シマトネリコの育て方

更新日 2025年09月26日

育てやすさ

初心者の方でも育てやすいのでおすすめです。

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監修者情報

株式会社HanaPrime|植物アドバイザー

覚張大季

覚張大季

植物と人との関わりに魅了され、日本各地の植物農園を見て回る。HanaPrimeの植物部門の立ち上げ後はオフィスや商業施設、個人宅など、幅広いシーンのグリーンコーディネートを数多く担当。植物の生態や特性を深く掘り下げ、それぞれの空間やライフスタイルに適したグリーン空間デザインを提案することが得意。観葉植物の世界に情熱を注ぎ、植物の価値を最大化することを使命としている。

シマトネリコの基本情報

植物名シマトネリコ
学名Fraxinus griffithii
和名シマトネリコ(島梣)
英名Evergreen ash、Himalayan ash、Griffith’s ash
別名タイワンシオジ、タイワントネリコ
原産地日本(沖縄県)、台湾、中国、フィリピン、インドなど
科名モクセイ科
属名トネリコ属
開花時期5~7月

シマトネリコは、整然と連なる小さな羽状の葉が特徴的な常緑高木です。

風に揺れる葉の動きが庭に爽快感をもたらし、存在感のあるシンボルツリーとしても親しまれています。

晩春から初夏には白い花が枝先に集まって咲くのも魅力で、耐陰性にすぐれ丈夫で育てやすいため、園芸初心者にも適した品種です。

季節を問わず緑豊かな姿には明るい雰囲気があり、和洋どちらの庭にも自然に溶け込むでしょう。

月別栽培カレンダー

種まき

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植え付け・植え替え

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肥料

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開花

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種類と品種

種類と品種
品種葉の模様斑の有無成長速度レア度育てやすさ
シマトネリコ(基本種)なしなし早い普通初心者向け
斑入りシマトネリコ雲状斑や縁取りなどありやや遅い高い中級者向け

シマトネリコは、基本種のほかに葉に明るい斑をもつ園芸品種もあり、それぞれ異なる趣を楽しめます。

シマトネリコ(基本種)

シマトネリコ(基本種)

清々しくナチュラルな印象の、濃い緑色の葉が魅力です。

丈夫で成長が早く、自然な風合いが広い庭や雑木風の植栽によくなじみます。

斑入りシマトネリコ

斑入りシマトネリコ

白やクリーム色の斑が入る希少な園芸品種で、雲状斑や縁取りなど模様も多彩です。

斑入り品種は葉色のコントラストが軽やかな印象を与え、植えた場所に華やぎを添える特徴があります。

成長は基本種よりやや緩やかで、全体的に落ち着いた雰囲気をもたらしてくれるでしょう。

斑入り品種は流通量が少なく希少性が高いため、庭木としては基本種が広く利用されています。

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シマトネリコの葉っぱの特徴

シマトネリコの葉っぱの特徴
葉の形楕円形の小葉が集まる羽状複葉
葉の質感ほどよい厚みと自然なツヤ感
葉の色濃い緑色

シマトネリコの葉は、楕円形の小葉が奇数で規則正しく並ぶ羽状複葉で、落ち着いた濃い緑色が特徴です。

葉には適度な厚みとやわらかな光沢があり、風に揺れると軽やかな陰影を生み出します。

新芽は明るい黄緑色で、季節ごとに葉の色合いがわずかに変化するのも魅力のひとつです。

シマトネリコはどんな花が咲く?

シマトネリコはどんな花が咲く?

