ペペロミア オブツシフォリアの育て方

ペペロミア オブツシフォリアの基本情報

植物名	ペペロミア オブツシフォリア
学名	Peperomia obtusifolia
和名	サダソウ（佐田草）
英名	Peperomia
別名	Baby Rubber Plant（ベビーラバープラント）Blunt-leaved Peperomia（ブランドリーブペペロミア）Pepper Face（ペッパーフェイス）
原産地	熱帯・亜熱帯地方
科名	コショウ科
属名	サダソウ属（ペペロミア属）
開花時期	晩春〜夏

ペペロミア オブツシフォリアは、艶やかな葉と肉厚で水分をたっぷり含んだ瑞々しい姿が魅力的な観葉植物です。

乾燥に強く、観葉植物を初めて買う人にも育てやすく、プレゼントにも最適です。

土ではなくハイドロカルチャー（水耕栽培）でも育てられます。

月別栽培カレンダー

種類と品種

ペペロミアには短い茎から葉が四方に広がる「ロゼットタイプ」太い茎でまっすぐ上に成長する「直立木立ちタイプ」茎が細く地面を這うように広がる「匍匐タイプ」の3種類分けられます。

ペペロミアは1.000種以上の種類が存在する観葉植物ですが、流通が多く直立木立ちの姿が美しい「オブツシフォリア」がもっとも一般的です。

オブツシフォリアの中でも特に、黄色や白色の斑が入った「マーブル」「キフペペロミア」は個体ごとに斑の入り方が異なり、華やかさが際立ちます。

また「グリーンゴールド」「マーブル」も比較的手に入りやすい人気の品種です。

オブツシフォリア	葉っぱの型	色	レア度	タイプ
オブツシフォリア（基本形）	5〜10cm 楕円形、卵形	濃い緑色	普通	直立木立ち
エバリガータ	5〜10cm 楕円形、卵形	黄、白の斑入り	普通	直立木立ち
グリーンゴールド	7〜10cm 楕円形、卵形	明るい緑やゴールドの斑入り	やや希少種	直立木立ち
マーブル	6〜10cm 楕円形、丸型	マーブル状の斑入り	やや希少種	匍匐
キフペペロミア	3〜5cm 楕円形、卵形	白、灰緑黄の斑入り	普通	直立木立ち

