イロハモミジの育て方
公開日 2025年11月06日
更新日 2025年11月06日
育てやすさ
育て方の難易度は普通レベルです。
監修者情報
覚張大季
植物と人との関わりに魅了され、日本各地の植物農園を見て回る。HanaPrimeの植物部門の立ち上げ後はオフィスや商業施設、個人宅など、幅広いシーンのグリーンコーディネートを数多く担当。植物の生態や特性を深く掘り下げ、それぞれの空間やライフスタイルに適したグリーン空間デザインを提案することが得意。観葉植物の世界に情熱を注ぎ、植物の価値を最大化することを使命としている。
INDEX
目次
イロハモミジの基本情報
| 植物名 | イロハモミジ |
| 学名 | Acer palmatum |
| 和名 | イロハカエデ |
| 英名 | Japanese maple |
| 別名 | タカオカエデ、イロハカエデ |
| 原産地 | 日本、中国、韓国 |
| 科名 | ムクロジ科 |
| 属名 | カエデ属 |
| 開花時期 | 4〜5月 |
イロハモミジは、日本を代表する落葉広葉樹で、四季を彩る庭木として古くから親しまれています。
春には赤みを帯びた若葉が芽吹き、夏は涼しげな緑葉、秋には鮮やかな紅葉を楽しめるのが大きな魅力です。
樹高は3〜10mほどに成長し、自然樹形も美しく、シンボルツリーや盆栽として人気があります。
日当たりから半日陰まで幅広い環境に適応し、比較的育てやすいため初心者にもおすすめです。
月別栽培カレンダー
種まき
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
植え付け・植え替え
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
肥料
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
開花
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
種類と品種
イロハモミジには、葉の色や形に特徴を持つ複数の園芸品種があり、庭木・シンボルツリー・盆栽など用途に応じて選ばれています。
| 品種名 | 葉の形 | 葉色 | 樹高 | 樹形 | 育てやすさ | レア度 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| イロハモミジ | 5~7裂 | 緑 | 5~10m | 自然 | ◎ | 一般的 |
| ノムラモミジ | やや大きめ | 赤紫 | 5~8m | 自然 | ◎ | 人気 |
| シダレモミジ | 細い | 緑~赤 | 3~5m | 垂れ下がる | △ | 珍しい |
| オオモミジ | 大きな5裂 | 濃い緑 | 10~15m | 大ぶり | 〇 | 一般的 |
イロハモミジ

日本庭園で最も多く用いられる基本種で、春は新緑、秋は紅葉と四季を通じて楽しめます。
庭木として群植にも向きますが、四季の変化がはっきり出るためシンボルツリーや盆栽にしても魅力的です。
ノムラモミジ

紅葉の時期が長く、春から秋まで赤葉を保つ品種です。
赤い葉が一年中楽しめるため、シンボルツリーにすると彩り豊かに住まいの印象を引き立ててくれます。
シダレモミジ

優雅な姿で和風庭園に映えますが、管理にはやや注意が必要です。
枝垂れた樹形は独特で、小型に仕立てれば盆栽としても楽しめます。
オオモミジ

大きく育ち、公園や広い庭に適しています。
樹勢が強く大きく育つため、庭木や景観樹向きです。
広いスペースでこそ魅力を発揮し、シンボルツリーよりも群植や背景樹に適しています。
イロハモミジの葉っぱの特徴

イロハモミジの葉は5〜7つに深く裂けた形が特徴で、葉の切れ込みを「いろはにほへと」と数えることが名前の由来です。
春から夏は瑞々しい緑、秋になると鮮やかな赤や橙、黄色へと紅葉しし、冬には葉を落とし休眠期に入ります。
四季を通じて表情を変える姿が庭木としての大きな魅力です。
イロハモミジの樹形|株立ちと一本立ちの違い
イロハモミジは植え方や仕立て方によって、株立ちと一本立ちの2種類の樹形を楽しめます。
同じ品種でも印象が大きく異なり、庭の雰囲気や用途に合わせて選べるのが魅力です。
株立ち
株立ちは、地際から複数の幹が伸びる形で、自然樹形に近く、庭に柔らかな雰囲気を与えます。
株立ちは風情があり、和風庭園や雑木風の植栽に好まれる樹形です。
一本立ち
一本立ちは、1本の幹を中心にまっすぐ育つ樹形です。
堂々とした姿になり、シンボルツリーとして存在感を放ちます。
剪定次第で整った形に仕上げやすく、洋風の庭にも合わせやすいです。
イロハモミジは花が咲く?