シマトネリコは、晩春から初夏にかけて枝先に小さくて白い花を房状に咲かせるのが特徴です。

控えめながらも清楚な香りを漂わせ、昆虫を引き寄せます。

開花後には小さな白い羽のような形の種子を結び、秋まで枝に残るため、遠目には花が咲き続けているように見えるのが印象的です。

シマトネリコの花言葉

シマトネリコの花言葉「威厳」「偉大」「服従」「思慮分別」「高潔」「荘厳」です。

北欧神話に登場する「セイヨウトネリコ」に由来し、その神聖な存在感が花言葉に反映されたと伝えられています。

シマトネリコの育て方

シマトネリコの育て方

シマトネリコは多少の乾燥に耐えますが、適度な湿り気のある土壌を好みます。

根の健康を保ち、病害虫の発生を抑えるためにも、極端な乾燥や過湿は避けて日当たりと風通しの良い場所で育てることが大切です。

水やりの頻度

根への負担を減らすには、水はけの良い用土を使い、鉢底まで浸透するたっぷりの水を与えて土中に空気が保たれるよう心がけます。

地植えの場合

植え付け後、根が張るまでは、土の表面が乾いたら株元にたっぷり水を与えます。

根付いたあとは降雨で足りますが、乾燥が続くときは補水すると安心です。

株を弱らせないよう、夏は涼しい朝や夕暮れ時、冬は暖かい昼前後に水やりをしましょう。

鉢植えの場合

鉢植えは土の量が限られているため、とくに春から秋にかけては乾きやすい傾向にあります。

表土が乾いたら、鉢底から水が流れ出るまでしっかりと水やりをしましょう。

真夏は乾燥が早いため、水やりは朝夕の2回が理想的です。

冬は生育が緩やかになり、土の乾きも遅くなるので、水やりは控えめにします。

肥料のあげ方

シマトネリコは丈夫で、痩せた土壌でも順調に育つため、普段の栽培では特別な施肥は必要ありません。

生育を促したい場合や葉色を鮮やかにしたいときは、控えめな施肥が効果的です。

  • 地植え:植え付け前の2月頃に、元肥として有機肥料を株元周辺に施す
  • 鉢植え:毎年3月頃に、緩効性肥料を株元に追肥する

肥料は新芽の成長を助けますが、与えすぎると徒長による樹形の崩れや病害虫の原因となるため注意が必要です。

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病害虫・害虫対策

シマトネリコは丈夫で育てやすい樹木ですが、風通しが悪く湿気がこもる環境では、以下のような病害虫が発生しやすくなります。

成長して大きくなると被害の影響は軽減されるため、過剰な薬剤散布は控え、まずは剪定や環境改善を優先しましょう。

褐斑病

  • 葉に褐色の斑点が出る
  • 斑点が拡大すると葉が枯れる
  • 重症化すると樹勢が衰える

葉に褐色の小斑点があらわれ、症状が進むと枯れ落ちる病気です。

湿度が高く風通しが悪い場所でとくに発生しやすいため、剪定で風通しを改善することが予防につながります。

感染した葉は早めに除去し、状況に応じて薬剤散布も検討しましょう。

すす病

  • 葉の表面が黒ずむ
  • 光合成が阻害される
  • 進行すると樹勢が弱まる

葉に黒いすす状の病斑が広がり、見た目が悪くなるだけでなく、光合成機能も低下する病気です。

アブラムシやカイガラムシの排泄物が原因のため、害虫管理と剪定による風通しの改善が予防につながります。

進行すると樹勢が衰えるので、早めの対処が必要です。

アブラムシ

  • 葉が変形する
  • 表面がベタつく
  • 株の成長を妨げる

新芽ややわらかい葉に群がり、植物の汁を吸うことで成長を妨げます。

排泄物によるベタつきやすす病を引き起こすため、放置は禁物です。

薬剤を使いたくない場合は見つけしだい手で除去し、被害の拡大を防ぎましょう。

カイガラムシ

  • 葉が黄変する
  • 株の勢いが落ちる
  • 進行すると枯れる

枝や幹に塊状に付着し、長期間植物の栄養を吸い取って株を弱らせます。

硬い殻に覆われ薬剤が効きにくいため、歯ブラシなどでこすり落とす駆除が効果的です。

排泄物がすす病の原因にもなるので、早期発見と対策が求められます。

ハマキムシなど蛾の幼虫

  • 葉に穴が開く

幼虫が葉を食べて穴を開けるため、ダメージが目立つのが特徴です。

剪定で風通しを良くし、日光を十分当てることで発生を抑制できます。

発生が多い場合は、適切な防除薬剤の使用を検討しましょう。

植え付け方

  1. 植え付け場所を選ぶ
  2. 穴を掘る
  3. 苗の準備をする
  4. 植え付ける
  5. 水やりと空気抜きをする
  6. 仕上げとして土を整える
  7. 支柱を立てる

