ペペロミア プテオラータの育て方
公開日 2025年10月17日
更新日 2025年10月17日
育てやすさ
初心者の方でも育てやすいのでおすすめです。
監修者情報

覚張大季
植物と人との関わりに魅了され、日本各地の植物農園を見て回る。HanaPrimeの植物部門の立ち上げ後はオフィスや商業施設、個人宅など、幅広いシーンのグリーンコーディネートを数多く担当。植物の生態や特性を深く掘り下げ、それぞれの空間やライフスタイルに適したグリーン空間デザインを提案することが得意。観葉植物の世界に情熱を注ぎ、植物の価値を最大化することを使命としている。

INDEX
目次
ペペロミア プテオラータの基本情報
植物名 | ペペロミア プテオラータ |
学名 | Peperomia puteolata |
和名 | 佐田草(サダソウ) |
英名 | Peperomia puteolata(ペペロミア プテオラータ) |
別名 | Parallel Peperomia(パラレルペペロミア ) |
原産地 | 亜熱帯地域 |
科名 | コショウ科 |
属名 | サダソウ属(ペペロミア属) |
開花時期 | 3〜8月 |
ペペロミア プテオラータは葉の表面に浮かぶ縞模様と肉厚で瑞々しい葉の質感が特徴的な、コンパクトながら存在感あふれる観葉植物です。
深みのある緑の葉と、鮮やかな赤い茎のコントラストが美しく、他の植物にはないメリハリある表情豊かな見た目からインテリアグリーンとして人気が高いです。
毎日水を与えなくても、環境を整えればどの季節も元気に育つので初めて観葉植物を育てる人にも向いています。
月別栽培カレンダー
種まき
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植え付け・植え替え
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肥料
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開花
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種類と品種
ペペロミアは世界に1.000種類以上ある観葉植物で、葉が放射線状に広がる「ロゼットタイプ」幹が太くまっすぐ上に育つ「直立木立ちタイプ」ハンギングプランツに向いている「匍匐タイプ」があり、ペペロミア プテオラータは「直立木立ちタイプ」に属します。
プテオラータのように、葉が緑で茎が赤くコントラストが美しいペペロミアの品種は以下の通りです。
品種名 | 葉の形 | 葉の色 | タイプ | 成長時のサイズ | レア度 |
---|---|---|---|---|---|
プテオラータ | 楕円形 | 濃い緑色 | 直立木立ち | 約30cm | 普通 |
カペラータグリーン(チヂミバペペロミア) | 縮れた卵型、ハート型 | 緑色 | ロゼット | 約10〜15cm | やや希少 |
サンデルシー(スイカペペロミア) | 楕円形 | 濃い緑色 | ロゼット | 約20〜25cm | 普通 |
ルビーキャスケード | 丸型 | 濃い緑色 | 匍匐 | 約40cm | やや希少 |
グラベラ | 楕円形 | 黄緑の班入り | 匍匐 | 約20〜30cm | 普通 |
キューベンシス | 丸型 | 緑色 | 匍匐 | 約40cm | 希少種 |
プテオラータ
プテオラータは濃い緑の葉色に白い縞模様が入る美しい品種です。
真上に茎が伸びる直立木立ちタイプで約30cm前後の高さに育ち、小さなスペースでも育てることができるため空間のアクセントとして取り入れやすいでしょう。
カペラータグリーン(チヂミバペペロミア)
カペラータグリーンは葉が細かく縮れていて、株全体に立体感があるのが1番の特徴です。
縮れた肉厚の葉に葉脈がしっかり刻まれ、約10〜15cmほど横に広がる小ぶりな品種ですが、主役級の存在感があります。
サンデルシー(スイカペペロミア)

サンデルシーは別名「スイカペペ」と親しまれ非常に人気がある品種です。
名前の通りスイカの表面に似たユニークな模様をしていて、茎の赤とのコントラストがより一層スイカのようなイメージを与えます。約20〜25cmほど横に成長しますが、ロゼットタイプなのでコンパクトな場所でも育てやすいでしょう。
ルビーキャスケード
ルビーキャスケードは小さくて丸い葉が特徴的な可愛らしい品種です。
細い赤色の茎に間隔をあけていくつもの小ぶりな葉が並ぶように生えていて、全体的に華奢な印象の品種です。
約40cm前後、地面を這うように茎が伸び広がる性質があるためハンギングプランツとして飾るのが向いています。
グラベラ
グラベラは赤い茎から光沢のある緑や黄緑の葉が生え、マーブル模様の斑が入るのが魅力です。
成長するにつれて約20〜30cmほど這うように広がり垂れ下がる匍匐タイプなので、ハンギングプランツや高さのある台に置くのがおすすめです。
キューベンシス
キューベンシスは赤い茎が1年で約40cmほど伸びて広がるため、吊り下げて飾るハンギングプランツや高さのある台に置くことで魅力を引き出せるでしょう。
ペペロミア プテオラータの葉っぱの特徴

ペペロミア プテオラータの葉っぱの特徴は、濃い緑色の葉に白っぽい黄緑の5本の縞模様が入るのが特徴です。
茎から放射線状に葉柄が伸びて、葉が重ならないように生えるので真上からみるとまるで星のようなシルエットに見えます。
やや固めの葉は肉厚で水分を蓄えるため乾燥にも強く、水やりを忘れてしまっても問題ありません。
ペペロミア プテオラータはどんな花が咲く?
