サンスベリア ローレンチの育て方
育てやすさ
初心者の方でも育てやすいのでおすすめです。
サンスベリア ローレンチの基本情報
植物名 | サンスベリア ローレンチ |
学名 | Sansevieria trifasciata Laurentii |
和名 | 千歳蘭(ちとせらん) |
英名 | Snake plant |
別名 | 虎の尾(とらのお) |
原産地 | 熱帯アフリカ、熱帯アジア |
科名 | リュウゼツラン科/キジカクシ科 |
属名 | サンスベリア属 |
開花時期 | 4~9月(ただし花を咲かせるのは稀) |
サンスベリア ローレンチは、虎の尾という別名を持つサンスベリア属の一種です。
数あるサンスベリア属の中でも、もっともポピュラーな品種であり「サンスベリア」という名前で売られていることもしばしばあります。
葉っぱは大きく成長する傾向にあり、標準でも50cm〜60cm程度、状態が良ければ1mを超えることも少なくありません。
親株から子株をたくさん出すため、上手く育てれば縦横にかなりのボリュームが出る植物でもあります。
サンスベリア ローレンチは非常に育てやすく、他の観葉植物と比べても手間いらずです。
月別栽培カレンダー
種まき
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植え付け・植え替え
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肥料
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種類と品種
サンスベリア ローレンチは、サンスベリア属の代表的な品種です。
もともとサンスベリア属は70種くらいでしたが、品種改良や亜種(分布域によって別種類のように育つこと)の派生によりその数はどんどん増えていると言われています。
サンスベリア ローレンチは葉っぱの形が剣型ですが、他のサンスベリア属には葉っぱが円筒形のものもあり、葉っぱの付き方も多種多様です。
以下でサンスベリア属の代表的な品種を、葉っぱの形や枚数ごとに紹介します。
葉っぱの枚数 | 葉っぱの形が剣型 | 葉っぱの形が円筒形 |
---|---|---|
1枚~3枚 | サンスベリア マッソニアーナ | サンスベリア スタッキー |
複数枚 | サンスベリア ローレンチ サンスベリア ゼラニカ サンスベリア ハニー など | サンスベリア ボンセレンシス サンスベリア キリンドリカ サンスベリア ミカド など |
ローレンチとゼラニカの違い
この中でも、サンスベリア ゼラニカは、よくサンスベリア ローレンチと混同されやすい品種です。
非常に似た見た目をしていますが、見分けるポイントは葉っぱのフチの色・全体の色合い・厚みになります。
品種 | サンスベリア ローレンチ | サンスベリア ゼラニカ |
---|---|---|
葉っぱのフチ | 黄緑色のフチあり | フチなし |
葉っぱ(縞模様)の色合い | 明るい緑色×緑色 | 深緑色×白色 |
葉っぱの厚み | 多肉のように厚みがある | 厚みはあるが剣状で薄め |
サンスベリア ローレンチの花の形
サンスベリア ローレンチは、ごく稀ながら上手く育てると春頃に白い花を咲かせます。
葉と葉の間から細長い土筆のような茎が出てきたら、それが花芽です
つぼみは、1つの花芽に対して複数つきます。
花の形は花びらがカールしていて、めしべやおしべもあり、ちょうど細長くなったユリを思わせる姿です。
ダイナミックに伸びる葉っぱとは打って変わり、花は繊細で可愛らしい印象を与えます。
また、サンスベリア ローレンチは花からは上品な甘い香りが漂うことでも有名です。
サンスベリア ローレンチの葉っぱの形
サンスベリア ローレンチの葉っぱは、英名でSnake plantと言われるとおり、太く長く帯状で少しウネウネとした剣のような形をしています。
サンスベリア ローレンチは、サンスベリア属の中でも大きく育つ品種の一つです。
成長すると長さ50〜60cmほどになり、中には1mを超えるインパクトある姿に育つものもあります。
サンスベリア ローレンチの花言葉
サンスベリア ローレンチには「不滅」や「永久」という花言葉がつけられています。
