亀甲竜の育て方

更新日 2025年05月26日

育てやすさ

育て方の難易度は普通レベルです。

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監修者情報

株式会社HanaPrime|植物アドバイザー

覚張大季

覚張大季

植物と人との関わりに魅了され、日本各地の植物農園を見て回る。HanaPrimeの植物部門の立ち上げ後はオフィスや商業施設、個人宅など、幅広いシーンのグリーンコーディネートを数多く担当。植物の生態や特性を深く掘り下げ、それぞれの空間やライフスタイルに適したグリーン空間デザインを提案することが得意。観葉植物の世界に情熱を注ぎ、植物の価値を最大化することを使命としている。

亀甲竜の基本情報

亀甲竜の基本情報
植物名亀甲竜(きっこうりゅう)
学名Dioscorea elephantipes
和名蔓亀草、象跡草
英名elephant’s foot
別名アフリカ亀甲竜、ディオスコレア エレファンティペス
原産地南アフリカ
科名ヤマノイモ科
属名ディオスコレア属
開花時期秋ごろ

亀甲竜にはアフリカ亀甲竜とメキシコ亀甲竜の2つの品種がありますが、日本で一般的に認知されているのは、本記事で解説する「アフリカ亀甲竜」です。

亀甲竜は塊根植物に分類され、南アフリカの東ケープ州から西ケープ州にかけての乾燥地帯に自生しています。

亀の甲羅や象の足のようにゴツゴツとした塊根部分が目立ちますが、ハート形の葉っぱや小さな花をつけるなど、かわいらしい一面も魅力のひとつです。

冬に生育が旺盛になる「冬型」の品種なので、春から秋にかけて成長が緩慢になり、夏は休眠します。

日当たりと風通しの良い場所かつ、5~20℃にキープした室内で上手に育てると、70~80年くらい生きる長寿命な植物です。

月別栽培カレンダー

種まき

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3

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植え付け・植え替え

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肥料

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種類と品種

亀甲竜には「アフリカ亀甲竜」と「メキシコ亀甲竜」の2つの品種があります。

品種アフリカ亀甲竜メキシコ亀甲竜
自生地南アフリカメキシコ北部
生育型冬型夏型
耐寒温度5℃10℃
生育環境乾燥を好む湿気を好む
塊根の見た目丸い平べったい
塊根のヒビ深い浅い
葉っぱの大きさ小さい大きい
流通量多い少ない

「アフリカ亀甲竜」と「メキシコ亀甲竜」は、ともに亀の甲羅のようなゴツゴツとした塊根をもつのが特徴です。

一方で、塊根の形状や生育型など異なる部分があるので、それぞれ詳しく紹介します。

アフリカ亀甲竜(ディオスコレア エレファンティペス)

アフリカ亀甲竜(ディオスコレア エレファンティペス)

アフリカ亀甲竜は、南アフリカの乾燥地帯に自生する冬型の品種です。

塊根が球状で、全体的にまるまるとしたかわいらしい見た目をしています。

生育適温は5~20℃なので、日本の気候でも比較的に育てやすいでしょう。

メキシコ亀甲竜(ディオスコレア メキシカーナ)

メキシコ亀甲竜(ディオスコレア メキシカーナ)

メキシコ亀甲竜は、メキシコ北部の砂漠地帯や岩場に自生する夏型の品種です。

日本ではあまり流通していないため、アフリカ亀甲竜に比べて高値で販売されています。

平べったい塊根は、亀裂部分に小さなトゲがあるのが特徴です。

生育適温は20~30℃なので、寒暖差のある日本の気候では育てにくいかもしれません。

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亀甲竜はどんな花が咲く?