ペペロミア プテオラータは、細長い穂状の花を咲かせることがあります。
葉と似た緑色で3〜6cmほどの長さに成長しますが、毎年必ず開花するとは限りません。
温度や日当たりなど丁寧に管理を行うことで開花の確率が上がるでしょう。
ペペロミア プテオラータの花言葉
ペペロミア プテオラータの花言葉は「片思い」「艶やか」「可愛らしさ」です。
ペペロミア プテオラータの育て方
ペペロミア プテオラータは肉厚な葉にしっかりと水分を蓄えるので、水やりや施肥を頻繁に行う必要はありません。
季節に応じて水やりの頻度を調整し、土はやや乾燥気味に保つのがコツです。
水やりの頻度
時期 | タイミング | 与える時間 |
---|---|---|
3〜5月 | 土の表面が乾燥したら | 夕方、夜 |
6〜8月 | 土の表面が乾燥したら | 夕方、夜 |
9〜11月 | 土の表面が乾燥してさらに2〜3日後 | 朝 |
12〜2月 | 土の表面が乾燥してさらに1週間後 | 朝 |
ペペロミア プテオラータは葉に水分を蓄える性質があるので、毎日水やりをする必要はありません。
春夏は土の表面が乾いたらすぐにたっぷり水やりをしますが、秋から冬にかけての休眠期は水を多く必要としないので、土の表面が乾いてさらに1週間ほど時間をおいてからにしましょう。
水やり後に受け皿に水が溜まっている場合は、根腐れの原因になるため必ず水を捨ててください。
病気や病害虫を寄せ付けないために、定期的に葉水をしてあげましょう。
肥料のあげ方
ペペロミア プテオラータに与える肥料は、速効性の液体肥料と緩効性肥料を使い分けましょう。
液体肥料
液体肥料は株が良く育つ5〜10月の成長時期に与えます。
水やりのタイミングに合わせて一緒に与えることで、肥料の濃度が高くなりすぎず根焼けを避けられます。
固形の緩効性肥料
緩効性肥料は2ヶ月に1回を目安に、鉢の縁に置いて置き肥として使用するか、土の入れ替え時に土に混ぜこむと効果的です。
真冬は成長が止まるため肥料を追加する必要はありません。
病害虫・害虫対策
日当たりと風通しが良い環境に置くことで害虫の発生を予防できます。
特に5〜10月の気温が高く乾燥した時期に発生しやすいため、葉に変化がないかよく観察し見つけた場合は早めに対処しましょう。
カイガラムシ
- 樹液を吸い枯れる原因になる
- 排泄物により葉の表面がベタベタする
カイガラムシは貝殻を背負ったような見た目をしており、成虫で2〜5mmほどの大きさになる害虫です。
葉の裏に潜んでいることが多く、柔らかい新芽や葉柄から樹液を吸い、被害にあった箇所は黄色く変色したり枯れたりすることがあります。
他の害虫を引き寄せることもあるので、発見次第ピンセットなどで取り除きましょう。
ハダニ
- 葉に斑点ができる
- クモの巣のような糸が表面に付着する
ハダニは緑色や赤茶色をした体長約0.3mm前後の小さな害虫で、肉眼で見つけることは難しいです。
葉の裏にいることが多く、汁を吸った部分の色素が抜けて白や黄色の斑点が現れたらハダニが寄生していると疑いましょう。
寄生されていた場合は鉢ごと水に浸けて洗い流すか、専用の殺虫剤で駆除してください。
水に弱いので、葉水をこまめに行い湿度を保つことで寄せつきにくい環境がつくれます。
アブラムシ
- 葉がベタつく
- 黄色く変色、変形する
アブラムシの体長は1〜4mmほどで、緑や赤茶、黒色など種類によって様々です。
排泄物に糖分が多く黒いカビが生えることを「すす病」と言います。
アブラムシが葉汁を吸うことで黄色く変色したり、葉が変形して縮れる症状が起こるので、発見したら早急に柔らかい布で拭き取るか洗い流してください。
すす病
- ツヤが無くなる
- 葉の表面に黒いカビが生える
すす病はカイガラムシやアブラムシが寄生すると発生しやすい病気の一種です。
排泄物(甘露)には糖分が多く含まれていて触るとベタベタし表面のツヤが消え、症状が進行すると黒いカビが繁殖して表面を覆い、成長に影響を与えます。
原因となる害虫が寄りつかないようこまめに葉水を行い、適度な日当たりと風通しの良い場所に置きましょう。
葉っぱが落ちる・枯れる原因は?