シマトネリコの地植えは、気温が安定し根付きやすい3〜4月頃が適しています。

風通しと排水性の良い場所を選び、蒸れや根腐れを防ぎましょう。

① 植え付け場所を選ぶ

将来の成長を考慮し、枝が広がっても十分なスペースがある、日差しが届き風通しの良い場所を選びます。

成長が早いため、トラブルを防ぐには隣家やフェンスから離しましょう。

② 穴を掘る

苗の根鉢よりひと回り大きな穴を掘ります。

掘り出した土で穴の周囲に「水鉢」と呼ばれるドーナツ状の土手を作り、水が根元にたまるよう準備しましょう。

③ 苗の準備をする

不織布のような素材のポットの場合はカッターで切り込みを入れて、慎重に取り出します。

根の部分が麻布で巻かれている「根巻き」の苗は、根鉢の崩れを防ぐため、布を外さずそのまま植えるのがポイントです。

④ 植え付ける

穴に苗を置き、根元の土が周囲の地面と同じ高さか、やや高くなるように調整します。

深植えは根腐れの原因となるため避けましょう。

土を戻しながら株元を軽く押さえて安定させます。

⑤ 水やりと空気抜きをする

水鉢にたっぷりと水を注ぎ、樹木をやさしく揺らすなどして、土と根の間に残っている空気を抜きましょう。

これにより根と土が密着し、根付きが良くなります。

⑥ 仕上げとして土を整える

水が引いたら、残りの土を戻して平らに整えます。

粘土質の土壌などの場合は、掘り出した土に腐葉土やバーク堆肥を混ぜてから戻し、水はけや通気性を改善しましょう。

⑦ 支柱を立てる

苗が倒れないよう、2〜3本の支柱を用いて幹をしっかり固定します。

幹に麻布を巻いて保護し、麻ひもで支柱と結びつけて安定させましょう。

植え付け後、根の活着が進むまでは強い直射日光を避け、必要に応じて遮光ネットで保護すると安心です。

葉っぱが変色する・枯れる原因は?

環境や管理の状況によって、シマトネリコの葉は変色し枯れることがあります。

主な原因は次のとおりです。

  • 日照不足:光合成が不十分になり、葉色が薄くなったり黄色くなったりする
  • 水分の過不足:乾燥で葉先が枯れるほか、過湿では根腐れを起こしやすい
  • 不適切な施肥:肥料切れで葉が色あせる、または多肥により根や葉が傷む
  • 病害虫の発生:カイガラムシなどに吸汁され、斑点や変色、落葉を招く
  • 低温:寒さで葉がしおれたり、部分的に枯れこんだりする
  • 鉢植えでの根詰まり:根が成長しすぎて養分や水分の吸収が滞る

変色や枯れを防ぐには、十分な日当たりの確保、適切な水やり、定期的な植え替え、害虫の早期発見と防除が有効です。

日頃から葉の状態を観察し、環境を整えることで健康な株を保ちましょう。

シマトネリコの剪定|コンパクトに育てるには?

シマトネリコの剪定|コンパクトに育てるには?

シマトネリコは生育が非常に旺盛で、手入れを怠るとあっという間に大きくなってしまいます。

定期的に剪定を行えば、スペースに合わせた適度なサイズを保ちつつ、美しい樹形を長く楽しむことが可能です。

シマトネリコはどれくらい大きくなる?

シマトネリコはどれくらい大きくなる?