サンスベリア ローレンチの真っすぐ上に向かって伸びる葉っぱや、乾燥に強いという特徴がみなぎる生命力を想起させるでしょう。
サンスベリア ローレンチの育て方
サンスベリア ローレンチは、基本的に水やりさえしていれば元気に育つため、育て方に特別なコツはいりません。
さらに、水やりを忘れてしまってもすぐに枯れるということはないため、園芸初心者でも簡単に育てられるでしょう。
サンスベリア属の中でも比較的成長が早く、育てていれば日頃の手入れが結実したかのような達成感も味わえます。
水やりの頻度
サンスベリアの水やり頻度は、生育期はこまめに行い、冬場など寒い時期は基本的に断水します。
サンスベリア ローレンチの場合、水やりは土の表面が乾いてから2、3日後に与えるようにしてください。
こうすることで、鉢の中がずっと湿った状態になるのを防ぎ、根腐れ予防になります。
冬場の水やり
気温が10℃を下回ったら水やりは控えましょう。
与えるとしても月1回程度にとどめます。
ただし、冬場でも室温が20℃前後ある室内で管理する場合は、サンスベリア ローレンチの活性が落ちないため、普段通りに水やりをしましょう。
肥料のあげ方
サンスベリア ローレンチをはじめ、サンスベリア属は、肥料を与えずとも元気に育つ植物です。
しかし、株が丈夫になることはメリットが多く、大きな葉っぱを楽しむ、冬の寒さに負けないよう強く育てたい、花を咲かせたいという思いがあるなら肥料は欠かせません。
肥料の種類は置き肥、液肥のどちらでも使えますが、リン酸やカルシウムを多く含む緩効性のものはサンスベリア ローレンチとも相性が良いです。
肥料を与える期間は4月頃〜10月頃までとし、冬の間は控えます。
葉っぱの手入れ
サンスベリア ローレンチは水を与える機会が減ると葉っぱに埃が溜まりやすくなるので、定期的に布などで拭き上げる必要があります。
特に冬場は水やりの回数が少なくなるので、濡れた柔らかい布で葉っぱをやさしく拭いてあげましょう。
埃を除去することで光合成がしやすくなる他、葉っぱのツヤもよくなります。
葉の伸びすぎに注意|原因と対処法
サンスベリア ローレンチの葉っぱは、生育環境が良くても悪くても伸びすぎることがあります。
それぞれ対処法が異なるため、原因と解消法については以下を参照してください。
環境の違い | 原因 | 対処法 |
---|---|---|
生育環境が良い場合 | 元気よく育っている | 光の当たりづらい場所に移動水やりも控えめにする肥料は与えない |
生育環境が悪い場合 | 徒長している | 光の当たりやすい場所に移動適宜、水やりを行う生育期にしっかり肥料を与える |
サンスベリア ローレンチが生育環境の良い場所で伸びすぎる場合、成長スピードを緩める必要があります。
日光の量を減らして水やりを控えれば、サンスベリア ローレンチは葉っぱを成長させるエネルギーを生命維持のために使い、葉っぱの伸びすぎが防げるでしょう。
一方、生育環境が悪い場合は、対処法として置き場所の変更や剪定を行ってください。
葉っぱは、一度徒長してしまうと、元に戻ることはありません。
日当たりを良くすることはもちろん、伸びきった葉っぱはカットしてしまいましょう。
病害虫・害虫対策
サンスベリア ローレンチには、気にしておくべき病気や害虫は特にありません。
長期間、水やりを忘れてしまっていても問題なく育つでしょう。
さらに、葉っぱが硬く虫を寄せ付けづらいため、病害虫対策の基本でもある葉水も必要ありません。
種まきと植え方
サンスベリア ローレンチは、基本的に株分けや葉挿しで増やしていく植物なので、種まきの必要はありません。
植え方でポイントとなるのは、通気性と排水性の維持です。
乾燥を好むサンスベリア ローレンチのために、植える際には以下のポイントに気を付けましょう。
- どんな鉢を使ったとしても必ず鉢底石を入れる
- 株に対して大きすぎる鉢を選ばない
- 鉢は素焼きやスリット鉢のような通気性の良いものを使う
- 鉢と受け皿の間に隙間ができるよう工夫する
サンスベリア ローレンチは、管理の仕方によって根腐れを起こすことがあり、水やりの後は、いつまでも土が湿った状態にならないような工夫をしましょう。
根腐れ防止にクッションシールがおすすめ
排水性あげる方法として、鉢の底にクッションシールを3、4箇所貼るのがおすすめです。