亀甲竜は、小さくてかわいらしい花を咲かせます。

花径7mmほど
黄、黄緑
時期

葉っぱの付け根に細長い花茎をつけ、そこに密集して咲かせるのが特徴です。

花を咲かせるためには、株をある程度の大きさに成長させる必要があり、種から育てて開花するまでに5~10年ほどかかるといわれています。

亀甲竜の葉っぱの特徴

亀甲竜の葉っぱの特徴

亀甲竜の葉っぱは、ハート形のかわいらしい見た目をしているのが特徴です。

サイズ小さめ
ハート
ツヤのある緑

休眠期の6~8月は葉っぱが黄色くなり、やがて枯れ落ちていきますが、生育期に入ると徐々に茎が伸びて葉っぱが増えるので安心してください。

水不足や根腐れのサイン

生育期や休眠期に関わらず、葉っぱに以下のような異変がある場合は、水不足や根腐れが考えられます。

  • 白く変色した
  • 丸まった

水不足の場合はすぐにたっぷりの水を与え、根腐れの場合は傷んだ根っこを切り落として新しい土に植え替えましょう。

亀甲竜の花言葉

亀甲竜の花言葉には「長寿」「忍耐」「幸福」があります。

長寿な亀にちなんで、長く幸せに暮らすことを願って栽培されてきたのが由来です。

亀甲竜の育て方

亀甲竜の育て方

亀甲竜は、日当たりや風通しの良い場所を好みます。

冬型の塊根植物ですが、5℃を下回る環境下では生きていけません。

秋から春にかけての生育期には鉢底からたっぷりと水を与え、夏の休眠期には乾燥気味に育てましょう。

水やりの頻度

亀甲竜は、時期に応じて以下の頻度で水やりしてください。

生育期(9~翌5月)土が乾いたらたっぷり与える
休眠期(6~8月)月に1~2回程度と控えめにする

生育期の水やり

生育期は、土が乾いたら下から漏れ出すくらい十分な量の水を与えましょう。

休眠期明けは、気温の高い日中に与えると根腐れの原因となるので、早朝または夕方以降の涼しい時間帯に与えてください。

休眠期の水やり

休眠期はほとんど断水するか、月に1~2回くらい表土が湿る程度に控えます。

水やりの代わりとして、塊根部分に希釈した活力剤を吹きかけると生育期の成長を促してくれるでしょう。

液体肥料を使用すると肥料焼けを引き起こすので、休眠期には必ず肥料成分の含まれていない「メネデール」や「リキダス」などの活力剤を与えてください。

肥料のあげ方

亀甲竜には、秋から春にかけての生育期に肥料を与えるのが適切です。

月に1回ほど、水で薄めた液体肥料を水やりの代わりに与えると良いでしょう。

休眠期に与えると、肥料焼けを引き起こして枯れてしまうので注意してください。

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病害虫・害虫対策

亀甲竜には、ハダニやカイガラムシなどの病害虫が発生することがあります。

ここでは、病害虫の症状や対処法を紹介するので参考にしてください。

ハダニ

  • 葉っぱの汁を吸って葉色を悪くする
  • 高温かつ乾燥した時期に繁殖する

亀甲竜のハダニを予防するためには、こまめに葉水をして乾燥を防ぐのが効果的です。

ハダニが繁殖したら、水圧の弱いシャワーで全体を洗い流すと良いでしょう。

ただし、夏の休眠期に発生した場合はシャワーを使用せず、ティッシュやコットンで葉っぱを優しく拭き取りながら除去してください。

カイガラムシ

  • 葉っぱの汁を吸ってすす病を誘発する
  • 日当たりや風通しの悪い場所で繁殖する

亀甲竜のカイガラムシを予防するためには、風通しの良い場所に置くのが効果的です。

カイガラムシが繁殖したら直接取り除くか、希釈した牛乳または木酢液を吹きかけて駆除しましょう。

植え方|芋の部分は地表から出す?

自生地での亀甲竜は、塊根の大部分が地面に埋まっています。

生育を促すためには、芋の部分に軽く土をかぶせるようにして植えるのがおすすめです。

土に埋まっている部分はひび割れしないので、亀の甲羅のような塊根にしたいなら、地表から少し出るくらいに植えると良いでしょう。

亀甲竜を大きく太らせるための植え替えタイミング

亀甲竜を大きく太らせるためには、最低でも2~3年に1回の頻度で一回り大きな鉢に植え替えるのがおすすめです。

また、6~8月の休眠期に行うことで株や根っこへのストレスを軽減でき、生育期の成長を促すことにつながります。

塊根を大きく太らせるためには、以下のポイントも意識してください。

  • 植え替え時に元肥を与える
  • 塊根が少し見えるくらいに埋める

亀甲竜が枯れてしまう原因は?

