スパティフィラム ドミノの育て方
公開日 2025年12月10日
更新日 2025年12月10日
育てやすさ
育て方の難易度は普通レベルです。
監修者情報
覚張大季
植物と人との関わりに魅了され、日本各地の植物農園を見て回る。HanaPrimeの植物部門の立ち上げ後はオフィスや商業施設、個人宅など、幅広いシーンのグリーンコーディネートを数多く担当。植物の生態や特性を深く掘り下げ、それぞれの空間やライフスタイルに適したグリーン空間デザインを提案することが得意。観葉植物の世界に情熱を注ぎ、植物の価値を最大化することを使命としている。
INDEX
目次
スパティフィラム ドミノの育て方
スパティフィラム ドミノは、水を大変好む性質を持ち、たっぷり水をやりすぎても枯れにくいため基本的に育てやすいです。
水やりの頻度がわからず、ついついあげすぎてしまう人でも心配ありません。
水やりの頻度
スパティフィラム ドミノの水やりは、季節を問わずたっぷり与えるのが基本です。
- 気温が20℃を上回る春~秋:1~3日に1回
- 気温が15℃を下回る冬場:~1週間に1回程度
気温が20℃を超える春~秋にかけては、土が乾きやすい場所で管理するなら毎日与えてもかまいません。
冬場は植物の活性が下がる時期であまり水を必要とせず、やりすぎると根腐れが起こるため注意しましょう。
スパティフィラム ドミノは中型の品種であり、株自体が水を貯える量も多いです。
気温が15〜20℃の間の水やり頻度は3~6日の間に1回を目安に、慣れない間は葉っぱがしおれてからあげるなどして調整してください。
肥料のあげ方
スパティフィラム ドミノは、花芽をたくさん付けるのと美しい斑を維持するために、積極的に肥料を与えた方が良い植物です。
春〜秋の生育期は緩効性の置き肥や液肥を与えましょう。
肥料をやりすぎると斑の模様が消える原因になるので、頻度も量も、肥料のラベルに書いてあるメーカーが指定した規定量は守るようにしてください。
病害虫・害虫対策
スパティフィラム ドミノは、油断すると害虫がついてしまう場合があります。
水やりの際に葉っぱにも水をかけるだけで簡単に寄生を防げますが、室内で管理している場合は、水を撒くようなやり方はできません。
以下に、代表的な害虫であるカイガラムシとハダニの特徴、対策方法をまとめました。
カイガラムシ
- 風に乗ったり衣服などに付着したりして移動する
- 寄生された葉っぱは触り心地がベタベタになる
- 大量発生するため放置は厳禁
カイガラムシは、代表種の体長が2〜10mm程度と小さく、貝殻を背負うような見た目をしていることから名付けられています。
幼虫には殺虫剤が使えますが、卵や成虫には薬が使えず大量発生してしまうと簡単に駆除しきれません。
歯ブラシや箸、ピンセットなどをつかって物理的に引きはがすか、植物全体に寄生されてしまった場合は剪定して駆除しましょう。
ハダニ
- 風に乗って移動する
- 葉っぱに白い小さな穴が開いたら要注意
- 植物の養分を吸い取って最悪の場合枯らしてしまう
ハダニは体長が0.3〜0.8mmとカイガラムシよりも小さいため肉眼で見つけるのは難しく、植物に小さな蜘蛛の巣ができているのを見つけて寄生に気づくことが少なくありません。
ハダニは、水に弱いため窒息させるのが一番の駆除方法になります。
より手軽に駆除するなら、水か牛乳と木酢液を1:1の割合で混ぜた液体をスプレーボトルに入れて散布する方法がおすすめです。
可能であれば、水をはった大きめのバケツに鉢ごと沈めてしまう方法もあります。
スパティフィラム ドミノの基本情報
| 植物名 | スパティフィラム ドミノ |
| 学名 | Spathiphyllum ‘Domino’ |
| 和名 | ササウチワ |
| 英名 | Spathiphyllum Domino |
| 原産地 | 熱帯アメリカ |
| 科名 | サトイモ科 |
| 属名 | スパティフィラム属 |
| 開花時期 | 5~10月 |
スパティフィラム ドミノは、葉っぱに細かな白い斑の入ったスパティフィラムの一種です。
