ユッカ キミガヨランの育て方

ユッカ キミガヨランの基本情報

植物名	ユッカ キミガヨラン
学名	Yucca recurvifolia
和名	君が代蘭
英名	Curve leaf yucca
別名	ユッカラン
原産地	北アメリカ
科名	リュウゼツラン科
属名	ユッカ属
開花時期	5～6月、10～11月

ユッカ キミガヨランは、北アメリカを原産地とする観葉植物です。

放射状に生える鋭い葉が大きな特徴で、とてもエネルギッシュな見た目をしています。

明治頃に渡来したといわれている、日本とも馴染みが深い品種です。

耐暑性と耐寒性に優れるうえ乾燥にも強いため、初心者でも簡単に育てられます。

月別栽培カレンダー

種類と品種

ユッカ キミガヨランはユッカ属に含まれる植物のひとつです。

ここにはユッカ属の代表的品種であるユッカ エレファンティペスや、ユッカ キミガヨランと近い品種で「アツバキミガヨラン」という別名でも知られるユッカ グロリオサなどが含まれています。

品種名	葉の形状	葉の生え方	斑の有無	育てやすさ	レア度
ユッカ キミガヨラン	剣状で鋭い	放射状	無	とても育てやすい	低
ユッカ エレファンティペス	まっすぐで鋭い	上向き		育てやすい
ユッカ グロリオサ	鋭くて分厚い	放射状		とても育てやすい

