ビカクシダ(コウモリラン)の育て方

更新日 2025年06月05日

育てやすさ

初心者の方でも育てやすいのでおすすめです。

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監修者情報

株式会社HanaPrime|植物アドバイザー

覚張大季

覚張大季

植物と人との関わりに魅了され、日本各地の植物農園を見て回る。HanaPrimeの植物部門の立ち上げ後はオフィスや商業施設、個人宅など、幅広いシーンのグリーンコーディネートを数多く担当。植物の生態や特性を深く掘り下げ、それぞれの空間やライフスタイルに適したグリーン空間デザインを提案することが得意。観葉植物の世界に情熱を注ぎ、植物の価値を最大化することを使命としている。

ビカクシダ(コウモリラン)の基本情報

植物名ビカクシダ
学名Platycerium bifurcatum
和名コウモリラン ビカクシダ
英名Staghorn Fern
別名コウモリラン
原産地オーストラリア東海岸
科名ウラボシ科
属名ビカクシダ属

ビカクシダ(コウモリラン)は、オーストラリア東海岸を原産とするシダ植物です。

自然環境では樹木に着生して成長しますが、特徴的な葉の形状のおもしろさから観葉植物としても人気があります。

ビカクシダ(コウモリラン)は日陰でも育てやすく、適度な空中湿度を保つことで健康に育てることができます。

耐寒性は5℃以上あり、開花期は5月から10月ですが、観葉植物として葉っぱを楽しむのが一般的です。

月別栽培カレンダー

種まき

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植え付け・植え替え

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肥料

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種類と品種

種類と品種

ビカクシダ属には20種以上の異なる種が存在し、それぞれが独特の葉の形状や成長パターンを持っています。

以下に、代表的なビカクシダ(コウモリラン)の種類と品種をみてみましょう。

種類・品種名サイズ育てやすさレア度
ビフルカツム小~中型低い
ネザーランド小~中型低い
スーパーバム大型やや高い
ベイチー小~中型高い

ビフルカツム

ビフルカツム

ビカクシダの中でも代表的な品種で、長く分岐したコウモリの羽根のような深緑色の葉をしています。

耐寒性が高く、初めてビカクシダを育てるという人にもおすすめです。

ネザーランド

コンパクトなサイズで、狭いスペースでも育てやすい品種です。

葉が垂れにくく、寒さに強いので年間を通してしっかりとした姿を保ってくれます。

スーパーバム

スーパーバム

大きく重厚な葉を持ち、存在感のある見た目をしています。

湿度が高い環境を好むため水やりに少し手間はかかりますが、育てがいがあるビカクシダです。

ベイチー(ビーチ―)

葉っぱの表面に生えている星状毛が多く、銀白色に見えるという特徴があります。

耐乾性が高く、乾燥した環境でも育ちやすいです。

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ビカクシダ ネザーランドとの違いは?

ビカクシダ ネザーランドは、ビフルカツムを基に品種改良された園芸種です。

見た目は非常に似ていますが、いくつかの特徴的な違いがあります。

下記の表を基に、どちらの植物が自身のライフスタイルに合っているかの参考にしてください。

特徴ビフルカツムネザーランド
葉っぱの形状大きめの扇形など幅広で小さめ
生育環境湿度の高い環境を好む乾燥や蒸れに強い
成長速度比較的ゆっくり速い
管理のしやすさ初心者向け、育てやすい

ビカクシダ(コウモリラン)は花が咲く?

