フィロデンドロン グロリオーサムの育て方

更新日 2025年11月26日

育てやすさ

初心者の方でも育てやすいのでおすすめです。

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監修者情報

株式会社HanaPrime|植物アドバイザー

覚張大季

覚張大季

植物と人との関わりに魅了され、日本各地の植物農園を見て回る。HanaPrimeの植物部門の立ち上げ後はオフィスや商業施設、個人宅など、幅広いシーンのグリーンコーディネートを数多く担当。植物の生態や特性を深く掘り下げ、それぞれの空間やライフスタイルに適したグリーン空間デザインを提案することが得意。観葉植物の世界に情熱を注ぎ、植物の価値を最大化することを使命としている。

フィロデンドロン グロリオーサムの基本情報

植物名フィロデンドロン グロリオーサム ゼブラ、
学名Philodendron gloriosum
英名Philodendron gloriosum
原産地中央アメリカ、南アメリカなどの熱帯地域
科名サトイモ科
属名フィロデンドロン属
開花時期春~夏

フィロデンドロン グロリオーサムは大きなハート形の葉をつけるサトイモ科の植物です。

熱帯地域原産のため暑さに強く、成育が旺盛で草丈は1mほどになります。

葉は濃い緑色でベルベットのような質感があり、クリーム色の葉脈がくっきりと浮き出る独特な模様をしているのが特徴です。

月別栽培カレンダー

植え付け・植え替え

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肥料

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剪定

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開花時期

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挿し木

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種類と品種

品種名葉の形斑の有無耐寒温度レア度育てやすさ
フィロデンドロン グロリオーサムハート形10℃程度★★★★☆初心者向け
フィロデンドロン グロリオーサム ゼブラハート形10~15℃★★★★★初心者向け
フィロデンドロン グロリオーサム トリカラーハート形10~15℃★★★★★初心者向け

フィロデンドロンは約650種の品種があり、それぞれ葉の大きさや形状、斑の入り方などに違いがあるのが特徴です。

フィロデンドロン グロリオーサムの派生品種にはフィロデンドロン グロリオーサム ゼブラやフィロデンドロン グロリオーサム トリカラーがあります。

フィロデンドロン グロリオーサム ゼブラ

葉にクリーム色の葉脈が浮き出るのはグロリオーサムと同じですが、ゼブラはさらに細かい白い線が縞状に入ります。

また、葉の裏がほんのりと赤みを帯びているのも特徴です。

フィロデンドロン グロリオーサム トリカラー

トリコロールという名前で呼ばれる場合もある、葉っぱに三色の斑が入る希少価値の高い品種です。

ライムグリーン、濃い緑色、クリーム色の三色の葉が美しく、成長するにつれ斑の入り方が変化する性質があります。

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フィロデンドロン グロリアスとの違いは?

フィロデンドロン グロリオーサムとフィロデンドロン グロリアスは名前も葉の模様も似ていますが別の品種になります。

フィロデンドロン グロリアスはメラノクリサムという品種とグロリオーサムの交配種です。

グロリアスの葉はグロリオーサムに比べると丸みがなく、やや縦長でスマートな形状をしています。

フィロデンドロン グロリオーサムの葉っぱの特徴

フィロデンドロン グロリオーサムの葉っぱの特徴

フィロデンドロン グロリオーサムの葉はベルベットのような質感で大きなハート形をしているのが特徴です。

フィロデンドロンの中でも大きくなる品種で、成長すると葉のサイズは50cm程度になります。

葉に模様が入るのも魅力で、濃い緑色の中に浮かび上がるクリーム色の葉脈がとても美しいです。

わさわさと茂る大きな葉はかなりの存在感があり、ジャングルの雰囲気を楽しめます。

フィロデンドロン グロリオーサムの花言葉

フィロデンドロン グロリオーサムの花言葉「華やかな明るさ」「壮大な美」です。

これらはフィロデンドロン属に共通する花言葉となっています。

フィロデンドロン グロリオーサムの育て方

フィロデンドロン グロリオーサムの育て方

フィロデンドロン グロリオーサムの育て方のポイントは以下の通りです。

  • 水やりは土の乾き具合を確認して行う
  • 肥料は成長期に与える
  • ハダニや赤斑病に注意する

以下でフィロデンドロン グロリオーサムの水やり頻度や肥料のやり方、注意する病害虫などについて解説します。

水やりの頻度

春~秋土の表面が乾いたら
2週間に1回程度

フィロデンドロン グロリオーサムは水分を好む植物ですが、常に土が湿った状態では根腐れを起こすので土の乾燥具合を確認してから水やりを行うのがポイントです。

成長期である春~秋にかけては週1回程、土の表面が乾いてからたっぷりと水を与え、成長が緩やかになる冬は頻度を減らし、土の乾き具合を確認して2週間に1回程度水やりをしましょう。

