カシワバゴムの育て方
育てやすさ
育て方の難易度は普通レベルです。
INDEX
目次
カシワバゴムの基本情報
植物名 | カシワバゴム、フィカス リラータ |
学名 | Ficus lyrata |
和名 | カシワバゴムノキ |
英名 | Fiddle leaf fig |
別名 | カシワバゴムノキ、バイオリンの木 |
原産地 | 熱帯アフリカ |
科名 | クワ科 |
属名 | フィカス属 |
開花時期 | 春 |
熱帯アフリカ原産のカシワバゴムはおしゃれで育てやすく人気の観葉植物です。
縁起が良いとされる柏の木の葉に似ていることから、日本では「カシワバゴム」の名称で親しまれています。
大きく艶がある葉は部屋に置くと落ち着いた雰囲気を演出してくれるでしょう。
樹齢が長く、ポジティブな花言葉がつけられているので開店祝いなどのプレゼントにもぴったりです。
月別栽培カレンダー
植え付け・植え替え
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
肥料
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
開花
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
種類と品種
フィカス ウンベラータ
ハートの形の大きな葉が可愛く、初心者にも育てやすい
フィカス アルテシマ
葉に薄緑の斑が入っている品種
フィカス バーガンディー
艶のある黒い葉と、赤い新芽のコントラストが美しい品種
フィカス ペティオラリス
ウンベラータのようなハートの形の葉で、葉脈が赤いのが特徴
カシワバゴムはどんな花が咲く?
カシワバゴムはつぼ状の実の中で花を咲かせます。
これを陰頭花序(いんとうかじょ)と呼び、花が咲いても外からは果実のように見えるでしょう。
しかし、カシワバゴムの花は特定の虫による受粉がないと咲かないため、見かけることはほぼありません。
カシワバゴムの葉っぱの特徴
カシワバゴムは光沢のあるダークグリーンの葉が特徴的です。
形は縁起の良いとされる柏の木の葉に似ていて、名前の由来にもなっています。
葉が大きく丈夫そうな印象がありますが、寒さや日光不足で落ちてしまうので、日当たりが良く暖かい場所に置くのがおすすめです。
カシワバゴムの花言葉
カシワバゴムの花言葉は「永久の幸せ」です。
樹齢が長く、生命力が強いことからこの花言葉がつけられました。
カシワバゴムの育て方
おしゃれで存在感があるカシワバゴムは耐寒性が低めです。
下記では、カシワバゴムの水やりの頻度や適切な肥料のやり方など、育てるときのポイントを説明します。
これからカシワバゴムを育てようと考えている人は参考にしてみてください。
水やりの頻度
カシワバゴムは乾燥には強いため、しっかり土が乾いてから水やりをしましょう。
- 春夏:鉢の真ん中部分の土を触って乾いていたらすぐに
- 秋冬:鉢の真ん中部分を触って乾いてから、2~3日後に
春と夏は鉢の下から出るくらい水をあげます。
秋と冬は控えめにし、なるべく気温が高い日中に水やりするのがポイントです。
肥料のあげ方
肥料はカシワバゴムの生育が良い5~10月に与えるのがおすすめです。
液肥の場合は2週間に1回、置き肥の場合は2ヶ月に1度やります。
カシワバゴムは肥料をあげ過ぎると根にダメージを受ける可能性があるため、量と時期に注意して与えるようにしましょう。
樹液に注意
カシワバゴムの樹液はペットや人に有害です。
枝が折れると樹液がでてきて、素手で触ると炎症を起こす可能性があります。
そのため、カシワバゴムを触るときはゴム手袋を着用しましょう。
事故を防ぐためにも子どもやペットが触れない場所に置くことが大切です。
病害虫・害虫対策
水やりのタイミングで葉裏や幹を観察し、定期的に害虫がいないか確認するようにしましょう。
また、見つけたときはなるべく早く対処することで植物が弱ったり枯れたりするのを避けられます。
カイガラムシ
- 白く粉っぽい虫が幹や葉についている
ブラシで直接こそぎ落とすか、殺虫剤を使って駆除します。
ハダニ
- 葉が吸汁され白い斑点が見えたり、葉に糸のようなものがついている
柔らかい布やブラシでとったり、殺虫剤を撒いて駆除します。
アブラムシ
- 虫が群れで葉につき、葉っぱの状態が悪くなって株を弱らせる
ピンセットなどで取り除いたり、殺虫剤を撒いて駆除します。
植え方
カシワバゴムを購入してすぐ植え替えるのはやめましょう。
カシワバゴムは環境の変化に敏感なため、移動がストレスになります。
- 購入後は少し薄暗い場所に置く
- 水やりをせず1~2週間様子を見る
環境に慣れてきたタイミングで、植え替えと水やりをしましょう。
買ってきたときの苗ポットは簡易的なものが多く、そのままの状態で健康に大きく育てるのは難しいです。
将来的に大きく育てたいと考えているなら、一回り大きい鉢に移すと植物の根域が広がり成長が早くなります。
詳しい植え方は下記の「鉢替えのやり方」で説明していますので、見てみてください。
葉っぱが落ちてしまう原因は?
