ペペロミア ロッソの育て方
公開日 2025年09月17日
更新日 2025年09月17日
育てやすさ
初心者の方でも育てやすいのでおすすめです。
監修者情報

覚張大季
植物と人との関わりに魅了され、日本各地の植物農園を見て回る。HanaPrimeの植物部門の立ち上げ後はオフィスや商業施設、個人宅など、幅広いシーンのグリーンコーディネートを数多く担当。植物の生態や特性を深く掘り下げ、それぞれの空間やライフスタイルに適したグリーン空間デザインを提案することが得意。観葉植物の世界に情熱を注ぎ、植物の価値を最大化することを使命としている。

INDEX
目次
ペペロミア ロッソの基本情報
植物名 | ペペロミア ロッソ |
学名 | Peperomia caperata Rosso |
和名 | ペペロミア ロッソ |
英名 | Radiator plant Rosso(ラジエータープラントロッソ) |
別名 | Peperomia Eden Rosso(ペペロミアエデンロッソ)、Radiator plant(ラジエータープラント)、Radiator plant Rosso(ラジエータープラントロッソ) |
原産地 | ブラジル |
科名 | コショウ科 |
属名 | サダソウ属(ペペロミア属) |
開花時期 | 4〜10月 |
ペペロミア ロッソは表面の濃い緑色と裏側の赤色のコントラストが美しく、ペペロミアの中でも特に人気の高い品種です。
肉厚な葉と力強い葉脈によって立体感と陰影が生まれ、1株がコンパクトでも空間のアクセントになります。
環境によっては30cmほどの高さに成長する珍しい個体もありますが、通常10〜15cmの卓上サイズに育ち、乾燥に強く水やりを頻繁にする必要もないため、観葉植物を初めて育ててみたいという人にもぴったりです。
月別栽培カレンダー
種まき
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植え付け・植え替え
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肥料
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開花
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種類と品種
ペペロミアは世界に1,000種類以上ある観葉植物で、葉が放射線状に広がる「ロゼットタイプ」幹が太くまっすぐ上に育つ「直立木立ちタイプ」ハンギングプランツに向いている「匍匐タイプ」があり、ペペロミア ロッソは「ロゼットタイプ」に属します。
ペペロミア ロッソのように、葉裏が赤い美しいカラーリングを楽しめるペペロミアの品種は以下の通りです。
名前 | 葉の形 | 葉の色 | 成長速度 | レア度 |
---|---|---|---|---|
ロッソ | 短冊形 | 濃い緑 | 非常にゆっくり | 普通 |
グラベオレンス | 細長い楕円形 | 濃い緑 | 非常にゆっくり | 希少種 |
カペラータ レッドルナ | 縮れた卵型、ハート型 | 赤紫、ワインレッド | ゆっくり | 普通 |
ストロベリークォーツ | 卵型 | 緑、白、赤 | ゆっくり | 非常に希少種 |
カイエン | 楕円形 | 赤紫、ワインレッド | 非常にゆっくり | 希少種 |
ロッソ

ペペロミア ロッソの1番の魅力は、表面の緑色と裏面の赤色のコントラストです。
先が尖った葉の形をしており、葉脈も力強く、葉全体に立体感があり、スタイリッシュで洗礼された華やかさがあります。
グラベオレンス
ペペロミア グラベオレンスは、厚みがありぷっくりした多肉質な品種です。
艶のある葉が表面に向かって巻き込むようにカールする独特な形状は、緑と赤のコントラストをより一層引き立てます。
カペラータ レッドルナ

ペペロミア カペラータ レッドルナは、縮れた葉と艶のある赤紫色が特徴の、華やかでスタイリッシュな品種です。
気温が下がると赤紫色がさらに深まり、季節によって色の変化を楽しめるでしょう。
ストロベリークオーツ
ペペロミア ストロベリークオーツは、2024年に登場した新品種です。
白と濃い緑の斑入りに、淡い赤色の色が重なった、美しく希少な品種として注目を集めています。
カイエン
ペペロミア カイエンは、赤紫の葉色が美しく艶のある品種です。
肉厚な葉に広がる緑とワインレッドのグラデーションが魅力で、シンプルながらも上質な存在感を放つインテリアグリーンとして人気があります。
ペペロミア ロッソの葉っぱの特徴

ペペロミア ロッソの葉は先が少し尖った楕円形で、太い葉脈が入っているため立体感があります。
表面は濃い緑色で裏側は鮮やかな赤色と、裏表で異なる色合いが楽しめるのが特徴です。
多肉質で艶のある質感が色のコントラストを引き立てます。
ペペロミア ロッソはどんな花が咲く?

