スキンダプサス トレビーの育て方
公開日 2025年11月10日
更新日 2025年11月10日
育てやすさ
初心者の方でも育てやすいのでおすすめです。
監修者情報
覚張大季
植物と人との関わりに魅了され、日本各地の植物農園を見て回る。HanaPrimeの植物部門の立ち上げ後はオフィスや商業施設、個人宅など、幅広いシーンのグリーンコーディネートを数多く担当。植物の生態や特性を深く掘り下げ、それぞれの空間やライフスタイルに適したグリーン空間デザインを提案することが得意。観葉植物の世界に情熱を注ぎ、植物の価値を最大化することを使命としている。
スキンダプサス トレビーの基本情報
| 植物名 | スキンダプサス トレビー |
| 学名 | Scindapsus pictus Trebie |
| 英名 | Satin pothos |
| 別名 | シラフカヅラ |
| 原産地 | 東南アジア、マレー諸島 |
| 科名 | サトイモ科 |
| 属名 | スキンダプサス属 |
スキンダプサスの一種である「スキンダプサス トレビー」は、ほかの品種と比較すると葉が大きめなので、ボリュームのある観葉植物を探している方におすすめです。
ピクタスと呼ばれる最も一般的なスキンダプサスと見た目が似ていて、葉にシルバーの斑が入っています。
見た目の華やかさからインテリアとしても人気があり、植物を育てるのが初めての方でも育てやすい品種のひとつです。
月別栽培カレンダー
植え付け・植え替え
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肥料
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種類と品種
スキンダプサスの仲間には、トレビーのほかにピクタスとオルモストシルバーがあります。
それぞれの特徴を理解し、トレビーとの違いを比較しながら気になる品種を見つけてみてください。
| 品種 | 葉っぱの色 | 斑 | 葉っぱの大きさ | 育てやすさ | レア度 |
|---|---|---|---|---|---|
| トレビー | 深緑色 | あり | 約22~50cm | 初心者向け | ★★ |
| ピクタス | 深緑色 | あり | 約15~25cm | 初心者向け | ★ |
| オルモストシルバー | シルバーグリーン | なし | 約15~25cm | 初心者向け | ★★★ |
ピクタス

最も多く見られるスキンダプサスの品種なので、選び方に悩んだ際にはまずピクタスから手に取ってみると良いでしょう。
見た目はトレビーとほとんど変わりませんが、唯一葉っぱの大きさだけがはっきりと異なります。
大きな葉が特徴的なトレビーに比べて葉のサイズは少し小さめなので、スキンダプサスのなかでも小ぶりなものを求める場合はピクタスがぴったりです。
オルモストシルバー
「シルバーリーフ」と呼ばれる葉を持ち、ほかの品種にあるようなシルバーの斑が一切入っていない点が特徴です。
葉全体がシルバーがかった色をしているので、光に当たるとキラキラと輝いて見えて高級感があります。
斑の無いシンプルなスキンダプサスを育てたい場合は、オルモストシルバーがおすすめです。
スキンダプサス トレビーの葉っぱの特徴

スキンダプサス トレビーは、一般的なスキンダプサスであるピクタスに比べて葉のサイズが大きい点が最大の特徴です。
大きさは22〜50cmほどと成長の幅も非常に広いため、トレビー同士でも見た目に個性が出やすい傾向にあります。
葉の形はハートのような形をしていて、葉の表面にはシルバーの斑が入っているので、インテリアとして飾っても華やかさをプラスする存在として人気です。
スキンダプサス トレビーの花言葉
スキンダプサスの花言葉は、品種を問わずすべて共通して「小さな愛」です。
スキンダプサス トレビーの育て方