育てやすく人気のカシワバゴムですが、葉が落ちてしまうこともあります。
下記が主な原因です。
- 置き場所の変化
- 日光不足
- 水のやりすぎ
- 気温が低い
- 水が足りていない
- 新陳代謝のため
置き場所の変化
カシワバゴムは置き場所の変化に敏感なところがあります。
園芸店で購入して家に移動したり、同じ家の中でも置く場所を変えたりすると葉を落とすことがあるでしょう。
これは、カシワバゴムが環境の変化に順応しているところなので、性質を知っていればあまり慌てることはありません。
日光不足
耐陰性があるカシワバゴムですが、日当たりが悪いと葉を落とすことがあります。
日光が好きな植物なので、できるだけ直射日光を避けた日当たりの良い場所に置くのがおすすめです。
水のやりすぎ
カシワバゴムは水をやり過ぎると根腐れし葉を落とす可能性が高くなります。
根腐れすると枯れてしまうこともあるので、特に冬は鉢の土がしっかり乾いた後2~3日あけてから水をあげましょう。
水やりのタイミングがわかりにくい場合は、水のやりどきが分かるチェッカーを使うのがおすすめです。
気温が低い
観葉植物を育てるのが初めての人におすすめのカシワバゴムですが、他のゴムの木よりも耐寒性は低めです。
冬は室内に置いていても、窓際は気温が低く葉が落ちることがあります。
そのため、窓から離れていて温かくエアコンの風が当たらないところに置くようにしましょう。
水が足りていない
カシワバゴムは乾燥に強いと言われていますが、水が足りていないときは葉を落とすことがあります。
葉が全体的に垂れて見えるときは水不足のサインです。
ただし、水のやり過ぎは根腐れにつながるので水の量には気をつけてください。
新陳代謝のため
古くなったカシワバゴムの葉は黄色くなり落ちることがあります。
カシワバゴムは葉が大きいので落ちると不安になるかもしれませんが、木の下の部分の葉が黄色くなり落ちるのは自然なのであまり心配ありません。
しかし、黒くなって葉が落ちたり、大量に落ちた場合は他に原因があるかもしれないので気をつけて様子を見てください。
カシワバゴムの栽培環境
育てやすくおしゃれな雰囲気のカシワバゴムですが、栽培環境を整えるためにいくつかポイントがあります。
ここでは、カシワバゴムに合う置き場所や日当たり、適温などを詳しく紹介していますので
チェックしてみてください。
置き場所と日当たり
カシワバゴムは耐陰性があると言われていますが、日当たりが良い方が元気に育つでしょう。
ただし、直射日光は葉焼けの原因になります。
室内ではレースカーテン越しで日当たりの良い場所に置きましょう。
屋外で育てる場合は遮光ネットを使い、直射日光を避けると良いです。
適切な温度|どれくらいの寒さまで耐えられる?
カシワバゴムは丈夫そうに見えますが他のゴムの木よりも寒さに弱いため、冬でも10℃をキープするように管理しましょう。
温度が5℃を下回ると、葉が落ちたり株が弱る原因になるので気をつけてください。
冬に室内で育てる場合は、エアコンの風が当たる場所や窓が近く気温が下がりやすい場所を避けて置くようにしましょう。
用土
カシワバゴムは市販の観葉植物用の土や水はけの良い土で育てるのがおすすめです。
表面をマルチング材などで覆うことでコバエの発生を防ぐことができます。
カシワバゴムを種から育てると大変?
