緋牡丹(ヒボタン)の育て方

更新日 2025年08月13日

育てやすさ

育て方の難易度は普通レベルです。

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監修者情報

株式会社HanaPrime|植物アドバイザー

覚張大季

覚張大季

植物と人との関わりに魅了され、日本各地の植物農園を見て回る。HanaPrimeの植物部門の立ち上げ後はオフィスや商業施設、個人宅など、幅広いシーンのグリーンコーディネートを数多く担当。植物の生態や特性を深く掘り下げ、それぞれの空間やライフスタイルに適したグリーン空間デザインを提案することが得意。観葉植物の世界に情熱を注ぎ、植物の価値を最大化することを使命としている。

緋牡丹(ヒボタン)の基本情報

植物名緋牡丹(ヒボタン)
学名Gymnocalycium
英名Moon cactus
別名キャンドルサボテン
原産地パラグアイ
科名サボテン科
属名ギムノカリキウム属
開花時期5~8月

緋牡丹(ヒボタン)は、南米パラグアイを原産とする球状の形をしたサボテンです。

赤やピンク、オレンジなどの鮮やかな色をしているのが特徴で、日本ではキャンドルサボテンという別名で親しまれています。

日本で改良された葉緑素を持たない園芸品種で、自ら光合成を行うことができません。

そのため生育には、ほかのサボテンを台木として接ぎ木する必要があります。

台木に依存して単独では生きられない、生態が珍しいサボテンです。

月別栽培カレンダー

植え付け・植え替え

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肥料

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種類と品種

種類と品種

緋牡丹の代表的な品種には以下のようなものがあります。

品種基本色特徴育てやすさレア度
緋牡丹赤~オレンジ色頭部がカラフル普通
緋牡丹錦緑~オレンジ鮮やかな斑入り普通
牡丹玉緑色稜が鮮明普通
黄牡丹黄色全体が黄色やや珍しい
LB2178交配錦緑色稜に縞模様珍しい

緋牡丹錦

緋牡丹錦

赤、黄、ピンクなどが混ざる瑞雲丸の斑入り交配品種。

色の入り方が個体ごとに異なり、観賞価値が高いです。

牡丹玉

牡丹玉

緋牡丹のもととなる原種のひとつです。

花は白やピンク、淡い黄色などさまざまで、接ぎ木の台木としてもよく使われます。

黄牡丹

緋牡丹の変種で黄色い発色が鮮やかな品種。

葉緑素を持たないため、緋牡丹と同様に接ぎ木で流通しています。

LB2178交配錦

ギムノカリキウム属のサボテンLB2178と緋牡丹錦の交配品種。

複雑な斑模様と色彩が特徴的です。

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緋牡丹(ヒボタン)の特徴

緋牡丹(ヒボタン)の特徴

緋牡丹は、鮮やかな赤や黄色、オレンジなどの色彩が特徴的なサボテンです。

球状の茎の表面には稜と呼ばれる隆起が等間隔に縦に並び、胴体の色が炎のように見えることからキャンドルサボテンとも呼ばれます。

胴体部分は多肉質で水分をたっぷりと蓄えていて、乾燥した環境でも生き抜ける構造です。

一般的なサボテンとは異なり、葉緑素を持たないため自力で光合成を行うことができず、ほかのサボテンに接ぎ木して育てます。

台木に使われるのは三角柱というサボテンが多いですが、2~4年と寿命が短いため、より長生きな竜神木や袖ヶ浦を使うと緋牡丹を長く楽しめるでしょう。

緋牡丹(ヒボタン)はどんな花が咲く?