大きさはスパティフィラム属の中でも中くらいで、室内管理すれば、部屋の中でも存在感をはなってくれるでしょう。
耐陰性に優れていて、日光浴をさせずとも蛍光灯の光だけでも元気に育ちますが、美しい斑を維持するのには少々育て方にコツがいります。
また、より多くの花を咲かせるための置き場所と育て方についてもみていきましょう。
月別栽培カレンダー
植え付け・植え替え
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肥料
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開花
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種類と品種
他の品種であるスパティフィラム センセーションや、スパティフィラム バリエガータなどと比較するとその違いが分かりやすいでしょう。
全体の大きさと、それぞれの特徴が出やすい葉っぱの大きさと色合いについてまとめると以下の通りです。
| 品種名 | サイズ感 | 葉の大きさ | 葉の色合い | 斑入り |
|---|---|---|---|---|
| スパティフィラム ドミノ | 中型 | 20cmほど | 薄緑 | 〇 |
| スパティフィラム メリー | 小型 | ~15cmほど | 深緑 | × |
| スパティフィラム スーパーメリー | 大型 | 20~40cmほど | 深緑 | × |
| スパティフィラム センセーション | 大型 | 20~40cmほど | 薄緑 | 〇 |
| スパティフィラム バリエガータ | 大型 | 50~60cmほど | 深緑 | 〇 |
スパティフィラムは同じような見た目でも細かく品種が分かれています。
スパティフィラム メリー
スパティフィラムの中でも小型な品種です。
卓上でも管理できるくらいのサイズ感で、インテリアグリーンとしても重宝します。
スパティフィラム スーパーメリー
スパティフィラムの大型品種です。
花つきがよく、他の品種よりもたくさんの花を咲かせやすいといった特徴があります。
スパティフィラム センセーション

スパティフィラムの大型品種で、成長が早いのが特徴です。
部屋に、大きいサイズの観葉植物を置きたい場合に重宝するでしょう。
スパティフィラム バリエガータ
特徴的な斑の入ったスパティフィラムの大型品種です。
葉っぱは、ベースが白で筋が入るように深緑のラインが入った幻想的な模様をしています。
スパティフィラム ドミノはどんな花が咲く?
スパティフィラム ドミノには、他のスパティフィラムと同じように白い花が咲きます。
花の本体は黄色い肉穂花序(にくすいかじょ)であり、白い花びらのように見える仏炎苞(ぶつえんほう)は厳密にいえば葉っぱの一部が変化したものです。
その美しさからスパティフィラム愛好家の間では、この仏炎苞も含めてスパティフィラムの花であると認識されています。
スパティフィラム ドミノの葉っぱの特徴
スパティフィラム ドミノの葉っぱ最大の特徴は、斑が入っている模様です。
斑は生育条件によって異なった模様が入るため個体差が現れる部分でもあり、葉っぱの1枚ずつに個性が出て見た目におしゃれで愛着も沸くでしょう。
スパティフィラム ドミノの斑を綺麗に出すには日光浴が欠かせません。
スパティフィラム ドミノの花言葉
スパティフィラム ドミノの栽培環境
スパティフィラム ドミノは耐陰性のある植物ですが、斑を美しく保つために適度な日光浴が欠かせません。
栽培環境選びは日当たりを重視して選ぶといいでしょう。
置き場所と日当たり

- 気温が20℃を上回る春~秋:東・南・北の方角にある窓辺
- 気温が20℃を下回る冬場:西・東・南の方角にある窓辺
スパティフィラム ドミノに最適な置き場所は、部屋の中なら日のよく当たる窓辺がおすすめです。
西日の入る窓際は明るいですが、夏場の夕方になると強烈な日差しで葉焼けを起こす可能性があります。
季節や気温問わず通年で置けるとなると、東と南に位置する窓辺がおすすめです。
適切な温度|どれくらいの寒さまで耐えられる?