ビカクシダ(コウモリラン)はシダ植物なので、花を咲かせることはありません。

シダ植物は、花を咲かせる被子植物とは異なり、胞子で繁殖します。

ビカクシダ(コウモリラン)の中には、花のように見える構造を形成することがありますが、これは実際には花ではなく、胞子を作るための胞子葉です。

ビカクシダの葉には、胞子を作る胞子葉と、栄養を蓄える貯水葉の2種類があります。

ビカクシダ(コウモリラン)の葉っぱの形

ビカクシダ(コウモリラン)の葉っぱの形

ビカクシダ(コウモリラン)の葉っぱは、その独特な形状から非常に高い観賞価値があります。

主に「貯水葉」と「胞子葉」の2種類があり、それぞれ異なる役割があるのも特徴的です。

貯水葉

  • 株元に広がる茶色の葉
  • 栄養や水分を蓄える
  • 落ち葉や雨水を集める
  • 植物の成長基盤になる
  • 樹木や岩に着生する際の固定を行う

胞子葉

  • 鹿の角のように前方に伸びる緑色の葉
  • 成熟すると胞子を放出し繁殖を助ける


ビカクシダ(コウモリラン)の花言葉

ビカクシダ(コウモリラン)の花言葉は「信頼」「助け合い」「魔法」です。

ビカクシダが樹木に着生して育つ姿に由来しています。

ビカクシダ(コウモリラン)の育て方

ビカクシダ(コウモリラン)の育て方

ビカクシダ(コウモリラン)は、美しい観葉植物として人気があり、その育て方にはいくつかのポイントがあります。

適切な水やり、肥料の管理、病害虫対策が重要です。

ここでは、ビカクシダを美しく育てるための基本的な方法と注意点を確認しましょう。

水やりの頻度

ビカクシダ(コウモリラン)は、土の表面が乾いたら水を与えるのが基本です。

春から秋にかけての生育期には土の乾燥を避けるため、定期的に水やりを行います。

ただし、過剰な水やりは根腐れの原因になるため注意が必要です。

冬の休眠期には乾燥気味に管理し、土が完全に乾いてから水を与えるようにしましょう。

特に板付けの株や小さな株は水切れしやすいので、毎日チェックすることが重要です。

水やりの際は、根全体に水が行き渡るようたっぷりと与えましょう。

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肥料のあげ方

ビカクシダ(コウモリラン)は比較的少ない肥料で育つ植物ですが、春から秋の生育期に適度な肥料を与えることで健康的な成長が促進されます。

液体肥料を月に1〜2回、薄めて与えるのがおすすめです。

ただし、過剰な肥料は根腐れの原因となるため注意してください。

葉の色が薄くなってきた場合は肥料不足のサインなので、適宜追肥を行いましょう。

冬の休眠期には肥料を控え、自然な休眠状態を保つことが重要です。

病害虫・害虫対策

ビカクシダ(コウモリラン)は比較的病害虫に強い植物ですが、アブラムシやカイガラムシが発生することがあります。

これらの害虫は全体に広がってしまう前に、見つけ次第すみやかに取り除きましょう。

予防策として通気性の良い場所に置いて育て、葉の裏側を定期的にチェックし異常がないか確認しましょう。

必要に応じて、ニームオイルなどを使用して害虫を防ぐことも可能です。

植え方

ビカクシダ(コウモリラン)は、鉢植えでも板に着生させても育てることが可能です。

鉢植えの場合は、水はけの良い用土を使用し、根がしっかりと固定されるように植え付けましょう。

植え付け後は、根がしっかりと固定されるまで数週間かかることがあります。

その間は水やりを控えめにし、適度な湿度を保ちながら育てましょう。

板などに着生させる育て方

板などに着生させる育て方

ビカクシダ(コウモリラン)の板などに着生させて育てられる性質は、観葉植物としてもとても魅力的です。

  1. 台となる素材に水苔を敷く
  2. ビカクシダを水苔で包んでから固定する
  3. 日当たりがよく湿度の高い場所で管理する

① 台となる素材に水苔を敷く

まず、木製の板やコルクボードの上に水苔を敷き、さらにその上からビカクシダを置きます。

② ビカクシダを水苔で包んでから固定する

ビカクシダの根を水苔で包み、糸やワイヤーで固定しましょう。

③ 日当たりがよく湿度の高い場所で管理する

湿度が保てて適度な光が当たる場所で管理すると、自然な成長が促されます。

夏場は水苔が乾燥しやすいため、毎日水やりが必要かどうか、湿り具合をチェックしましょう。

葉が茶色く枯れる原因と対処法

葉が茶色く枯れる原因と対処法

ビカクシダ(コウモリラン)の葉が茶色く枯れる原因としては、水不足や過湿、日光不足、害虫などが考えられます。

冬の休眠期に過剰な水を与えると、根腐れが起きて葉が茶色くなることがあるのです。

そこで、原因を特定して適切な対処を行う必要が出てきます。

  • 水不足の場合は適切な頻度で水を与える
  • 過湿の場合は水やりを控える
  • 日光不足の場合は明るい場所に移動させる
  • 害虫がいる場合は早めに取り除く

茶色くなってしまった葉は、ハサミで切り取りましょう。

ビカクシダ(コウモリラン)の栽培環境

ビカクシダ(コウモリラン)は、明るい日陰で育てるのが理想的です。

置き場所と日当たり

  • 室内の場合は窓辺の明るい場所(明るい日陰)
  • 屋外の場合は木陰や午前中のみ日影が当たる場所(半日陰)

ビカクシダ(コウモリラン)は、明るい日陰や間接光が当たるくらいが最適な置き場所です。

直射日光を避け、特に夏場は葉焼けを防ぐために遮光対策を行います。

室内では、窓辺の明るい場所が理想的ですが、エアコンの風が直接当たらないように注意してください。

屋外で育てる場合は木陰や半日陰の場所、特に午前中の柔らかい日差しが当たる場所が理想です。

適切な温度|どれくらいの寒さまで耐えられる?