スキンダプサス トレビーを育てる際に注意する点は、主に以下の通りです。
- 鉢の内部の土がしっかりと乾いたタイミングで水をやる
- 日当たりと風通しに優れた場所で育てる
- 温度は最低でも10℃以上を維持する
水やりの頻度
スキンダプサス トレビーの水やりは、基本的には鉢の内部の土が完全に乾いたタイミングで実施します。
とくに生育期にあたる春や夏の時期には、土の乾きを感じたらすぐに鉢底から溢れるほどたっぷりの水を与えてください。
一方で秋冬の時期は、土が乾いてから2〜3日経ったタイミングで水やりをします。
生育期と比較すると水やりの頻度は少ないものの、葉や茎が乾燥しやすい季節なので葉水は行ってください。
肥料のあげ方
肥料は、生育期の時期のみ与えるようにします。
与える肥料の種類は置き肥か液肥を選び、置き肥の場合は2か月に一度、液肥の場合は2週間に一度のペースで水に薄めたものを与えるのがベストです。
しかし、スキンダプサス トレビーは肥料が必須となる植物ではありません。
そのため成長の様子をよく観察し、葉や茎に張りが無かったり萎びていたりと植物の元気が足りないと感じたタイミングで必要に応じて与えると良いでしょう。
病害虫・害虫対策
スキンダプサス トレビーを育てるうえで対策が必要となる病害虫や害虫には、ハダニやアブラムシ、カイガラムシなどが挙げられます。
それぞれの虫の特徴や予防法などを事前によく理解しておくと、より健康で丈夫なスキンダプサス トレビーを育てることができるでしょう。
ハダニ
- クモの巣のような糸状のものが葉や茎に付着する
- 葉に斑点や傷があらわれる
繁殖力が非常に高い「ハダニ」は、放っておくと一気に増えて非常に大変なので、見つけ次第早めの対処が重要となります。
ハダニの影響に気付いたら傷んだ葉や茎をなるべくカットして取り除き、異常が見られる部分は水で丁寧に洗い流したりと、早めの処置を実施しましょう。
殺虫剤をはじめ、薄めた牛乳や酢などの噴霧が有効的です。
アブラムシ
- 新芽の萎縮や葉の縮れ、葉や茎のべたつきが発生する
- 葉の裏に虫が付着する
「アブラムシ」も、ハダニと同様に繁殖力が高いため早めの対処が重要です。
新芽が委縮したり葉が縮れたりと、ボリュームのある葉が特徴的なスキンダプサス トレビーにとって厄介な害虫なので注意してください。
発見後は速やかに付着したアブラムシや縮れた葉を取り除き、殺虫剤や薄めた牛乳などを噴霧して対処します。
また、日頃から剪定を実施して枝葉の風通しを良くしておくと発生を防ぐことができるのでおすすめです。
カイガラムシ
- 枝や葉に貝殻状や粉状の物質が付着する
- すす病の発生や、葉や茎のべたつきが見られる
枝や葉に貝殻状や粉状の物質が付着し、植物全体に黒いカビが広がる「すす病」などが見られたら、その原因は「カイガラムシ」である可能性が高いです。
見つけたらブラシや布などを使用してカイガラムシを擦り落とし、剪定を実施して枝葉の風通しを良くします。
繁殖力はもちろん薬剤耐性もある害虫なので、殺虫剤のみならず薄めた牛乳や酢、重曹と水を混ぜた液体などさまざまな方法を試して対策を実施しましょう。
植え方・仕立て方

スキンダプサス トレビーは、インテリアとしても人気が高い植物なので、植え方や仕立て方次第で個性を出すことができます。
シンプルに床置きタイプの植木鉢に植える場合は、インテリアに馴染む色合いやデザインの鉢を選ぶと良いでしょう。
また、スキンダプサス トレビーは葉や茎を下へと垂らしながら成長する植物なので、高い場所から吊るして栽培する「ハンキング」もおすすめです。
スキンダプサス トレビーの栽培環境

より丈夫で健康なスキンダプサス トレビーを育てるためには、適切な栽培環境が重要となります。
適した置き場所や日当たり、成長に必要な温度や用土などをしっかりと理解して整えてみてください。
置き場所と日当たり

スキンダプサス トレビーは耐陰性がある植物ですが、日当たりの良い場所を好みます。
強い直射日光に当たり続けると葉焼けを起こしてしまう恐れがあるため、レースカーテン越しに日光を浴びられる窓際が最も適切です。
窓際が難しい場合は、室内のなかでも極力明るくて風通しが良い場所を選ぶと良いでしょう。
適切な温度|どれくらいの寒さまで耐えられる?
寒さにはあまり強くないため、栽培環境の温度は10℃を下回らないように注意してください。
とくに冬場の寒さには耐えられないので、低い温度が続くとだんだんと葉が枯れてしまいます。
窓際に置いている場合は、外気が冷える季節にはなるべく部屋の暖かくて明るい場所へと移動させるようにしましょう。
スキンダプサス トレビーの土の配合比率(用土)

根腐れや根詰まりといったトラブルを防ぐため、スキンダプサス トレビーを栽培する際に使用する用土は、必ず水はけに優れたものを選びます。
観葉植物用に市販されている培養土、または赤玉土とピートモス、パーライトの比率が6:3:1となるように配合した土がとくにおすすめです。
スキンダプサス トレビーを種から育てると大変?
園芸店やホームセンターなどで扱われているスキンダプサス トレビーは、ある程度苗が成長した状態であることがほとんどです。
種から育てるのは専門的な知識や技術が必要となるため、一般家庭で育てるのは難しくて大変だとされています。
スキンダプサス トレビーの増やし方