ペペロミア プテオラータの葉っぱが落ちたり枯れたりする主な原因は以下の5つです。
- 水不足
- 水の与えすぎ
- 根詰まり
- 肥料の与えすぎ
- 日光不足
水不足
ペペロミア プテオラータは多肉質なので葉に水分を蓄える性質がありますが、必要な量の水やりをしなかった場合は水不足になり葉がしおれて枯れます。
春〜秋は1週間に1〜2回、冬は3〜4週間に1回を目安に与えましょう。
水の与えすぎ
水の与えすぎによる根腐れが起こり、葉が枯れる原因になります。
根腐れの影響で茎や根が柔らかくなった部分は再生不可能なので切り落としましょう。
根詰まり
鉢の中で根詰まりを起こすと必要な水や栄養を吸収しにくくなり、葉が黄色く変色してやがて枯れることがあります。
成長が順調な株は根が伸び続けるので2〜3年に1度ひと回り大きな鉢に植え替えてください。
肥料の与えすぎ
濃度の高い肥料を過剰に与えすぎると根の水分が失われ根にダメージを与えることになり、葉が枯れ落ちる原因になります。
水やりのタイミングで規定量を守った肥料を一緒に与えてください。
日光不足
日光が不足すると光合成ができず葉が黄色く変色し、やがて枯れる原因になります。
必要な栄養を作り出すことができず成長の妨げとなるので、直射日光を避けたカーテン越しの柔らかい光が入る場所に置いてください。
ペペロミア プテオラータの栽培環境
ペペロミア プテオラータは水はけの良い土で管理し、風通しが良くカーテン越しに日が当たる場所に置いてください。
熱帯地域が原産地のため暑さには強いですが寒さに弱く、10℃を下回る時期は屋外に放置せず室内に入れて管理しましょう。
置き場所と日当たり

室内では直射日光が当たらないカーテン越しの光が入る場所、屋外では屋根がある半日陰の場所に置いてください。
夏場の強い紫外線に晒されると葉が白っぽくなったり枯れる原因になるため、置き場所には注意が必要です。
適切な温度|どれくらいの寒さまで耐えられる?
ペペロミア プテオラータは、耐暑性に強く20℃〜30℃まで耐えられますが寒さに弱く10℃以下で放置すると株が弱り枯れる恐れがあります。
屋外で育てている場合は真冬の寒さに耐えられないため、室内に入れてエアコンの風が当たらない暖かい場所に置きましょう。
冬越しのコツ
ペペロミア プテオラータは寒さが苦手なため、気温が下がる時期は室内に移し、10℃以上で管理することが重要です。
冬の窓際は冷気が入りやすく冷え込こむため、できるだけ明るく暖かい場所に移動させてください。
10月ごろから徐々に水やりと肥料の回数を減らし、真冬は3〜4週間に1回の水やりを目安にして緩効性の置き肥に切り替えることで、株に負担をかけずに冬を乗り越えられるでしょう。
用土
ペペロミア プテオラータには、水が溜まりにくい水はけの良い土を選びましょう。
多肉植物用や観葉植物用の市販の用土を使用するのもおすすめです。
自分で用意する場合は、赤玉土5割、腐葉土3割、パーライト2割を混ぜ合わせた土が適しています。
ペペロミア プテオラータの開花時期
ペペロミア プテオラータは春〜夏にかけての暖かい時期に開花します。
葉と似た色の棒状の細長い花を咲かせますが、観賞用としての華やかさは無く地味で開花に気づかないことががあります。
ペぺロミア プテオラータの開花時期は4~9月
ペペロミア プテオラータは4〜9月の活発な成長期に開花します。
ペペロミアの花は「ラットテール」と呼ばれ、開花すると約数週間から1ヶ月ほど咲き続けますが葉の方が観賞用として評価されています。
花が咲かない原因は?
ペペロミア プテオラータの花が咲かない原因として、以下の5つが考えられます。
- 日光不足
- 栄養不足
- 水の与えすぎによる過湿
- 害虫被害
- 寒さ
花が咲いた後の処理はどうする?