イロハモミジは花木として知られるわけではありませんが、春になると小さな花を咲かせます。
花は目立ちにくいものの、観察すると季節の変化を感じられるでしょうます。
- 開花時期:4〜5月頃
- 花色:赤紫色を帯びた小花
- 咲き方:枝先にまとまって下向きに咲く
イロハモミジの花は控えめで観賞用として目立つものではありませんが、受粉のあとにはプロペラのような形をした小さな実をつけます。
イロハモミジの花言葉
イロハモミジの花言葉は「大切な思い出」「美しい変化」「遠慮」です。
四季の移ろいとともに姿を変える葉の美しさが由来で、特に紅葉期には鮮やかな赤や橙に染まる姿が人生の節目や移ろいを象徴しています。
イロハモミジの育て方

イロハモミジは比較的丈夫で育てやすいものの、環境や管理方法によって紅葉の美しさや生育状態に差が出る樹木です。
ここでは水やり、肥料、剪定、病害虫対策、植え付け方法について順に解説します。
水やりの頻度
イロハモミジは乾燥に弱い一方で、水の与えすぎによる根腐れも起こしやすいため、季節や植え方に応じた調整が必要です。
特に鉢植えでは水切れが紅葉不良の原因となるため注意しましょう。
鉢植えの場合
イロハモミジは鉢が小さいと乾燥しやすいため、こまめな水やりが必要です。
特に夏は水切れに注意しましょう。
| 季節 | 水やりの目安 |
| 春~秋(成長期) | 土の表面が乾いたらたっぷり与える |
| 冬(落葉期) | 土が完全に乾いてから控えめに与える |
日中の気温が高くなる真夏は、朝または夕方の涼しい時間に与えるようにしてください。
強い日差しの下で水やりをすると土の温度が急激に上がり、根を傷める原因になるため、気温が落ち着いた時間帯が最も安全です。
季節ごとの水やりを意識することで根の健康が保たれ、紅葉も美しく楽しめます。
地植えの場合
地植えは自然の降雨で育ちやすいですが、植え付け直後や夏の乾燥時には補水が必要です。
過湿を避けつつ必要な時に水を与えることで、根が健全に育ち、紅葉の色づきも安定します。
肥料のあげ方
イロハモミジは肥料を多く必要としませんが、春(3~4月)と秋(10~11月)に緩効性肥料を与えると、葉色や紅葉が安定します。
鉢植えと地植えでは与え方が異なるため、以下の表を参考にしてください。
| タイプ | 与え方 | 鉢植え | 地植え |
|---|---|---|---|
| 緩効性肥料(置き肥) | 株元に置く | 春と秋の年2回 | 春に1回 |
| 液体肥料(追肥) | 水で薄めて与える | 春〜秋の成長期 | 基本不要 |
地植えの場合肥料は基本不要ですが、弱っているときは補助的に与えてください。
葉の色が薄く黄ばむ、枝の伸びが悪い、新芽の出方が弱いといった状態が見られるときは、緩効性肥料を少量与えると回復を助けられます。
剪定
イロハモミジの剪定は、樹形を整えて風通しを良くするために行います。
適期は落葉後の冬から早春(11月〜3月頃)で、この時期なら樹木への負担も少なく、枝ぶりを確認しやすいです。
剪定のやり方
内向き枝・交差枝・混み合った枝を切って軽く整えるのが基本です。
太い枝を一度に切る強剪定・切り戻しは樹勢を弱めるため避けましょう。
- 剪定バサミは事前に研いで切り口を滑らかにしておく
- 作業中は剪定ハサミを常に清潔に保つ
- 枝は芽の少し上の位置でカットする
品種ごとの剪定のポイント
イロハモミジは品種によって樹形や枝の伸び方が異なるため、それぞれに適した剪定を心がけると見栄えが良くなります。
以下に代表的な品種ごとの剪定ポイントをまとめました。
| 品種 | 剪定のポイント |
|---|---|
| シダレモミジ系 | 下枝を残し自然な枝垂れを活かすため、上部を詰めすぎない |
| ノムラモミジ(赤葉品種) | 枝が徒長しやすいので、混み合った枝を間引き光を確保する |
| 盆栽仕立て | 枝を短く切り詰め細かい枝ぶりにする |