緋牡丹の花は淡いピンク色の筒状花です。

ごく薄いピンク色が基本ですが、白や淡い黄色、紫がかったピンクなど個体によって違いがあります。

花びらはやや光沢のある質感で、重なり合うように放射状に開くのが特徴です。

緋牡丹(ヒボタン)の花言葉

緋牡丹の花言葉は「燃える心」「情熱」です。

緋牡丹(ヒボタン)の育て方

緋牡丹(ヒボタン)の育て方

育てやすい緋牡丹ですが、元気に育てるために水やりや肥料のタイミングを知っておきましょう。

ここでは、緋牡丹の基本的な育て方を紹介します。

緋牡丹(ヒボタン)水やりの頻度

生育期(春~秋)土が完全に乾いてから
休眠期(冬)月1回程度

緋牡丹は乾燥を好むため、水やりは控えめが基本です。

春から秋の生育期は、土が完全に乾いてからたっぷりと与えます。

水やり後は根腐れを防ぐために、鉢底からしっかり水を抜くようにしてください。

冬場は生育が鈍るため、生育期よりも水やりを減らします。

月に1回、土を軽く湿らせる程度にとどめましょう。

水はけの良い土を使い、過湿にならないよう気を配るのがポイントです。

肥料のあげ方

緋牡丹は肥料を必要としません。

植え替え時に新しいサボテン用の用土を使えば、含まれる栄養分で十分育ちます。

開花させるために肥料を与えたい場合は、生育期の春から秋にかけて、サボテン専用の液体肥料を2,000倍程度に薄めて使用すると良いでしょう。

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病害虫・害虫対策

緋牡丹が病害虫の被害にあった場合の症状と対策方法を解説します。

カイガラムシ

  • 胴体や稜の間などに薄茶色の塊が付着する
  • 茶色い斑点や変色が現れる
  • 吸汁により生育が悪くなり子株が出にくくなる
  • 排泄物でベタベタになる

見つけ次第、歯ブラシなどで擦り落とすか、水で洗い流して除去しましょう。

大量に発生している場合は、サボテンにも使える殺虫剤を散布します。

根腐れ

  • ブヨブヨと柔らかくなる
  • 茶色や黒に変色する
  • 表面にカビが生える

根腐れは、水のやりすぎや水はけの悪い土が主な原因で発生します。

腐った箇所を切除して挿し木しましょう。

緋牡丹(ヒボタン)が枯れる原因は?

緋牡丹が枯れる原因には、下のようなものがあります。

  • 台木の寿命
  • 水のやりすぎ
  • 日照不足
  • 病害虫
  • 気温の変化
  • 根詰まり

特に、台木の寿命は接ぎ木で育てるサボテン特有の問題です。

台木の健康状態によって、緋牡丹が必要な養分を得られなくなり枯れにつながります。

緋牡丹の流通で多い三角柱の台木は寿命が短いので、2〜4年で枯れてしまうのを理解して育てましょう。

緋牡丹(ヒボタン)の栽培環境

緋牡丹(ヒボタン)の栽培環境

緋牡丹を健康に育てるためには、適切な置き場所や日当たり、温度管理が重要です。

基本的な育て方を押さえて、美しい姿を長く楽しみましょう。

置き場所と日当たり

置き場所

緋牡丹を置く場所は、年間を通して風通しが良い場所を選んでください。

鉢の中が蒸れると根にダメージを与え根腐れや病害虫の原因になるので、室内では通気性が大切です。

急激な温度変化は大きなストレスとなり緋牡丹を弱らせる原因になるので、冬場は最低気温が5℃を下回らない暖かい場所で管理してください。

日当たり

緋牡丹は明るい場所を好みますが、直射日光は当てないように気をつけてください。

強い日差しは、緋牡丹の赤い本体部分を焼けさせてしまうことがあります。

午前中のやさしい日差しを十分に浴びせ、午後の強い日差しは避けるようにすると良いでしょう。

冬でも日差しが強すぎる場合は、適度に遮光する必要があります。

適切な温度|どれくらいの寒さまで耐えられる?

栽培適温20~30℃
耐寒温度5℃以上

緋牡丹は温暖な気候を好むので、適温は20~30℃です。

特に台木に使われることが多い三角柱は寒さに弱い傾向があるため、最低でも5℃以上を保ちましょう。

屋外で管理している場合は、気温が下がる予報が出たらすぐに室内へ取り込んでください。

緋牡丹(ヒボタン)の用土

緋牡丹は水はけの良い土が適しているので、市販のサボテン用の用土や多肉植物用の用土を使いましょう。

観葉植物用の土は、サボテンにとっては水分を含みすぎで根腐れやを引き起こす可能性が高いので避けてください。

自分でブレンドする場合は、赤玉土や鹿沼土、軽石などを混ぜ、通気性と排水性を高めるのが大切です。

おすすめの配合比率

  • 赤玉土:4
  • 鹿沼土:2
  • 軽石:2
  • 腐葉土:2

緋牡丹(ヒボタン)の開花時期

緋牡丹(ヒボタン)の開花時期

緋牡丹は、鮮やかな球体の姿が特徴ですが、実は可憐な花を咲かせることもあります。

ここでは緋牡丹の花が咲く時期や、咲かない原因について解説します。

緋牡丹(ヒボタン)の花はいつ頃咲く?