花が咲きすぎたら栄養が花に集中し株が弱るため、開花後は枯れる前に根本から切り落としてください。
余計なエネルギー消費を防ぐためにもなるべく早めに剪定することが推奨です。
ペペロミア プテオラータを種から育てると大変?
ペペロミア プテオラータは種の流出が低いため、種から育てることは一般的ではありません。
種からの栽培も可能ですが、発芽から苗を育てるまでの管理が難しく丁寧なケアと手間が求められるため、観葉植物初心者には株分けや挿し木のほうが成功率が高く、育てやすいのでおすすめです。
ペペロミア プテオラータの増やし方
ペペロミア プテオラータは株分けと挿し木で増やすのが一般的です。
剪定・株分けの時期はいつがいい?
ペペロミア プテオラータの剪定や株分けの適した時期は、4〜9月の生育期です。
この時期は成長が活発で、枯れた葉や伸びすぎた茎を切り落としても回復が早く、新芽が出やすくなります。
株分けのやり方
- 鉢から慎重に取り出す
- 古い土を払い落とす
- 株を分ける
- 分けた株をそれぞれの鉢に植える
① 鉢から慎重に取り出す
ペペロミア プテオラータの根は細く繊細なので、無理に引っ張らず根が傷つかないように慎重に取り出してください。
② 古い土を払い落とす
軽く振ったりほぐすようにして、取り出した株の根についた古い土を払い落としてください。
引っ張ったり水で強く洗ったりなどは避けて丁寧に扱いましょう。
③ 株を分ける
各株ごとに芽が2〜3個つくように、根元でカットしましょう。
細かく分けすぎると株に負担がかかり、ダメージを回復できず成長が遅れることがあります。
④ 分けた株をそれぞれの鉢に植える
切り分けた株は十分なスペースを確保できるように、それぞれ別の鉢に植えましょう。
植え付けたあとはやや乾燥気味で管理し、水の与えすぎには注意してください。
挿し木のやり方
- 伸びた茎を剪定する
- 水はけの良い土を用意する
- 土に植える
- 日当たりの良い場所と水やり
① 伸びた茎を剪定する
茎の先から約10cmほどのところでカットします。
葉は上部の2〜3枚だけ残こし、下部に葉が付いている場合は全て取り除いてください。
② 水はけの良い土を用意する
市販で販売している多肉植物用や観葉植物用の土を使用するか、赤玉土や川砂のような水はけが良く通気性の良いものを組み合わせた土を用意しましょう。
鉢底には鉢底石を敷いて湿気がこもらないようにすると発根しやすくなります。
③ 土に植える
カットした茎は挿した際に安定する程度の深さに植えましょう。
上部に残した葉が土に埋もれないよう注意が必要です。
葉が土に埋まると水分をうまく発散できず土の中に湿気がこもりやすくなってしまいます。
④ 日当たりの良い場所と水やり
直射日光を避けて風通しの良い半日陰に置きましょう。
加湿を避けることが重要で、土の表面がしっかり乾いてから水をあげるようにしてください。
適切な管理をすることで約1ヶ月後に発根が確認できるでしょう。
植え替え時期はいつがいい?
ペペロミア プテオラータの植え替え時期は4〜9月の生育期が適しています。
特に株がもっとも活発に成長する5〜7月は、ダメージを受けても体力があり回復が早く、植え替えに最適のタイミングです。
鉢底から根が出てきたり、鉢の縁から株が大きくはみ出すほど成長したらひと回り大きな鉢に植え替えしましょう。
そこまで成長していない場合も、土が古くなったら新しい土への植え替えが必要です。
鉢替えのやり方
- ひと回り大きな鉢を用意する
- 新しい土を用意する
- 肥料を一緒に土に混ぜる
- たっぷり水を与える
① ひと回り大きな鉢を用意する
鉢替えをする場合、古い鉢よりもひと回り大きな鉢にすることで、根詰まりを解消しストレスのない環境を整えることができます。
② 新しい土を用意する
根についた古い土を軽く振って落としましょう。
その際、根を強くこすったり引っ張らないよう注意してください。
用土は市販の多肉植物や観葉植物用の土がおすすめですが、手作りする場合は赤玉土5割、腐葉土3割、パーライト2割を混ぜた水はけの良い土を準備しましょう。
③ 肥料を一緒に土に混ぜる
新しい土には、ゆっくり吸収される緩効性肥料を土に混ぜておきましょう。
植え替え後に根が栄養をしっかり吸収できることで、根つきが良くなります。
④ たっぷり水を与える
ペペロミア プテオラータは土の表面が渇いてからたっぷり与え、受け皿に溜まった水は必ず捨ててください。
カーテン越しの明るい日陰に置き、加湿にならないように管理しましょう。