剪定時の注意点
春から夏にかけては樹液の流動が盛んで「切り口から樹液が流れる(もみじ泣き)」現象が起きやすいため、できるだけ避けます。
やむを得ず夏に剪定する場合は軽めにとどめ、切り口に癒合剤を塗布して保護すると安心です。
紅葉を楽しむためには、光が木全体に光が行き渡るように剪定する必要があります。
病害虫・害虫対策
イロハモミジは比較的丈夫な木ですが、庭木として育てる場合は害虫がつきやすい傾向があります。
特にカミキリムシ(テッポウムシ)による被害は深刻で、放置すると木が弱って最悪の場合は枯れてしまうため注意が必要です。
代表的な病害虫と対策を以下にまとめます。
カミキリムシ
- 成虫が幹に卵を産み、孵化した幼虫(テッポウムシ)が幹や根元を食害する
- 初夏〜夏にかけて発生しやすい
- 株元に木くず(フラス)が出るのが被害のサイン
カミキリムシの被害を防ぐには、株元の定期的な観察が重要です。
フラスを見つけたら速やかに専用薬剤を注入し、幼虫を駆除しましょう。
成虫の侵入を予防するために、幹の周囲へ薬剤を散布しておくのも効果的です。
アブラムシ
- 新芽や若葉に群がり、汁を吸って生育を妨げる
- 春〜初夏にかけて発生しやすい
- 葉が縮れたり、成長が弱まったりする
少数なら早めに取り除き、指でつぶすか水で洗い流します。
群れが大きくなる前に駆除することが肝心です。
大量発生時は、市販の殺虫剤を散布して対処しましょう。
カイガラムシ
- 枝や葉に固着して汁を吸う
- 春〜夏にかけて多い
- 葉の黄変やすす病の原因になる
枝葉が混み合うと発生しやすいため、剪定で風通しを良くすることが予防になります。
少数であれば歯ブラシや布でこすり落とす方法が有効です。
広範囲に広がった場合は、専用の薬剤を用いて駆除します。
ハダニ
- 乾燥した環境を好み、繁殖しやすい
- 葉の裏に寄生し、細かな吸汁を行う
- 被害が進むと葉が白っぽくかすれたような見た目になる
乾燥した環境を避け、株元の土の乾燥を防ぐことが発生抑制につながります。
混み合った枝を間引いて風通しを良くすると効果的です。
被害が進んでいる場合は、葉裏まで殺ダニ剤を丁寧に散布しましょう。
うどんこ病
- 葉の表面に白い粉をまぶしたような斑点が現れる
- 進行すると葉全体が白く覆われ、光合成が阻害される
- 春から初夏、風通しや日当たりが悪い環境で発生しやすい
枝葉をすいて風通しと日当たりを確保することが最大の予防策です。
初期段階なら病気の出た葉を取り除きましょう。
被害が拡大している場合は、園芸用の殺菌剤を散布して対処します。
植え付け方
イロハモミジの植え付けは、春(3〜4月)または秋(10〜11月)が適期です。
気温が安定している時期に行うことで、根が定着しやすくなります。
植え付けの際は、以下の手順を参考にしましょう。
- 場所を選ぶ
- 植え穴を掘る
- 苗を植える
- 土を戻して固定する
- 水を与える
① 場所を選ぶ
日当たりと風通しの良い場所が理想ですが、夏の直射日光が強すぎる場所は避け、午後は半日陰になる環境を選びます。
② 植え穴を掘る
根鉢より一回り大きな穴(目安:直径40〜50cm、深さ30cm程度)を掘ります。土壌が粘土質の場合は、腐葉土や堆肥を混ぜて水はけを改善してください。
③ 苗を植える
苗を穴に入れ、根鉢の上部が地面と同じ高さになるように調整します。
植え付けの際に苗を土の中へ深く埋めすぎると、根がうまく呼吸できず枯れる原因になるため、根元は軽く土がかかる程度にとどめましょう。
④ 土を戻して固定する
掘り上げた土を戻し、株元を軽く踏み固めて安定させます。
強く踏みすぎると土が締まりすぎるので、軽く押さえる程度で十分です。
⑤ 水を与える
植え付け後はたっぷりと水を与え、根と土をしっかりとなじませます。
その後1〜2週間は乾燥しないように管理することが大切です。
イロハモミジの栽培環境

