リプサリス キルベルギーの育て方

更新日 2025年12月04日

育てやすさ

初心者の方でも育てやすいのでおすすめです。

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監修者情報

株式会社HanaPrime|植物アドバイザー

覚張大季

覚張大季

植物と人との関わりに魅了され、日本各地の植物農園を見て回る。HanaPrimeの植物部門の立ち上げ後はオフィスや商業施設、個人宅など、幅広いシーンのグリーンコーディネートを数多く担当。植物の生態や特性を深く掘り下げ、それぞれの空間やライフスタイルに適したグリーン空間デザインを提案することが得意。観葉植物の世界に情熱を注ぎ、植物の価値を最大化することを使命としている。

リプサリス キルベルギーの基本情報

植物名リプサリス キルベルギー
学名Rhipsalis kirbergii
英名Bird’s Foot Cactus、Mistletoe cactus
別名森林サボテン
原産地コスタリカ、パナマ、エクアドルなど中南米
科名サボテン科
属名リプサリス
開花時期栽培環境による

リプサリス キルベルギーはコスタリカ、パナマ、エクアドルなどの中南米原産のサボテンの仲間です。

砂漠に自生する一般的なサボテンとは異なり、湿潤な環境を好み自生地では樹木の上に着生して成長します。

一般的な観葉植物のような葉は無く、ニョキニョキと茎だけを伸ばす個性的な姿が特徴です。

垂れ下がるように茎が成長するためハンギング仕立てに向いていて、存在感のあるユニークな観葉植物として人気があります。

月別栽培カレンダー

植え付け・植え替え

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肥料

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開花

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剪定

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挿し木

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種類と品種

リプサリスの品種は約60種あり、主に熱帯雨林気候地域に自生しています。

茎がひも状のものや平べったいもの、毛が生えているものなど品種によって形状が様々です。

以下でリプサリスの人気品種を紹介します。

品種茎の形状花の色毛の有無育てやすさレア度
リプサリス キルベルギー角ばったひも状クリーム色、黄色★★★☆☆★★★☆☆
リプサリス プラティクラダひし形クリーム色★★★☆☆★★★★★
リプサリス ラムローサコンブ状白、薄ピンク★★★★☆★★☆☆☆
リプサリス エリプティカひし形クリーム色★★★★☆★★★★☆
リプサリス ラウヒオルム緩い鋸葉★★★☆☆★★★★☆
リプサリス ピロカルパひも状クリーム色★★★☆☆★★☆☆☆
リプサリス エワルディアナ角ばったひも状★★★☆☆★★★★☆

リプサリス プラティクラダ

ひし形の平べったい茎が特徴のリプサリスです。

クリーム色の小さな花を咲かせます。

リプサリス ラムローサ

リプサリス ラムローサ

コンブのような多肉質で平べったい茎を伸ばします。

日光に当てると鮮やかな赤色に変色するのが特徴です。

リプサリス エリプティカ

リプサリス エリプティカ

乾燥気味に育てると赤くなる性質があります。

平べったい茎でプラティクラダに似ていますが、全体的に少し大ぶりな品種です。

リプサリス ラウヒオルム

茎の縁が緩い鋸状になるユニークなリプサリスです。

株元がたち上がるようにして伸びます。

リプサリス ピロカルパ

リプサリス ピロカルパ

白い毛に覆われたもじゃもじゃとしたひものような茎が特徴です。

砂糖をまぶしたように見えるため「フロストシュガー」とも呼ばれます。

リプサリス エワルディアナ

リプサリス エワルディアナ

角ばった細いひも状の茎を株元からたくさん伸ばします。

枝分かれがよく、わさわさと茂ってボリュームが出るのが特徴です。

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リプサリス キルベルギーの葉っぱの特徴

リプサリス属の植物は葉が退化し、茎が主要な光合成器官となっています。

リプサリス キルベルギーの茎は多肉質の角ばったひも状で、さやいんげんが連なったようなユニークな形をしているのが特徴です。

最初は三角形のひも状ですが、成長するにつれて四角形から六角形と角が多くなっていきます。

サボテン科の植物ですがトゲはないので安全です。

成長はゆっくりで茎が分岐しながら垂れ下がるように長く伸びていきます。

リプサリス キルベルギーはどんな花が咲く?

