フィカス ベンジャミン バロックの育て方
育てやすさ
初心者の方でも育てやすいのでおすすめです。
INDEX
目次
フィカス ベンジャミン バロックの基本情報
名称 | フィカスベンジャミン バロック |
学名 | Ficus benjamina barok |
英名 | Ficus benjamina barok |
科名 | クワ科 |
属名 | フィカス属 |
原産地 | 東南アジア、インド |
くるんとカールした葉が特徴のフィカス ベンジャミン バロックは観葉植物として人気があり、新芽が明るい緑で、成長すると濃い緑になり濃淡を楽しめます。
フィカス ベンジャミン バロックのユニークな葉の形と、葉色の美しい濃淡で部屋をすてきに彩ります。
新芽が次々に出てくるため、好みの大きさや形に剪定する楽しみがある植物です。
また、日当たりの良い場所を好みますが耐陰性も持ち合わせているため、初心者でも育てやすいでしょう。
月別栽培カレンダー
剪定・株分け
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植え付け・植え替え
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肥料
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ベンジャミン バロックは、5〜10月の生育期に剪定や株分けをします。
また、植え替え時期も生育期である5〜7月に実施することで、ベンジャミンへのダメージを与えることなく植え替えが可能です。
株分けや植え替えを生育期に行うのは、根に傷がついたとしても回復が早いため、ダメージが少なくて済むからです。
種類と品種
フィカス ベンジャミン バロックはフィカス属(ゴムノキ)に分類され、世界に約800種類あります。
フィカス ベンジャミン バロックは、ベンジャミン ナターシャの園芸品種から枝分かれしてできて、日本に入ってきて10年ほどしか経っていない新しい品種です。
ベンジャミン ナターシャは、フィカス ベンジャミン バロックよりも細長い葉で、葉の内側に入るような横のカールが少し入っています。
ここでは、フィカス ベンジャミン バロックの品種を3つ紹介します。
種類 | 特徴 |
---|---|
ベンジャミン スターライト | 葉に白い斑が入り、白と緑のコントラストが美しい |
ベンジャミン ゴールデンプリンセス | 葉に黄緑の斑があるベンジャミン スターライトに良く似ているが、斑の面積はベンジャミン スターライトよりも少ない |
ベンジャミン タシオン | フィカス ベンジャミン バロックよりも葉が大きく、カールが緩やか |
「ベンジャミン ゴールデンプリンセス」は、遠くから見ると斑の黄緑色が金色に見えることから名前がつきました。
どの種類も見た目のユニークさや華やかさから、観葉植物として人気が高いです。
また、インテリアとして新築のお祝いや「信頼」という花言葉があるため、プレゼントにも向いています。
フィカス ベンジャミン バロックの葉っぱの形
フィカス ベンジャミン バロックの葉は、くるんと下向きにカールしています。
葉が筒のように丸まっていて見た目がユニークな植物です。
フィカス ベンジャミン バロックは花が咲く?
フィカス ベンジャミン バロックは、実の中に花が咲きます。
そのため、見た目では花が咲いているようには見えません。
これを隠頭花序(いんとうかじょ)と言い、花びらになる部分が実のように見えるためです。
フィカス ベンジャミン バロックはフィカス属で「フィカス」、ラテン語で「無花果」を意味し、実の中に花が咲く種類です。
フィカス ベンジャミン バロックの実は5~6mmで丸く、緑色から赤色に変わります。
また、5〜10年経った木にしか実がつきません。
フィカス ベンジャミン バロックの花言葉
花言葉は「信頼」「融通の利く仲間」です。
フィカス ベンジャミン バロックが環境に適応しやすいことからつけられました。
フィカス ベンジャミン バロックの育て方
次から、フィカス ベンジャミンバロックの水やりの頻度や肥料のあげ方、葉が落ちてしまう原因について詳しく解説しています。
水やりの頻度
フィカス ベンジャミン バロックは季節によって水やりの頻度やタイミングが変わります。
- 春夏の成長期には土の表面が乾いたらたっぷり水をやる
- 夏の間の水やりタイミングは夕方が良い
- 秋冬は土の表面が乾いたと感じてから2〜3日待って水をやる
春夏の成長期には、土の表面が乾いていれば受け皿から水が溢れるくらいたっぷり水をあげましょう。
夏の昼間に水をあげてしまうと、土の中の水温が高くなり根を痛めてしまう可能性があるので、夏の間の水やりタイミングは夕方が良いでしょう。
秋冬は、土の表面が乾いたと感じた2〜3日後の午前中に水を与えます。
土の表面が乾燥してから水やりすることで、フィカス ベンジャミン バロックの耐寒性を上げることができます。