イロハモミジは日当たりの良い場所を好みますが、真夏の直射日光が強すぎると葉焼けを起こすため、半日陰や西日の当たらない場所が適しています。
寒さには強く、全国各地で育てられますが、乾燥や強風にはやや弱いです。
置き場所と日当たり

イロハモミジは鉢植えでも地植えでも育てられます。
栽培方法によって適した環境が少し異なるので、分けて見ていきましょう。
地植えの場合
イロハモミジは日当たりの良い場所で育てると紅葉が鮮やかになり、葉色の変化も美しく楽しめます。
ただし、夏の強い直射日光は葉焼けの原因となるため、午後は日陰になる半日陰が最適です。
風通しの良い環境に植えることで、蒸れを防ぎ、病害虫の発生も抑えやすくなります。
鉢植えの場合
一年を通して日当たりと風通しの良い場所に置くと元気に育ちますが、真夏は強い日差しを避けて涼しい半日陰に移動させましょう。
寒さに強いため冬でも屋外で管理できますが、乾燥した寒風が当たり続けると枝先が傷むことがあるため、軒下などに移動すると安心です。
適切な温度|どれくらいの寒さまで耐えられる?
イロハモミジは寒さに強く、日本各地で屋外越冬が可能な落葉樹です。
東北地方以南であれば特別な防寒をしなくても冬を越せます。
おおよそ-5℃前後 まで耐えられるため、庭木としても安心して育てられる樹木です。
ただし、鉢植えは根が冷えやすいので、強い寒風を避けて軒下や風除けのある場所に移動させると安心でしょう。
一方で高温多湿には弱いため、真夏は直射日光や蒸れを避ける工夫が必要になります。
用土
イロハモミジは、水はけが良く適度に保湿性のある土を好みます。
酸性寄りの土壌が適していて、植え方に合わせて用土を調整すると紅葉の発色も安定するでしょう。
地植えの場合
水はけの悪い粘土質は避け、腐葉土や堆肥を混ぜて柔らかく改良します。
pHは弱酸性〜中性を保つのが望ましく、アルカリ性の土壌は紅葉の色づきが鈍くなるため注意が必要です。
鉢植えの場合
市販の樹木用や草花用培養土に赤玉土や腐葉土を2〜3割混ぜると、通気性と排水性のバランスが整います。
根腐れの防止のため、鉢底に軽石を敷いて水はけを確保してください。。
イロハモミジの紅葉時期

