ディッキア マルニエルラポストレイの育て方

更新日 2025年12月10日

育てやすさ

育て方の難易度は普通レベルです。

\立て札・メッセージカード無料/

観葉植物の通販を見る

監修者情報

株式会社HanaPrime|植物アドバイザー

覚張大季

覚張大季

植物と人との関わりに魅了され、日本各地の植物農園を見て回る。HanaPrimeの植物部門の立ち上げ後はオフィスや商業施設、個人宅など、幅広いシーンのグリーンコーディネートを数多く担当。植物の生態や特性を深く掘り下げ、それぞれの空間やライフスタイルに適したグリーン空間デザインを提案することが得意。観葉植物の世界に情熱を注ぎ、植物の価値を最大化することを使命としている。

ディッキア マルニエルラポストレイの育て方

ディッキア マルニエルラポストレイは、乾燥や強い日差しに強く、比較的手がかからない植物です。

ただし、過湿や蒸れには弱いため、適切な水やりや風通しのよい環境を整えることが育成のポイントとなります。

水やりの頻度

ディッキアは乾燥を好む植物のため、水やりは「土が完全に乾いてからたっぷりと」が基本です。

季節ごとの目安は以下を参考にしてください。

春〜秋(生育期)

  • 土の表面が乾いて2~3日後を目安に
  • 鉢底から水が流れ出るまでしっかりと与える

冬(休眠期)

  • 月に1〜2回程度
  • 生育が緩やかになるため、水やりの回数は控えめに

葉の表面に生えているトリコーム(白い毛)を傷つけないよう、葉に水をかける際はやさしく霧吹きする程度にとどめましょう。

肥料のあげ方

ディッキア マルニエルラポストレイに肥料をあげる場合は、生育期にあたる4〜9月に与えましょう。

置き肥の場合は2か月に1度、液体肥料なら月に1〜2回が目安です。

使用する肥料のパッケージに記載されている用法・用量を確認し、規定量よりやや少なめを意識して与えてください。

冬の休眠期は成長が止まるため、肥料はあげずに水やりだけで管理しましょう。

観葉植物の通販

病害虫・害虫対策

ディッキア マルニエルラポストレイは比較的丈夫な植物ですが、風通しが悪く湿度の高い環境では病害虫が発生することがあります。

特にトゲの間にホコリや汚れが溜まりやすいため、葉の清掃や風通しの良い置き場所を心がけるなど、清潔な環境を保つことが予防のポイントです。

置き場所の見直しや、定期的な害虫チェックを心がけましょう。

カイガラムシ

  • 茎や葉に白い綿状の物質やベタつきが見られる
  • 養分を吸い取り、株を弱らせる原因になる

見つけた場合は、綿棒や柔らかい布にアルコールを含ませてふき取るか、歯ブラシでやさしくこすって取り除きましょう。

発生数が多いときは、市販の殺虫剤を使用して対応します。

ハダニ

  • 葉の裏に小さな赤や白い点が現れ、葉がかすれたようになる
  • 乾燥状態が続くと発生しやすい

対策としては、定期的に霧吹きで葉の裏まで葉水を与えることが効果的です。

発生後は、シャワーなどで葉の裏側を丁寧に洗い流し、必要に応じて被害の大きい葉を剪定しましょう。

葉っぱが枯れてしまう原因は?

ディッキア マルニエルラポストレイの葉が枯れてしまう場合、以下のような原因が考えられます。

水の与えすぎ

乾燥には強い植物ですが、過湿になると根腐れを起こし、葉が黄色くなって枯れてしまうことがあります。

土の表面が完全に乾いてから水やりをするようにしましょう。

日照不足

日当たりの悪い場所では葉の色がくすんだり、成長が鈍くなったりします。

トリコームが美しく保たれるよう、半日以上は光が差し込む場所に置くのが理想です。

風通しの悪さ・蒸れ

密閉された空間や湿度が高すぎる場所では、病害虫が発生しやすく、葉の劣化につながります。

定期的に空気を入れ替え、植物の周囲に風が通るように配置を見直しましょう。

肥料の与えすぎ

肥料を多く与えすぎると根に負担がかかり、葉が茶色く変色することもあります。

規定量より少なめを意識し、休眠期には控えるようにしましょう。

ディッキア マルニエルラポストレイの基本情報

名称ディッキア マルニエルラポストレイ
学名Dyckia marnier-lapostollei
英名White Dyckia
原産地ブラジル、中南米
科名ブロメリア科(パイナップル科)
属名ディッキア
開花時期6~8月ごろ

