シェフレラ レナータの育て方
公開日 2025年12月11日
更新日 2025年12月11日
育てやすさ
初心者の方でも育てやすいのでおすすめです。
監修者情報
覚張大季
植物と人との関わりに魅了され、日本各地の植物農園を見て回る。HanaPrimeの植物部門の立ち上げ後はオフィスや商業施設、個人宅など、幅広いシーンのグリーンコーディネートを数多く担当。植物の生態や特性を深く掘り下げ、それぞれの空間やライフスタイルに適したグリーン空間デザインを提案することが得意。観葉植物の世界に情熱を注ぎ、植物の価値を最大化することを使命としている。
シェフレラ レナータの育て方
シェフレラ レナータは下記のことに気をつけると元気に育ってくれます。
- 成長期は水をたっぷり与える
- 冬場は室温が10℃にならないように調整する
- 直射日光を避けた柔らかい日当たりの場所に置く
植え方
シェフレラ レナータは生育が旺盛な春~夏にかけて植え替えるのがおすすめです。
冬場の植え替えは株に負担になり、弱ることがあるので避けましょう。
日本で育てる場合は、鉢に植えておくと気温に合わせた調整がしやすくなります。
水やりの頻度
シェフレラ レナータはメリハリのある水やりで元気に育ってくれます。
- 春と夏:表面の土が乾いてからたっぷりと
- 秋と冬:土が乾いて2~3日経ってから少なめに水やりをする
鉢の下にたまった水は、水やりのたびに忘れずに捨てるようにしましょう。
葉水を定期的に行うと葉の状態が良くなり、害虫がつきにくくなります。
肥料のあげ方
シェフレラ レナータへ肥料をやるタイミングは5~10月です。
- 液肥:2週間に1回、水やりの代わりに薄めた液肥を与える
- 置き肥:2ヶ月に1回のタイミングで与える
植え替え直後や株が弱っているときなどは肥料をやるのは避けてください。
病害虫・害虫対策
シェフレラ レナータは乾燥した状態が続くと害虫が発生しやすい傾向があります。
葉水を定期的に行い、風通しの良い場所に置くと害虫予防に効果的です。
ハダニ
- 葉にクモの巣のような糸が見える
- 葉の養分が吸われ白い斑点ができている
ハダニが大量に発生した場合は木酢液を撒きましょう。
数匹の場合はブラシや布で払ってください。
ハダニは乾燥した環境を好むので、こまめに葉水を行いましょう。
カイガラムシ
- 白い殻を被ったような虫が葉や茎についているのが見える
- すす病にかかり、葉に黒い汚れがが現れる
カイガラムシを見つけたらピンセットやブラシで取り除いてください。
すす病によって黒くなった部分は濡れた布で拭きとり、落ちなければ剪定しましょう。
アブラムシ
- 群れで新芽や葉に付きベタベタしている
- 新芽が縮れている
アブラムシを見つけたら柔らかい布やブラシで取り除いてください。
アブラムシ専用の殺虫剤スプレーも効果的です。
葉が茂り過ぎている場合は剪定すると予防になります。
剪定|適した時期とやり方
シェフレラ レナータの剪定は新芽の成長を促進し、害虫の予防になります。
剪定のコツを下記にまとめました。
- 消毒されたよく切れるハサミを使う
- 雨の日や猛暑日は避けて実施する
- 内側に伸びている枝や突出している枝を切る
- どのような形にするかイメージしながら切る
- 剪定後は風通しの良い場所に置く
剪定は5~9月の生育が旺盛な時期に行うことができます。
特に5~6月は株の負担を最小限に抑えつつ、樹形を整えやすい時期です。
仕立て方
シェフレラ レナータは個性的な幹や枝ぶりを活かして仕立てられる観葉植物で、盆栽仕立てや曲げ仕立てにして楽しむことが可能です。
下記でそれぞれの特徴とやり方を紹介します。
盆栽仕立て
盆栽仕立てはシェフレラ レナータを和モダンな雰囲気にしてくれます。
浅鉢を使用することで根が鉢から浮き上がり、力強い古木のように仕上げることも可能です。
浅鉢は水はけが良い半面、土が乾きやすくもあるのでこまめに水やりをしましょう。
- 苗を取り出し根の周りの土を取る
- 浅鉢に土を入れ苗を固定する
- 水やりをして明るい日陰に置く
浅鉢に苗が固定しにくいときは、針金を使い鉢底で固定してください。
曲げ仕立て
曲げ仕立てはシェフレラ レナータをゆっくり曲げ、個性的でスタイリッシュに仕立てる技法です。
S字状や螺旋状に曲げることで、印象的な空間を演出できます。
- 曲げたい枝がどの位曲がるか確認する
- 曲げたい箇所の少し上でビニールテープを結び、反対側を鉢に巻きつけ固定する
無理に曲げると枝が傷むことがあるので、様子を見ながら少しずつ曲げていくのがコツです。
曲げるときに樹液が出た場合は、折れる可能性があるのでそれ以上曲げないようにしましょう。
木によって曲がるまでにかかる時間は異なるので、植物の成長スピードに合わせて仕立てるのが大切です。
シェフレラ レナータの葉っぱが枯れる・落ちる原因は?