リプサリス キルベルギーはクリーム色や黄色の小さな花を咲かせます。

花は直径6~10mm程度と小さく控えめであまり目立たない印象です。

花の後には丸くて緑がかった白色の実が成り、数か月経てば種が採取できます。

開花時期は一般的に春頃とされていますが栽培環境によって異なり、暖かい室内では冬でも咲く場合も多いです。

リプサリス キルベルギーの花言葉

リプサリス キルベルギーには固有の花言葉はありませんが、リプサリス全体に共通するものとして「枯れない愛」「偉大」「温かい心」「燃える心」があります。

リプサリス キルベルギーの育て方

リプサリス キルベルギーの育て方のポイントは次の通りです。

  • 水やりは土の表面が乾いてから
  • 定期的に葉水をする
  • カイガラムシに注意する

以下で水やりや肥料のやり方、病害虫の対策などについて解説します。

水やりの頻度

リプサリス キルベルギーはサボテン科の植物ですが、砂漠に自生するサボテンよりもある程度水分を必要とします。

また、湿潤な環境を好むため葉水も行いましょう。

リプサリス キルベルギーの水やりの頻度は次の通りです。

春と夏10日に1回
2~4週間に1回
月に1回

成長期の春と秋は10日に1回程度、土の表面が乾いてからたっぷりと水をあげます。

成長が緩やかになる夏は2~4週間に1回程度、冬は休眠期なので月に1回程度もしくは水やりは不要です。

葉水

リプサリス キルベルギーは熱帯雨林に自生する植物のため湿度が高い環境を好み、茎から空気中の水分を吸収できます。

以下の頻度を目安にして葉水を行いましょう。

春と秋1~2日に1回
3日に1回
1週間に1回

夕方や夜に葉水を行うと茎が長時間濡れたままになり真菌による病気が発生する恐れがあるため、午前中または午後の早い時間帯に行いましょう。

また、冬の暖房や夏のエアコンを使用する部屋に置いている場合は室内が乾燥するため上記の目安に依らず、毎日または1日おきに葉水をしてください。

肥料のあげ方

リプサリス キルベルギーは固形の緩効性肥料を春に1回与える程度で大丈夫です。

追肥を与えなくても十分成長しますが、与える場合は成長期の春と秋にサボテン用の液体肥料を2~4週間に1回の頻度で与えて開花を促進させましょう。

開花にはリン酸を多く含んだ肥料が効果的ですが、根が繊細なため強すぎるものは控えてください。

生育が緩やかになる夏と休眠期の冬は肥料を必要としません。

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病害虫・害虫対策

リプサリス キルベルギーはコナカイガラムシやハダニが発生する場合があります。

全体的な予防としては以下のように普段から株を清潔に保ち、風通しを良くすることが大切です。

  • 風通しの良い場所に置く
  • 茂った茎は剪定をする
  • こまめに葉水を行い乾燥を防ぐ
  • 葉のホコリを拭き取る

定期的に株全体を観察し、特に新芽や茎の裏側に小さな虫がいないかチェックしましょう。

以下でそれぞれの害虫の対策について解説します。

コナカイガラムシ

  • 白い綿状の塊が特徴
  • 茎の付け根によく潜む

カイガラムシは白い綿をまとった虫で、吸汁により成長に悪影響を及ぼすので注意が必要です。

対処法は成長段階によって異なります。

刷毛や布で拭き取る
幼虫オルトランなどの殺虫剤を使用する
成虫布や歯ブラシなどでこすり落とす

カイガラムシは成虫になると硬い殻に覆われ殺虫剤が効きにくくなるため幼虫の時期に対処するのが重要です。

幼虫にはオルトランやベニカXファインスプレーなどのカイガラムシに効果のある殺虫剤を使用し、成虫は柔らかい布や葉ブラシ、ヘラなどで丁寧にこすり落とします。

カイガラムシが大量に発生している茎は思い切って剪定して被害の拡大を抑えましょう。

剪定した茎は、卵が付いている可能性もあるため袋に入れるなど注意して処分してください。