亀甲竜は葉っぱを枯らして休眠する品種ですが、生育期に枯れた場合は以下の原因が考えられます。

  • 5℃を下回る気温下に置いた
  • 水不足の状態が続いた
  • 暑い時間帯の水やりで蒸れて根腐れを引き起こした

亀甲竜は、日本の冬の厳しい寒さに耐えられないので、5~20℃に保った室内で育てるのが適切です。

夏の休眠期の水やりは控えめでOKですが、秋から春にかけては土が乾燥したらたっぷりの水を与えてください。

気温の高い時間帯に水を与えると、土の内部が蒸れて根腐れを引き起こします。

暑い時期は早朝か夕方以降の涼しい時間帯に水を与え、根腐れを引き起こしている場合は早急に新しい土に植え替えましょう。

亀甲竜をバキバキにする方法

亀甲竜をバキバキにする方法

亀甲竜の塊根をバキバキにするためには、以下の方法が有効です。

  • 葉っぱにしっかりと日光を当てる
  • 窒素やカリウムが豊富に含まれている肥料を与える

葉っぱに日光を当てて光合成を促すと、塊根の成長速度が上がりバキバキに割れやすくなります。

効率良く塊根を肥大させるためには、窒素やカリウムが豊富な肥料を与えて、葉っぱを増やすことも意識しましょう。

ただし、露出した芋に直射日光が当たると傷んでしまうので、塊根部分は遮光気味に管理してください。

亀甲竜の栽培環境

亀甲竜は、日当たりと風通しの良い場所で育てるのが適しています。

冬型の品種ですが、日本の厳しい寒さには耐えられないので、5℃を下回らないように管理しましょう。

ここでは、健康に育てるための栽培環境を解説します。

置き場所と日当たり

亀甲竜は、時期に合わせて置き場所を変えましょう。

生育期(9~翌5月)日当たりと風通しの良い場所
休眠期(6~8月)明るい日陰で涼しい場所

夏の直射日光や冬の厳しい寒さに弱いので、1年を通して室内で育てるのが適切です。

適切な温度|どれくらいの寒さまで耐えられる?

亀甲竜は、5℃を下回ると枯れるリスクが高まります。

健康に育てるためには、5~20℃の生育適温をキープしましょう。

亀甲竜の土の配合

亀甲竜には、水はけの良い土が適しています。

土は、以下のように配合するのがおすすめです。

  • 観葉植物用の土5:軽石1:ベラボン1
  • 観葉植物用の土5:赤玉土5
  • 赤玉土2:ゴールデン粒状培養土2:軽石1

亀甲竜の種まき(実生)の時期は春または秋

亀甲竜の種まき(実生)の時期は春または秋

亀甲竜は、一般的に種から育てるのに適した品種とされています。

種まきに適した時期は、20℃前後の気温(室温)をキープしやすい春または秋です。

ここでは、種まきのやり方や成長速度を解説するので参考にしてください。

亀甲竜の種まき(実生)のやり方

亀甲竜は、種から育てるのに適した品種ですが、オス株とメス株を交配させて実をつけるので、株から種をとることは容易ではありません。

種を入手したいなら、オンラインストアで購入するのが手軽でおすすめです。

発芽率高い
発芽適温20℃前後
発芽までの期間2~3週間
種まきに適した時期春または秋
種の入手方法オンラインストアでの購入

種まきのやり方は、以下を参考にしてください。

  1. 水に入れてふやかす
  2. 種についた羽を取り除く
  3. 水はけの良い土に植える
  4. 腰水にして管理する
  5. 発芽したら通常どおり水やりする

① 水に入れてふやかす

メネデールを混ぜた水の入ったカップに、種を沈めて吸水させましょう。

半日から1日かけてしっかりとふやかすことで、発芽率が上がります。

② 種についた羽を取り除く

種についている羽は、種まき前にしっかりと取り除きましょう。

羽がついたまま植えると、以下のように種の状態が悪くなるので注意してください。

  • 発芽不良を引き起こす
  • カビや雑菌が繁殖して腐る

③ 水はけの良い土に植える

観葉植物用の土に赤玉土や軽石などを混ぜ、水はけの良い土をつくりましょう。

土を水で湿らせてから、種同士が重ならないように間隔をあけてまいてください。

④ 腰水にして管理する

種をまいたあとは、腰水にして管理します。

腰水は、水を入れた容器に鉢を浸し、鉢底から吸水させる方法です。

発芽を促すためには、20℃前後にキープした室内で、直射日光が当たらないよう明るい日陰に置いてください。

⑤ 発芽したら通常どおり水やりする

発芽したら通常どおり水やりする

適した環境下で管理すれば、2~3週間で発芽します。

発芽後は腰水をストップし、表土が乾いてから通常どおり水やりしましょう。

亀甲竜の成長速度は?

亀甲竜の成長速度は?

