ドリナリアの育て方
公開日 2025年12月08日
更新日 2025年12月08日
育てやすさ
育て方の難易度は普通レベルです。
監修者情報
覚張大季
植物と人との関わりに魅了され、日本各地の植物農園を見て回る。HanaPrimeの植物部門の立ち上げ後はオフィスや商業施設、個人宅など、幅広いシーンのグリーンコーディネートを数多く担当。植物の生態や特性を深く掘り下げ、それぞれの空間やライフスタイルに適したグリーン空間デザインを提案することが得意。観葉植物の世界に情熱を注ぎ、植物の価値を最大化することを使命としている。
INDEX
目次
ドリナリアの基本情報
| 植物名 | ドリナリア |
| 学名 | Drynaria spp |
| 英名 | Oak-leaf fern / Basket fern |
| 原産地 | 東南アジア、オセアニア、インドネシアなど |
| 科名 | ウラボシ科 |
| 属名 | ドリナリア属 |
ドリナリアは、シダ植物の一種で、東南アジアやオセアニアを原産とする着生型の観葉植物です。
茶色く広がる「貯水葉」と、細長く伸びる「栄養葉」が特徴で、板付けや流木付けで立体的な飾り方が楽しめます。
木の幹や岩に根を張って育つ性質を持ち、鉢植えではなく水苔や流木に付けて育てるのが一般的です。
育て方はそれほど難しくなく、湿度と風通しに気をつければ初心者でも管理しやすい植物でしょう。
月別栽培カレンダー
板付け
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
株分け
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
肥料
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
種類と品種
| 品種名 | 葉の形 | 大きさ | 育てやすさ | レア度 |
|---|---|---|---|---|
| ドリナリア クエルシフォリア | 深く切れ込む大型葉 | 大型 | ★★★ | ★ |
| ドリナリア ボニイ | 小型で細かい切れ込み | 小型 | ★★ | ★★★ |
| ドリナリア コロナンス | 幅広でなめらか | 中~大型 | ★★★ | ★★ |
| ドリナリア スパルマニー | 厚みのある波形 | 中型 | ★★ | ★★ |
| ドリナリア リギデュラ | 短く放射状 | 小型 | ★★★ | ★★★ |
ドリナリア クエルシフォリア

最も流通量が多く、初心者にも扱いやすい定番品種です。
シカの角のように深く切れ込んだ胞子葉と、丸く広がる貯水葉とのコントラストが美しく、着生力にも優れているため、板付けや流木付けに適しています。
初めてドリナリアを育てる方には、安心して選べる一株といえるでしょう。
ドリナリア ボニイ
葉が小さく繊細で、細かな切れ込みが入った上品な印象の品種です。
流通量は少なめで、入手には専門店や輸入株の取り寄せが必要になります。
限られたスペースにも取り入れやすく魅力的ですが、湿度管理などのコツが必要なため、ある程度の経験が必要です。
ドリナリア コロナンス

幅広で滑らかな葉を持ち、ボリューム感のある見た目が特徴です。
最低気温10℃程度まで耐えられる丈夫な性質で、冬場でも育てやすいとされています。
生長はゆるやかですが、安定して育てやすく、室内栽培にも適しているため初心者にも人気です。
ドリナリア スパルマニー
厚みのある波状の葉が広がり、野性味あふれる姿が魅力的な原種系です。
自然な雰囲気を好む方におすすめですが、乾燥にはやや弱いため、こまめな霧吹きなどで湿度を保つ必要があります。
丈夫な反面、管理にはある程度の慣れが必要となるため、中級者以上に向いているでしょう。
ドリナリア リギデュラ
短く丸みを帯びた葉が放射状に広がる、コンパクトで扱いやすい品種です。
小型で設置場所を選ばず飾れる点や、インテリアとしての映えやすさからも人気があります。
貯水葉と胞子葉の対比もはっきりしていて、見た目にメリハリがあるのも魅力です。
ドリナリアの葉っぱの特徴

ドリナリアには、「胞子葉」と「貯水葉」という異なる形と働きを持つ2種類の葉があります。
裏側に胞子がつく胞子葉は、鹿の角のように細長く切れ込んだ形をしていてダイナミックなフォルムは、インテリアグリーンとしても目を引きます。
貯水葉は、株の根元を包み込むように広がり、水や落ち葉をためる役割を果たす葉っぱで、茶色くなるのは自然な変化なので、切らずにそのままで大丈夫です。
また、両方の葉には細かい毛(トリコーム)があり、乾燥から守ってくれます。
ドリナリアは花が咲く?