ペペロミア ロッソは管理状態が良ければ春から秋の成長期に穂状の花を咲かせることがありますが、緑色でサイズも小さく目立ちにくいため鑑賞向きではありません。
ペペロミア ロッソの花言葉
ペペロミア ロッソの花言葉は「可愛らしさ」「片思い」「艶のある」です。
ペペロミア ロッソの育て方

ペペロミア ロッソを健康に育てるためには、水やりや肥料の与え方に工夫が必要です。
過湿や水の与えすぎは根腐れや害虫が発生する原因になることもあるため、適切な管理を心がけましょう。
水やりの頻度
季節 | 頻度 | タイミング | 与える時間 |
---|---|---|---|
春〜秋 | 1週間に1〜2回 | 土の表面が乾燥したら | 夕方、夜 |
冬 | 3〜4週間に1回 | 土の表面が乾燥してさらに1週間後 | 朝 |
ペペロミア ロッソの水やりは、日が沈んだ夕方〜夜にかけて与えてください。
朝に水を与えると日中の気温上昇によって土の中の水温も上がり、根が痛んで株が弱り根腐れの原因になります。
土の温度が40℃を超える事もあるため、特に真夏は水やりをする時間帯に注意が必要です。
冬は夜に向けて気温が大きく下がるため、株への負担を避けるためにも、暖かい午前中に水を与えるようにしましょう。
肥料のあげ方
ペペロミア ロッソに与える肥料は、速効性の液体肥料と緩効性肥料を使い分けます。
液体肥料
成長期の5〜9月にたっぷりと水やりをした後、1週間に1〜2回のペースで与えます。
水やりの後に液体肥料を与えることで肥料が薄まり、根を痛める「肥料焼け」を防ぐことができます。
緩効性肥料
2〜3ヶ月に1度を目安に、緩効性肥料を鉢の縁に置くのが効果的です。
12〜2月は長くゆっくり溶け出す緩効性の有機肥料を、1〜11月は即効性のある化学肥料を使い分けましょう。
ペペロミア ロッソを5号鉢に植える場合、土の植え替え時に約10g程度を混ぜ込んでおくと良いでしょう。
病害虫・害虫対策
ペペロミア ロッソは、5〜9月の成長期に害虫被害を受けやすくなるため注意が必要です。
暖かい時期は害虫の活動も活発になるため、こまめに観察して見つけた場合は速やかに駆除しましょう。
葉水をして湿度を保つことで、害虫の予防につながります。
カイガラムシ
- 発生すると葉がベタベタする
- 黒カビ(すす病)の原因になる
カイガラムシは白い棉状や貝殻を覆ったような見た目をしていて、成虫でも2〜3mmと小さく見つけにくいのが特徴です。
ペペロミア ロッソの葉の裏側や付け根、新芽などの柔らかい部位に付着しやすく、放置すると大量に発生することがあります。
排泄物は糖分が多くベタつきがあり黒カビが生えたり、葉が変色し株が枯れる恐れがあるため、葉水と剪定で乾燥を防ぎ予防をしましょう。
発生した場合は、ピンセットを使い丁寧に取り除いてください。
ハダニ
- 白い斑点やかすり傷が見られる
- 葉の裏に白い糸が付く
ハダニは小さく、発生しても気づかないことがあるので、毎日の観察が重要です。
発生を防ぐには適度に湿度を保ち、こまめに葉水を行ってください。
見落としがちな葉裏は特に注意が必要です。
また、風通しの良い場所で管理することで、ハダニの発生を抑えることができます。
もし、ハダニが発生した際は、柔らかい布やブラシで落とし、傷みがひどい箇所は切り落としましょう。
うどんこ病
- 表面が粉っぽくなる
- 葉が変色する
ペペロミア ロッソにうどんこ病が発生すると、葉や茎の表面に粉状のカビが付いて光合成が妨げられ、葉が黄色くなり枯れてしまいます。
発見した場合は専用の薬剤を散布し、症状が深刻な場合は切り落として袋に入れて処分しましょう。
感染が広がらないよう、早急な対処が大切です。
灰色カビ病
- 葉が褐色する
- 変形や腐敗
灰色カビ病に感染すると、ペペロミア ロッソの葉が部分的に褐色や黒く変色して腐敗します。
水の与えすぎや枯れ葉の放置で風通しが悪くなっていると発生しやすいです。
感染力が非常に強いため、見つけたらすぐに清潔なハサミで切り落として袋に入れて捨ててください。
発生を確実に防ぎたい場合は、専用の予防薬を使用しましょう。
ペペロミア ロッソの葉っぱの色ツヤを良くするには?

