テーブルヤシの育て方
公開日 2024年09月24日
更新日 2025年12月12日
育てやすさ
初心者の方でも育てやすいのでおすすめです。
監修者情報
覚張大季
植物と人との関わりに魅了され、日本各地の植物農園を見て回る。HanaPrimeの植物部門の立ち上げ後はオフィスや商業施設、個人宅など、幅広いシーンのグリーンコーディネートを数多く担当。植物の生態や特性を深く掘り下げ、それぞれの空間やライフスタイルに適したグリーン空間デザインを提案することが得意。観葉植物の世界に情熱を注ぎ、植物の価値を最大化することを使命としている。
INDEX
目次
テーブルヤシの育て方

テーブルヤシは耐暑性に優れていますが、耐寒性はそれほど高くありません。暗すぎる場所ではうまく育たないこともあるため注意しましょう。
気温が下がりすぎると枯れる原因にもなります。
観葉植物 テーブルヤシ
詳しく見る
テーブルヤシの水やりの頻度

春から夏にかけて
テーブルヤシの水やりは、土の表面が乾いてから行います。
春から夏にかけては土が乾いたタイミングで、鉢の底から水が出るくらいたっぷり水をあげましょう。
受け皿にたまった水はしっかりと捨ててください。
新芽の部分が乾燥すると新しい葉が出てこない場合もあるため、葉や幹にも水をかけるようにしましょう。
秋から冬にかけて
秋から冬にかけての寒い時期は生育期ではないため、土の表面が乾いてから2日ほど経ったタイミングで水をあげます。
冷水はテーブルヤシに負担がかかるので、常温の水やぬるま湯をあげてください。
与える水はコップ半分程度にし、やや断水気味に管理しましょう。
テーブルヤシの置き場所と日当たり

テーブルヤシは耐陰性のある植物ですが、日当たりのいい場所を好みます。
ただし、直射日光を浴びると葉が焼けてしまうため注意が必要です。
日差しが直接当たらない明るい場所や、レースカーテン越しに日が当たるような場所に置くとよいでしょう。肥料のあげ方
テーブルヤシに肥料をあげるタイミングは、5~10月の生育期になります。
置き肥であれば2か月に1度程度、液肥であれば1週間から10日に1度程度あげるようにしましょう。
ただし、肥料を与えすぎると根に負担がかかることもあります。
使用する肥料の適切な量をチェックし、それに従い与えるようにしましょう。
秋から冬にかけては成長が止まるため、11月以降の寒い時期に入ったら肥料を与えないようにしてください。
適切な温度|テーブルヤシはどれくらいの寒さまで耐えられる?

