チランジア コットンキャンディの育て方
公開日 2025年12月12日
更新日 2025年12月12日
育てやすさ
初心者の方でも育てやすいのでおすすめです。
監修者情報
覚張大季
植物と人との関わりに魅了され、日本各地の植物農園を見て回る。HanaPrimeの植物部門の立ち上げ後はオフィスや商業施設、個人宅など、幅広いシーンのグリーンコーディネートを数多く担当。植物の生態や特性を深く掘り下げ、それぞれの空間やライフスタイルに適したグリーン空間デザインを提案することが得意。観葉植物の世界に情熱を注ぎ、植物の価値を最大化することを使命としている。
INDEX
目次
チランジア コットンキャンディの育て方
チランジア コットンキャンディに適した育て方のほか、枯葉取りや着生のさせ方を解説します。
水やりの頻度
| 生育期(春~秋) | 週3回程度 |
| 休眠期(冬) | 週1~2回 |
チランジア コットンキャンディは水を好む品種です。
生育期は週3回程度を目安に、株全体がしっかり濡れるように葉水をします。
屋外など風通しが良く乾きやすい環境なら、毎日水やりしても問題ありません。
休眠期は週1~2回の頻度で乾かし気味に管理します。
どちらの時期も水やり後はしっかり乾かすことが大切なので、サーキュレーターや扇風機を使い蒸れないようにしてください。
肥料のあげ方
| 時期と頻度 | 春と秋に液体肥料を週1回程度 |
| 与え方 | 2,000~3,000倍に希釈して株全体にかける |
チランジア コットンキャンディは肥料がなくても育ちますが、与えることで生育や花付きが良くなります。
生育期の春と秋が施肥に適している時期です。
液体肥料を2,000倍以上に薄めて、2~3回の水やりにつき1回、または週1回の頻度で与えます。
施肥後は次の水やりの際、葉っぱの表面に残った肥料を洗い流すようにたっぷりとかけてください。
真夏と冬の時期は成長が緩慢になるため肥料は与えません。
病害虫・害虫対策
チランジア コットンキャンディは丈夫で育てやすい植物ですが、以下のような病害虫にかかる場合があります。
日頃から状態に気を配って管理しましょう。
ハダニ
- 葉っぱに黄色や赤い点々が現れる
- 症状が進むと、葉っぱの色がかすれて白くなる
- 葉っぱの裏に糸状のクモの巣のようなものが張られる
発生初期であればたっぷりの水で洗い流すことで駆除できます。
ハダニは乾燥を嫌うため、日頃から葉っぱの裏側まで水やりを行って予防してください。
アブラムシ
- 葉っぱの付け根などに、小さな虫が群がり吸汁される
- ベタベタした排泄物が葉っぱの表面につき、すす病を誘発する
水をかけることや布で拭き取るほか、粘着テープでも駆除できます。
大量に発生した場合は、アブラムシ専用の殺虫剤を使用すると効果的です。
カイガラムシ
- 葉っぱや茎に白い綿のようなものや、茶色い殻のようなものが付着する
- 排泄物としてベタベタした甘露を出し、すす病の原因になる
- 生育が悪くなり、葉が黄色くなったり枯れたりする
数が少ない初期は、歯ブラシなどで見つけ次第こすり落とすのが有効です。
成虫は一般的な殺虫剤が効きにくいため、マシン油乳剤や浸透移行性殺虫剤を使用します。
すす病(黒カビ)
- 葉っぱや茎の表面に黒いすす状のカビが付着する
- 光合成を阻害するため、生育が悪くなる
原因であるアブラムシやカイガラムシを駆除してください。
濡らした布で黒カビを丁寧に拭き取り、風通しの良い環境で管理します。
枯葉取り
枯葉取りは、以下のようなメリットがある作業です。
- 風通しが良くなり蒸れにくい
- トラブルを早期発見しやすくなる
- 見た目が美しくなる
チランジア コットンキャンディが成長していくと、根元付近の古い葉から順に枯れていきます。
枯れた葉をそのままにしておくと、株元の風通しが悪くなり病害虫のトラブルの元です。
また、枯葉取りをすることで株全体がすっきりして観察しやすく、異変に気付きやすくなります。
- 枯葉の確認
- 手やピンセットで枯葉を取り除く
- 枯葉取りの頻度
① 枯葉の確認
株の根元に枯葉がないか探します。
葉っぱが完全に茶色く乾燥し、パリパリになっている状態が目安です。
まだ緑色が残っている、部分的に枯れている、という状態の葉っぱは無理に取りません。
② 手やピンセットで枯葉を取り除く
枯葉は、手で軽く引っ張ると簡単に取れます。
クランプの株と株の間にあり取りにくい場合は、ピンセットで丁寧に摘み取りましょう。
③ 枯葉取りの頻度
