマ | ハート型 | 肉厚でツヤがある |
フィカス プミラ コアラ | 縮れている | 黄緑や白の斑入り |
中でも観葉植物として特に人気の高い品種は、以下の2種類です。
フィカス プミラ サニー
フィカス プミラ サニーは、フィカスプミラの中でも一番有名な品種で人気もあります。
新芽の美しい白い斑は、葉っぱが古くなっても斑の白さが薄くなりにくいのが魅力的です。
フィカス プリマ ミニマ
フィカス プリマ ミニマは葉っぱの大きさが他の種類よりも小さく、葉脈の凹凸がはっきりしています。
庭や部屋のテイストを選ばず、どのような空間にも溶け込みやすい品種です。
つるを伸ばして成長するので、支柱やアーチなどで好みの形にアレンジできます。
フィカス プミラはどんな花が咲く?
フィカス プミラはイチジクと同じように実の中に花を咲かせます。
これを咽頭花序(いんとうかじょ)と言い、花嚢(かのう)の中に花を咲かせるため見た目は、果実にそっくりです。
フィカス プミラの花は、3〜10cmほどで楕円形や楕円の底をつぶしたような形をしていて、色は緑色からピンク、黒っぽい紫色へと熟すにつれて変わっていきます。
熟した状態を果嚢と言い、雌株の場合は食用にもなり、イチジクよりも甘いです。
ただし、雄株の果嚢には受粉を手伝うオオイタビコバチが中で死んでいるため食べられません。
フィカス プミラの葉っぱの特徴
フィカス プミラの原種は卵型の葉っぱで濃い緑色、細い茎に重なるように無数の葉っぱが付いています。
ですが、園芸品種として販売されているものは、幼葉のまま成葉にはならないため丸くて小さい葉っぱが主流です。
フィカスプリマはつる性の植物なので、壁に這わせてグリーンカーテンにしたりハンギングして垂れ下がる姿をインテリアにしたりと屋外でも屋内でも楽しめます。
フィカス プミラの花言葉
フィカス プミラの花言葉は「あなたは私を元気づける」「知識」です。
フィカス プミラの成長が早く、つるをぐんぐん伸ばして葉っぱを増やす様子からイメージされて付けられています。
フィカス プミラの育て方
フィカス プミラの育て方についてポイントを確認しましょう。
季節によって水やりの頻度を変える必要がある他、病害虫に関しても対策が必要です。
水やりの頻度
フィカス プミラの生育期は特に水を必要としているので春~夏は、土の表面が乾いたら鉢底から流れ出るくらいたっぷり水をあげましょう。
水切れして乾燥すると葉落ちの原因になります。
水やりのあとには、鉢の受け皿に水が溜まったままにならないように必ず捨てましょう。
そのままにしておくと土の湿度が上がり、根腐れを起こします。
また、秋〜冬は土の表面が乾ききってから2〜3日後に水やりします。
休眠期に入り、成長が緩やかになるので乾燥気味で育てるのが良いでしょう。
フィカス プミラは空気の乾燥が苦手なので、秋冬は暖かい時間帯に葉水をすることで葉っぱも元気に育ちます。
肥料のあげ方
フィカス プミラは肥料を与えることで元気に成長します。
生育期の5〜10月に水で薄めた液肥を2週間に1回与えるか、置き肥を2ヵ月に1回与えましょう。
多くの葉を茂らせたい場合は追肥も良いですが、肥料の与えすぎで根を痛める可能性があるので注意が必要です。
秋冬は休眠期で成長が緩やかになるので、肥料は与えません。
この時期に肥料を与えてしまうと肥料やけを起こして枯れる原因になります。
病害虫・害虫対策
フィカス プミラが元気に育つように普段から風通しを良くして葉水するなどの病害虫対策はしておきましょう。
病害虫が発生したときの対処法をまとめています。
カイガラムシ
- 樹液を吸ってフィカス プミラを弱らせる
- 排泄物が原因で葉っぱに黒い斑点が出る「すす病」を引き起こす可能性もある
フィカス プミラは葉っぱが密集しているので被害も広がりやすく、発生した場合はすぐに対処が必要です。
見つけたらブラシでこすり取るかピンセットで取り除きましょう。
葉っぱの病変部も切り取り、被害が大きい場合は殺虫剤を散布したり枝ごと剪定をします。
ハダニ・アブラムシ
- 葉っぱが乾燥するとハダニやアブラムシが発生する
- フィカス プミラがストレスを感じ、樹液の減少が起こる
ハダニやアブラムシを見つけた場合は、テープで貼り付けて取り除くか、殺虫剤や濃いコーヒーなどを吹き掛けることで窒息させると退治できます。
ナメクジ・ダンゴムシ
- フィカスプミラをグランドカバーにしていると、ナメクジやダンゴムシの食害に合いやすい
- 新葉や株などが食べられて、葉っぱなどに穴が開いてしまう
ナメクジやダンゴムシを見つけたら、濃いコーヒーをかけて神経系にダメージを与え駆除します。
ナメクジやダンゴムシは、コーヒーの香りを嫌うので、フィカス プミラに寄り付かないようにコーヒーかすを周辺に撒いておくのもおすすめ。