季節を問わず、受け皿に水が溜まったままになってしまうと根腐れの原因となるため、必ず捨てましょう。
こまめな葉水も大切
カールした可愛い葉をキープするためには、こまめに葉水することが大切です。
葉水することで、葉落ちの原因となる乾燥や、アブラムシやハダニなどの害虫からも葉を守り、綺麗な艶のある緑色をキープできます。
肥料のあげ方
基本的には肥料をあげなくても問題ありませんが、肥料をあげることで葉の艶が良くなったり、成長が早くなったりします。
肥料を与える時期は、5〜10月の生育期やフィカス ベンジャミン バロックの植え替えの時に、土に緩効性肥料(与えた時から効果が表れ、持続する肥料)を混ぜ込むのがおすすめです。
土に肥料を混ぜ込まない場合は、置き肥(固形や乾燥させた肥料を置いておくこと)や液体肥料を与えましょう。
緩効性肥料や置き肥は2か月に1回、液体肥料は7~10日に1回が目安です。
希釈倍率を誤ったり、冬の休眠期に肥料を与えたりしてしまうと肥料焼けを起こす恐れがあるため注意しましょう。
また、化学肥料を使用することで臭いが発生しないため、コバエの発生も防げます。
病害虫・害虫対策
フィカス ベンジャミン バロックで注意する害虫は、ハダニやカイガラムシ、アブラムシです。
これらの虫は繁殖力も強いため、なるべく発生させないように普段から剪定で風通しを良くし、細めに葉水しておきましょう。
ハダニ
特徴:葉に蜘蛛の巣のような糸がつく。葉に斑点や傷がある葉の色が薄くなったり枯れたりしている。葉の裏に小さい虫がついている。
対策:普段から枯れた葉は取り除き、葉水をする。定期的に水で葉を洗浄する。
カイガラムシ
特徴:葉や幹がベタベタする。すす病(排泄物にカビが生えること)になる。
対策:剪定して風通しを良くしておく。柔らかい布やブラシなどでカイガラムシを取り除く。殺虫剤や重曹と水を混ぜた液体、2倍に薄めた牛乳、濃いコーヒー、10倍に薄めた酢を吹きかける。
※牛乳をかけた場合は臭いが気になるため、その後水で洗い流しておく
アブラムシ
特徴:新芽が萎縮している虫がついている。葉が縮れている。葉や幹がベタベタしている。
対策:縮れた葉とアブラムシを取り除く。カイガラムシにも効果がある液体はアブラムシにも効果がある。
また、直接フィカス ベンジャミン バロックに影響はありませんが、コバエが発生する可能性もあります。
- コバエがフィカス ベンジャミン バロックの周りを飛んでいる
- 土にコバエが湧く
土にコバエが発生した場合、新しい土に植え替えるか、土の表面2~3cmを取り除くなど対処が必要になります。
コバエは、発酵不十分な堆肥や有機質肥料の臭いに引き寄せられるため、これらの使用はやめましょう。
また、土の表面に赤玉土や鹿沼土、砂利などの無機質な物を敷くことで通気性や排水性が高くなりコバエの発生を防ぎます。
種まきと植え方
種まき
事前に、フィカス ベンジャミン バロックの種を1日水に浸しておきましょう。
種まき用土にまいて5mmほど土を被せ、発芽するまでは暗い日陰で管理します。
土が常に湿っている状態をキープするために水やりは毎日必要です。
2週間ほどで発芽するため、そのあとは日向に移動させて、土の表面が乾いたら水を与えるようにします。
植え方
発芽してから10cmほどに育てば植え付けができるようになります。
植える時には、根鉢(株についている根と土の部分のことを指します)よりひとまわり大きな鉢に植えましょう。
鉢に鉢底石と用土を入れてから株を入れ、鉢上5cm程まで残りの土を入れます。
最後に鉢底から流れ出るほどたっぷり水を与えれば完成です。
葉が落ちてしまう原因は?
葉が落ちる原因は、「日照不足」「寒さ」「乾燥」の3つです。
耐陰性はありますが、室内などで日差しが少ないと葉を落としてしまいます。
また、生育期である夏場の水不足は、致命的です。
生育期は多くの水を必要としているため、乾燥しないようにたっぷり水を与えましょう。
ほかにも、冬は寒さで根が痛み、暖房の風で乾燥すると一気に枯れてしまう可能性があります。
乾燥を防ぎ葉の艶を維持するためには、葉水が大切です。
フィカス ベンジャミン バロックの栽培環境
フィカス ベンジャミン バロックは日当たりの良い場所を好みますが、気温が10度以下になると弱ってしまいます。
そこで、フィカス ベンジャミン バロックの置く場所や温度などのポイントを含めて解説します。
置き場所と日当たり
フィカス ベンジャミン バロックは日光を好む植物ですが、真夏の直射日光を浴び続けてしまうと葉焼けする恐れがあるため注意が必要です。
庭や外で栽培する場合は、高木(こうぼく)の根元などが良いでしょう。
また、耐陰性があるため室内でも育てやすく、インテリアとしても人気があります。
ですが、日照不足になると葉がポロポロと落ちてしまいます。
室内で飾る場合は、明るい窓辺やレースカーテン越しに日差しが当たる場所がおすすめです。
冷暖房の風が当たると葉が痛むため、注意しましょう。
適切な温度|どれくらいの寒さまで耐えられる?
