アジアンタムの育て方

育てやすさ

こまめに植物を管理する必要があるので、まめな人におすすめです。

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アジアンタムの基本情報

植物名アジアンタム
学名Adiantum
和名唐草蓬莱羊歯(カラクサホウライシダ)
英名Maidenhair fern
別名ホウライシダ(コバホウライシダ)
原産地熱帯アメリカ原産
科名シダ科
属名アジアンタム属
開花時期なし(花を咲かせないため)

アジアンタムは、小さな葉っぱが幾重にも重なる姿が可愛らしいシダ科の植物です

アジアンタムはシダ植物のなかでも特にポピュラーな品種で、園芸店やホームセンターなどでもよく見かけられます。

耐陰性もあり、暗い室内でも育つため、窓のない部屋の観葉植物としておすすめです。

アジアンタムは、直射日光や水切れでたちまち葉っぱが萎れ・枯れてしまいます。

枯れた葉っぱはもちろん、軽く萎れただけでも復活が難しいため、葉水を欠かさないようにするなど育てるには少々コツのいる植物と言えるでしょう

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植え付け・植え替え

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種類と品種

アジアンタムはシダ科の植物の中でも種類が多く、200品種以上あると言われています。

中でも、園芸店やホームセンターに流通している品種はラディアナムを原種とするアジアンタム フラグランスやアジアンタム フリッツルーシーです。

より涼しげな葉姿に育つアジアンタム ミクロフィラム(マイクロフィラム)や、葉っぱにくすんだピンク色が入るアジアンタム ピーコックのような珍しい品種も人気を集めています。

アジアンタム フラグランス(フレグランス)

ホームセンタ―や園芸店で見かけることが多い代表的なアジアンタムの品種。

葉っぱは子どもの手の平のような形をしています。

アジアンタム フリッツルーシー

フラグランスと並ぶオーソドックスな品種。

茎が立ち上がるため高さがあり、噴水のような迫力ある見た目に育ちます。

アジアンタム ミクロフィラム(マイクロフィラム)

アジアンタムの中でも小さな葉(小葉)をつける品種。

乾燥に弱いアジアンタムの中でも特に水切れに注意する必要があります。

アジアンタム ピーコック

葉っぱの形はフラグランスと同じような見た目ですが、葉先からくすんだピンクに染まるという特徴を持つ珍しい品種です。

アジアンタム ぺルビアナム

アジアンタムの中でもっとも大きな葉をつける品種。

新芽がうっすらピンク色になるという特徴があります。

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アジアンタムは花が咲く?

アジアンタムはシダ植物であるため、花を咲かせません

コケ植物と同じように胞子で増える植物です。

アジアンタムの葉っぱの形

アジアンタムの葉っぱの形は、品種によって異なります。

アジアンタム フラグランスやアジアンタム フリッツルーシーといった代表的な品種の葉っぱは、平べったく、先が雲のようなフリル状です。

ふんわりとした愛らしい見た目で、子どもの手と表現されることも多々あります。

アジアンタムの花言葉

アジアンタムの花言葉「天真爛漫」「無邪気」「繊細」です。

アジアンタムの育て方

アジアンタムは、耐陰性があることで誰でも簡単に育てやすいイメージがありますが、上手に育てるには少々コツがいります。

ポイントは、置き場所と水やりの頻度です。

  • 直射日光を嫌うため、明るい日陰に置く
  • 水やりは毎日行いたっぷり与える
  • 乾燥させないよう葉水を欠かさない
  • 生育が盛んでも蒸れには注意する