スパティフィラム ドミノは、寒さに弱い植物です。
基本的に、冬場でも20℃を維持できるような場所に置いてください。
気温が10℃を下回るような環境では最悪の場合枯れてしまうでしょう。
スパティフィラム ドミノの土の配合比率(用土)

スパティフィラム ドミノの栽培に適した土は、保水性と排水性のバランスがいい土です。
ご自身で配合される場合は、、赤玉土5:バーミキュライト5で混ぜるなど、保水性に優れた土と排水性に優れた土を半分ずつの割合でブレンドするのがおすすめです。
他の土を使う場合は以下を参考にしてください。
- 保水性に優れた土:バーミキュライト、バーク堆肥、ピートモス など
- 排水性に優れた土:パーライト、鹿沼土、腐葉土 など
配合量にもよりますが、一般的に市販されている観葉植物用の土であれば、基本的な保水性はクリアできるでしょう。
サボテンや多肉植物用の土は排水性が高すぎるため、それだけで植えてしまうと土がすぐ乾き、水分が不足しやすい状態に陥るので注意してください。
スパティフィラム ドミノの増やし方
スパティフィラム ドミノは、株分けで増やすのが一般的です。
剪定・株分けの時期はいつがいい?
スパティフィラム ドミノの剪定・株分けに最適な時期は、気温が20℃前後ある春~秋です。
剪定したり株分けしたりといった作業は、多少なりとも株にダメージを与えます。
4~9月頃の花が咲いていないタイミングだと、株の状態が早く元通りになるのでおすすめです。
株分けのやり方
スパティフィラム ドミノを株分けする際は、次の手順で進めてください。
- 株を鉢から出して切り分ける
- 新しい鉢に株を植え付ける
- 根っこが活着するまで個別管理する
① 株を鉢から出して切り分ける
株分けは、やる前に鉢の中の土を乾燥させておくと根っこを傷めません。
土が湿っていると根っこが絡みつきやすく、鉢から出したり株を切り分ける際に必要以上に根っこを傷めてしまわないでしょう。
また、株を切り分ける際は、元ある株を2〜3つに切り分けましょう。
スパティフィラム ドミノは葉っぱもたくさん出ているためつい細かく切り分けてしまいがちですが、やりすぎると上手く育ちません。
② 新しい鉢に株を植え付ける
株分けしたら、新しい鉢に株を植え付けます。
土はたっぷりと入れて隙間ができないようにしましょう。
土を入れるたびに鉢底を軽くトントンと打ち付けると、鉢の中にある空間に土が入っていきます。
③ 根っこが活着するまで個別管理する
株分け後は、水をたっぷりやって明るい日陰で管理します。
理由は、株分けされた直後の株はデリケートなため、最初から日差しにさらされてしまうと、うまく光合成できずに株が枯れる可能性があるからです。
茎や葉っぱが伸びてきたら根っこが出て土に活着したサインになります。
日光浴は、最初から日差しのきつい場所に置くのではなく、やわらかな日差しから徐々に慣らしていきましょう。
植え替え時期はいつがいい?
スパティフィラム ドミノの植え替え時期は、植物の活性があがっている5〜10月がおすすめです。
この時期であれば、茎や葉っぱも展開しやすく、根っこも活着しやすいでしょう。
一方、気温が20℃を下回る時期はおすすめできません。
植え替えをきっかけに株が弱ってしまう可能性もあるため、気を付けてください。
鉢替えのやり方
鉢替えは、株分けと同じような手順で行います。
ポイントは、鉢から出した根っこの処理です。
作業は、以下の手順に沿ってすすめてください。
- 根っこを傷つけないように注意しながら株を出す
- 根っこをほぐし適宜カットして整える
- 新しい鉢に植え付ける
① 根っこを傷つけないように注意しながら株を出す
スパティフィラム ドミノの鉢替えは、根っこを傷つけないようにするのがポイントです。
株を鉢から無理やり引き出してはいけません。
右手で株の根っこを挟むように抑え、左手で鉢を持ち、そのまま鉢を逆さまにして株を取り出しましょう。
② 根っこをほぐし適宜カットして整える
鉢から出したスパティフィラム ドミノは、植え替え後の土になじみやすいよう根っこをほぐしておく必要があります。
株を軽く左右に振ったり、根っこが渦巻いている場合はスコップの先や割りばしのような尖ったもので軽く突き刺しながらほぐしてください。
あまりにも長すぎる場合は、次に植え付ける鉢に収まるような長さで切り揃えましょう。
③ 新しい鉢に植え付ける
植え替え時は、新しく植え付ける鉢の大きさに注意しましょう。
どうせ大きくなるし、何度も植え替えするのは面倒だからと最初から大きすぎる鉢に植え付けるのはおすすめできません。
土がいつまでも乾燥しないと根腐れを起こすため危険です。
鉢底石を入れ、土を入れてから株を植え付けますが、割りばしなど細長いものを使って土をさし、根っこの間に土が入るようにするといいでしょう。