オブツシフォリア

葉には光を反射するほど光沢があり、水分を蓄えて瑞々しく潤う姿が魅力的です。

ペペロミアの中で1番流通が多く定番として親しまれています。

エバリガータ

肉厚で丸みを帯びた葉に、淡いクリーム色の斑が美しく入ります。

高さは15〜20cmほどで、耐陰性があるので初心者でも育てやすい品種です。

マーブル

厚みのある葉に、明るい黄緑とクリーム色が美しいマーブル模様を描きます。

高さは15〜30cmほどに成長し、耐陰性があり温度変化に強いのが特徴です。

キフペペロミア

他の品種と比べて、成長がややゆっくりで葉が小さいのが特徴です。

キフペペロミアの「キフ」とは「斑」を意味し、緑の葉に黄色の斑が入るため「黄斑ペペロミア」と呼ばれています。

高さは15〜25cmほどで横に広がるように成長します。

ペペロミア オブツシフォリアの葉っぱの特徴

ペペロミア オブツシフォリアの葉は、丸みがある楕円型やたまご型で、肉厚な多肉質が特徴です。

水分を蓄えた葉はツヤがあり、ぷっくりした曲線が優しく可愛いらしい印象を与えてくれます。

ペペロミア オブツシフォリアはどんな花が咲く？

ペペロミア オブツシフォリアの花は、葉色に似た緑色をしており、棒状に伸びますが華やかさがないため、葉と同化して目立たずに開花に気がつかないことがあります。

3ヶ月で約8〜12cmほど伸びますが、注目されないため鑑賞向きではありません。

ペペロミア オブツシフォリアの花言葉

ペペロミア オブツシフォリアの花言葉は「片想い」「つやのある」「可愛らしさ」です。

ペペロミア オブツシフォリアの育て方

ペペロミア オブツシフォリアは、亜熱帯地域が原産で、明るい日陰を好みます。

直射日光が当たると葉焼けの原因となるため、カーテン越しの明るい場所で管理しましょう。

耐陰性はありますが耐寒性がないため、冬場は室内の温度は8〜10℃以上に保つよう気をつけます。

水やりの頻度

春～秋	1週間に1～2回
冬	3～4週間に1回

春から秋の生育期には、土の表面が乾いたら鉢底から水が流れ出るまでたっぷりと水を与えましょう。

冬は休眠期に入るため、水やりを控えめにして乾燥気味に管理します。

水を与えすぎると、根腐れや葉が茶色く変色する原因となるため注意が必要です。

肥料のあげ方

ペペロミア オブツシフォリアの肥料は植え替え時に土に混ぜる他、生育期である5〜8月に与えます。

暖効性肥料は2ヶ月に1度のペースで鉢の縁に置き、液体肥料は水で薄めて2週間に1度を目安に与えてください。

あらかじめ水やりをして、土を湿らせたあとに液体肥料を撒くことで、栄養がムラなく土に浸透して吸収しやすくなります。

病害虫・害虫対策

ペペロミア オブツシフォリアの健康状態を日ごろから観察し、葉や茎をチェックしておくと、害虫発生の早期発見につながります。

害虫の発生を防ぐために、土や管理方法に注意しましょう。

害虫ごとのペペロミア オブツシフォリアに現れる症状と発生した場合の対処法は次の通りです。

カイガラムシ

カイガラムシは貝殻を覆ったような姿をしており、発見した場合は手や柔らかいブラシでこそぎ落とします。

被害が広がっている場合は、その葉を剪定し袋に入れ、しっかりと縛って処分してください。

コナカイガラムシ

白い毛を纏ったような姿をしており、短期間で増殖するので、見つけ次第ピンセットや柔らかいブラシで取り除いてください。

コナカイガラムシは風で飛ぶくらい軽いので、鉢を屋外から家の中に入れる際は付着していないか確認しましょう。

ハダニ

風通しが悪く蒸れやすい場所は、ハダニが発生しやすくなります。

こまめに葉水を行い、風通しの良い場所で適度な湿度を保つことが、ハダニの予防に効果的です。

アザミウマ

アザミウマは黒色で非常に小さく、葉の裏に潜むことが多いため、発見が難しい害虫です。

乾燥を好むので、葉の裏側まで葉水を行い適度な保湿を保つことで予防できます。

発見した場合は柔らかいブラシで払い落とすか、専用の薬剤で駆除しましょう。

茎が伸びすぎたらどうする？

ペペロミア オブツシフォリアの茎が伸びて形が崩れてきたら、剪定のタイミングです。

伸びたままにしておくと、害虫が発生したり栄養が全体に行き渡らなくなるため、株が弱る原因になります。

清潔なハサミを使い節の少し上をカットし、葉が密集しているところは風通しが良くなるように剪定してください。

生育期である5〜8月に剪定を行えば、回復も早いのでおすすめです。

ペペロミア オブツシフォリアの栽培環境

ペペロミアオブツシフォリアは全体的に乾燥に強く、水の与えすぎが枯れる原因となりやすいため、乾燥気味で育てるのがポイントです。

春〜秋は土が乾燥したら水をたっぷり与え、冬は水やりを控えて室内の暖かい場所で管理します。

置き場所と日当たり

ペペロミア オブツシフォリアは明るい日陰を好むため、レースカーテン越しの窓際などの日差しが入る場所に置いてください。

夏の強い日差しが当たる場所は、葉焼けを起こしやすく変色するため必ず避け、エアコンの風が直接当たらないように管理してください。