ディッキア マルニエルラポストレイは、銀白色に輝く美しいロゼット状の葉を持つことから「ホワイトディッキア」の名で親しまれている希少な品種です。

葉の表面は「トリコーム」と呼ばれる鱗片状の白い毛に覆われていて、強い光を反射してキラキラと輝くように見えます。

まるで金属細工のような質感を持つその姿から、インテリアグリーンとしても人気があり、多肉植物やブロメリア好きの愛好家の間でも注目度が高いです。

乾燥や強い日差し、高温といった過酷な環境にも強く、じっくりと時間をかけて成長するため、初心者にも親しみやすいでしょう。

月別栽培カレンダー

植え替え・株分け

1

2

3

4

5

6

7

8

9

10

11

12

肥料

1

2

3

4

5

6

7

8

9

10

11

12

開花

1

2

3

4

5

6

7

8

9

10

11

12

種類と品種

品種名葉の形トゲの形状
ディッキア マルニエルラポストレイ幅広で巻きが強い不規則にカール
ディッキア ガンダルフ狭長で波打つ形状内外にランダムにウェーブ
ディッキア ジョーズ厚みのある縦長型大きく湾曲し鋭い
ディッキア エステベシー(STBC)水平方向に広がる扇形直線的でシンプル
ディッキア アンダマンロゼット状で曲線的、色彩豊か細く柔らかく均一に並ぶ
ディッキア マウンテン オブ ニードルス細長く鋭い葉非常に細かく密に並ぶ
ディッキア パラファントコンパクトで斑入りの葉柔らかく均等に並ぶ
ディッキア ゴエリンギ直立しストレートに伸びる葉太くて強烈で縁に並ぶ

ディッキア属には多数の品種が存在し、それぞれ葉の形やトゲの付き方に独特の個性があります。

そのなかでも「ディッキア マルニエルラポストレイ」は、銀白色の葉と高密度なトリコームが特徴の人気品種です。

ここでは、代表的な品種を比較して紹介します。

ディッキア ガンダルフ

白く波打つ細長い葉と、トゲのランダムなウェーブが個性的なコンパクト品種です。

鋭さの中にも柔らかさを感じさせる葉のシルエットは、上品な雰囲気を演出してくれます。

ディッキア ジョーズ

厚みのある縦長の葉と、鋭く大きく湾曲したトゲが力強さを感じさせる品種です。

トゲのうねりはまるで「サメの歯」を彷彿とさせ、野性味あふれるビジュアルが特徴です。

ディッキア エステベシー(STBC)