緋牡丹の花は、春から夏(5〜8月頃)にかけて咲くことがあります。

環境が整い生育状態が良ければ、淡いピンクや白っぽい花を咲かせるでしょう。

開花しないことも多く、緋牡丹は毎年花をつけるわけではありません。

花の咲かせ方|緋牡丹(ヒボタン)の花が咲かない原因は?

緋牡丹の花が咲かない原因は、日照不足や水やりの過不足、根詰まりや気温の不安定さなどです。

ただし、緋牡丹はそもそも滅多に花を咲かせない植物のため、環境を整えたからといって必ず咲くわけではありません。

また、接ぎ木でのみ育つという特別な生育方法のため、台木の状態に左右されがちです。

台木の老化や健康状態が良くない場合、十分な栄養が緋牡丹に行き渡らず、花が咲きにくくなります。

緋牡丹(ヒボタン)の増やし方

緋牡丹(ヒボタン)の増やし方

緋牡丹は一般的なサボテンと同じ株分けで増やすことはできません。

ここでは、緋牡丹を増やす方法と、健康な状態を保つための植え替え時期について解説します。

緋牡丹(ヒボタン)の増やし方は?

緋牡丹は葉緑素を持たないため、子株をそのまま土に植えても自力では育ちません。

増やしたい場合は、親株から子株を切り取り、ほかのサボテン(台木)に接ぎ木する必要があります。

しかし、接ぎ木は経験のない人が挑戦するには難易度が高い作業です。

緋牡丹は基本的に「購入した株をそのまま楽しむ」植物と考えて栽培しましょう。

接ぎ木のやり方

  1. 道具の準備と消毒
  2. 子株を切り取る
  3. 台木のカット
  4. 切り口同士を合わせる
  5. しっかりと固定する
  6. 接ぎ木の管理

① 道具の準備と消毒

カッターナイフ、マスキングテープや包帯、台木(竜神木や三角柱、ウチワサボテンなど)を用意し、刃先は必ずアルコール消毒しておきます。

② 子株を切り取る

緋牡丹の子株をカッターナイフで真っすぐ切り取ります。

切り口はできるだけ平らにして、成長点が中心にくるようにしてください。

③ 台木のカット

台木となるサボテンも同様に、切り口の中心に維管束が見えるように平行にカットします。

直線的に切り、切り口が平らになるようにしましょう。

④ 切り口同士を合わせる

緋牡丹の子株を台木の切り口に合わせて乗せ、維管束を重ねるように調節します。

⑤ しっかりと固定する

マスキングテープや包帯などでしっかりと固定します。

やや強めに巻くのがポイントです。

⑥ 接ぎ木の管理

10日~2週間ほど動かさずに活着を待ちます。

接合部に白いカルス(傷口を塞ぐ働きを持つ)が出てきたら固定しているものを外しましょう。

活着後に水やりをして通常通り管理します。

植え替え時期はいつがいい?

緋牡丹の植え替えは、成長を促すために重要な作業です。

最適な時期は、生長期の春から夏(4~6月頃)です。

この時期に植え替えるとストレスが少なく、新しい土への順応も早くなります。

1~2年に1回の頻度で植え替えを行うと良いでしょう。

鉢替えのやり方

  1. 道具を準備する
  2. 水やりを控えておく
  3. 鉢から株を抜く
  4. 新しい鉢に用土を入れる
  5. 緋牡丹を植え付ける
  6. 仕上げと管理

① 道具を準備する

一回り大きい新しい鉢、新しいサボテン用土、ハサミ、スコップ、手袋を用意します。

② 水やりを控えておく

鉢替え作業の1週間ほど前から水やりを止め、土を乾燥させておきましょう。

根が傷みにくくなり作業しやすくなります。

③ 鉢から株を抜く

鉢を軽く叩いて外しやすくして、緋牡丹を慎重に抜き出します。

根についている古い土を軽く落とし、傷んだ根や腐った根があれば清潔なハサミで切り取りましょう。

④ 新しい鉢に用土を入れる

鉢底に鉢底石を敷き、その上からサボテン用土を半分ほど入れます。

⑤ 緋牡丹を植え付ける

緋牡丹を新しい鉢の中央に置き、根を広げてから残りの用土を隙間なく入れます。

株がぐらつかないようにしっかり押さえてください。

⑥ 仕上げと管理

鉢替え後は、直射日光を避けた明るい場所で1週間ほど管理し、その間は水やりを控えます。

根が落ち着いたら通常の管理に戻しましょう。

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