葉水

またフィロデンドロン グロリオーサムは多湿を好み、葉からも水を吸収できるため定期的に葉水を行うことが大切です。

葉水は基本的に毎日午前中に行い、葉の表面だけでなく裏側もしっかり水を吹きかけましょう。

肥料のあげ方

春~初秋固形肥料を月一回、液体肥料を週一回
晩秋~冬不要

フィロデンドロン グロリオーサムは肥料が必ず必要な植物ではありませんが、成長期に定期的に与えるとより成長が促進されます。

肥料は春から初秋にかけて固形肥料を月一回の頻度で置き肥し、週一回液体肥料を与えましょう。

晩秋から冬は成長が緩慢になるため肥料は必要ありません。

特に葉を大きく育てたい場合は、葉の成長に必要な窒素が多く入った肥料を与えるのが効果的です。

肥料の与えすぎは肥料焼けを起こすため、時期と頻度、規定の濃度を守りましょう。

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病害虫・害虫対策

フィロデンドロン グロリオーサムに発生する病害虫として、ハダニやアブラムシ、赤斑病が挙げられます。

ハダニ

  • 体長0.3~0.5mmほどの小さな虫
  • 乾燥した環境を好む

ハダニは肉眼では見つけにくい非常に小さな虫で、クモの糸のようなものを出す性質があります。

特に梅雨明け~秋にかけて大量に発生しやすいのが特徴です。

ハダニは乾燥した環境を好む反面、水には弱いので見つけたらシャワーなどの流水で洗い流しましょう。

普段から定期的に葉水を行うことがハダニ発生の予防になります。

アブラムシ

  • 1~4mm程度の小さな虫
  • 黒色や黄緑色、赤色など種類によって様々

アブラムシは春から秋にかけて活動が活発になり、新芽や葉の裏に付いて汁を吸う小さな虫です。

繁殖力が高く、大量発生すると株が枯れてしまう場合もあるので注意しましょう。

手で取り除くか粘着テープで捕まえて駆除し、数が多い場合は石鹸水スプレーや専用の殺虫剤を使用するのがおすすめです。

赤斑病

  • 葉や茎に赤い斑点がでる
  • 多湿の環境で発生する

赤斑病は、カビの菌が原因で葉や茎に赤褐色の斑点ができる病気です。

湿度が高い環境で発生しやすく、病気が進行すると葉が枯れてしまう場合もあります。

赤斑病になった場合は病変箇所を除去し、必要に応じて殺菌剤の散布を行いましょう。

植え方・仕立て方

フィロデンドロン グロリオーサムは地を這って成長するほふく性の植物のため横に伸びていきます。
植え付ける際は横長のプランターにすると管理がしやすいためおすすめです。

横に伸びすぎる場合は剪定をして横への広がりを制御するか、支柱を立てて少し向きを変えるようにして上に誘引してあげると安定して成長します。

フィロデンドロン グロリオーサムの栽培環境

フィロデンドロン グロリオーサムの栽培環境

フィロデンドロン グロリオーサムは熱帯地域で木漏れ日の優しい光や水はけのよい土壌で自生しています。
健康でイキイキと育てるためには自生地の環境に寄せた栽培環境をつくることが大事です。

置き場所と日当たり

  • 東向きの窓辺がおすすめ
  • 直射日光は葉焼けするので避ける
  • 日照不足に注意する
  • 害虫予防のために風通しのよい場所に置く

フィロデンドロン グロリオーサムは優しい木漏れ日が差し込む日照環境で自生する植物のため、直射日光が長時間当たらない明るい日陰のような場所が適しています。

置き場所はレースカーテン越しの柔らかい光が当たる場所、特に朝だけ日光が入る東向きの窓辺がおすすめです。

葉焼けや変色の原因になるため長時間直射日光が当たる西向きや南向きの窓辺は避けるか、日よけの対策をするとよいでしょう。

耐陰性はありますが、日光が不足すると美しい葉の模様が保てなかったり茎が徒長したりするので暗すぎる場所には置かないでください。

適切な温度|どれくらいの寒さまで耐えられる?

フィロデンドロン グロリオーサムに適切な温度は20~30℃で、特に生育に最適な温度は25~28℃です。

耐寒温度は10℃程度となっており寒さには弱いので、屋外で管理している場合は冬場は暖かい室内に取り込み15℃以上を保つようにしましょう。

冬場は寒い隙間風が入るため、窓辺からは離れた場所に置くのがおすすめです。

フィロデンドロン グロリオーサムの土の配合比率(用土)

フィロデンドロン グロリオーサムの土の配合比率

フィロデンドロン グロリオーサムは水はけがよい土壌を好みます。

使用する用土は市販の観葉植物用培養土、自作の場合は赤玉土:7、腐葉土:3の割合で混ぜたものがおすすめです。

フィロデンドロン グロリオーサムを種から育てると大変?