植え方|通常の鉢に植えるやり方
フィカス プミラは種から育てることはほとんどなく、苗を購入して鉢へ植え替えます。
地植えすると原種戻りをして幼葉が成葉になり、屋内で育てているフィカス プミラとは別の姿になるので注意が必要です。
- 鉢底石を敷いてから土を入れる
- 根をほぐしたフィカス プミラを植えて軽く抑える
- つるを好みの形にしたい場合は、支柱やワイヤーを立てる
- 鉢底から流れ出るくらいたっぷり水をあげる
① 鉢底石を敷いてから土を入れる
鉢底石を入れ水はけを良くし、市販の観葉植物用の培養土を入れます。
自分で配合する場合、赤玉土7:腐葉土3の割合が良いでしょう。
② 根をほぐしたフィカス プミラを植えて軽く抑える
③ つるを好みの形にしたい場合は、支柱やワイヤーを立てる
④ 鉢底から流れ出るくらいたっぷり水をあげる
鉢の受け皿にたまった水は捨ててください。
植え方|ハンギング鉢に植えるやり方
① 軽い入れ物を用意し、土を入れる
プラスチック製の鉢や木製のかごなど、軽い素材の入れ物を用意します。
用土も、赤玉土3、ピートモス3、パーライト2、バーミキュライトを2の割合など軽い土を使用しましょう。
② 鉢の中央に苗を置き、土を足す
水をあげた時に溢れてしまわないように、土は鉢上から2cm下までに留めておきます。
③ 鉢底から流れ出るくらいたっぷり水を与える
鉢の受け皿に溜まった水は捨てます。
鉢に受け皿がない場合は、水が切れるのを待ってから飾りましょう。
屋外に植えたい場合のポイント
屋外に植える場合は、支柱やつるの伸びる場所、つたって欲しい場所を考えて植えましょう。
このとき、つるが木質化(茎が硬くなる)して付着根が壁を傷める場合もあるので注意が必要です。
また、フィカス プミラを植える場所の気温が5℃以下になる場合は、鉢植えにしましょう。
霜などが付いて枯れる恐れがあります。
そして、複数株を同じ場所に植える場合は、葉っぱを広げるスペースを確保するために10cm前後離して植えましょう。
葉っぱがパリパリになる原因は?
フィカス プミラの葉っぱがパリパリになるのは、空気の乾燥や水分不足が原因です。
対策として、以下の方法があります。
- 水分不足にならないように季節や気温に応じて水やりの頻度を見直す
- 葉っぱが痛まないよう暖かい時間帯に葉水をする
- 弱った根を取り除いて植え替える
また、空調を付けていたりハンギングしていたりすると通常よりも乾燥しやすいので注意しましょう。
パリパリになってしまった葉っぱは元に戻らないため摘み取ります。
フィカス プミラの栽培環境
フィカス プミラが健康に育つために重要な栽培環境について紹介します。
ポイントを押さえて元気なフィカス プミラを育てましょう。
置き場所と日当たり
フィカス プミラは日当たりの良い場所を好みます。
耐陰性はありますが、日光不足になると葉っぱ同士の間隔が広くなり生育不良に繋がるので注意しましょう。
また、真夏の直射日光は葉焼けする可能性があるので、レースカーテン越しの明るい場所がおすすめです。
冬場にフィカス プミラの鉢を屋外で育てている場合は、霜などが避けられる軒下へ移動させましょう。
適切な温度|どれくらいの寒さまで耐えられる?
フィカス プミラは0℃まで耐えられますが、落葉する原因になります。
成長しやすい温度は15〜38℃です。
15℃以下になるとフィカス プミラの成長が緩やかになり、10℃以下になると休眠し、0℃までは枯れずに耐えられます。
冬場の窓際は冷え込むので、窓から少し離れた明るい場所に置きましょう。
エアコンの風が直接当たると葉っぱが乾燥して枯れてしまうので、葉水をすることが大切です。
用土
フィカス プミラの用土は、観葉植物用の土を使用するのが簡単です。
自分でブレンドする場合は、小粒の赤玉土7:腐葉土3で作れます。
また、観葉植物用の土と赤玉土や鹿沼土、パーライトをブレンドするのも良いでしょう。
地植えの場合は、植える場所に赤玉土や腐葉土、堆肥を混ぜ込みます。
ハンギングする場合は、2割ほどバーミキュライトを混ぜて軽くするのもおすすめです。
フィカス プミラの開花時期は3~5月
フィカス プミラの花は3〜5月に咲きます。
しかし、咽頭花序(いんとうかじょ)のため一見すると花が咲いている姿は外から見えません。
実のように見えるものが花の一部で、その中に無数の小さい花が咲きます。
開花時期は3~5月
フィカス プミラの開花時期は3〜5月です。
咽頭花序(いんとうかじょ)と言ってフィカス プミラは実の中に花を咲かせるため直接外から花を見ることはできません。
花嚢の長さは4〜10cm、直径は3〜5cmほどの楕円形です。
フィカス プミラの花が咲かない原因は?