シマトネリコは成長スピードが早く、年間で40〜50cm以上枝が伸びることも珍しくありません。

放置すると5〜10mほどの高さに達し、複数の幹が株立ち状に密集してボリュームが出るため、管理しないと日当たりや風通しが悪くなり、害虫が発生しやすくなります。

そのため、適切なタイミングで剪定し、形とサイズを整えることが肝要です。

剪定に適した時期

シマトネリコは丈夫なため一年を通して剪定できますが、目的別に適した時期を選ぶと樹木への負担が減ります。

樹高を抑えたり幹の本数を整理したりする強めの剪定は、新芽が動き出す春先の3月頃に行うのがおすすめです。

その時期に行えば回復も早く、その後の生育がスムーズになるでしょう。

軽めの形状調整は、6〜7月や9月頃に行っても問題ありません。

ただし、真夏の猛暑期や真冬の寒さが厳しい時期は、樹木にストレスがかかるため控えましょう。

剪定のやり方

  1. 株を整理する(間引き)
  2. 高さを調整する(芯止め)
  3. 枝葉を透かす

シマトネリコの剪定は大きく分けて「株の整理」「高さの調整」「枝葉の透かし」の3つを組み合わせて行います。

旺盛な生育を考慮し、植え付け後の早い段階から定期的に手入れをすることが重要です。

① 株を整理する(間引き)

株元から伸びる幹が多すぎて混み合う場合は、枯れ枝や細枝、内向きや交差しているものを選んで根元から切り落とします。

全体のバランスを良くするには、最終的に5本や7本など奇数本にそろえるのがポイントです。

② 高さを調整する(芯止め)

上方へ伸びすぎた幹は、外向きに伸びている枝や葉のすぐ上でカットしましょう。

この位置で切ることで、切り口が目立たず自然な印象に仕上げられます。

③ 枝葉を透かす

全体の枝葉量を3分の1程度減らす感覚で、内向きや下向きに伸びている枝、密集している細枝を整理します。

手で簡単に取れるほど細い枝や葉も積極的に取り除き、光や風が株元に届くようにしましょう。

シマトネリコの栽培環境

シマトネリコの栽培環境

シマトネリコは日光を好みますが、半日陰でも十分に育つ柔軟な性質があります。

地植え・鉢植えのどちらにも適しますが、冬の寒さにはやや弱いため注意が必要です。

寒冷地では防寒対策を行うか、鉢植えで移動できるようにしておくと良いでしょう。

置き場所と日当たり

最も適しているのは、午前中によく日が当たり、午後はやわらかな日差しになる環境です。

日陰でも育ちますが、光量が極端に不足すると枝が間延びして見た目が乱れたり、葉色がくすんだりすることがあります。

明るい場所で育てるほど葉色や樹形が整いやすく、観賞価値も高まるでしょう。

地植えの場合

屋外では、日当たりにくわえ風通しの良い場所を選びましょう。

暖かい地域では庭植えが可能で、日当たりが良いほど枝の伸びも活発になります。

ただし成長が早く根張りも強いため、建物の基礎や配管付近は避け、十分なスペースを確保することがポイントです。

鉢植えの場合

室内では、窓辺など明るく風通しの良い場所に置くのが理想です。

冬は暖房の直風や極端な乾燥を避けつつ、明るい環境を保つようにしましょう。

屋外で育てる場合は、寒さが厳しくなる前に室内や軒下へ移動させると安全です。

適切な温度|どれくらいの寒さまで耐えられる?

