ホマロメナの育て方
公開日 2025年11月04日
更新日 2025年11月05日
育てやすさ
こまめに植物を管理する必要があるので、まめな人におすすめです。
監修者情報
覚張大季
植物と人との関わりに魅了され、日本各地の植物農園を見て回る。HanaPrimeの植物部門の立ち上げ後はオフィスや商業施設、個人宅など、幅広いシーンのグリーンコーディネートを数多く担当。植物の生態や特性を深く掘り下げ、それぞれの空間やライフスタイルに適したグリーン空間デザインを提案することが得意。観葉植物の世界に情熱を注ぎ、植物の価値を最大化することを使命としている。
INDEX
目次
ホマロメナの基本情報
| 植物名 | ホマロメナ |
| 学名 | Homalomena sp. |
| 英名 | Homalomena |
| 原産地 | 東南アジア |
| 科名 | サトイモ科 |
| 属名 | ホマロメナ属 |
| 開花時期 | 開花の条件がそろっていればいつでも |
ホマロメナは高温多湿な東南アジア原産の観葉植物です。
ハート形や丸形、細葉など葉の形だけでなく、葉や茎の色合いもさまざまで種類が豊富なことから、コレクション性も高く人気があります。
水を好み乾燥が苦手なため、育てる場合は湿度が低くならないよう注意が必要です。
月別栽培カレンダー
植え付け・植え替え
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肥料
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開花
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種類と品種
| 名前 | 葉の色 | 葉の形 | 茎の色 |
|---|---|---|---|
| ホマロメナ ワリシー カモフラージュ | 緑の迷彩 | 楕円形 | 緑 |
| ホマロメナ ルベスケンス マギー | 緑 | ハート形 | 赤 |
| ホマロメナ エメラルド ジェム | 緑 | スペード型 | 緑~赤みがかった緑 |
| ホマロメナ フレイミングレッド | 表:赤みがかった緑や緑 裏:赤 | ハート形 | 赤 |
下記ではホマロメナの品種をいくつか紹介します。
種類が豊富なことで人気のホマロメナですが、同じ品種でも個体差があり他の植物と比べて見分けることが難しいです。
ホマロメナ ワリシー カモフラージュ
ホマロメナ ワリシー カモフラージュは緑の濃淡の迷彩柄の葉をもっています。
そのおしゃれな見た目から、インテリアグリーンとして人気の品種です。
ホマロメナ ルベスケンス マギー
ホマロメナ ルベスケンス マギーは光沢がある厚い葉に赤い軸のコントラストが美しいホマロメナです。
ホマロメナ エメラルド ジェム
ホマロメナ エメラルド ジェムはその名の通り、青々とした美しい葉が特徴のホマロメナです。
ホマロメナ ルベスケンス マギーと似ていますが茎の色で見分けることができます。
ホマロメナ フレイミングレッド
ホマロメナ フレイミングレッドは茎や葉裏が赤く、葉の表は緑や赤みがかった緑色をしています。
高級感が漂う見た目が特徴です。
ホマロメナの葉っぱの特徴

ホマロメナの葉の見た目は品種によりさまざまで、葉の形と色のバリエーションをあげただけでも、下記の種類があります。
葉の形のバリエーション
- ハート形
- 細葉
- 楕円形
- 円形
葉色のバリエーション
- 緑(黄緑~深緑までさまざま)
- 赤
- 銀
- ピンク
同じ品種でも個体差があるので、自分の好みのホマロメナを探すのも楽しいでしょう。
ホマロメナはどんな花が咲く?
ホマロメナの花はサトイモ科の植物が咲かせるミズバショウのような形をしています。
中のつぶつぶの棒状部分を「肉穂花序」と呼び、上の8割が雄花で、下の2割が雌花です。
周りの花びらのような部分は「仏炎苞」と呼び、花が咲き終わると閉じていきます。
ホマロメナの花言葉
ホマロメナ全般の花言葉はありません。
ホマロメナの品種のひとつであるホマロメナ ワリシー カモフラージュは「華やかな明るさ」「壮大な美」という花言葉をもっています。
ホマロメナの育て方

ホマロメナは温暖で湿った環境を好む植物です。
温度や湿度が低くなりすぎないよう環境を整えるようにしましょう。
また、直射日光を避けることで葉焼けをするのを防げます。
水やりの頻度
ホマロメナに水やりをする際は常温の水を与えるのがポイントです。
冷たい水は根を痛める可能性があるので避けましょう。
| 春と夏 | 土の表面が乾いてから鉢底から出るくらい多めに水をやる |
| 秋と冬 | 土の表面が乾いて2~3日後に与える |
水苔で栽培している場合は、水浸しの状態を避け、乾燥しないように霧吹きで水を与えます。
受け皿にたまった水は根腐れの原因になるのでこまめに捨てましょう。
肥料のあげ方
ホマロメナは肥料を与えなくても元気に育つので、あげ過ぎに注意が必要です。
もし与える場合は5~8月に2~3回、規定量よりも薄めた液肥を水やりの水に混ぜ与える程度で良いでしょう。
肥料を与えすぎると枯れることがあるため、気をつけてください。
病害虫・害虫対策
ホマロメナを育てる際に気をつけたい病害虫について紹介します。
症状や被害を見つけた場合はすぐに対処するようにしましょう。
アザミウマ
- 葉や茎が吸汁された部分が黄白色に変化するまたは白い斑点ができる
アザミウマは専用の殺虫剤を使用するのが効果的です。
葉裏や新芽の周りを中心に観察し、ついていたら早めに対応しましょう。
カビ
- 植物や土に細い糸状のカビが広がる
- 苗が弱ってくる
ケースなどに入れている場合は定期的に蓋を開け、通気性を確保することでカビの発生を防げます。
カビが発生した場合は植え替えをしましょう。
植え替えの際は腐った根や茎を切り、根についている土を優しく取り除いたら水で洗います。
根が弱っていることもあるので、植え替え後の用土は水苔を使うのがおすすめです。
植え方
ホマロメナはジメジメした環境を好む植物のため、育てるのが難しいと感じる人もいるかもしれません。
下記の点に気をつけると、元気に育てることができます。
- 温度と湿度を保つ
- 直射日光を避けた場所に置く
- 無機質の用土を使う
- 肥料は控えめにする
ホマロメナの葉が垂れる原因は?
ホマロメナは下記の環境下で葉が垂れてしまいます。
- 湿度が下がる
- 水が切れて地面が乾燥する
- 温度が低い
ホマロメナは一度水を切らしてしまうとその後水を頻繁にやっても元のように大きくなりにくいです。
水を好む植物のため、水を切らさないように気をつけましょう。
ホマロメナの栽培環境