ハダニ

  • 茎の裏など潜む小さな赤い虫
  • 栄養を吸い取って生育を阻害する

茎に細かいクモの巣が張っている、小さな赤い点のようなものがついているなどの場合はハダニの可能性が高いです。

対処法は以下の通りです。

  • 粘着テープで取り除くもしくは、濡れたティッシュや布で拭き取る
  • 鉢ごと株を水に沈める

可能であれば鉢ごと水に沈める方法が一番効果的です。

頻繁に発生する場合は、異なる種類の殺ダニ剤をローテーションで使用すると薬剤抵抗性がつきにくくなります。

薬剤を使用するのに抵抗のある人はハーブの天然成分でできたニームオイルを散布するのもおすすめです。

また、ハダニは乾燥を好むため、霧吹きでこまめに葉水を与えるだけでも発生を抑制できます。

リプサリス キルベルギーの栽培環境

リプサリス キルベルギーは熱帯雨林の木漏れ日が差し込むような森の中に自生している植物のため、以下のような栽培環境が適しています。

  • 風通しが良く直射日光が当たらない場所
  • 温暖で湿潤な環境
  • 排水性の高い用土

以下でリプサリス キルベルギーに適した栽培環境について解説します。

置き場所と日当たり

リプサリス キルベルギーは風通しが良く間接光が当たる場所に置きましょう。

屋外であれば直射日光の当たらない半日陰、室内であればレースカーテン越しの窓辺に置くのが最適です。

均一に成長を促すため定期的に鉢を回転させて日光が当たる面を変えるとよいでしょう。

リプサリス キルベルギーは耐暑性がありますが直射日光には弱く、長時間さらされると葉焼けを起こすので注意してください。

湿潤な環境を好むため、エアコンによる空気の乾燥には注意しましょう。

また、耐陰性もありますがあまりに暗い場所では成長が停滞し、花が咲かない原因にもなります。

適切な温度|どれくらいの寒さまで耐えられる?

リプサリス キルベルギーの適切な温度は15〜30℃、生育に最適な温度は18〜24℃です。

耐寒温度は7℃程度で寒さに弱く、霜に当たると一発で枯れる場合もあります。

年間を通して10℃以上をキープし、屋外で管理している場合は晩秋の冷え込む時期になったら室内に取りこんでください。

リプサリス キルベルギーの土の配合比率(用土)

リプサリス キルベルギーの土の配合比率

リプサリス キルベルギーは熱帯雨林の樹木に着生する植物のため水はけの良い用土を好みます。

保水性が高い用土では根腐れを起こしてしまうので注意しましょう。

リプサリス キルベルギーにおすすめの用土の配合は次の通りです。

  • サボテン用の培養土:2.5
  • パーライト:2.5
  • ピートモス:2.5
  • 洋ランバーク:2.5

サボテン用の培養土、パーライト、ピートモス、洋ランバークを同量混ぜると排水性とある程度の保水力を備え、根の通気性も確保できる用土になります。

用土は使用している内に硬くなってくるので、定期的に新しいものに植え替えましょう。

ハンギングのやり方

ハンギング仕立ては、プラントハンガーなどの吊り下げ専用アイテムや壁掛け用の鉢を用いて壁やダクトレール、カーテンレールなどに吊るす飾り方です。

リプサリス キルベルギーは垂れ下がって成長する習性があるためハンギング仕立てや高い場所に飾るのに向いています。

ハンギング仕立てにするときは以下の点に注意しましょう。

  • 重量に注意する
  • 設置部の強度を確認する
  • 乾燥に注意する

落下の恐れがあるので土や鉢は軽量のものを使用しましょう。

また、直に置いている時よりも通気性が良くなり乾燥しやすいので、普段よりも水やりや葉水の頻度を多くする必要があります。

設置部の強度が心配な場合や吊るす場所がない場合は、自立式で安定したハンギングスタンドやハンギングポールといったアイテムもあります。

リプサリス キルベルギーを種から育てると大変?