ユッカ エレファンティペス

ユッカ エレファンティペスはユッカ属の代表的な品種です。

その力強い見た目から、「青年の木」という別名でも親しまれています。

象の足のような太い幹と、そこから生える上向きの葉が大きな特徴です。

ユッカ グロリオサ

ユッカ グロリオサは「アツバキミガヨラン」という別名でも知られる品種です。

その名前通り、ユッカ キミガヨランととても似た見た目をしています。

ユッカ グロリオサは葉が分厚く硬いため、ユッカ キミガヨランと違い葉がほとんど垂れません。

アツバキミガヨランとの違いは？

とても似ているユッカ キミガヨランとアツバキミガヨラン（ユッカ グロリオサ）ですが、以下のような違いがあります。

品種名	葉の厚さ	葉の幅	花の大きさ
ユッカ キミガヨラン	薄くて柔らかい	やや狭い	やや小さい
アツバキミガヨラン	分厚くて硬い	やや広い	やや大きい

葉や花の見た目が少々違うため、自分好みの品種を購入するとよいでしょう。

ユッカ キミガヨランはどんな花が咲く？

ユッカ キミガヨランは春と秋の2回、白い花をつけることがあります。

まっすぐ伸びた花茎に、鐘形の花が複数咲く姿は壮観です。

ただ、咲く頻度は不定期なので数年の間一度も花をつけないこともあります。

ユッカ キミガヨランの葉っぱの特徴

ユッカ キミガヨランは剣のような鋭い葉を放射状に生やします。

葉は薄くて柔らかいですが、鋭利なかたちをしているため触れるときは注意しましょう。

伸びてくると葉先の方が垂れ下がり、曲がった形状に変化します。

ユッカ キミガヨランの花言葉

ユッカ キミガヨランの花言葉は「勇壮」「全てを持つ」です。

ユッカ キミガヨランの育て方

ユッカ キミガヨランは耐暑性・耐寒性ともに高く、乾燥にも耐性がある強い植物です。

極度に冷え込む地域でなければ、地植えでもしっかり育ってくれます。

雪が多く降る豪雪地帯などでは枯れる場合もあるため、心配な方は鉢植えで育てるとよいでしょう。

水やりの頻度

ユッカ キミガヨランを育てる場合は、以下の表を参考に水やりをしてください。

育て方	春～秋	冬
鉢植え	土の表面が乾いたら	土が完全に乾いたら
地植え	晴天が数日続いた時のみ	基本的には必要なし

鉢植えの場合は上記のタイミングでたっぷり水を与え、受け皿にたまった水はすぐに捨てましょう。

冬場は成長が鈍くなるため、水をそれほど必要としません。

1ヵ月に1回程度を目安に水やりをし、乾燥気味に管理しましょう。

地植えの場合は基本的に水をあげる必要はありません。

ただし、夏などに晴天が続き、極度に乾燥した場合は水を与えましょう。

肥料のあげ方

ユッカ キミガヨランは肥料なしで十分育ちますが、肥料を与えることで成長を促進できます。

肥料をあげる場合は、生育期の5～9月頃に緩効性の置き肥をあげるとよいでしょう。

液肥などを使用する際は肥料の用法・用量をチェックし、それに従い使用してください。

ただ、肥料をあげすぎると逆にストレスになってしまうため、少量から始めて様子を見るのがおすすめです。

病害虫・害虫対策

ユッカ キミガヨランは病害虫の被害を受けにくい植物ですが、日当たりや風通しの悪い場所で育てると虫が発生する場合もあります。

虫を見つけた際はすぐに退治し、再発生を防ぐために栽培環境を見直しましょう。

ハダニ

ユッカ キミガヨランにつく代表的な病害虫がハダニです。

葉の裏などに付着して汁を吸い、植物の成長を阻害します。

葉に傷や斑点を見つけた場合は、ハダニの発生を疑いましょう。

ハダニは水などで洗い流す、もしくは殺虫剤などを使用して退治してください。

湿気が苦手なので、葉水を与えると発生をある程度予防できます。

ナメクジ

ユッカ キミガヨランを地植えで育てるときに注意したい病害虫がナメクジです。

ナメクジは食欲旺盛で、葉をどんどん食べてしまいます。

小さな株だとそのダメージが原因で、枯れる場合もあるので注意しましょう。

見つけた場合は駆除剤などを使い、すぐに退治してください。

植え方｜地植えのやり方

① 根よりも大きな穴を掘る

日当たりと風通しのよいポイントを探し、植える場所を選定しましょう。

そこにユッカ キミガヨランの根よりも大きな穴を掘ってください。

ユッカ キミガヨランはほとんどの環境に適応する強い植物ですが、水はけのよい土壌を特に好みます。

庭の土が水をため込みやすい場合は、土の入れ替えを検討してもよいでしょう。

② 穴にユッカ キミガヨランを植え付け土で固定する

穴の中心にユッカ キミガヨランを設置し、掘った土を戻しながら固定してください。

植え終わったらたっぷり水を与え、新しい土に根付くのをサポートしてあげましょう。

剪定｜枯れた葉っぱはどうする？

ユッカ キミガヨランの剪定は冬の終わりから春の始まり頃、生育期がスタートする前辺りに行うとよいでしょう。

傷んだ葉や枯れた葉をカットする程度で十分です。

また、花が咲いた場合は散った後に花茎が残ってしまいます。

そのままだと不格好なので、咲き終わったタイミングで剪定するのがおすすめです。

ユッカ キミガヨランの栽培環境

ユッカ キミガヨランは耐暑性と耐寒性に優れるとても丈夫な植物です。

乾燥にも強いため、どんな環境でもしっかり育ってくれるでしょう。

ただ、極端に冷え込む場所や、日が当たらない場所では成長が鈍化する場合もあります。

様子を見ながら、最適な環境を整えてあげましょう。

置き場所と日当たり