テーブルヤシは耐暑性に優れていますが、35℃以上の環境が続くと成長が鈍ってしまいます。
耐寒性はそれほど高くないため、温度は最低でも5℃以上をキープするようにしましょう。
なお、栽培適温は20~30℃といわれています。
剪定の時期はいつがいい?
テーブルヤシの剪定は、生育期の5~10月にかけて行うとよいでしょう。
葉が茂ってくると病害虫発生の原因にもなるため、葉の密度が高くなってきたタイミングで剪定してください。
その際は、日焼けして変色した葉や、古い葉だけを切り落とすようにしましょう。
新しい葉を傷つけたり切ってしまったりすると、成長が止まってしまう可能性があります。
葉が増えすぎてしまい、剪定が難しい場合は、株分けを行うのがおすすめです。
テーブルヤシの葉がカサカサになる原因
テーブルヤシの葉がしおれたりカサカサになってしまったりするときは、主に以下のような原因が考えられます。
- 湿度が低く葉が乾燥してしまう
- エアコンの風が直接当たる
- 風通しが悪く、蒸れて葉の不調を招く
- 直射日光による葉焼け
- 水やりの偏り(土全体に水が行き渡らない)
- 根詰まりによる生育不良
- 病害虫の影響
これらの要因が重なることで、葉の水分が失われたり、株が弱って葉の状態が悪くなったりすることがあります。
まずは環境を見直し、テーブルヤシにとって快適な状態を整えることが大切です。
乾燥が原因の場合は葉水を与える、根詰まりなら植え替えを行うなど、観察しながら原因に合った対処をしましょう。
また、カサカサになった葉を剪定する際は、茎や成長点を傷つけないように慎重にカットしてください。
テーブルヤシが枯れる原因
テーブルヤシが全体的に弱ったり枯れてしまったりする場合、主な原因としては次のようなものが考えられます。
- 強い直射日光による葉焼け
- 水のやりすぎによる根腐れ
- 低温によるダメージ
- 乾燥しすぎによる衰弱
- 根詰まりによる生育不良
- 病害虫の被害
育て方を全体的に見直し、テーブルヤシが本来育ちやすい環境に整えることが大切です。
適切な管理に切り替えることで、まだ元気な部分が残っていれば回復する可能性もあります。
枯らさないためにも、日ごろから葉や株の状態をよく観察しておきましょう。
テーブルヤシを水耕栽培で育てるやり方
テーブルヤシは湿った環境を好むため、水耕栽培にも適しています。
管理も楽で周囲も汚れにくいため、初心者にもおすすめです。
テーブルヤシを水耕栽培で育てる場合は、以下のものを用意してください。
- ガラス瓶などの容器
- 綺麗な水
続いて、テーブルヤシの水耕栽培の方法を紹介します。
- テーブルヤシを鉢から取り出す
- 根をほぐしながら土を落としていく
- 仕上げに根を洗い容器に入れる
- そこに綺麗な水を入れて完成
① テーブルヤシを鉢から取り出す
土に植えているテーブルヤシを、鉢から取り出します。
② 根をほぐしながら土を落としていく
根をほぐしながらついている土を落とし、枯れた根っこがあれば根切りばさみで切り取ります。
③ 根を洗い容器に入れる
仕上げに根を水で洗ってから、準備しておいたガラス瓶などの容器に入れます。
④ 綺麗な水を入れて完成
毎日新鮮な水に入れ替え、その成長を見守っていきましょう。
テーブルヤシをハイドロカルチャーで育てるやり方
テーブルヤシは水耕栽培のほか、人工土を使用した、ハイドロカルチャーでの栽培もおすすめです。
テーブルヤシをハイドロカルチャーで育てる際は、以下のものを用意してください。
- ガラス瓶などの容器
- 根腐れ防止剤
- ハイドロボール
- 綺麗な水
続いて、ハイドロカルチャーでの植え方を紹介します。
- 容器に根腐れ防止剤とハイドロボールを入れる
- テーブルヤシを鉢から取り出し、土を落とす
- 根を洗い容器に入れる
- ハイドロボールを追加し隙間を埋めて完成
① 容器に根腐れ防止剤とハイドロボールを入れる
先に容器の底に数mm程度、根腐れ防止剤を入れます。
その防止剤の上に数cm程度、洗ったハイドロボールを入れましょう。
② テーブルヤシを鉢から取り出し、土を落とす
根をほぐしながら土を落とし、枯れた根っこは根切りばさみで切り取ります。
③ 根を洗い容器に入れる
仕上げに根を水で洗ってから、準備しておいた容器に入れます。
④ ハイドロボールを追加し隙間を埋めて完成
ハイドロカルチャーには、ハイドロボールよりも小さなゼオライトなどを使う手法もあります。
好みや育てる環境に合わせ、自分に合った栽培方法を探してみましょう。
テーブルヤシを大きく巨大化する方法
テーブルヤシは、環境が合えば 2〜3mほどまで成長することもあります。
テーブルヤシをしっかり大きく育てたい場合は、次のポイントを意識しましょう。
- 春〜秋の生育期に肥料を与える
- 室温10℃以上を保ち、明るい半日陰で管理する
- 2年ごとに植え替えを行う
- 植え替えのタイミングで株分けをする
- 土で育てる
まず、テーブルヤシを大きく巨大化させるためには、基本的な育て方を守ることが大切ですが、中でも生育期の肥料と温度管理が重要です。
また、大きくしたいからと植えっぱなしにするのは避けましょう。
土の栄養が不足し生育が鈍くなるため、定期的に植え替えて根詰まりや根腐れを防ぎ、根の成長が促します。
葉が密集してくると株全体に栄養が回りにくくなるため、株分けも成長促進に効果的です。
さらに、ハイドロカルチャー栽培は土に比べて成長がゆっくりのため、より大きく育てたい場合は土への植え替えがおすすめです。
植え替え時期はいつがいい?
テーブルヤシの植え替えは生育期の5~10月に行うようにしましょう。
ただし、気温が下がると成長が止まってしまうため、5~8月の暖かい時期に行うのがおすすめです。
テーブルヤシの土の配合比率(用土)