フィカス ベンジャミン バロックの適切な温度は、10度以上です。
寒さに弱く、10度以下になると次々に葉を落としてしまいます。
冬の窓辺は寒いため、少し離して、暖かくも暖房の風があたらない場所で育てましょう。
5度以下になると株が弱って枯れてしまうため注意しましょう。
用土
水はけの良い土を使いましょう。
高温多湿を好む植物ですが、水はけが悪いと根腐れを起こす可能性があります。
販売されている土もありますが、自分でブレンドする場合は、観葉植物用の土2:赤玉土1:鹿沼土1の割合がおすすめです。
土の表面を赤玉土や鹿沼土、化粧砂などの無機質の用土で覆うことでコバエの発生を防げます。
フィカス ベンジャミン バロックを種から育てるのは大変?
フィカス ベンジャミン バロックを種から育てるには、少し手間がかかるでしょう。
1日種を水に浸し、種まき用土にまいて発芽するまでは暗い日陰で管理し、毎日水やりが必要です。
2週間ほどで発芽するので、そのあとは日向に移動させて、土の表面が乾いたら水を与え、10cmほどに育てば植え付けができます。
フィカス ベンジャミン バロックは、ほとんどが苗木で販売されているため、購入して育てるほうがおすすめです。
フィカス ベンジャミン バロックの増やし方
株分けや挿し木など、フィカス ベンジャミン バロックはさまざまな方法で増やせます。
それぞれの方法や時期などもあわせて順番に紹介します。
剪定・株分けの時期はいつがいい?
フィカス ベンジャミン バロックの剪定は生育期である5〜10月、株分けは5〜7月にします。
生育期に剪定することで、新芽を成長させる効果があり、株分のダメージも最小限に抑えることが可能です。
冬などの休眠期に株分けをすると、余計な刺激から根に大きなダメージを与えてしまいかねません。
挿し木のやり方
挿し木をする場合は、剪定の時に一緒に切り落とすと簡単に行えます。
- 若くて元気な枝を選びカットする
- 水に2~3時間浸しておく
- 挿し木用の用土に挿す
① 若くて元気な枝を選びカットする
葉が多くついている若い枝を選び、10〜15cmほどの長さで斜めに切りましょう。
② 水に2~3時間浸しておく
下葉を取り除いて切り口の樹液を洗い流したら、2〜3時間は切り口を水に浸しておきます。
③ 挿し木用の用土に挿す
挿し木用の用土に挿し、風通しの良い明るい日陰に移して管理しましょう。
根が充分に育ったタイミングで観葉植物土に植え替えます。
取り木のやり方
取り木とは、親株の茎に傷をつけて新たな根を発根させて増やす方法です。
取り木の手順は次の通りです。
- 幹の節と節の間に帯状の切り込みをいれる
- 切った部分に湿らせた水苔を巻く
- 透明なビニールで包む
- 直射日光が当たらない場所で管理する
- 発根したら切り離して植え付ける
① 幹の節と節の間に帯状の切り込みをいれる
フィカス ベンジャミン バロックの幹にナイフなどで1〜2mmの深さに帯状の切り込みを入れて、木質部(硬い部分)を露出させます。
② 切った部分に湿らせた水苔を巻く
露出した部分に湿らせた水苔を団子状に包むように巻いてください。
③ 透明なビニールで包む
保湿のために透明なビニールで包んだら、紐を使ってズレないように固定して縛りましょう。
ビニールには小さい穴をあけておくと、穴から水を注いで乾燥を防止できます。
④ 直射日光が当たらない場所で管理する
1〜2か月間は、直射日光が当たらない場所で管理します。
⑤ 発根したら切り離して植え付ける
2か月ほどするとビニールで覆っていた中から根が伸びてきます。
ビニールと水苔をきれいに取り除いてから、発根している部分の下をはさみで切って親株から切り離し、別の鉢に植えましょう。
子株の根が充分に伸びてくるまでは倒れやすいため、支柱をたてて、水をたっぷり与えてください。
植え替え時期はいつがいい?
植え替えは、生育期である5〜7月がおすすめです。
生育期であればフィカス ベンジャミンバロックへダメージをあまり与えずに植え替えられます。
植え替えは、根詰まりしないように2年に1度行います。
ですが、水やり後の吸水が悪く感じたり、鉢底から根が出て来てしまっている場合は植え替えが必要です。
鉢替えのやり方
鉢からフィカス ベンジャミンバロックを取り出したら、痛んでいる根や古い土を取り除きます。
根詰まりしている場合は、手で優しくほぐしてあげましょう。
サイズを大きくした鉢へ植え替えて、たっぷりの水を与えます。
1週間ほどは明るい日陰で様子をみて、元の場所へ移すのがおすすめです。
もし、サイズを大きくしたくない場合は、根を1/3ほど減らしてから元の鉢に植え直すと良いでしょう。