鉢植え・地植えともに、日当たりと風通しのよい場所で育ててください。

1日6時間以上を目安に、日に当ててあげるとよいでしょう。

直射日光も苦にしませんが、強い日差しを浴びすぎると葉焼けする場合があります。

心配な方はレースカーテンやすだれを利用し、間接的な光を当てて様子を見るとよいでしょう。

また、エアコンの風が当たると急激に乾燥し、大きなストレスになってしまいます。

屋内で育てる場合は、エアコンの風が直接当たる場所は避けましょう。

ユッカ キミガヨランは毒性がある？

ユッカ キミガヨランには有毒成分がほとんど含まれていません。

ただし犬や猫が大量に摂取すると体調を崩す場合があります。

葉や幹を食べたりしないよう、置き場所には細心の注意を払ってください。

適切な温度｜どれくらいの寒さまで耐えられる？

ユッカ キミガヨランは下は-15℃程度、上は43℃程度まで耐えられるといわれています。

ただ、これは耐えられるというだけで、栽培に適した温度ではありません。

ユッカ キミガヨランの栽培適温は10～38℃程度なので、なるべく温暖な環境をキープしてあげましょう。

ユッカ キミガヨランの土の配合比率（用土）

ユッカ キミガヨランを育てる際は、水はけのよい土を使いましょう。

鉢植えの場合は、一般的な観葉植物用の土を使用すれば問題ありません。

自身で配合する際は以下の割合で混ぜるのがおすすめです。

鉢植え用のおすすめの配合

地植えの場合も水はけのよい土を使用してください。

庭の土をそのまま使っても問題ありませんが、雨水が残り続けるような環境だと注意が必要です。

そういった場合は、水はけのよい土との入れ替えを検討してもよいでしょう。

ユッカ キミガヨランの開花時期

ユッカ キミガヨランは春と秋に花をつけることがあります。

ただし、開花条件は明確になっておらず、毎年必ず咲くわけではないので注意してください。

開花時期は春と秋の2回

ユッカ キミガヨランの開花時期は5～6月と10～11月の計2回です。

花茎がにょきにょきと伸びていき、そこに複数の花が一斉に咲きます。

白い鐘形の花はとても可愛らしく、普段の姿とは違った印象を与えてくれるでしょう。

ユッカ キミガヨランの花が咲かない原因は？

ユッカ キミガヨランの開花条件は明確になっていません。

ただ、ほとんどの植物は良好な栽培環境を整えることで開花しやすくなります。

水・肥料・置き場所などに気を配れば、花をつける確率が多少上がるでしょう。

また、ユッカ属の多くは大きく育った方が開花しやすくなるといわれています。

地植えの方がよく育つため、花を見たい方は地植えでの栽培を検討してみましょう。

ユッカ キミガヨランの増やし方

ユッカ キミガヨランは挿し木で増やすことができます。

生命力が高くとても丈夫な品種なので、比較的簡単に根を張ってくれるでしょう。

手順も簡単で準備品も少ないため、容易にトライできる点も魅力的です。

挿し木をする時期はいつがいい？

ユッカ キミガヨランの挿し木は5～7月頃に行うのがおすすめです。

生育期に挿し木をすることで、その後のスムーズな成長に期待できます。

ただ、暑い時期が続くと成長が鈍化するため、夏が本格化する前の5月頃に行うのがベストでしょう。

挿し木のやり方

① ある程度成長した葉のついている枝をカットする

15cmほどある、葉のついた枝をカットしましょう。

枝を切る際は清潔なハサミを使用してください。

切り口に発根促進剤を塗ることで、挿し木の成功率を上げることができます。

② 鉢に植え明るい日陰に置く

挿し木用の土をセットした鉢に枝を植えましょう。

直射日光が当たらない、明るい日陰に置いて管理してください。

③ 水を与えながら発根の様子をチェックする

定期的に水を与え、湿気のある環境を保つと、数週間で次第に根が出始めます。

挿し木した枝を少し引っ張り、抵抗があれば根付き始めている証拠です。

しっかり根が出たら、通常通りの環境で管理しましょう。

植え替え時期はいつがいい？

ユッカ キミガヨランの植え替えは5～7月頃に行いましょう。

猛暑日に行うと大きなストレスになるため、春のあいだに済ませてしまうのがベストです。

地植えの場合は植え替える必要はありません。

鉢替えのやり方

ユッカ キミガヨランは2年に1度くらいの周期で鉢替えをしてください。

成長スピードがそれほど早くないので神経質になる必要はありませんが、長い期間放っておくと根詰まりなどを起こす場合があります。

鉢底から根が出ているのを見つけた際は、すぐに鉢替えの準備をしてください。

① ユッカ キミガヨランを鉢から取り出す

ユッカ キミガヨランを鉢から取り出し、根の土を落としながら優しくほぐしてください。

日中の暑い時間に取り出すとストレスがかかるため、作業は日差しが弱い朝か夕方に行うのがおすすめです。

② 新しい鉢に鉢底ネットと鉢底石を設置し、土を1/3程度入れる

土は一般的な観葉植物用の土を使用すれば問題ありません。

パーライトやピートモスなど、土壌改良材を使用するのもよいでしょう。

③ ユッカ キミガヨランを植え、土を足しながら固定する

④ たっぷり水を与え明るい日陰で管理する

植え替えが終わったらたっぷり水をあげ、明るい日陰で管理してください。

1ヵ月程度は肥料を与えず、植物に負担がかからない環境づくりを意識しましょう。

葉が黄色く変色した場合は、水を与えすぎている可能性があります。

水やりの頻度や土の水はけなどを改めてチェックしてください。