水平方向に扇状に広がる葉が特徴の原種系ディッキアです。

葉の表面には細かい白いトリコームが付き、シンプルながら繊細な美しさを演出しています。

装飾的ではないぶん、自然体の美しさを楽しみたい人に向いているでしょう。

ディッキア アンダマン

レインボーカラーのように変化する発色が魅力的な品種です。

葉はロゼット状に丸く広がり、見る角度や光の当たり方で多彩な表情を見せてくれます。

トゲは細く柔らかく、優美な印象を与える個性派ディッキアです。

ディッキア マウンテン オブ ニードルス

その名の通り、鋭く尖った針のようなトゲが密に並ぶシャープな品種です。

金属のような質感と細身の葉のバランスが美しく、スタイリッシュな雰囲気を放っています。

特にコレクターから高い評価を得ている日本生まれの交配種です。

ディッキア パラファント

黄色の斑が入ったコンパクトな葉と、柔らかく均整の取れたトゲが魅力の品種です。

小ぶりながら色のコントラストが美しく、室内インテリアにも映える一株として人気があります。

ディッキア ゴエリンギ

直立したストレートな葉に、存在感のある太いトゲが並ぶ力強い品種です。

原種ならではのワイルドなフォルムと、姿をすっきり保ちやすく扱いやすい点が魅力でしょう。

ディッキア マルニエルラポストレイの葉っぱの特徴

ディッキア マルニエルラポストレイの葉っぱの特徴

ディッキア マルニエルラポストレイの最大の特徴は、銀白色の葉にびっしりと広がる「トリコーム(鱗片状の毛)」です。

このトリコームが光を反射し、葉全体に金属のような光沢を与えています。

葉は幅広で厚みがあり、外側に向かってゆるやかにカールしながらロゼット状に広がるのが特徴です。

葉の縁には鋭いトゲが並び、トゲの先端がほんのりピンク色に色づく点も大きな魅力といえるでしょう。

観葉植物の通販

ディッキア マルニエルラポストレイはどんな花が咲く?

ディッキア マルニエルラポストレイは、夏頃になると高さ約90cmの花茎を伸ばし、先端付近にオレンジがかった黄色い筒状の花を咲かせます。

花はロゼットの外側に向かって複数つき、野性的な葉とは対照的な、やわらかであたたかみのある印象です。

開花までには数年かかり、咲いたときの姿は希少で観賞価値も高まります。

ディッキア マルニエルラポストレイの花言葉

ディッキア マルニエルラポストレイの花言葉は、「完璧」や「あなたは完全」です。

ディッキア マルニエルラポストレイの栽培環境

ディッキア マルニエルラポストレイは、日光と風通しを好む植物です。

もともと乾燥した岩場に自生しているため、蒸れや多湿にはやや弱い傾向があります。

置き場所と日当たり

ディッキア マルニエルラポストレイは、一年を通して明るく風通しの良い場所に置くのが基本です。

強い直射日光にも比較的強く、日照時間が長いほど葉色が白く美しく保たれます。

室内で育てる場合も、日中にしっかり光が入る窓際などが理想です。

真夏の強光下では葉焼けのリスクもあるため、様子を見てレースカーテンなどで調整しても良いでしょう。

適切な温度|どれくらいの寒さまで耐えられる?

ディッキア マルニエルラポストレイの生育に適した温度は20〜30℃前後です。

寒さにはやや弱く、5℃を下回ると生育が鈍くなりダメージを受ける可能性があります。

冬場は室内に取り込み、最低でも10℃以上の環境を保つと安心です。

窓際などの冷え込みや、冷暖房の直風にも注意しましょう。

ディッキア マルニエルラポストレイの土の配合比率(用土)

ディッキア マルニエルラポストレイの土の配合比率

ディッキア マルニエルラポストレイは水はけの良い、やや乾燥した環境を好む植物です。

基本的にはサボテン用の培養土や、赤玉土・軽石を組み合わせた配合土が適しています。

市販の多肉植物用の土を使う場合でも、軽石やパーライトを少し足すと安心です。

反対に、保水性の高すぎる土は根腐れの原因になるおそれがあるため注意しましょう。

ディッキア マルニエルラポストレイに適した用土の配合比率

  • 赤玉土:4
  • 軽石:3
  • 腐葉土:2
  • パーライト:1

必要に応じて、用土の乾き具合を見ながら調整してみましょう。

ディッキア マルニエルラポストレイの種まき

ディッキア マルニエルラポストレイは、種まきによっても育てることができます。

ただし発芽までに時間がかかるうえ、発芽率も高くはないため、ある程度の園芸経験がある方に向いている方法です。

ディッキア マルニエルラポストレイの種の入手方法

ディッキア マルニエルラポストレイの種は、一般的な園芸店ではあまり見かけることがありません。

入手したい場合は、ネットオークションや専門のブロメリア販売サイトを利用するのが一般的です。

ただし、種の鮮度によって発芽率が大きく左右されるため、頼できる出品者や店舗から購入するのがよいでしょう。

また、流通量が少ないため、定期的にチェックするなどタイミングも重要になります。

種まきに適した時期は4~6月

発芽には20〜25℃前後の安定した気温が必要なため、4〜6月が種まきに最適です。

ディッキア マルニエルラポストレイの種まきと実生

  1. 水はけのよい用土を用意する
  2. 用土の表面を湿らせる
  3. 種をまんべんなくまく配置
  4. ラップやビニールで覆う
  5. 明るい日陰で管理する