シマトネリコは比較的温暖な環境を好み、一般的な耐寒性は氷点下3℃程度ですが、産地や個体によっては氷点下5℃前後まで耐える場合もあります。

ただし、強い寒波や霜に繰り返しさらされると葉を落とし、樹勢が衰えることがあるので要注意です。

氷点下が続く地域では、冬は鉢植えにし室内や温室に取り込みましょう。

寒さ対策

地植えでは、冷たい風が直接当たらない場所を選び、株元を腐葉土やワラなどで覆って根の凍結を防ぎます。

鉢植えは、冬場に玄関先や軒下など霜を避けられる場所へ移動し、寒冷地では室内の明るい窓辺で管理すると安心です。

用土

シマトネリコは多湿な環境を好むため、土を乾燥させないことがポイントです。

ただし、水はけが悪く過湿になると根腐れを起こすので、通気性と排水性のバランスを整えることも重要といえます。

適度な湿り気を保ちつつ、根が十分に呼吸できる環境を作りましょう。

地植えに適した用土

  • 庭土:6
  • 腐葉土:3
  • 堆肥:1

植え付けの2〜3週間前に掘り上げた土に腐葉土や堆肥をくわえてなじませておくと根張りが良くなります。

水はけが良すぎる場合は、腐葉土や堆肥の割合を増やして保水力を高めるのが効果的です。

鉢植えに適した用土

  • 赤玉土(中粒):2
  • 腐葉土または樹皮堆肥:1

鉢植えの場合は、通気性と保水性のバランスをとくに重視しましょう。

市販の庭木用培養土を利用してもかまいません。

夏の乾燥期は腐葉土の割合を多めにして水もちを良くし、湿気がこもりやすい場合は鉢底石やパーライトをくわえて通気性を高めるのがおすすめです。

シマトネリコの開花時期

シマトネリコの開花時期

シマトネリコは晩春から初夏にかけて、小さな白い花を咲かせます。

葉の間から細い花序を伸ばし、たくさんの小花が房状にまとまって咲くのが特徴です。

開花時期は5~7月

シマトネリコは、5月から7月にかけて開花します。

枝先から伸びる花序が順次咲くため、長い期間花を楽しめるのも魅力です。

風に揺れる姿や淡い色合いは見た目にも涼やかで、緑豊かな葉との美しいコントラストを描きます。

シマトネリコの花が咲かない原因は?

花つきが悪い場合は、日照不足や剪定時期の影響が考えられます。

とくに春先の剪定が遅れたり強すぎたりすると、花芽を落としてしまうことが多いため注意が必要です。

また、栄養不足や極端な乾燥も開花を妨げることがあります。

美しい花を楽しむためには、日がよく当たる場所での管理と適切な剪定が欠かせません。

シマトネリコの種まき

シマトネリコは種から育てることもできますが、芽吹いても時間を要するため、初心者にはやや手間のかかる方法です。

気長に育てる心構えがあれば楽しめますが、手軽に育てたい場合は苗からの栽培をおすすめします。

種まきにおすすめの時期

種まきは、発芽条件が整いやすい4月頃が適期です。

熟して茶色く色づいた種を10月頃に収穫し、そのままビニール袋や密閉容器に入れて冷蔵庫で保管し、翌春に種まきします。

種まきと植え方

  1. 種を収穫する
  2. 休眠打破のための低温処理を行う
  3. 種をまく
  4. 発芽後の育成管理をする
  5. 本葉が出てから鉢上げする

① 種を収穫する

茶色く色づいた種を10月頃に収穫します。

発芽率を上げるために、色づきの良い種を選ぶことがポイントです。

② 休眠打破のための低温処理を行う

採取直後の種は休眠期にあるため、発芽促進には低温処理が必要です。

湿らせたティッシュや川砂と一緒に密封袋などに入れ、春まで冷蔵庫で保存しましょう。

③ 種をまく

翌年の4月頃になったら、育苗トレイなどに種をまきます。

赤玉土とピートモスを1:1で混ぜた清潔な用土に種を浅くまき、薄く土をかぶせましょう。

まいたあとは水を存分に与え、表面の乾きを防ぐよう明るい日陰で管理します。

④ 発芽後の育成管理をする

芽が出るのに時間がかかることもありますが、焦らず見守ります。

発芽直後にいきなり直射日光が当たると葉焼けを起こすため、徐々に光に慣らしていくことが大切です。

⑤ 本葉が出てから鉢上げする

本葉が数枚出てきたら、大きめの鉢へ植え付けましょう。

根が損傷しないよう注意し、風通しと明るさのある場所で育てます。

落ちた種から育ったシマトネリコはどうする?