屋内で育てているフィカス プミラは花を咲かせることはありません。
フィカス プミラはイチジクコバチ科のオオイタビコバチを介して受粉し花を咲かせます。
そのため屋内には、オオイタビコバチが入りにくいので花を咲かせることはないでしょう。
ただし、オオイタビコバチは日本の南西諸島から関東に生息しているので、関東以南の屋外で育てている場合は花を咲かせることがあります。
フィカス プミラを種から育てると大変?
フィカス プミラを種から育てるのは、手間がかかり大変です。
一般的に苗を購入して鉢に植えて育てるほうが手軽で始めやすいでしょう。
今育てているフィカス プミラを増やしたい場合も、種を採取するより挿し木や水挿しの方が手軽で成功率も高いです。
フィカス プミラの増やし方
フィカス プミラは成長が早いので、初心者でも挿し木や水挿しで簡単に増やせます。
生育期の5~7月におこなうことで成長も早く、フィカス プミラへのダメージも少なくてすみます。
剪定の時期はいつがいい?
フィカス プミラの剪定は5〜10月の生育期にしましょう。
好みの形になるように好きな場所を剪定して問題ありません。
痛んでいる箇所や葉っぱが多すぎる場所を剪定し、風通し良くすることで病害虫予防にもなります。
木質化している部分は新芽が出にくいので、好みで剪定しましょう。
また、フィカス プミラはゴムの木の仲間で茎を切ると白い樹液が出ます。
樹液が肌につくとかぶれる人もいるので、手袋をするなど対策してから剪定を始めましょう。
剪定した枝を使い挿し木や水挿しができ、そのままインテリアのひとつとして飾ることもできます。
挿し木のやり方
フィカス プミラの挿し木や水挿しは、5~7月におこないます。
早く根付くためには土が湿った状態が好ましいので、湿度の高い6月頃におこなうのがおすすめです。
- 枝を切って挿し穂をつくる
- 1時間ほど吸水させ、土に挿し穂の半分まで挿す
- 発根するまで1カ月ほど管理を続ける
① 枝を切って挿し穂をつくる
5~10cmほどに枝を切り取り、上にある葉っぱは2~3枚を残して他の葉っぱは取り除く。
② 1時間ほど吸水させ、土に挿し穂の半分まで挿す
③ 発根するまで1カ月ほど管理を続ける
1週間は明るい日陰で土が乾かないよう管理し、その後も根付くまでは常に土が湿っている状態をキープしてください。
葉っぱが乾燥するので、新芽が出るまでは葉水も続けます。
1か月ほどで発根して新芽が出たら、鉢に観葉植物用の土を入れて植えます。
水挿しのやり方
挿し穂の作り方は挿し木の場合と同じです。
- 水の入ったコップや小さな花瓶に挿し穂を挿す
- 直射日光の当たらない明るい場所で育てる
- 根が出たら植え替えるかハイドロボールを使い水耕栽培する
① 水の入ったコップや小さな花瓶に挿し穂を挿す
② 直射日光の当たらない明るい場所で育てる
根が出るまでは毎日水を入れ替えます。
日光で水が温まると成長に悪影響が出るので、置く場所には注意しましょう。
③ 根が出たら植え替えるかハイドロボールを使い水耕栽培する
植え替え時期はいつがいい?
フィカス プミラの植え替え時期は、気温が安定し始めた生育期の5〜7月にしましょう。
成長が早く根詰まりを起こしやすいため1年に数回は植え替えが必要になります。
根詰まりや根腐れの症状は下記のとおりです。
- 水が浸透しない
- 落葉する
- 根が黒く変色している
- 土がなかなか乾かない
鉢替えのやり方
今使っている鉢よりひとサイズ大きい鉢を用意して鉢替えします。
フィカス プミラを大きく育てたくない場合は、健康な根を残すように剪定してから同じ大きさの鉢に植え替えても問題ありません。
グローブやシャベルなど必要な道具を用意してから始めましょう。
- 水やりして株をほぐす
- 鉢の側面を軽く叩きながら株を取り出す
- 痛んだ根などをカットする
- 根が窮屈にならないように植えて土をかぶせる
- 鉢底から流れ出るほどたっぷり水を与える
① 水やりして株をほぐす
② 鉢の側面を軽く叩きながら株を取り出す
③ 痛んだ根などをカットする
④ 根が窮屈にならないように植えて土をかぶせる
新しい鉢には、水はけが良くなるように鉢底石を入れて通気性と排水性も高めておきましょう。
土は観葉植物用の土やパーライト、バーミキュライトを混ぜた土がおすすめです。