① 水はけのよい用土を用意する

赤玉土小粒・軽石・パーライトなどをブレンドし、清潔な平鉢または育苗ポットに入れます。

サボテン・多肉植物用培養土に軽石を混ぜたものでも代用可能です。

② 用土の表面を湿らせる

霧吹きで表土全体を軽く湿らせておきます。

水のやりすぎには注意し、じんわりと湿る程度に調整しましょう。

③ 種をまんべんなくまく配置

ディッキアの種はとても細かいため、土の上に均一にばらまきます。

覆土はせずに、土の表面にそのまま置くのがポイントです。

④ ラップやビニールで覆う

容器全体をラップや透明なビニール袋で覆い、湿度と温度を保ちます。

密閉しすぎず、ピンで数カ所穴をあけるなど空気の通り道を確保するとよいでしょう。

⑤ 明るい日陰で管理する

直射日光を避けた風通しのよい明るい日陰に置いて、温度は20〜25℃を目安に保つようにしてください。

発芽するまでにかかる期間の目安は2〜4週間程度です。

発芽後はラップを少しずつ外して風通しをよくし、双葉が展開してきたら個別の鉢に植え替えましょう。

ディッキア マルニエルラポストレイを種から育てると大変?

ディッキア マルニエルラポストレイは、種からの栽培も可能ですが、発芽率が低いため難易度は高めです。

発芽には湿度と温度の管理が欠かせず、環境が合わないと芽が出ないこともあるでしょう。

さらに、成長には非常に時間がかかるため、気長な管理が必要になります。

確実に育てたい場合は、株分けの方が手軽で成功率も高くおすすめです。

ディッキア マルニエルラポストレイの増やし方

ディッキア マルニエルラポストレイは、株分けで増やすのが一般的です。

子株が親株の根元から育ってくるため、それを適切なタイミングで切り離して育てましょう。

剪定・株分けの時期はいつがいい?

ディッキア株分けに適した時期は、気温が安定する4〜6月です。

この時期は植物の成長が活発なため、根付きやすくダメージからの回復も早くなります。

気温が高すぎる盛夏や寒い時期は避けるのが無難です。

株分けのやり方

  1. 土が乾いた状態で鉢から抜く
  2. 親株と子株を見分ける
  3. 根が付いていればそのまま植える
  4. 根がない場合は乾燥させてから植える

① 土が乾いた状態で鉢から抜く

作業前に数日水を控え、根鉢を崩しやすくしておきましょう。

② 親株と子株を見分ける

株元に密着して育つ子株を探します。

葉の直径が5〜7cm程度に育っていれば、分離が可能です。

③ 根が付いていればそのまま植える

根がある子株は、そのまま新しい鉢へ植えても問題ありません。

④ 根がない場合は乾燥させてから植える

根がない場合は、数日間陰干しして切り口をしっかり乾かします。

その後、軽石などを使った水はけの良い用土に浅く植え、明るい日陰で乾燥気味に管理しましょう。

発根までは水やりを控え、必要に応じて軽く霧吹きをする程度にとどめると安心です。

※発根前は湿度が高すぎると腐敗しやすいため、水はけの良い軽石などを用いると失敗しにくくなります。

植え替え時期はいつがいい?

植え替えのベストタイミングは、気温が15〜25℃程度で安定する4〜6月と9月〜10月です。

生育期の前半に行うことで、根の張りがよくなり、より健全な株に育ちます。

ただし、根を傷つけなければ年間を通して植え替え可能です。

鉢替えのやり方

  1. 土が乾いた状態で株を取り出す
  2. 古い土を軽く落とす
  3. 一回り大きな鉢を用意する
  4. 植え付け後にたっぷり水を与える

① 土が乾いた状態で株を取り出す

根を傷めにくくするため、乾燥気味にしてから作業に入るのが基本です。

② 古い土を軽く落とす

固まった根鉢をほぐし、新しい土に根がなじむようにします。

③ 一回り大きな鉢を用意する

根の成長に合わせたサイズを選びましょう。

大きすぎる鉢は水はけが悪くなるので注意が必要です。

④ 植え付け後にたっぷり水を与える

土と根をしっかり密着させるために、鉢底から水が出るまでたっぷり与えましょう。

一覧へ戻る

オススメの記事

RECOMMENDED ARTICLES