スキンダプサス トレビーを増やす場合には「挿し木」や「水耕栽培」といった方法が適しています。
どちらも剪定や植え替えをする際に合わせて実施するのが一般的です。
剪定・株分けの時期はいつがいい?
植物の剪定や株分けは、基本的に生育期に実施すると良いとされています。
スキンダプサス トレビーの場合も生育期となる5〜10月頃が適しており、そのなかでも新芽が出る5〜7月頃を選ぶとベストです。
切り戻し剪定のやり方
スキンダプサス トレビーのようにボリュームが出やすい植物は、定期的に「切り戻し剪定」を実施して見た目を整えてあげるのがおすすめです。
枝葉を減らして風通しを良くすると、虫の発生を予防することにも繋がります。
全体のバランスを見ながら不要な枝の根元、または3分の1ほどの長さでカットして理想の見た目に近づけていきましょう。
挿し木のやり方
スキンダプサス トレビーを挿し木によって増やす際のやり方は以下の通りです。
- 剪定時に、挿し木に使用するための茎をカットする
- カットした茎の葉を剪定し、5~10分水に浸ける
- 株を土に挿して管理する
① 剪定時に、挿し木に使用するための茎をカットする
挿し木をするためには、まず同じタイミングで先に剪定を実施します。
剪定時に健康な茎を選んだら、なるべく10cm以上の長さでカットしてください。
目安としては2~3節ほどを残すイメージで、節ごとにカットします。
② カットした茎の葉を剪定し、5~10分水に浸ける
カットした茎に葉が多くついている場合は、ある程度見た目がすっきりと整うまで葉を剪定します。
葉は多すぎても少なすぎても成長に影響が及んでしまうので、適度に加減しながら剪定をしてください。
剪定を終えたら活力剤を混ぜた水に5〜10分ほど浸けて、株全体に栄養を届けます。
③ 株を土に挿して管理する
株に十分栄養が行き渡ったら、事前に用土を入れておいた容器に挿して新芽が出るのを待ちます。
新芽が出るまでの間はそのまま放置していても問題ありませんが、なるべく早めに成長させたい場合は容器ごと袋に入れて密封すると良いでしょう。
水苔を使った挿し木のやり方
スキンダプサス トレビーは、水苔を使用した挿し木の方法である「水耕栽培」でも増やすことが可能です。
株の長さが一節ほどの短い場合でも実施でき、土を使用しないため周りを汚す可能性が低いので、通常の挿し木よりも手軽にできます。
- 水を含ませた水苔に株を埋める
- 水苔が乾かないように注意しながら成長を待つ
① 水を含ませた水苔に株を埋める
事前に水苔にしっかりと水を含ませて絞り、株が入る大きさの容器に入れておきます。
挿し木用に取り分けたスキンダプサス トレビーの節となる部分を水苔に埋めて、よく密着させてください。
② 水苔が乾かないように注意しながら成長を待つ
発根や新芽の成長を促進するためには、水苔が乾燥してしまわないようにすることが何より大切です。
容器が蓋やラップなどで密封できる場合はなるべく密封して、乾きを感じたら定期的に水を与えて湿度を管理しましょう。
無事に根や芽が生えてきたら、水苔から取り出して用土を入れた容器へと植え替えます。
植え替え時期はいつがいい?
植え替えは、スキンダプサス トレビーが一番元気な時期に実施するのが理想です。
そのため5〜10月頃の生育期を目安に、なるべく早朝や夕方といった涼しい時間帯に実施しましょう。
根詰まりを防ぐためにも、2〜3年に一度は必ず現状よりひと回り大きな鉢へと植え替えをしてください。
鉢替えのやり方
植え替えの際には、基本的に鉢も新しくする「鉢替え」も同時に実施します。
それまで使っていた鉢よりもひと回り大きなサイズの鉢へと株を植え替えて、根詰まりをはじめとした根のトラブルをしっかりと予防しましょう。
- ひと回り大きな鉢を用意し、植え替えるための準備をする
- 不要な土を払い落としながら株を植え替える
① ひと回り大きな鉢を用意し、植え替えるための準備をする
植え替えの際、実際に株を取り出してから慌ててしまわないように、新しい鉢の準備は事前にひと通り済ませておきます。
新しい鉢の鉢底には必要に応じてネットや鉢底石などを敷き、鉢の半分程度まで用土を入れておきましょう。
② 不要な土を払い落としながら株を植え替える
古い鉢から新しい鉢に株を移動させる際には、まず株についた不要な土を払い落とすのがおすすめです。
根が切れたり傷ついたりしてしまわないように注意しながら、適度に土を落とした株を新しい鉢の中央に入れて土を被せます。
株をしっかりと固定したら、仕上げにたっぷりと水を与えることで、植え替えと鉢替えの完了です。