ビカクシダ(コウモリラン)は温暖な気候を好み、最適な生育温度は15℃から25℃です。

冬場は最低でも5℃以上を保つようにした方が良く、0℃以下になるとダメージを受ける可能性があります。

冬は室内に取り込み、暖房器具のすぐ近くは避けた窓辺の日当たりの良い場所での管理をおすすめします。

空中湿度が高い環境を好むため、加湿器などを活用して湿度を保つ工夫も必要となります。

用土

ビカクシダ(コウモリラン)には、水はけが良く通気性のある用土が最適です。

一般的にはミズゴケやバークチップが推奨されていて、これらの使用で根の健康が維持できます。

鉢植えの場合は、底に軽石を敷いて排水性を高めると過剰な水分が迅速に排出され、根腐れのリスクが減少します。

用土が常に湿っていると根腐れしてしまうので、基本は乾燥気味に管理してください。

水苔を使用する場合は乾燥しやすいため、頻繁な水やりが必要です。

ビカクシダ(コウモリラン)を種から育てると大変?

  • 種ではなく胞子からなら育てられる
  • 初期段階での管理が難しい
  • 成長が遅いため根気が必要

ビカクシダ(コウモリラン)は種から育てることはできませんが、胞子から育てることが可能です。

胞子から育てる際には高湿度と適度な温度が必要で、発芽後も細心の注意が求められます。

特に初期段階では、カビの発生や乾燥に注意が必要です。

ビカクシダは成長が遅いため、根気強く管理しながらその成長過程を楽しむことができます。

初心者には難しいかもしれませんが、挑戦する価値は十分にあるでしょう。

ビカクシダ(コウモリラン)の増やし方

ビカクシダ(コウモリラン)の増やし方には、大きく分けて「株分け」と「胞子による繁殖」の2つの方法があります。

それぞれの方法には特有の注意点と手順があり、適切に行うことで健康な株を増やすことが可能です。

植え替え時期はいつがいい?

ビカクシダ(コウモリラン)の植え替えは、春から初夏が最適です。

この時期は植物が活発に成長するため、植え替えによるダメージを最小限に抑えることができます。

古い土や水苔を取り除き、新しい栄養豊富な土を使用することで、株の健康な成長をサポートできるのです。

植え替え後は、適度な水やりと明るい間接光に当てましょう。

直射日光は避け、過剰な水分も管理することで、ビカクシダは新しい環境に早く順応します。

鉢替えのやり方

ビカクシダ(コウモリラン)の鉢替えには、鉢植えの場合と板などに着床させている場合で2つの方法があります。

鉢替えの際に株分けをして別々の鉢・板に着床させれば数を増やすことが可能です。

鉢植えの場合

まず植物を慎重に古い鉢から取り出し、根を優しくほぐしてから一回り大きな鉢に植え替えましょう。

排水性を確保するために鉢底石を敷き、新しい土を使ってしっかりと固定します。

板着床の場合

板着床の場合根が広がりすぎた際には新しい板に取り替えましょう

ビカクシダを慎重に取り外して水苔で根を包み、新しい板に固定すれば完了です。

どちらの場合も、鉢替え後は湿度を保ち、根が安定するように管理してください。

胞子で増やすやり方

胞子繁殖は、成熟した胞子葉から胞子を採取し、発芽させる自然な方法です。

この手法には、遺伝的多様性を維持できるメリットがありますが、発芽から成長までに時間がかかり、管理がやや難しいとされています。

  1. 胞子を採取する
  2. 胞子を水苔の上に均等に撒く
  3. 透明なビニールなどで覆い明るい場所に置く

① 胞子を採取する

胞子は、ビカクシダの葉裏に見られる茶色の斑点から簡単に採取できます。

まず、胞子葉が成熟して茶色くなったタイミングで胞子を採取し、紙などに集めましょう。

② 胞子を水苔の上に均等に撒く

採取した胞子を湿らせた水苔やピートモスの上に均等に撒き、軽く押さえて密着させまます。

③ 透明なビニールなどで覆い明るい場所に置く

発芽には高い湿度と適度な温度が必要であるため、透明なビニール袋やプラスチック容器で覆い、直射日光を避けた明るい場所に置くと良いでしょう。

その後、直射日光を避けた明るい場所で発芽を待ちます。

発芽には数週間から数ヶ月かかる場合があるため、根気強く管理するのが大切です。

発芽した後は、丁寧に水やりを行い、少しずつ成長を見守りましょう。

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