- 環境を整える
- 埃をためない
- 葉の剪定
- 適切な日光
環境を整える
ペペロミア ロッソの1番の魅力である葉裏の鮮やかな赤色とツヤを維持するために「光」「水やり」「保湿」が重要です。
直射日光は避けた明るい室内に置き、水やりは控えめにしてください。
2〜3日に1回は葉水を行い潤いを保つことで、色褪せを防ぎ美しい赤色とツヤが長続きします。
埃をためない
ペペロミア ロッソは肉厚で、葉と葉脈がしっかりしており溝が深く埃が溜まりやすい特徴があります。
葉の表面に埃がたまると、光の吸収や呼吸が妨げられ株が弱る原因になるため、柔らかい布やブラシでこまめに払いましょう。
葉の剪定
密集した葉は適度に剪定することで、株全体に栄養が行き渡りやすくなり、自然なツヤが生まれます。
風通しが良くなることで病害虫の予防にもなり、健康的な葉を保つことができるでしょう。
適切な日光
葉の色艶を良くするためには、直射日光は避けたレースカーテン越しの柔らかい光が入る場所に置くことがおすすめです。
適度に光を浴びることで、光合成が活発になり葉のツヤが良くなります。
ペペロミア ロッソの栽培環境

熱帯地域原産のペペロミア ロッソは、明るい日陰を好む品種です。
水やりや肥料は頻繁に与える必要はなく、地植えよりも鉢植えでの管理が適しています。
日本の真夏の気温にも強く、適切な環境を整えれば長く元気に育てることができるでしょう。
置き場所と日当たり

ペペロミア ロッソに適した場所は、屋外なら直射日光が当たらない木陰や屋根がある場所が適しています。
室内では、レースカーテン越しに光が差し込む窓際に置きましょう。
ある程度の耐陰性はありますが、光を好むため1日を通して明るさを保てる環境で育てることが大切です。
適切な温度|どれくらいの寒さまで耐えられる?
ペペロミア ロッソは耐寒性が弱く、気温が10℃以下になると株が弱り、0℃になると枯れる恐れがあります。
外気温が10℃に近付いてきたら屋外から室内に移動し、エアコンの風が直接当たらない日差しが入る場所に置きましょう。
用土
ペペロミア ロッソは水はけの良い土が適しているため、市販の多肉植物用の土で問題なく育てられます。
自分で配合する場合は、赤玉小粒6、軽石2、腐葉土2を混ぜると水はけに優れているだけでなくミネラルなども含まれるためペペロミア ロッソの生育に適した土と言えるでしょう。
土を使わずに育てられるハイドロボールやハイドロコーンなどを利用した水耕栽培もおすすめです。
ペペロミア ロッソを種から育てると大変?
ペペロミア ロッソを種から育てることは、非常に難しく発芽のハードルが高いと言えます。
18〜25℃の温度管理や湿度50%以上の管理、発芽を促進する薬剤を使うと発芽率は上がるものの、手間が多いためあまりおすすめはできません。
ペペロミア ロッソの増やし方