ドリナリアに花は咲きません。
ドリナリアはシダ植物の一種であり、種子や花ではなく「胞子」によって繁殖します。
シダ植物は古代から存在する植物群で、被子植物のように花を咲かせる進化の段階にはありません。
そのため、ドリナリアを育てていても、つぼみや開花といった現象は見られないでしょう。
代わりに、葉の裏に胞子嚢という小さな点状の構造が現れ、そこから胞子を飛ばして子孫を残します。
胞子嚢は茶色や黒っぽく見えることもあり、病気と誤解されることがありますが、これは正常な生理現象です。
ドリナリアの花言葉
ドリナリアの花言葉は、「この恋に気がついて」「乱れる乙女心」「幻想」です。
ドリナリアの育て方

ドリナリアは着生シダのため、土に植えるタイプの観葉植物とは育て方が異なります。
基本を押さえておくことで、長く美しい姿を楽しむことができるでしょう。
水やりの頻度
ドリナリアは着生植物のため、一般的な鉢植えとは水やりのポイントが異なります。
水苔や板付けの湿り具合を見ながら、乾きすぎないよう管理するのがコツです。
春〜秋(生育期)
- 水苔や着生材が乾いてきたら、全体がしっかり湿るまで水を与える
- 週に2〜3回を目安に、苔を触って「やや湿っている」感触を維持する
- 気温が高い日は霧吹きで葉の保湿を行うのも効果的
冬(休眠期)
- 月に1〜2回程度を目安に、乾燥しすぎない程度に軽く与える
- 低温時は水分が蒸発しにくいため、与えすぎに注意
- 室内で風通しを確保し、加湿器などと併用すると管理しやすい
水苔が常に湿った状態が続くと、根腐れやカビの原因になりかねません。
そのため「乾かしてからたっぷりと」というメリハリのある水やりが理想的でしょう。
肥料のあげ方
ドリナリアは比較的ゆっくり育つ植物ですが、生育期に適切な肥料を与えることで、葉の展開が安定します。
特に板付け栽培の場合は、置き肥の仕方や量に注意しましょう。
春〜秋(生育期)
- 置き肥か液体肥料のどちらかを与える
- 緩効性の置き肥(粒状肥料)は月に1回、株元の苔部分に少量だけ埋め込む
- 液体肥料は2週間に1回の頻度で薄めて与える
- 有機質肥料を使う場合は、カビや虫が発生しないよう、風通しを確保する
冬(休眠期)
- 肥料は基本的に不要
- 気温が下がると吸収が鈍るため、無理に与えると根を傷める
- 翌春の生育に備えて、休ませる期間と考える
生育期に少しずつ栄養を補うと、葉色がよくなり、株の勢いも増していきます。
与えすぎは逆効果になるため、控えめかつ継続的に施すのが理想的でしょう。
病害虫・害虫対策
ドリナリアは病害虫に比較的強いシダ植物ですが、通気性の悪い場所に長く置いていたり、水苔の湿りすぎによって湿度が過度に上昇したりすると、特有のトラブルが起きやすくなります。
以下に、ドリナリアで特に報告されやすい3つの害虫と、具体的な症状・対策をまとめました。
カイガラムシ
- 貯水葉やリゾームに白や茶色の殻状の虫が付着する
- べたつきや黒いカビ(すす病)が見られることもある
- 株全体がやせ細り、葉が小さくなる
ドリナリアのリゾーム(根茎)は複雑な形状で通気が悪くなりがちです。
見つけたら綿棒や歯ブラシでこすり取り、数が多ければ市販の殺虫剤を部分的に使用します。
板付け株では水苔の通気が悪くならないよう、時々水苔の表面を整えてください。
ハダニ
- 胞子葉の裏に赤や白の点が見られる
- 葉がくすんだ色になり、シルバーがかった模様になる
- 放置すると葉がしおれて落ちる
ドリナリアは乾燥に弱いため、こまめに葉水をすることで、乾燥を防ぎつつハダニの発生も予防できます。
発生時は霧吹きやシャワーで洗い流し、葉裏に水分が残るよう朝〜昼の時間帯に作業を行うとよいでしょう。
この時間帯を選ぶことで、日中の気温や風通しによって葉がしっかり乾き、カビや病気の発生を防ぐ効果が期待できます。
一方で夕方以降に行うと、夜間に湿気がこもりやすく、逆に害虫や病原菌の温床となってしまうため注意が必要です。
アブラムシ
- 展開途中の柔らかい貯水葉に密集して発生
- 葉の縁が波打つ、変形するなどの影響が出る
- ウイルス病を媒介する恐れもある