シマトネリコは落ちた種からもよく発芽し、庭や鉢の周りなど予期せぬ場所で芽を出すことがあります。

放置すると根が深く張り、大きく育つと移植や剪定が難しくなるため、目的に応じて早めに対処しましょう。

育てたい場合

芽が20〜30cm程度に育ち、根がしっかり張ったら植え替えます。

植え替えは、根の活動が活発になる4月頃(または秋の涼しい時期)が適期です。

植え替え後は根が落ち着くまで半日陰で管理し、土の表面がやや乾いたら湿り具合を確認しつつ適宜水やりを行います。

育てたくない場合

芽を見つけたら、なるべく小さいうちに引き抜きます。

成長して根が張っていたら、スコップなどでできるだけ根ごと取り除き、地中に残さないよう注意しましょう。

シマトネリコの増やし方

シマトネリコの増やし方

活着率はそれほど高くないものの、挿し木での繁殖もできます。

健康で元気な枝を選び、適切な時期と方法で管理することが成功のポイントです。

挿し木の時期はいつがいい?

シマトネリコの挿し木に適しているのは、気温や湿度の条件が整いやすい6月から7月頃です。

この時期は枝の成長が盛んで水分を多く含むため、発根しやすい傾向があります。

気温が高すぎる夏の盛りや、寒さが厳しい冬は避けるのが無難です。

挿し木のやり方

  1. 挿し穂を準備する
  2. 切り口を処理する
  3. 用土に挿す
  4. 水を与え、発根まで適切に管理する

① 挿し穂を準備する

元気な枝の先端から10cmほどの位置を、清潔なハサミなどで切り取ります。

枝先の葉を2〜3枚残し、下葉は取り除いて風通しを確保しましょう。

切り口は斜めにカットすると断面積が広くなり、水分の取り込みがスムーズになります。

② 切り口を処理する

カットした枝は30分ほど水に浸し、十分に水分を吸わせましょう。

根の成長を助けるため、発根促進剤を薄く塗布するのがおすすめです。

③ 用土に挿す

赤玉土や川砂など、水はけが良く通気性のある清潔な用土に挿します。

枝が安定するようにまっすぐ挿し込み、周囲の土を軽く押さえて固定しましょう。

④ 水を与え、発根まで適切に管理する

挿し終えたら、十分水を与えて湿らせ、直射日光が当たらない明るい半日陰で管理します。

空気穴をあけた透明なビニール袋などで適度な湿度を保つと、発根が促進されるでしょう。

発根まで通常1カ月程度かかることが多いですが、土表面が乾かないように水を適度に与えながら管理します。

植え替え時期はいつがいい?

シマトネリコを植え替えるには、気温が上がり根の活動が活発になり始める4月頃が最適です。

この時期に行うと、株の負担を抑えながら新しい環境に無理なく順応できます。

鉢植えは成長が早く根詰まりしやすいため、1〜2年に1回を目安に、ひと回り大きめの鉢に植え替えるのがおすすめです。

根が底から出ていたり、土の乾きが遅かったり、葉色が悪かったりする場合は根詰まりの可能性があるので早めに対応しましょう。

鉢替えのやり方

  1. 株を鉢からやさしく取り出す
  2. 古い土を落とし、根を整理する
  3. 新しい鉢に土と肥料を入れて植え付ける
  4. 十分に水をやり、半日陰で休ませる

① 株を鉢からやさしく取り出す

鉢の周囲を軽くたたいて土をほぐし、根鉢の塊を崩さないよう丁寧に取り出します。

無理に引っ張ると根を傷める恐れがあるため慎重に扱いましょう。

② 古い土を落とし、根を整理する

根についている古い土を丁寧に取り除き、絡んだ部分はほぐします。

黒ずんだり傷んだりしている根があったら、清潔なハサミで切り戻して整えましょう。

③ 新しい鉢に土と肥料を入れて植え付ける

ひと回り大きい鉢に鉢底石を敷き、排水性と通気性にすぐれた土を入れます。

元肥として緩効性肥料や有機肥料を混ぜ込むと、成長が促進されるでしょう。

株を中心に置き、土を隙間なく詰めて安定させます。

④ たっぷりと水やりを行い、半日陰で休ませる

植え替え後は水をたくさん与え、直射日光が避けられる風通しの良い半日陰で管理します。

その後は土の表面がやや乾いたら、湿り具合を確認しながら適宜水やりを継続しましょう。

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