適切な温度｜どれくらいの寒さまで耐えられる？

ペペロミア オブツシフォリアは亜熱帯地域が原産地のため、30℃前後の高温に耐えられ、湿度を好むため日本の夏も問題ありません。

しかし寒さに弱いため、冬場は10℃以上を保った室内で管理しましょう。

5度以下になると枯れる原因になります。

ペペロミア オブツシフォリアの土の配合比率（用土）

ペペロミア オブツシフォリアには、水はけの良い土が適しています。

赤玉小粒6割、腐葉土2割、軽石小粒2割の割合で配合した土や、市販の観葉植物用や多肉植物用の土を使うのもおすすめです。

ペペロミア オブツシフォリアを種から育てると大変？

ペペロミア オブツシフォリアの種は流通が少なく入手が困難な品種なため、一般的には挿し木や水差しで増やします。

ペペロミア全体としても、挿し木や葉挿しの発芽率は70〜90%に対して、種からの発芽率は76%と、やや難易度が高めです。

手軽に増やすなら、「株分け」「挿し木」「水差し」がおすすめです。

ペペロミア オブツシフォリアの増やし方

ペペロミア オブツシフォリアは観葉植物初心者でも「株分け」「挿し木」「水差し」で簡単に増やすことができる品種です。

剪定・株分けの時期はいつがいい？

ペペロミア オブツシフォリアの剪定や株分けは、生育期の5〜8月が最適です。

新芽が出るなどの株の成長が活発なため、回復も早く剪定や株分けに適した時期と言えます。

茎が伸びて葉が増え、全体のバランスが崩れた部分は、節を含む3〜5cmにカットしましょう。

カットした部分は挿し木や水差しで育てれば、約1ヶ月ほどで発根して株が安定し、増やすことができます。

株分けのやり方

① 株を分ける

ペペロミア オブツシフォリアの根は細く、根を傷つけないよう注意しながら鉢から取り出します。

1株に2〜3個の芽や茎がつくように調節し、清潔なハサミでカットしましょう。

② 水はけの良い土に植える

余分な土を落としたら、それぞれ水はけの良い土に植え替えます。

赤玉小粒6割、腐葉土2割、軽石小粒2割の割合、または市販の多肉植物用の土を使用します。

③ 水を与える

植え付け後は、たっぷりと水を与えてください。

④ 風通しの良いところで管理する

直射日光が当たらない、カーテン越しの明るく風通しの良い場所に置いて管理してください。

挿し木のやり方

① 伸びた箇所を剪定する

清潔なハサミで節を含む3〜5cmを目安に、間延びした部分を剪定します。

その際に、2〜3枚の葉を残し、下部の余分な葉を取り除いてください。

② 水はけの良い土に植える

剪定したペペロミア オブツシフォリアの茎を、育成用の容器に水はけの良い土を空気を含むように入れて、挿しましょう。

③ 水を与える

植えつけ後はたっぷりと水を与え、その後は乾燥気味に管理します。

水の与えすぎは発根の妨げや、根腐れの原因になるため気をつけてください。

④ 変色がないか管理する

直射日光が当たらない、カーテン越しの明るく風通しの良い場所に置いて管理してください。

乾燥により葉が変色し、黄色くなることがあるため注意が必要です。

約1ヶ月で根が伸び、株が安定してくるでしょう。

水挿し（水差し）のやり方

① 伸びた箇所を剪定する

ペペロミア オブツシフォリアの伸びた茎を、節を含んだ3〜5cmを目安にカットします。

間延びした枝をしっかり刈り込む事で、本体の風通しがよくなり新しい芽が出てきます。

② 余分な葉を落とす

剪定した茎に葉が多い場合は、水分の蒸発を防ぐため、余分な葉を取り除きます。

葉が水に浸かる部分は、腐る原因になるためカットしましょう。

③ 容器に入れる

ペペロミア オブツシフォリアの剪定した茎を斜めにカットし、プラスチック容器や空き瓶に入れ、節が水に浸かるように挿してください。

④ 水をこまめにかえる

2〜3日に1度は水を入れ替えて、発根まで管理します。

植え替え時期はいつがいい？

ペペロミア オブツシフォリアの植え替え時期は5〜8月の生育期に行うと回復が早く、株が安定します。

鉢の中が根詰まりをおこしたり、土に水が染み込まなくなるなど成長を妨げるため、2〜3年に1度を目安に植え替えましょう。

傷んだ根は取り除き、ひと回り大きな鉢と新しい土を用意して植え替えてください。

鉢替えのやり方

① 株を引き出す

ペペロミア オブツシフォリアの株元に手を当て、鉢を倒すようにしながら、優しく株を引き出します。

② 根を整理する

ペペロミア オブツシフォリアの根は細く浅く広がるので、健康な根を傷つけないよう気をつけながら、古い根や傷がある根はカットして整理しましょう。

③ 新しい鉢に植える

今よりひとまわり大きな鉢に鉢底石を敷き、

赤玉小粒6割、腐葉土2割、軽石小粒2割を配合した土、または多肉植物用や観葉植物用の土を入れて植え替えます。

このタイミングで、傷のある根や腐った根を取り除きましょう。

④ 明るい日陰で管理する

ペペロミア オブツシフォリアは、直立木立ちタイプで茎が上に伸びるため、鉢に対して深植えし、成長に合わせて追加で土を加えます。

直射日光が当たらない、カーテン越しの明るい場所で育ててください。