柔らかい新芽は薬剤がかかりにくいため、早期発見が鍵です。
少数なら歯ブラシやピンセットで取り除き、大量の場合は植物への負担が少ないオルトラン水和剤などを希釈して散布しましょう。
ドリナリアの栽培では「湿りすぎず、乾きすぎず」「風通しを保つ」「定期的な観察を怠らない」ことが最も効果的な予防策です。
とくにリゾーム部分は蒸れやすいため、板付や鉢栽培でも空気の流れを意識しましょう。
日々の管理の中で、葉の色や形に変化がないかチェックする習慣をつけると、トラブルの早期発見につながります。
板付けのやり方
ドリナリアは着生力が強く、板や流木に取り付けて育てることで自然に近い美しさを演出できます。
見栄えが良くインテリア性も高いため、観賞用としても人気のスタイルです。
板付けの作業はそれほど難しくありませんが、しっかりと固定することが成功のポイントといえるでしょう。
1.材料を準備する
2.水苔を板に仮止め
3.株をのせて位置を調整
4.しっかりと固定する
5.水苔の形を整える
6.風通しの良い日陰に設置
① 材料を準備する
以下のものを用意します。
- ドリナリアの株(株分け済み、または小さめの個体)
- 着生材(杉板や流木など、カビにくく丈夫なもの)
- 水苔(30分程度、水でふやかしておく)
- 麻ひも・テグス・ステンレス針金などの固定材
- ハサミ・カッターなどの道具
② 水苔を板に仮止め
ふやかした水苔をドリナリアを置く位置に広げ、先に数か所を固定しておくと作業がしやすくなります。
③ 株をのせて位置を調整
ドリナリアの根茎部分を水苔の上に配置し、正面や角度を調整して見栄えを整えましょう。
④ しっかりと固定する
麻ひもやテグスで、動かないようにがっちりと巻きつけます。
緩いと根が活着しづらくなるため注意が必要です。
⑤ 水苔の形を整える
飛び出した部分をハサミで整え、見た目をきれいに仕上げます。
⑥ 風通しの良い日陰に設置
取り付け後は根が安定するまで明るい日陰で管理し、乾燥しすぎないようこまめに葉水を与えましょう。
流木付けのやり方
基本の手順は板付けと同様ですが、流木は凹凸があるため、水苔の押さえ方と固定方向を工夫する必要があります。
立体的な見せ方ができるので、インテリア性を重視する方にはおすすめです。
しっかりと固定し、通気性のよい場所で管理すれば、ドリナリアは数週間で水苔に根を伸ばし安定して育ち始めます。
初めての方でも取り組みやすい作業ですので、ぜひ挑戦してみてください。
ドリナリアの栽培環境
ドリナリアは熱帯に自生する着生シダという特性を踏まえて適した環境を整えると、丈夫に育てられます。
室内でも育てやすい反面、風通しや湿度管理に注意が必要です。
とくに湿度と通気性の両立が、元気に育てるための重要なポイントです。
置き場所と日当たり

ドリナリアを健康に育てるためには、直射日光を避けた明るい日陰が最適な環境です。
もともと樹木に着生する性質を持つため、強い光には弱く、柔らかい光が届く場所が適しています。
屋内外を問わず、下記のようなポイントを参考にしてください。
日当たり
- 直射日光はNG
- 明るい日陰が最適
- 光量の目安は3,000〜6,000ルクス
- 育成ライトの使用も有効
- 光の偏りを防ぐ工夫を
ドリナリアは強い日差しが苦手なため、レースカーテン越しの窓辺や、木漏れ日が差し込むような明るい日陰が最適です。
直射日光に当てると葉が焼けてしまうことがあるので、遮光された環境を選びましょう。
明るさの目安は3,000〜6,000ルクスで、北向きの部屋や冬場には育成ライトを併用すると安心です。
偏った方向から光を当て続けると株が片寄って育つため、定期的に向きを変えるときれいに仕上がります。
風通し
- 蒸れやすい場所は避ける
- 室内ではサーキュレーターを活用
- 梅雨や夏はとくに注意
ドリナリアは湿気に弱いため、風通しの良さも栽培環境で重要な要素です。
梅雨〜夏の蒸し暑い季節は、病害虫の発生につながるため環境管理を意識しましょう。
室内ではサーキュレーターを使い、空気をやさしく循環させることで清潔な環境を保ちやすくなります。
適切な温度|どれくらいの寒さまで耐えられる?