イロハモミジは秋の代表的な紅葉樹で、10〜12月にかけて鮮やかな赤や橙、黄色へと色づきます。
紅葉の見ごろは10~12月
イロハモミジの紅葉の見ごろは、地域や気候によって差がありますが、一般的に10月下旬から12月初旬にかけてです。
朝晩の冷え込みが強まるにつれて色づきが進み、鮮やかな赤や橙色に変化します。
適した環境では長く紅葉を楽しめるのも魅力です。
イロハモミジがきれいに紅葉しない原因は?
イロハモミジは本来美しく紅葉する木ですが、環境や管理方法によっては色づきが不十分になることがあります。
紅葉は、秋になって日照時間が短くなると葉緑素(クロロフィル)が分解され、葉の中に残った色素(カロテノイド)や新しく生成されるアントシアニンが表れることで起こる現象です。
特に昼夜の寒暖差が大きいとアントシアニンが多く作られるので、暖かい日が続いたり夜の気温が下がらないと、紅葉が進みにくく色合いが鈍くなります。
気温差以外の、栽培環境や育て方が原因で紅葉がきれいに出ない原因と対策を以下にまとめました。
日照不足
イロハモミジは半日陰でも育ちますが、極端に日照が不足すると紅葉の発色が鈍くなります。
特に鉢植えの場合は、午前中に日が当たる場所に置くことで紅葉の色づきが安定するでしょう。
水分環境
水分が多すぎると根が弱り、紅葉が進まずに葉が落ちることがあります。
反対に乾燥が続きすぎても葉先が縮れたり茶色くなりやすいため、適度な水分管理が大切です。
肥料バランスの偏り
窒素成分が多い肥料を与えすぎると葉が青々と茂る一方で、紅葉の発色が不十分になります。
秋の紅葉を楽しむには、リン酸やカリを含む肥料をバランスよく施すのが効果的です。
根詰まり(鉢植えの場合)
鉢植えでは根詰まりによって水分や養分の吸収が悪くなり、紅葉がきれいに出にくくなります。
2〜3年に一度植え替えを行い、根の健康を保つことで紅葉の美しさを維持できるでしょう。
イロハモミジの増やし方
イロハモミジは、挿し木で株を増やすことができます。
盆栽や鉢植えとして楽しむ場合にもよく用いられる方法です。
挿し木の時期はいつがいい?
イロハモミジの挿し木の適期は、梅雨時期(6〜7月) または 初秋(9月頃) です。
湿度が高く根が伸びやすい季節を選ぶと成功率が高まります。
冬や真夏は根の活動が鈍るため避けましょう。
挿し木のやり方
イロハモミジは挿し木で増やすことができ、盆栽や鉢植えとしても楽しめる方法です。
成功率を高めるためには、時期と管理に気を配るようにしましょう。
- 枝を切り取る
- 葉を整える
- 切り口を処理する
- 土に挿す
- 水やりと管理
① 枝を切り取る
その年に伸びた柔らかい若い枝を選んで、先端から10〜15cmほどの長さで切り取ります。
梅雨時(6〜7月)や初秋(9月)が適期です。
② 葉を整える
上部に2〜3枚だけ残るように、下半分の葉を取り除きましょう。
葉が多いと水分が抜けて枯れやすくなります。
③ 切り口を処理する
切り口を水中で斜めにカットすると水の通りがよくなります。
成功率を上げたい場合は、この段階で切り口に発根促進剤を塗ってください。
④ 土に挿す
赤玉土(小粒)や鹿沼土など清潔で水はけのよい用土を使い、明るい日陰に置きます。
鉢の下に受け皿を置き、そこに水を張って下から吸わせる方法(腰水)で管理すると、土全体がむらなく湿りやすく乾燥防止に効果的です。
ただし水を入れっぱなしにすると根腐れの原因になるため、毎日〜数日ごとに入れ替えましょう。
⑤ 水やりと管理
土が乾かないよう注意しながら管理します。
発根まで1〜2か月かかることもあるため、根が安定するまでは直射日光を避けた明るい日陰に置き、肥料は控えましょう。
植え替え時期はいつがいい?
植え替えの適期は、落葉期の春(3〜4月)または秋(10〜11月) です。
新芽が動き出す前か、紅葉が終わった後の時期に行うと株の負担が少なく、根が新しい土になじみやすくなります。
鉢植えでは2〜3年に一度を目安に植え替えると、根詰まりを防げるでしょう。
鉢替えのやり方
- 鉢から株を取り出す
- 傷んだ根を剪定する
- 新しい鉢を準備する
- 株を植え付ける
- 水やりと養生
① 鉢から株を取り出す
事前に水やりを控えて土を乾かすと作業がしやすいです。
根鉢を崩さないようにそっと抜き取りましょう。
イロハモミジは根を傷つけると樹勢が弱るため、無理に揺さぶらず静かに行います。
② 傷んだ根を剪定する
黒ずんだ根や絡み合った部分を清潔なハサミで整理します。
ただし太い根を大きく切ると回復に時間がかかるため、傷んだ部分のみにとどめるのが安心です。
③ 新しい鉢を準備する
ひと回り大きな鉢を用意しましょう。
浅めで広がりのある形の鉢はイロハモミジの根張りに適しています。
鉢底に軽石を敷いて排水性を確保し、赤玉土小粒を主体に腐葉土を混ぜた新しい土を1/3程度入れておきましょう。
④ 株を植え付ける
株を中央に据え、隙間に用土を足しながら軽く押さえて固定します。
根が横に広がる性質を意識し、深植えにならないように注意しましょう。
⑤ 水やりと養生
たっぷりと水を与えて根と土をなじませます。
植え替え直後は直射日光を避け、半日陰で1〜2週間養生すると安心です。
根が落ち着くまでは肥料を控え、樹勢が安定してから施すようにしましょう。