ホマロメナは東南アジアに自生しているため、高温多湿の環境を好みます。
日本で栽培する場合は、乾燥し気温が下がる秋から冬にかけて特に注意が必要です。
置き場所と日当たり

ホマロメナは直射日光の当たらないレースカーテン越しの日当たりの場所に置きましょう。
また、エアコンの風は空気を乾燥させるため、部屋の中でも直接風の当たらないところに置いてください。
適切な温度|どれくらいの寒さまで耐えられる?
ホマロメナの適温は20~30℃です。
15℃ほどでも大丈夫ですが、成長が鈍くなってきます。
また、原産地が高温多湿のため湿度も60~70%くらいに保つようにしましょう。
温度と湿度を保つのが難しい場合は、鉢がそのまますっぽり入る大きめの衣装ケースやタッパーなどにいれるとキープしやすくなります。
マロメナの土の配合比率(用土)

ホマロメナはじめじめした環境を好むため、育てる際は水苔または無機質の土を使うのがおすすめです。
おすすめの配合
- 硬質赤玉土:7
- 鹿沼土:2
- 日向土:1
土を使用する場合は、硬質赤玉土を使うことで土の粒が崩れにくくなり、水はけの良さをキープできます。
迷った場合は水苔を使いましょう。
ホマロメナを水中で育てるやり方
ホマロメナは多湿を好む観葉植物ですが、基本的に水中では腐ってしまうため育てられません。
しかし、ホマロメナの中には水中で自生している品種も存在します。
水中栽培したい場合は購入先に水中栽培が可能かどうか確認しましょう。
ホマロメナの増やし方

ホマロメナは株の周りに子株ができるので、株分けして増やしていきます。
剪定・株分けの時期はいつがいい?
ホマロメナの剪定や株分けに適している時期は暖かい5~8月です。
しかし、ホマロメナは寒い気温が苦手な観葉植物のため、一定の室温と湿度の環境下で育てている人もいると思います。
その場合は、一年中剪定や株分けをすることが可能です。
株分けのやり方
下記では、ホマロメナの株分けの方法について紹介しています。
生育環境が良いと根元からどんどん子株が増えていくので、増えたタイミングで株分けをしましょう。
株分け時はホマロメナの根が未熟なため、無機質の土よりも湿度を保ちやすい水苔を使用するのがおすすめです。
- 鉢から出し茎を切る
- 切った茎を水につける
- 根を水苔で包み鉢に固定する
- 直射日光を避けた場所で管理する
株分けに必要な道具
- 清潔でよく切れるハサミまたはカッター
- 分けた株の大きさに合った鉢
- 水苔(ふんわりするまで水で戻す)
- 手袋
① 鉢から出し茎を切る
鉢から出して、優しく根の周りの土を取り除きます。
ホマロメナは根っこが残るように、新しくできている子株ごとに切りましょう。
② 切った茎を水につける
切った茎の部分から液体がでるので10~30分ほど水につけます。
③ 根を水苔で包み鉢に固定する
根を水苔で優しく包み固定し、水をたっぷり与えましょう。
④ 直射日光を避けた場所で管理する
株分け後は根が未熟なため、湿度を少し高めにすると根が成長しやすくなります。
気温20~30℃、湿度70~85%の直射日光を避けた明るい日陰で管理しましょう。
しかし、湿度が高いとカビが発生することもあるので通気性を保つのが大切です。
植え替え時期はいつがいい?
ホマロメナは東南アジアが原産地のため、その気温と湿度に近い5~8月くらいに植え替えするのが好ましいです。
2年に1度のタイミングで植え替えをすると、根詰まりすることなく成長するでしょう。
ただし、35℃を超えると株が弱る可能性があるため、気温が高すぎる真夏は避けます。
鉢替えのやり方
ホマロメナは植え替えてから2年経っていなくても、鉢底から根がでている場合は室温と湿度に注意し鉢替えを行いましょう。
詳しい鉢替えの方法は下記の通りです。
- 鉢から取り出す
- 土をブレンドする
- 新しい鉢に入れて固定する
鉢替えに必要な道具
- 手袋
- 清潔でよく切れるハサミ
- 鉢底ネット
- 軽石
- 一回り大きな鉢
- 土(硬質赤玉土、鹿沼土、日向土を7:2:1でブレンド)
① 鉢から取り出す
鉢から取り出し、優しく不要な土を取り除きましょう。
このとき、腐っている根があれば切ります。
② 土をブレンドする
硬質赤玉土、鹿沼土、日向土を7:2:1の割合で混ぜて土を作りましょう。
③ 新しい鉢に入れて固定する
鉢に鉢底ネット、軽石、土1/3を入れます。
苗を入れる位置を決めたら、周りに土を入れながら固定しましょう。
鉢替え後は水をやり、直射日光の当たらない明るい日陰に置いてください。