ドリナリアは熱帯〜亜熱帯に自生する植物であり、寒さにはあまり強くありません。
育成環境では15℃以上を目安に保つことが望ましく、最低でも10℃を下回らないように注意が必要です。
特に気温が10℃を下回ると生育が鈍り、根腐れや傷みが生じやすくなるため、注意が必要になります。
快適に育てるための温度管理の目安は、以下のとおりです。
- 生育適温は25~30℃
- 最低気温の目安は10℃
- 11月以降は室内管理が安心
- 夜間の冷え込みにも注意
ドリナリアは春から秋にかけての温暖な時期にもっともよく育ちます。
特に25〜30℃程度が最適な生育温度ですが、10℃を下回ると根の働きが弱まり、生長が鈍くなったりダメージを受ける恐れがあります。
そのため、屋外で管理している場合は秋が深まる前に室内へ取り込みましょう。
冬越しのコツ
気温が下がる冬場には、ドリナリアの管理にいくつかの注意点があります。
最低気温が10℃を下回る環境では、株を傷めないための工夫が欠かせません。
寒さに弱いドリナリアを安全に冬越しさせるには、以下のポイントを押さえておきましょう。
- 室内に取り込むタイミングは11月頃が目安
- 暖房の風が直接当たらない場所に置く
- 水やりの頻度を控えめに
- 葉の変色や傷みが見られたら、無理に維持しようとせずカット
11月頃になり夜間の冷え込みが厳しくなる前に、屋外で育てていた株は室内に取り込みましょう。
このとき、暖房の風が直接当たる場所は避け、乾燥や葉焼けを防ぐことが大切です。
冬場は生長が緩やかになるため、水やりの頻度も控えめにし、用土がしっかり乾いてから与えます。
また、葉の変色や傷みが目立つ場合は、無理に残さず切り取ることで、春以降の回復がスムーズでしょう。
また、窓際や玄関などの温度が下がりやすい場所は避け、日中に暖かくなる室内の中央付近や、断熱性の高い棚上などに置くのが理想的です。
冬を無事に越せれば、翌春から再び元気な葉を展開してくれるでしょう。
ドリナリアの土の配合比率(用土)

ドリナリアは、地面に根を張らずに木の幹などに着生するタイプの植物です。
そのため、一般的な観葉植物用土よりも、通気性・排水性に優れた素材を使った配合が適しています。
鉢植えで育てる場合
鉢植えで育てる場合は、以下のような配合を目安にするとよいでしょう。
- ベラボン(ヤシの実繊維チップ):4
- バークチップ(中粒):3
- 軽石または赤玉土(小粒):2
- 水苔(乾燥防止として表面に少量):1
このように軽くて風通しのよい用土を使用することで、根が蒸れずに健康に育ちます。
市販のラン用培養土をベースに、軽石やバークを足して調整しても構いません。
着生材
ドリナリアを板付けや流木付けで管理する場合は、流木や板といった支持材(着生材)と、しっかり水で戻した水苔を組み合わせて使うのが一般的です。
水苔は根に適度な湿度を与えながら通気性も保つため、着生植物の栽培に非常に適した素材といえます。
いずれの管理方法を選ぶにしても、排水性と通気性の良い環境を整えることが、根腐れを防ぐうえでの重要なポイントです。
ドリナリアを胞子から育てると大変?
ドリナリアはシダ植物のため種子ではなく「胞子」で増えますが、胞子から育てる方法はかなり上級者向けです。
胞子を採取して発芽させるには、清潔な環境と湿度・温度の管理が必要です。
発芽してから観賞できるサイズに育つまでには数年かかることもあります。
管理を誤るとカビが発生しやすく、うまく育たないケースもあるため、初心者はすでに育った株を購入して育てるのが安心です。
ドリナリアの増やし方
ドリナリアを増やす方法として、最も確実で実践しやすいのは「株分け」です。
胞子から育てる方法は難易度が高いため、家庭での増殖には株分けが基本と考えてよいでしょう。
株分けの時期はいつがいい?