シェフレラ レナータの葉が枯れたり落ちたりする原因は下記のようなことが考えられます。
- 根詰まりで酸欠になっている
- 病害虫の被害を受けている
- 水が切れた
- 水のやり過ぎで根腐れが起きている
- 適正気温を下回っている
上記原因は1つまたは複数重なり、葉の不調を起こしていることがあります。
植物の状態を把握するためには、葉の調子や土の乾燥具合を日頃から注意深く観察することが大切です。
小さな変化やサインを見逃さないように心がけましょう。
シェフレラ レナータの基本情報
| 植物名 | シェフレラ レナータ |
| 学名 | Heptapleurum arboricola ‘Renata’ |
| 英名 | Dwarf umbrella tree |
| 原産地 | オーストラリア~東南アジア |
| 科名 | ウコギ科 |
| 属名 | ヘプタプレウルム属 |
シェフレラ レナータは金魚の尾ひれを思わせる個性的な葉をもつシェフレラです。
シェフレラの中では成長が緩やかで枝葉が乱れにくく、剪定や仕立て直しなどの手入れが比較的少なくてすみます。
コンパクトに育てやすい希少な品種のため、限られたスペースで他の人と違うシェフレラを育てたいという人にぴったりです。
月別栽培カレンダー
植え付け・植え替え
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肥料
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種類と品種
| 名前 | 葉の形 | 斑の色 | 育てやすさ | レア度 |
|---|---|---|---|---|
| シェフレラ レナータ | 先割れの丸葉 | 無し | 初心者向け | ★★★★☆ |
| シェフレラ ルフィーナ | 極細葉 | 無し | 初心者向け | ★★★★☆ |
| シェフレラ スターシャイン | 細長い楕円形 | 無し | 初心者向け | ★★★★★ |
園芸品種のシェフレラ レナータは、原種であるシェフレラ アルボリコラをもとに作出されています。
分類見直しによりヘプタプレウルム属に再分類されていますが、流通の現場では「シェフレラ レナータ」として販売されることが一般的です。
下記では、シェフレラ レナータ同様シェフレラ アルボリコラを母種とする植物を紹介します。
シェフレラ ルフィーナ
シェフレア ルフィーナは繊細で細長い葉をしたスタイリッシュなシェフレラです。
線のように伸びた葉の姿は涼しげな印象を与えます。
シェフレラ スターシャイン
シェフレラ スターシャインは先端が尖った細長い葉がです。
シェフレラの中でも特にレアな品種で、販売店で見かけることは少ないでしょう。
シェフレラ レナータの葉っぱの特徴
シェフレラ レナータの葉は先端が丸みを帯びており、複数に別れています。
葉全体が金魚の尾ひれの形に似ているのが特徴的です。
レナータの色は緑一色で、似た葉をもつ斑入り品種はシェフレラ ジェニーネという名で流通しています。
シェフレラ レナータはどんな花が咲く?
日本国内でのシェフレラ レナータの花に関する情報は現在のところほとんど見つかっていません。
シェフレラ レナータの母種のシェフレラ アルボリコラは、淡い黄色の小さな花を咲かせることがあります。
レナータも条件が整えば似たような花を咲かせる可能性がありますが詳細は明らかになっていません。
シェフレラ レナータの花言葉
シェフレラ レナータには特定の花言葉はありませんが、シェフレア全般には「真面目」「誠実」「実直」という花言葉があります。
シェフレラ レナータの栽培環境
シェフレラ レナータは耐陰性がありますが、極端に日光不足になると間延びし樹形が崩れることがあります。
レースカーテンを通した穏やかな光が当たる場所に置くと、植物の生育にとって理想的です。
寒さには弱いので冬場は室温が10℃を切らないように管理してください。
置き場所と日当たり

シェフレラ レナータは直射日光を避けた日当たりの良いところに置くと元気に育ちます。
強い日差しに長時間さらされると葉が傷むことがあるため、薄手のカーテンを通した柔らかい光が理想です。
寒さに弱いので、冬場に冷気の影響を受けやすい窓の近くに置くと、調子を崩すことがあります。
夏と冬ともにエアコンの風が直接当たる場所に置くのは避けましょう。
適切な温度|どれくらいの寒さまで耐えられる?