ペペロミア ロッソは主に株分けか挿し木で増やすのが一般的です。
剪定・株分けの時期はいつがいい?
ペペロミア ロッソの株分けは、5〜8月の暖かい時期に行ってください。
この時期は株の成長期のため根を伸ばしたりや新芽を出したりする活力があり、株分けのダメージからの回復も速いです。
葉の剪定は5〜10月が適期ですが、特におすすめの時期は5〜6月です。
成長期は栄養をたっぷり蓄えているため回復が早く、株も安定しやすくなります。
真夏の猛暑日は蒸れやすくペペロミア ロッソにとってストレスとなり、また真冬の気温が低いと枯れる原因になるため避けてください。
株分けのやり方
- 根についた土を落とす
- 株を分ける
- 分けた株を植える
- 日当たりの良い場所で管理する
① 根についた土を落とす
ペペロミア ロッソを株から丁寧に取り出します。
根が細く繊細なので、傷がつかないように気をつけながら、余分な土を払い落とします。
② 株を分ける
清潔なハサミを使用し、芽が2〜3個ついてる部分を目安に株元から分けてください。
株元を細かく分けすぎると分けた株それぞれの根や芽の数が不十分になり、成長が遅れたり発根しなかったりする場合があります。
③ 分けた株を植える
切り分けた株は1つの鉢にまとめず、株ごとに分けて植えましょう。
十分なスペースがあることで発根しやすく、健康的に育ちます。
害虫や病気への対処もしやすくなるため個別に植えるのがおすすめです。
④日当たりの良い場所で管理する
風通しが良く、直射日光が当たらない半日陰の場所に置いてください。
室内の場合は、エアコンの風が直接当たらない場所で、冷やしすぎないように注意しましょう。
挿し木のやり方
- 先端を剪定する
- 斜めにカットする
- 土に植え水を与える
- 日当たりの良い場所で管理する
① 先端を剪定する
伸びた茎の先端を約10cmほど剪定し、上部の葉っぱを2〜3枚残します。
土に挿す下部の葉を取り除くことで腐敗を防ぎ、水分の蒸発を減らすことができます。
② 斜めにカットする
剪定した茎は切り口を斜めにカットしてください。
断面が広くなることで水を効率よく吸収でき、発根しやすくなります。
このタイミングで、カットした断面に発根促進剤を使用するのも効果的です。
③ 土に植え水を与える
水はけの良い土、またはハイドロボールや市販の挿し木専用の用土に植えましょう。
植え付け後は、鉢底から水が出るくらいたっぷり水を与えてください。
④ 日当たりの良い場所で管理する
屋外では明るい日陰、室内では直射日光を避けたカーテン越しの明るい場所に置いてください。
土の表面が乾いたら水やりをしますが、過湿は根腐れを起こしやすいので水を与え過ぎないように注意が必要です。
日当たりと湿度を適切に管理すれば、約1ヶ月ほどで発根します。
植え替え時期はいつがいい?
ペペロミア ロッソの植え替えは5〜8月の成長期にするのが適しています。
この時期は成長が活発なため、植え替え後も株が安定しやすく、根を張り新芽が出る確率が高まります。
植え替えによって根詰まりを防げるだけでなく、新しい土にするとミネラルなどの必要な栄養を吸収しやすくなります。
2〜3年に1度の頻度での植え替えが基本ですが、以下のような状態になっていたらすぐに植え替えを行いましょう。
- 鉢底から根が出ている
- 土が水を吸収しない
鉢底から根が出ている
根詰まりを起こしているためひと回り大きな鉢を用意して植え替えてください。
根のストレスが軽減され「新芽が出やすくなる」「栄養を吸収しやすくなる」「根腐れ予防につながる」など、健康状態が良くなるでしょう。
土が水を吸収しない
古くなった土は、腐葉土やピートモスなどの有機物が減少することで水はけが悪くなったり、劣化して固くなることがあります。
土が固まると水を吸収しにくくなり、酸素不足を招くため新しい土を用意して植え替えを行いましょう。
鉢替えのやり方
- 大きな鉢を用意する
- 慎重に鉢から取り出す
- 痛んでいる根を切る
- たっぷり水を与える
① 大きな鉢を用意する
古い鉢よりも少し大きめの鉢を用意し、鉢底石を入れましょう。
水はけの良い赤玉小粒6、軽石2、腐葉土2を混ぜた土、またはハイドロボールや多肉植物用の土を準備してください。
② 慎重に鉢から取り出す
ペペロミア ロッソの根は細く繊細なので、傷つかないよう鉢から取り出す時は丁寧に行いましょう。
無理に引き抜かず周囲の古い土を優しくほぐしながら取りだし、綺麗に払い落とします。
③ 痛んでいる根を切る
根腐れしている部分は、清潔なハサミで切り落とすことが大切です。
放置すると他の根の成長を妨げ栄養が行き渡らず、葉の艶が失われたり枯れてしまう原因になります。
④ たっぷり水を与える
植え替え後は一度鉢底から水が流れるまでしっかり水を与えますが、その後は風通しの良い日陰で乾燥気味に管理しましょう。
根腐れを防ぐため水やり後の受け皿の水は必ず捨ててください。