植え方

アジアンタムは、鉢植えと地植えの両方が楽しめます。

風通しがよく適度に日があたる場所であれば屋外であっても元気に育ちますし、きちんと水はけのよい状態がキープできるならお風呂場に置くことも可能です。

鉢植えにする場合、鉢の大きさは株の一回りか二回り程度のものを選んでください

必要以上に大きな鉢を選ぶと、いつまでもが湿った状態になるため、これもまた根腐れの原因になってしまいます。

水やりの頻度

アジアンタムの水やりの頻度は、土が乾いたらたっぷりとが基本です。

ただし、気温や管理する部屋の温度によって最適な水やりの頻度が変わるため、迷ったら以下のポイントを参考にしてください。

  • 気温の高い季節や環境(15℃以上):1日に1回~2回
  • 気温の低い季節や環境(10℃以下):水やりは控えめにする

アジアンタムは、春から秋にかけて生育が盛んになります。

気温も高く、根が水分をしっかりと吸収するため、この時期はとくに水切れに注意してください。

一方で、気温の下がる冬場は水やりを控えます。

暖かい室内の場合

暖房のきいた部屋でアジアンタムを管理するなら、冬でも変わらず水やりはしっかり行う必要があります。

乾燥させるとすぐ不調をきたすため、こまめな葉水で湿潤環境を維持し、エアコンの直風はあたらないようにしてあげましょう。

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肥料のあげ方

アジアンタムは花を咲かせないため、基本的に肥料を与えなくとも元気に育ちます。

肥料を与えるなら、鉢のサイズに合わせた緩効性の置き肥を規定量の半分与えるだけでかまいません。

ちなみに、置き肥は効能が切れても形を留めているものがあるので、肥料の効能が切れるタイミングで取り除いてあげましょう。

病害虫・病気対策

アジアンタムは湿潤環境を好むという特性上、害虫がつきやすいことでも知られています。

アジアンタムを好む害虫とその対策方法は以下のとおりです。

ナメクジ箸やピンセットなどで取り除く専用の駆除剤を撒いてあげる
カタツムリ箸やピンセットなどで取り除く
アブラムシ筆や歯ブラシなどで取り除く、薄めた牛乳をスプレーする

また、カビの一種である糸状菌が原因の立ち枯れ病という病気にも気を付けなければなりません。

きちんと水やりをしているのに、葉が萎れたような状態から戻らない場合は注意が必要です。

対処法としては、糸状菌に感染した根っこを周りの土ごと取り除きます。

葉先が丸まっている時の対処法

  • 葉先が丸まっているのを見つけたらすぐに水やりをする
  • 鉢が収まるサイズのバケツを用意して、2〜3時間水に浸けておく
  • 水をやっても復活しない場合は、剪定をして新しい葉が芽吹くのを待つ

アジアンタムの葉先が丸まってしまう原因は乾燥で、とにかく水分を与えることが対処法になります

アジアンタムは葉が非常に枯れやすいため、萎れた葉に水を与えても復活するとは限りません。

特に枯れてしまった葉は何をしても元に戻らないため、葉先が丸まってしまうのは危険信号と言えるでしょう。

アジアンタムの栽培環境

アジアンタムが元気に育つ栽培環境についてみていきましょう。

ポイントは、適度に潤いを保ちつつも根腐れを起こさせないことです。

置き場所と日当たり

アジアンタムは、風通しがよくて明るい日陰に置くようにしてください。

明るい日陰とは、1日のなかで数時間程度だけ直射日光が当たる場所のことです。

また、弱い日差しが1日中差し込む場所のことも、明るい日陰と言います。

つまり、耐陰性があるといっても、アジアンタムは日の光を当てると喜ぶ植物ということです。

元気に育てるために、日当たりを踏まえて置き場所を工夫してみてください。

なお、直射日光には弱く、アジアンタムの葉はみるみるうちに枯れてしまうので、強い日差しが当たる場所には置かないようにしましょう。

適切な温度|どれくらいの寒さまで耐えられる?