シェフレラ レナータを育てる際の適温は20〜26℃です。
耐寒温度は5℃ですが、葉色が悪くなったり株が弱ることがあるので、冬場は気温10℃を保つと安心でしょう。
シェフレラ レナータの土の配合比率(用土)

シェフレラ レナータは水はけの良い土を使うことで、根腐れを防ぎ健康に育ちます。
自分で土を配合する場合は赤玉土(小粒)と腐葉土、堆肥を7:2:1の割合で混ぜて使うのがおすすめです。
シェフレラ レナータの増やし方
シェフレラ レナータは株を分けたり、挿し木や取り木などで増やすことが可能です。
それぞれの増やし方で特徴ややり方が異なるので下記で確認してみてください。
株分けの時期はいつがいい?
シェフレラ レナータの株分けは成長期の5~9月、中でも5~6月は根の回復も早く最も適しています。
株分けのやり方
株分けは根詰まりを防げるほか、親株と同じ性質の株が手軽に増やせるというメリットがあります。
- 鉢から苗を取り出す
- 根を分け、植えつける
- 水やりをする
① 鉢から苗を取り出す
鉢から苗をそっと取り出し、不要な土を落とします。
② 根を分け、植えつける
根が集中している部分ごとに清潔でよく切れるハサミで分けましょう。
分けたら、株の大きさに合った鉢に植えてください。
③ 水やりをする
鉢の下から溢れるくらい水を与え、明るい日陰で様子を見ながら管理しましょう。
挿し木のやり方
シェフレラ レナータは挿し木で一気に増やすことができる植物です。
剪定ででた枝を利用すれば、そのまま挿し木に活用することができます。
- 枝先から10~15㎝の位になるように切る
- 挿し穂の葉は2枚だけ残す
- 約2~3時間吸水させる
- 挿し穂を土で固定する
- 水を与え明るい日陰で管理する
① 枝先から10~15㎝の位になるように切る
枝の先から10~15㎝位の部分を斜めに切り、挿し穂を作ります。
② 挿し穂の葉は2枚だけ残す
蒸散を最小限にするため上の葉2枚を残し、他の葉は取ってください。
③ 約2~3時間吸水させる
挿し穂を約2~3時間水につけ吸水させましょう。
④ 挿し穂を土で固定する
鉢に土を入れ、挿し穂を真っすぐ立てて動かないようにしてください。
⑤ 水を与え明るい日陰で管理する
直射日光が当たらない明るい日陰に置き、土が乾かないようにこまめに水を与えましょう。
植え替え時期はいつがいい?
植え替えは、シェフレラ レナータが良く育つ5~7月頃の暖かい時期に行うのが適しています。
おおよそ1~2年に1度を目安に、様子を見ながら実施すると良いでしょう。
ただし、成長が早い傾向があるので、鉢の底から根が見えていたり水の染み込みが悪い場合はすぐに植え替えを行ってください。
冬に植え替えが必要な場合
冬の植え替えは観葉植物にとって大きなストレスになるため基本的に控えてください。
どうしても冬に植え替えが必要になった場合は、下記の点に注意して実施しましょう。
- 鉢から取り出した苗の土はほぐさず根も切らない
- 室温は20~25℃に保つ
- 植え替え後も同じ気温を保った室内で管理する
- 次の年の成長期に通常の植え替えを行う
- なるべく短時間で行う
- 鉢替え後は控えめに水を与える
冬の鉢替えはできる限り植物に負担をかけないように行うことが大切です。
水をやり過ぎてしまうと根腐れを起こす可能性が高まるため、様子を見ながら与えましょう。
鉢替えのやり方
- 苗を鉢から出す
- 不要な根を取り除く
- 一回り大きな鉢に植え付ける
- 水をたっぷり与える
① 苗を鉢から出す
鉢から優しく苗を取り出し、根についている土を取りましょう。
② 不要な根を取り除く
濃い茶色や黒くなっている腐った根があればハサミで切り落とします。
③ 一回り大きな鉢に植え付ける
鉢に鉢底用ネット、軽石、用土1/3を入れましょう。
苗は鉢の真ん中に入れ、ぐらつかないよう周りに土を足してください。
④ 水をたっぷり与える
土をしっかり入れたら鉢の底から水が出るくらいたっぷり水やりをします。
水やり後は直射日光を避けた明るい日陰に置いてください。