テーブルヤシは湿りすぎると根腐れが起きるため、水はけのよい土を使うようにしましょう。
市販されている一般的な観葉植物用の土を使用すれば問題ありません。
また、忙しくて水やりがこまめにできない場合は、観葉植物用の土9割に対して、黒土を1割程度混ぜた配合にするとテーブルヤシの水持ちがよくなります。
鉢替えの頻度とやり方
テーブルヤシは成長速度が遅いため、2年に1度程度の鉢替えで十分です。
鉢の底から根が飛び出すなど、大きさが合わなくなったタイミングで鉢替えを行うようにしましょう。
作業をする際は、以下のものを用意してください。
- 一回り大きい鉢
- 鉢底ネット
- 鉢底石
- 観葉植物用の土
続いて、鉢替えの手順を紹介します。
- 新しい鉢の準備をする
- テーブルヤシを古い鉢から取り出す
- 新しい鉢に植え替える
- 水をたっぷりあげ、日当たりと風通しのよい場所へ置く
① 新しい鉢の準備をする
植え替え先の新しい鉢に、鉢底ネットと鉢底石を設置し土を少し入れます。
② テーブルヤシを古い鉢から取り出す
取り出したら、根をほぐしながら土を落としていきましょう。
枯れた根っこがあれば根切りばさみで切り取ります。
③ 新しい鉢に植え替える
テーブルヤシを新しい鉢に入れ、周囲を土で埋めていきます。
④ 水をたっぷりあげ、日当たりと風通しのよい場所へ置く
植え替え後はたっぷり水をあげ、テーブルヤシをケアしましょう。
日当たりと風通しのよい場所で管理してください。
観葉植物 テーブルヤシ
詳しく見る
テーブルヤシの基本情報
観葉植物 テーブルヤシ
詳しく見る
| 植物名 | テーブルヤシ |
| 学名 | Chamaedorea elegans |
| 和名 | テーブルヤシ |
| 英名 | Parlor palm |
| 別名 | チャメドレア エレガンス |
| 原産地 | メキシコ、中南米 |
| 科名 | ヤシ科 |
| 属名 | テーブルヤシ属 |
| 開花時期 | 4月~6月 |
テーブルヤシは、メキシコ・中南米原産の観葉植物です。
その名の通り小さなヤシの木のような姿をしており、濃緑の葉を茂らせる涼し気な見た目をしています。
テーブルヤシは成長速度が遅く、置き場所を変える手間が少ないため、インテリアグリーンとしても扱いやすいでしょう
月別栽培カレンダー
種まき
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
植え付け・植え替え
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
肥料
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
開花
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
種類と品種
テーブルヤシはテーブルヤシ属、別名チャメドレア属に含まれる品種のひとつです。
ほかにも「キレバテーブルヤシ(チャメドレア エルンペンス)」や「テネラヤシ(チャメドレア テネラ)」などがテーブルヤシ属に含まれます。
テーブルヤシ

細長くつややかな、濃緑の葉が特徴的な品種です。
キレバテーブルヤシ
1つの枝に対して、葉っぱが交互に生えるのが特徴的な品種です。
成長すると3mにもなる大型の品種で、葉っぱが落ちた後にできる環状紋が竹の節に似ていることから「タケヤシ」とも呼ばれます。
テネラヤシ
上向きに生える矢羽根状の大きな葉っぱが特徴的な品種です。
葉っぱは光沢のあるメタリックな質感をしています。
テーブルヤシの葉の特徴

テーブルヤシは細長くつややかな、濃緑の葉が特徴的です。
涼し気な色合いをしており、それが茂っている様子はどこか南国の雰囲気を感じさせます。
2~3mほどまで育ちますが、成長速度は遅めです。
鉢植えであればそこまで大きくならないため、観葉植物として室内に飾るのに適しています。
部屋に美しい緑や、夏らしい雰囲気を取り入れたいときにおすすめの植物です。
テーブルヤシはどんな花が咲く?