リパリスサボテンは種からでも育成できますが、種を植えてから発芽するまで数週間から1ヶ月ほどかかり、成長がゆっくりなため双葉の期間も半年ほど続きます。

またその間、温度管理や常に土を湿った状態にしておく作業も必要です。

時間と手間がかかるため成長を楽しめる人はよいですが、そうでない人は少し大変かもしれません。

株を増やしたいのであれば後述する挿し木で増やすほうが簡単にできるのでおすすめです。

リプサリス キルベルギーの増やし方

リプサリス キルベルギーは挿し木で簡単に増やせます。

挿し木とは、カットした茎(挿し穂)を土に植えて成長させ、また新たな株にする方法です。

以下でリプサリス キルベルギーの挿し木のやり方や剪定、鉢替えについて解説します。

剪定・株分けの時期はいつがいい?

剪定は一年中いつでも行えますが、春の植え替えと合わせて行うのがおすすめです。

形を維持し分枝を促すために傷んだり、長すぎたり混み合ったりした茎を剪定します。

株分けの時期は剪定と同じで、植物が活発に成長している春に植え替えと一緒に行うのが適切です。

挿し木(挿し芽)のやり方

リプサリス キルベルギーの挿し木に使用する挿し穂は、節目(茎と茎のつなぎ目)でカットした10cmほどのものが適切です。

水やり管理には、水を張った平たいバットなどの容器に鉢を置き鉢底から水分を吸い上げる「腰水」という方法を用います。

挿し木の手順は以下の通りです。

  1. 挿し穂を乾燥させる
  2. 土に植える
  3. 腰水にする
  4. 明るい日陰で管理する

① 挿し穂を乾燥させる

挿し穂を風通しの良い日陰に置いて切り口を乾燥させ、腐敗防止のためのカルス(癒着組織)形成と発根するのを待ちます。

発根の目安は2週間から1か月程度です。

② 土に植える

発根した挿し穂を土の上に置き、軽く土を被せるようにして植えます。

用土はバーミキュライトなど水はけの良いものを使用してください。

③腰水にする

発根促進剤のメネデールを与え、腰水にします。

定期的に水を交換して清潔に保ち、時々株元からも水やりをしましょう。

④ 明るい日陰で管理する

風通しの良い明るい日陰で管理しましょう。

21〜24℃での管理が理想的です。

植え替え時期はいつがいい?

リプサリス キルベルギーは気温が上がる春頃になると活発な成長期に入るため、植え替えは3~6月が適しています。

真夏の暑さのピーク時や真冬の植え替えは株のストレスになるため避けてください。

2〜3年ごとに行うのが基本ですが、以下のような症状が出た場合は根詰まりを起こしている可能性が高いのですぐに植え替えが必要です。

  • 水やりをしてもすぐに土が乾く
  • 鉢底から根が飛び出している
  • 生育が停滞している

鉢替えのやり方

リプサリス キルベルギーの鉢替えの際は以下のものを用意しましょう。

新しい鉢一回り大きく水はけの良い鉢
用土サボテン用の培養土、パーライト、ピートモス、洋ランバークを同量混ぜ合わせたもの
鉢底ネット鉢底穴からの土の流出を防ぐため敷いておく
割りばしなどの棒用土を隙間なく充填する際に使用する

鉢替えの手順は以下の通りです。

  1. 鉢から株を抜く
  2. 根を整理する
  3. 新しい鉢に植え付ける
  4. 明るい日陰で管理する

① 鉢から株を抜く

鉢の縁を軽く叩いたり、側面を揉むようにして土と鉢の間に隙間を作り株を抜きます。

② 根を整理する

根鉢(根と土が一体になったもの)が固まっている場合は、全体の3分の1程度を目安に底の部分や周りの土を優しくほぐして落とします。

黒ずんでいる根や傷んでいる根があれば清潔なハサミで切り取りましょう。

③ 新しい鉢に植え付ける

元の鉢の植わっていた高さと株元が同じくらいになるように新しい鉢の底に土を入れ、中央に株を置きます。

割り箸などを使って軽く突つきながら株の周りに隙間なく用土を充填してください。

④ 明るい日陰で管理する

植え付け後は明るい日陰やレースのカーテン越しの柔らかな光が当たる場所で管理します。

傷ついた根から菌が入る恐れがあるため、植え付け直後は水やりをせず3日〜1週間ほど経ってからたっぷりと水を与えてください。

また、植え付け後の肥料は1ヶ月ほど経って根が活着してから与えましょう。

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