こうすることで、土から水がきちんと排水され、鉢内に湿気がこもるのを防げます。
クッションシールは100均のDIYやインテリアコーナーで手軽に入手可能です。
サンスベリア ローレンチの栽培環境
サンスベリア ローレンチに最適な栽培環境は、適度に光が差し込む風通しの良い空間です。
サンスベリア ローレンチは耐陰性に優れ乾燥にも強いため、他の観葉植物ほど置き場所を選びません。
しかし、寒さや湿気に弱いという性質を無視した置き場所におくと、最悪の場合、枯れてしまうことがあるため注意が必要です。
置き場所と日当たり
サンスベリア ローレンチにおすすめの置き場所は、風通しがよく適度に日の光が差し込む空間です。
おすすめの置き場所
- 朝日が入る寝室の窓際
- リビングやダイニングの一角
- 玄関周り
窓の開け閉めや人の往来がある空間は空気が循環しやすく、乾燥を好むサンスベリア ローレンチにとって良い栽培環境です。
耐陰性もありますが、日の光も成長するために欠かせないため、窓に近い場所だとベストです。
また、サンスベリア ローレンチは、空気清浄効果やマイナスイオン発生効果にも注目されています。
風水的にも縁起の良い植物なので、寝室や玄関におくインテリアプランツとしてもおすすめです。
適切な温度|どれくらいの寒さまで耐えられる?
サンスベリア ローレンチを元気いっぱいに育てるなら、冬場でも気温は15℃以上をキープするよう努めてください。
サンスベリア ローレンチは寒さに弱く、気温が15℃を下回る空間では生育が止まり、10℃を下回り始めると枯れるリスクが高まると言われています。
つまり、日本の冬の寒さを考えると、サンスベリア ローレンチを通年屋外で育てることは難しく、日頃から室内で育てるのがおすすめです。
スペース的にどうしても屋外で育てる必要があるなら、夏が終わったタイミングでれば早々に部屋の中にいれてあげてください。
用土
サンスベリア ローレンチにおすすめの土は、排水性が高く通気性に優れた用土です。
サンスベリア ローレンチは丈夫なため、基本的にどんな用土でも元気に育ってくれますが、配合によってはさらに丈夫に大きく育ちます。
排水性に優れた鹿沼土や赤玉土は、サンスベリア ローレンチの成長に必要なリン酸やカルシウム系の栄養も補う相性の良い用土です。
自分で土をブレンドするのは難しい、もしくは小さな鉢植えでサンスベリア ローレンチを育てたいなら、園芸店やホームセンターなどで売られているサンスベリア専用の用土を活用しましょう。
サンスベリア ローレンチの開花時期
サンスベリア ローレンチの花は他のサンスベリア属と同様に白色で、開花している間も夜しか花を咲かせません。
花が咲いている間は上品で独特な甘い香りをはなち、匂いにつられてアリなどの虫が多数寄ってくることでも知られています。
開花時期は4~7月
サンスベリア ローレンチの開花時期は暖かくなりだす4月頃から7月頃までです。
気温が15℃以上を上回る日々が続いたら、花芽が葉の間から顔を出してくるでしょう。
さらに、空調管理の徹底された室内であれば、開花時期はより早くなります。
サンスベリア ローレンチの花が咲かない原因は?
サンスベリア ローレンチの花が咲かない原因は、株に花を咲かせる元気や余力がないからです。
サンスベリア ローレンチの花が咲く条件には以下のようなものがあります。
- 数年育った大きな株であること
- 子株をたくさん出している
- 1年中暖かい空間で育てられている
一般的に、花を咲かせることは子孫を残すための手段ですが、子株を出して仲間を増やすサンスベリア属にこの考え方は当てはまりません。
つまり、サンスベリア ローレンチが花を咲かせるのは、株の状態がよく花芽を出せるほど活力がみなぎっているからです。
花が咲く可能性を高めたい場合は、肥料を上手く使い、暖かな場所で管理し、定期的に鉢替えを行うなどして株を大きくしましょう。
サンスベリア ローレンチの増やし方
サンスベリア ローレンチの増やし方は、株分けと水挿しの2つです。
丈夫な観葉植物であるため、温度管理や栽培環境に気を付ければ、剪定・株分け、植え替えはいつでもチャレンジできます。
どの増やし方でも蒸れを防ぐことが成功率を高めるポイントです。
ちょっとした一工夫で植え付け後の育ちっぷりが変わるため、しっかりとコツをおさえましょう。
剪定・株分けの時期はいつがいい?