アジアンタムが育つのに適した温度は、15℃前後と言えます。

アジアンタムは耐寒性が低く、10℃を下回る環境下ではうまく育ちません

つまり、普段から屋外に出しているアジアンタムについても、冬場は家の中で管理する方が望ましいです。

用土

アジアンタムは、赤玉土や鹿沼土をベースにした水はけのよい用土を好みます。

水はけをよくするために、黒曜石パーライトや堆肥、緑肥を入れてあげるのもおすすめです。

特別な肥料も必要なく、一般的な園芸用の培養土でも十分育つため、生育環境を整えるのはさほど難しいことではありません。

ただし、室内で育てる場合は、水はけをよくするために用土にもちょっとした工夫をするのがおすすめです。

室内で育成する場合の用土

  • 水はけをよくする鉢底石を多く入れる
  • 保水力と水はけ効率の良いバーミキュライトを少量混ぜる

生育環境に応じた用土を使ってあげることで、アジアンタムはより健やかに育ちます。

水耕栽培のやり方

アジアンタムは水耕栽培でも育てられます。

やり方は簡単で、根っこについた土を落とし、花瓶やハイドロカルチャーなどにいけるだけです。

水耕栽培のポイント

  • 水を綺麗に保つ
  • 根腐れを起こしていないか定期的にチェックする
  • 株分け用のハサミや花瓶は消毒を徹底する

いずれも根っこが腐りやすくなるリスクがあるため、花瓶の水はこまめに入れ替え、ハイドロカルチャーがいつまでも水に浸かった状態にならないよう気を付けてください。

水耕栽培は雑菌が繁殖すると一瞬で広がってしまいます。

株を分けるときに使うハサミや、アジアンタムを活ける花瓶や器の消毒は徹底しましょう。

アジアンタムを種から育てることはできる?

アジアンタムは胞子で仲間を増やす植物のため、種から育てることはできません

アジアンタムの増やし方

アジアンタムを増やしたい場合には、株分けを行います。

株分けとは、言葉の通り大きく育った株を人の手でいくつかに分けてあげることです。

根や茎が詰まった状態も解消できるため、植物の生育状態がよくなるというメリットもあります。

株分けの時期はいつがいい?

アジアンタムの株分けに適した時期は、生育期にあたる春から秋の間で、株がダメージを受けやすい真夏を避けたタイミングがおすすめです。

つまり、4月〜6月、もしくは10月前後の気候の良い時期ということになります。

株分けのやり方

株分けの手順は以下のとおりです。

  1. 株分けを行う2、3日前から水やりを控える
  2. アジアンタムを鉢から出し、土を落とす
  3. 茎と根をセットにして切り分ける

① 株分けを行う2、3日前から水やりを控える

数日前から水やりを控えてくことで、株分けの際に土と根が絡まるのを防ぐことができます。

② アジアンタムを鉢から出し、土を落とす

鉢から株を掘り起こしたら、根っこについた土を丁寧に落としましょう。

③ 茎と根をセットにして切り分ける

茎と根がそれぞれに残るように切り分け、別々の鉢に植え付けます。

植え替え時期はいつがいい?

アジアンタムの植え替え時期は、初夏や初秋がおすすめです。

暑すぎず寒すぎない、アジアンタムにとっても過ごしやすい気候で、なおかつ、生育期にあたるタイミングを選びましょう。

株が元気な時期を選ぶことで、植え替えによるダメージを減らし、植え替えた後のすみやかな根張りを促進させるというのが狙いです。

鉢替えのやり方

アジアンタムは大きく育つため、1年に1回は鉢替えや株分けをしてやる必要があります。

タイミングは株分けや植え替えと同様、春と秋頃を選びましょう。

鉢替えの際も、数日前から水やりを控えて土と根が絡まるのを防ぐのがポイントです。

株に対して大きすぎない鉢を選ぶことも、根腐れを防ぐ重要なポイントなので気を付けてください。

胞子で増やすやり方

アジアンタムの増やし方には、落ちた胞子を育てるという地道なやり方もあります。

よく、葉っぱの先につく黒いつぶつぶを病気と心配する声がありますが、病気ではなくアジアンタムの胞子です。

葉っぱの先に黒い斑点が現れたら、鉢の周りに落ちた茶色い粉を採取してください。

湿らせたコットンや水苔を用意し、湿度を保ちながらカビが生えないよう注意して育てていきます。

ただ、人の手で胞子からアジアンタムを育てるのは至難の業です。

理由としては、以下が挙げられます。

  • 胞子が発芽するまで2ヶ月ほど時間を要する
  • 湿潤環境を保つのが難しい
  • 芽が小さすぎてきちんと育っているか分からない

アジアンタムを胞子で増やしたいなら、飛んで行った胞子が自然に発芽するのを待ち、発芽した芽を育てる方が簡単です。


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