亀甲竜は、塊根植物の中でも発芽率が高く、成長速度が速い品種です。

亀甲竜は、種をまいてから、一般的に以下のような速度で成長していきます。

種まきからの期間一般的な成長過程
1~2ヵ月後葉っぱや根っこが伸びる、塊根が丸くなり5mmほどの大きさになる
1~2年後ツルが伸びて葉っぱが増える、塊根は5cmほどの大きさになる
2~3年後塊根が肥大してヒビ割れする、亀甲竜らしい姿になる

実生から1〜2年ほど経った時点での塊根は、ヒビの入っていない滑らかな球体です。

亀甲竜らしいヒビ割れした塊根にするためには、2〜3年ほどかけて大きく成長させる必要があります。

さらに年数が経過すると、深いヒビが入り、趣のある姿になるでしょう。

成長を促すためのポイント

亀甲竜の成長をさらに促すためには、以下のポイントを意識してください。

  • 水はけの良い土に植える
  • 適切な頻度で水やりする
  • 日当たりと風通しの良い場所に置く
  • 生育期に希釈した液体肥料を与える
  • 2~3年に1度は鉢替えを行う

健康に育てるためには、水やりや置き場所など、育て方の基本を守ることが大切です。

亀甲竜の開花時期

亀甲竜は、秋から冬にかけて小さくてかわいらしい花を咲かせます。

開花させるためには、株をある程度の大きさに成長させなければなりません。

開花時期は秋~冬

亀甲竜の開花時期は、生育期の秋から冬にかけてです。

株がある程度大きく成長しなければ開花せず、花をつけるには5~10年ほどかかるといわれています。

亀甲竜の花が咲かない原因は?

亀甲竜の花が咲かない場合、以下の原因が考えられるでしょう。

  • 日光が不足している
  • 肥料を適切に与えていない
  • 根詰まりや根腐れを引き起こしている

開花を促すためには、葉っぱに日光を当てて光合成を促し、肥料を与えながら大きく育てることが大切です。

根詰まりや根腐れによる生育不良を引き起こしている場合は、時期を問わず早急に新しい土に植え替えてください。

亀甲竜の増やし方

亀甲竜は種から育てるのに適した品種で、株分けや挿し木で増やすのは一般的ではありません。

塊根が大きく成長してきたら、適宜鉢替えを行ってください。

亀甲竜の株分けや挿し木はできる?

亀甲竜は、株分けや挿し木で増やすことは不可能です。

株を増やしたい場合は、種から育てる(実生)しか方法はありません。

植え替え時期はいつがいい?

亀甲竜の植え替えは、休眠期の6~8月に行うのがおすすめです。

葉っぱや茎が枯れ落ちる休眠期に行うことで、株や根っこへの負担を減らせます。

ただし、根腐れを引き起こしている場合は、生育期であっても早急に新しい土に植え替えてください。

植え替える前に、土が完全に乾くまで断水すると、株が鉢から抜けやすくなるでしょう。

なお、植え替えは2~3年に1回くらい行うのが適切な頻度です。

鉢替えのやり方

亀甲竜の鉢替えを行う前に、以下のものを準備しましょう。

  • 一回り大きな鉢
  • 観葉植物用の土(赤玉土や軽石を混ぜる)
  • 鉢底石
  • 剪定ばさみ

ここからは、鉢替えの方法を解説します。

  1. 亀甲竜を鉢から優しく引き抜く
  2. 根っこをほぐして整理する
  3. 一回り大きな鉢に新しい土を入れる
  4. 株を鉢に入れる

① 亀甲竜を鉢から優しく引き抜く

あらかじめ土が完全に乾くまで断水しておけば、株が抜けやすくなり、負担を軽減できます。

株を無理に引っ張ると傷む恐れがあるので、優しく丁寧に引き抜きましょう。

② 根っこをほぐして整理する

根っこは、優しく手でほぐします。

枯れたり傷んだりしている根っこは、剪定ばさみで切り落としてください。

③ 一回り大きな鉢に新しい土を入れる

一回り大きな鉢に鉢底石を敷き、上から新しい土を入れます。

観葉植物用の土に赤玉土や軽石を混ぜると、水はけが良くなるのでおすすめです。

なお、長期間使用した土は粒が崩れて水はけが悪くなるので、再利用するのはやめましょう。

④ 株を鉢に入れる

鉢の中心に株を置き、株周りに土を足して固定してください。

鉢替え後は明るい日陰に置き、休眠期であれば2~3日後に、生育期であればすぐにたっぷりの水を与えましょう。

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