テーブルヤシは4~6月の暖かい時期に、小さな黄色い花を咲かせます。
果実のような丸い花が咲く姿はとても華やかで、部屋を明るく彩ってくれるでしょう。
ただし、テーブルヤシに花がつくのは雌木のみなので、注意が必要です。
テーブルヤシの花言葉
テーブルヤシの花言葉は「あなたを見守る」です。
テーブルヤシの病害虫・害虫対策

テーブルヤシにつく虫
テーブルヤシを健康に育てるためには、病害虫の予防が大切です。
乾燥しすぎると病害虫発生の原因になるため、加湿器などで湿度を保つようにしましょう。
また、適度に葉の剪定を行い、風通しがよい状態にしておくことも重要です。
テーブルヤシに発生する主な病害虫とその対策を紹介します。
ハダニ
- 葉に白い斑点が出て色が褪せる
- 成長を妨げ、枯れる
症状が軽い場合は、葉を剪定したり洗浄したりしますが、範囲が広い場合は殺虫剤を噴霧します。
ハダニは乾燥していると発生しやすいため、定期的な葉水や水を入れたバケツに20分程度鉢を浸すのも効果的です。
アブラムシ
- 新芽や葉が委縮する
- 葉がベタベタする
アブラムシを見つけたら、セロテープなどの粘着テープで取り除くか、すぐ水で洗い流してください。
殺虫剤を噴霧すれば、しばらく虫を寄せ付けない効果があります。
カイガラムシ
- 葉や茎に丸い殻のような虫がつく
- ベタベタした粘着質の分泌物を出す
- すす病の原因になる
発見したら、歯ブラシなどでこすり落とし、ひどい場合は殺虫剤を噴霧します。
風通しが悪いと発生しやすいため、定期的な葉水や剪定をして予防しましょう。
テーブルヤシを種から育てるのは大変?
テーブルヤシを種から育てるのは、かなりの時間と労力を要します。
そもそも、現在流通しているテーブルヤシのほとんどが苗木の状態です。
通販などで種を購入することもできますが、苗木を買うよりも面倒な作業が必要になるでしょう。
雄木と雌木を用意し受粉させる手段もありますが、こちらも難しい手順を踏まなければいけません。
相当なこだわりがない限り、種からの栽培はしない方がよいでしょう。
テーブルヤシの開花時期
テーブルヤシの開花期は4~6月の暖かい時期ですが、地域によってはもっと早い段階から咲き出すこともあります。
ただし、テーブルヤシに花を咲かせるためには、厳しい条件をクリアしなければいけません。
テーブルヤシは雌木のみ花をつけるため、雄木と一緒に育て受粉させることが必要です。
さらに、テーブルヤシは5年ほど育てないと、花をつけない傾向があります。
テーブルヤシの花を見るにはかなりの時間と労力を要するため、焦らずに開花を待つようにしましょう。
開花時期は春頃
テーブルヤシは春頃に、2mm程度の小さな黄色い花を咲かせます。
複数の花が1度に咲きますが、開花期間は約1週間と短めです。
日当たりや風通しの調整・水やり・葉の剪定を適切におこなうと開花しやすくなるといわれています。
テーブルヤシの花はなかなか見られない貴重なものなので、じっくりと育ててその珍しい姿を確認してみてください。
テーブルヤシの花が咲かない原因は?
テーブルヤシが咲かない主な原因は以下の3つです。
- テーブルヤシを5年以上育てていない
- 受粉がうまくいっていない
- 栽培環境がよくない
前述したように、テーブルヤシが花をつける条件はなかなか厳しいものになっています。
そのうえ、テーブルヤシは雌雄を判別することが困難なため、いくら環境を整えても花が咲かない場合があるのです。
どうしても花が見たい場合は、複数のテーブルヤシを同時に育て、受粉の確率を少しでも上げるようにしましょう。