カシワバゴムは種がとても希少なため、種からの栽培は難しいでしょう。
種から育てても苗まで成長するのは少ないと言われています。
そのため、苗で購入して育てるのがおすすめです。
カシワバゴムの増やし方
カシワバゴムは水挿しや挿し木で比較的簡単に増やすことが可能です。
ここでは、カシワバゴムの剪定の時期や水挿しや挿し木のやり方などを紹介します。
剪定の時期はいつがいい?
カシワバゴムの剪定は生育が良い5~10月に行うのがおすすめです。
生育期に剪定をすれば、新しい芽も出やすく株へのダメージを最小限にできるでしょう。
葉が混みあっているところや、枯れている部分を剪定し風通しの良い状態を保つと害虫もつきにくくなります。
水挿しに必要なもの
- ゴム手袋
- 切った枝を入れるコップなどの入れ物
- 発芽剤
- ハサミ(清潔に消毒されたもの)
- 水差し(枝から出る樹液を流すため)
水挿しのやり方
カシワバゴムの水挿しは観葉植物を育てるのが初めての人でも簡単にすることができます。
- 水挿し用の枝を切る
- 発芽剤を入れた水に浸ける
- 発根したら鉢に植え替える
① 水挿し用の枝を切る
樹液が手に触れないよう、作業の時には必ずゴム手袋をしてください。
切る枝の長さは10~15㎝ほどの長さで、交差した枝や、風通しを良くしたい部分を選びましょう。
枝から出た樹液は水で流すと作業がしやすいです。
② 発芽剤を入れた水に浸ける
発芽剤と水を混ぜた容器に入れておきます。
水や根っこが腐らないように、容器の水は定期的に交換しましょう。
③ 発根したら鉢に植え替える
根が出てきたら、観葉植物の土を入れた鉢に植え替えます。
挿し木に必要なもの
カシワバゴムの挿し木は水挿しと並び手軽に株を増やせる方法です。
下記では挿し木に必要なものとやり方を紹介しています。
カシワバゴムの挿し木に挑戦したい、挿し木が初めてという方は参考にしてみてください。
挿し木のやり方
- 挿し木に使う枝を切る
- 1時間ほど水に入れる
- 吸水させた枝を鉢に植える
① 挿し木に使う枝を切る
ゴム手袋を着用し、挿し木にする枝を切ります。
長さは10~15㎝くらいで、葉は1~2枚残して残りは取り除きます。
残した葉っぱも、大きさを半分くらいにカットしましょう。
② 1時間ほど水に入れる
切った枝を1時間ほど水に浸けておきます。
この際、発根促進剤があれば水に混ぜていっしょに吸水させましょう。
② 吸水させた枝を鉢に植える
吸水させた枝を、用土を入れた鉢に植えたら完成です。
挿し木後は、直射日光を避けた明るい日陰で管理し、土が常に湿った状態を保てるよう水やりをします。
小さな鉢で発根させ、ある程度しっかりしてきたら別の鉢に植え替えてもいいでしょう。
植え替え時期はいつがいい?
カシワバゴムの植え替えは株の生育が良い5~9月に行いましょう。
植え替えは古い根を取り除いたり、植物へ少なからずストレスがかかります。
生育が良い時期に行うことで、株にダメージがあっても早く回復することができるでしょう。
鉢替えに必要なもの
鉢替えのやり方
根詰まりを防ぐためにもカシワバゴムは1~2年に1回は植え替えするようにしましょう。
- 新しい鉢の準備をする
- 古い鉢からカシワバゴムを取り出し、根っこを整理する
- 新しい鉢に植え替える
- たっぷり水をやり、土を追加して完成
① 新しい鉢の準備をする
一回り大きい鉢を用意し、鉢底ネットをひき、鉢底石用の軽石を入れます。
その上から新しい用土を薄く入れておきましょう。
② 古い鉢からカシワバゴムを取り出し、根っこを整理する
鉢からカシワバゴムを取り出したら、古い土を落とし、腐っている根っこを取り除きます。
植え替えの前から水やりをひかえ少し乾燥気味にしておくと、鉢から株をとりやすいです。
③ 新しい鉢に植え替える
カシワバゴムが鉢の中心になるように固定し、残りの土を入れていきます。
割りばしなどの棒で土をつつき、できるだけ隙間なく入れましょう。
④ たっぷり水をやり、土を追加して完成
たっぷり水をやり、水やりで沈んだ分の土を追加して完成です。