サンスベリア ローレンチの剪定・株分けに良いとされる時期は、春先から初夏と、晩夏から初秋です。
いわゆる生育期にあたる5月〜9月が望ましいですが、その中でも暑さがピークを迎える時期は土の中に熱がこもり、湿気も溜まりやすいため避けましょう。
暖かく暑すぎない時期であれば、比較的いつでもチャレンジできます。
葉挿しのやり方
サンスベリア ローレンチの葉挿しのやり方は以下のとおりです。
- 葉っぱを一枚、根元からカットする
- カットした葉を5cm~10cmくらいの長さで等分する
- 葉っぱを乾燥させる
- 土に埋め、切り口から根っこが伸びたら植え付ける
① 葉っぱを一枚、根元からカットする
② カットした葉を5cm~10cmくらいの長さで等分する
カットした葉っぱの天地を間違わないように、根っこがあった方の切り口にマーカーで目印を書いておきましょう。
③ 葉っぱを乾燥させる
この時に日の当たらない風通しの良い場所で十分乾燥させるのが成功の秘訣です。
④ 土に埋め、切り口から根っこが伸びたら植え付ける
伸びた時に転倒しないよう、1/3~半分くらいを土に埋めておきます。
埋めてすぐの水やりは不要です。
土に挿してすぐだと根が水を吸い上げないため、水やりの意味がありません。
葉挿しから1ヶ月をめどに、葉っぱを軽く引っ張るなどして根っこが活着したことを確認してから与えるようにしましょう。
水挿しのやり方
水挿しは切り取った葉っぱや茎を水に挿して発根させる増やし方です。
サンスベリア ローレンチの水挿しのやり方は、以下の2つがあります。
- 葉っぱをカットする方法
- 株分け時に子株を切り離す方法
葉っぱをカットする方法
まず、葉っぱをカットする方法は、伸びた葉っぱを切って水挿しに使います。
根元から2cm〜3cm上のところを、切れ味のいいハサミやカッターを使ってカットしてください。
株分け時に子株を切り離す方法
株分け時に子株を切り離す方法は、小さな子株を丸ごと水挿しに使います。
いずれの方法も、茶色かったり元気のない根っこは、水挿しにする前に取り除いておくのがコツです。
さらに、水に浸ける前に数日間、日陰でしっかり乾燥させればよりいっそう発根が促されます。
植え替え時期はいつがいい?
剪定・株分けと同様、植え替えも生育期にあたる5〜9月に行います。
植え替えはなるべく、植え付けた後の株にストレスを与えないようにしましょう。
日差しや暑さが厳しくなる7月末〜8月中旬は、植え替え後の株が安定するまでに暑さでやられてしまう可能性もあるので避けた方が無難です。
気温が15℃以上で快適に過ごせる気候だと、サンスベリア ローレンチの植え替えもスムーズにいくでしょう。
鉢替えのやり方
サンスベリア ローレンチはほっておくと子株で鉢がパンパンになってしまいます。
置き場所に困らないのであれば、1年に1回は鉢替えをするようにしましょう。
鉢替えのやり方は以下のように進めます。
① 土がカラカラに乾いた状態でスタート
株を抜き取りやすいように、事前に水やりを控えて土をカラカラに乾いた状態にしておきましょう。
② 土を落とし不要な根っこはカットする
根っこに絡みついた土を落としたら、元気な根っこを残して他をカットします。
根っこを傷つけないようにすることと、根を剪定する場合は葉っぱの大きさの1/3程度の長さを残すようにすることです。
③ 新しい鉢に植え替える
③ 植え替えた後は水を切らさないように管理する
乾燥気味に育てるサンスベリア ローレンチですが、植え替え後だけは根が張るのを促進させるためにしっかり水をやりましょう。