フィロデンドロン グロリオーサムは種から育てることも可能ですが、購入する種のほか、育苗トレイや発芽用の用土、スプレーボトルなど多くの道具が必要です。

また発芽まで数週間の間、温度管理や水やりなどの作業が毎日必要で、安定した苗に育つまでかなりの時間と手間がかかるため少し大変かもしれません。

種から育てるのを楽しみたい方にはおすすめですが、株を増やしたいだけという場合は苗を購入するか、挿し木を行いましょう。

フィロデンドロン グロリオーサムの増やし方

フィロデンドロン グロリオーサムの増やし方

フィロデンドロン グロリオーサムは挿し木や水挿しで増やせます。

剪定時にカットした茎を挿し穂にして土に植えて育てる方法で、水挿しは水に浸けて発根させる方法です。

どちらも比較的簡単にできるので株を増やしたい方はチャレンジしてみましょう。

剪定の時期はいつがいい?

フィロデンドロン グロリオーサムの剪定に適した時期は春から秋です。

剪定した茎を挿し木に使用する場合は夏までに行いましょう。

生育が緩慢になる真夏や、休眠期である冬場は株の負担になるため基本的に剪定は避けてください。

剪定のやり方

全体のバランスを見ながら、伸びすぎた茎や不要な葉をカットしましょう。

深く切ってしまうと新芽が出てこなくなる場合もあるので、カットする位置は節の上にしてください。

傷んだ葉や枯葉などがあれば取り除き、風通しをよくすることも大事です。

挿し木のやり方

フィロデンドロン グロリオーサムの挿し木・水挿しは春から夏に行います。

  1. 挿し穂の準備
  2. ポットに植える
  3. 明るい日陰で管理する

① 挿し穂の準備

成長点がなければ新芽がでないため、必ず節を2つ以上残してカットした茎を挿し穂に使用します。

発根しやすいように茎の下部を斜めにカットし、上部の葉を1~2枚残して他の葉は落とします。

② 用土に挿す

水はけのよい用土をいれた育苗ポットなどに植えます。

用土は市販の観葉植物用培養土か、赤玉土:7、腐葉土:3の割合で混ぜたものがおすすめです。

③ 明るい日陰で管理する

用土を乾かさないように湿った状態をキープしながら、風通しのよい明るい日陰で管理します。

約1か月ほど経って根がしっかりと発達したら通常通りの育て方に移行します。

水挿しのやり方

  1. 挿し穂の準備
  2. 水に挿す
  3. 直射日光を避けて管理する

① 挿し穂の準備

節を2つ以上残してカットした茎を挿し穂に使用します。

発根しやすいように茎の下部を斜めにカットし、上部の葉を1~2枚残して他の葉は落とします。

② 水に挿す

透明な容器に水を入れ、2節ほど十分に浸かるように挿し穂を入れ倒れないように固定します。

③ 直射日光を避けて管理する

直射日光の当たらない明るい場所で管理し、2、3日に一回水を交換してください。

3週間ほど経って根が3cm程度になれば、鉢に植え付けができます。

植え替え時期はいつがいい?

フィロデンドロン グロリオーサムの植え替えは5~7月が適期です。

基本は2年に1回程度の頻度で植え替えますが、鉢の中で根が回っていたり、鉢底から根が飛び出していたら植え替えのサインです。

鉢替えのやり方

植替えに使用する新しい鉢が大きすぎると、株に対して土壌の水分が多くなり根腐れの原因になるため一回り程度大きいものを選びましょう。

フィロデンドロン グロリオーサムはほふく性で横に伸びていく性質があるため、横長のプランターを使用するのもおすすめです。

  1. 鉢から株を抜く
  2. 新しい鉢に用土を入れる
  3. 株を植える
  4. 支柱を立てる
  5. 半日陰で管理する

① 鉢から株を抜く

鉢から株を抜き、根鉢をほぐして土をある程度落とします。

伸びすぎた根や傷んだ根があれば清潔なハサミで切り取りましょう。

② 新しい鉢に用土を入れる

新しい鉢に鉢底石を敷き、株の高さに合わせて用土を入れます。

用土は市販の観葉植物用培養土、自作の場合は赤玉土:7、腐葉土:3の割合で混ぜたものがおすすめです。

③ 株を植える

新しい鉢の中央に株を置き、茎や葉にかからないように注意しながら土を株の周りに充填していきます。

フィロデンドロン グロリオーサムはほふく性で横に伸びていく性質があるため、横長プランターの場合はスペースを確保するために中央からずらした位置に植えてください。

④ 支柱を立てる

土を充填したら支柱を立てて茎を上向きに誘引しましょう。

しっかり挿した支柱に茎を麻ひもなどで軽く固定します。

⑤ 半日陰で管理する

植え替えが完了したら一度水をたっぷり与えます。

植え替え後は直射日光を避けた半日陰で数週間ほど管理し、土が乾いてから水やりをしてください。

根にダメージがあるため2週間ほどは肥料を控えましょう。

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