株分けに最も適した時期は、5~6月にかけての春から初夏です。
この時期は気温が安定し、ドリナリアの根や芽が動き始めるため、新しい環境にもスムーズに適応してくれます。
寒い時期である1月〜3月は休眠中のため、株分けには不向きです。
また、7月以降は真夏の高温多湿によって蒸れやすくなるため、初夏までに作業を済ませておくのが安全でしょう。
とくに夜間の気温が10℃を下回らず、日中は15℃以上になる5月頃は、根の活着にも最適な条件がそろいます。
株分け後の管理も楽になり、新しい環境に根づきやすい時期といえるでしょう。
株分けのやり方
1. 株を取り外す
2. 切り分け位置を決める
3. 古い水苔を落とす
4. 新しい板や鉢に設置する
5. 麻ひもやテグスで固定
6. 余分な水苔を整える
7. 管理環境に注意
① 株を取り外す
まず、板や鉢に着生している株全体をやさしく取り外します。
無理に引き剥がすと根を傷つけるため、あらかじめ水で湿らせてから作業するとスムーズです。
② 切り分け位置を決める
根茎(リゾーム)が見える状態にしたら、「ここで分けたい」と思う部分を決めましょう。
その位置にカッターナイフや清潔な刃物をあて、まっすぐにカットします。
③ 古い水苔を落とす
分けた株に付着している古い水苔や汚れを軽く取り除きます。
根を極力傷めないよう、やさしく指で払うようにしましょう。
④ 新しい板や鉢に設置する
水で戻した新しい水苔を用意し、着けたい位置に適量のせましょう。
板に付ける場合は、あらかじめ水苔を軽く固定してから株を置くと作業しやすくなります。
⑤ 麻ひもやテグスで固定
株が動かないように、麻ひもやテグスを使ってしっかりと巻き付けてください。
ぐらつきがあると根が張りにくくなるため、しっかりと固定することが大切です。
⑥ 余分な水苔を整える
見た目をきれいにするために、はみ出した水苔をハサミでカットします。
このとき、水苔が乾きすぎている場合は、軽く湿らせると扱いやすいでしょう。
⑦ 管理環境に注意
作業後は、風通しのよい明るい日陰に置いて養生させましょう。
水苔が乾かないよう注意しつつ、過湿にならないよう水やりを調整してください。
植え替え時期はいつがいい?
鉢で育てているドリナリアの植え替えに最適な時期は、4月〜6月です。
この時期は生育が活発になるため、環境の変化にも適応しやすく、根の回復力も高まります。
植え替えのタイミングとしては、鉢底から根が出ている場合や、水はけが悪くなったと感じたときが目安です。
また、数年に一度は用土の劣化や根詰まりを防ぐためにも、定期的な植え替えを検討しましょう。
夏場や真冬など、極端な暑さや寒さの時期はストレスが大きくなるため、避けるのが無難です。
とくに冬は休眠期に入るため、根の活動が鈍くなり、ダメージを受けやすくなります。
鉢替えのやり方
① 鉢から株を抜き取る
まずは鉢の縁を軽く叩きながら、ドリナリアをゆっくり引き出しましょう。
無理に引っ張ると根を傷めるため、必要であれば用土を軽く崩してから取り出してください。
② 古い用土を落とす
株を傷つけないよう注意しながら、根に付着している古い土を軽く払い落とします。
根の健康状態もここで確認し、黒ずんだ部分があれば清潔なハサミで切り取りましょう。
③ 新しい鉢と用土を準備する
ひと回り大きな鉢と、新しい用土を用意しましょう。
ドリナリアは通気性・排水性のよい環境を好むため、バークチップや軽石、水苔などをブレンドすると適しています。
④ 鉢に用土を入れて植え付ける
鉢底に軽石を敷いてから、株の根が自然に広がるように位置を調整しましょう。
その後、隙間に新しい用土をやさしく入れ、軽く押さえて固定します。
⑤ 水やりと設置場所の確認
植え付け直後は、たっぷりと水を与えて根の周囲に用土をなじませてください。
その後は直射日光を避け、明るい日陰で数日間静かに養生させましょう。
風通しが良い場所で管理すると、根腐れのリスクを減らすことができます。