月に1回程度は、株の状態をチェックしながら枯葉取りを行うのがおすすめです。
梅雨時期や湿度が高い時期は、枯葉にカビが生えやすいのでこまめにチェックしましょう。
着生のさせ方
エアプランツは樹木や岩などにくっついて着生する植物です。
チランジア コットンキャンディも、流木やコルクなどに固定して育てると、より自然な雰囲気を楽しめます。
- 着生材の準備
- 配置を決めて着生材に穴を開ける
- 着生材へ固定
- 着生後の管理をする
① 着生材の準備
流木やコルクなど、通気性が良く腐りにくい着生材を選びます。
② 配置を決めて着生材に穴を開ける
着生材の好きな位置にチランジア コットンキャンディを仮置きしてください。
位置が決まったら、ワイヤーを通す穴と吊り下げ用の穴を開けます。
③ 着生材へ固定
ワイヤーなどを株に巻き付けて、着生材に軽く当てて固定します。
発根している場合は折らないように気をつけて着生材に触れさせてください。
④ 着生後の管理をする
直射日光が当たらず、通気性のいい場所に設置しましょう。
根が生えてしっかり活着するまでこまめに管理してください。
ワイヤーハンギングのやり方
ハンギングディスプレイは、見栄えが良いだけでなく風通しよく蒸れにくいというメリットがあります。
手軽に作れる点も人気なので、ぜひ作成してみましょう。
- 道具の用意
- ワイヤーをカット
- ワイヤーを巻いて収納ポケットを作る
- 吊り下げ用のフックを作る
- 株をセットする
- 好きな場所に吊るす
① 道具の用意
1.2~2mm程度のワイヤー、ペンチを用意します。
ワイヤーは錆に強いステンレス製がおすすめです。
② ワイヤーをカット
吊るしたい長さに合わせてワイヤーをカットします。
両方の先端はペンチで小さく丸めておくと安全です。
③ ワイヤーを巻いて収納ポケットを作る
ワイヤーを螺旋状に巻いて、株を置くポケット部分を作ります。
円柱状のものにワイヤーを巻き付けて作成します。
株のサイズに合わせてポケットの大きさは調整してください。
④ 吊り下げ用のフックを作る
反対のワイヤーの端を、ペンチで折り曲げて釣り下げ用のフックを作ります。
⑤ 株をセットする
螺旋のポケットに株を入れます。
株の形に合わせてワイヤーを調整してください。
⑥ 好きな場所に吊るす
カーテンレールなど好きな場所に吊るして飾ります。
直射日光を避けた風通しの良い場所に設置しましょう。
チランジア コットンキャンディの基本情報
| 植物名 | チランジア コットンキャンディ |
| 学名 | Tillandsia ‘Cotton Candy’ |
| 英名 | Tillandsia ‘Cotton Candy’ |
| 科名 | パイナップル科 |
| 属名 | チランドシア属 |
| 開花時期 | 不定期 |
チランジア コットンキャンディは、ストリクタとレクルヴィフォリアを交配して生まれたエアプランツの人工園芸品種です。
コットンキャンディ(綿あめ)という可愛らしい名前の通り、鮮やかなピンク色の花苞からふわふわした可憐な花を咲かせます。
丈夫で育てやすく、安価で入手しやすいこともあり、チランジア初心者にもおすすめです。
花付きが良く子株もたくさん出てくるので、上手に育てれば毎年美しい花を楽しむことができます。
月別栽培カレンダー
種まき
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植え付け・植え替え
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肥料
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開花
不定期
種類と品種
チランジア コットンキャンディは、ストリクタとレクルヴィフォリアの交配で人工的に作られた単一園芸品種です。
コットンキャンディという名前でのバリエーションは存在せず、株のサイズやクランプの個数で分けられて販売されています。
「イオナンタ コットンキャンディ」という似た名前の品種がありますが、別種なので注意してください。
チランジア コットンキャンディはどんな花が咲く?

チランジア コットンキャンディは、わた菓子のような可愛らしい色合いの花を咲かせます。
大きく鮮やかなピンク色の花苞の隙間から、小さな花弁がいくつも開花する構造です。
花の色は、最初は白く咲き始めその後徐々に薄い紫色に変化していきます。
名前の通り甘いお菓子のような花姿で、チランジアの中でも特に美しいとされ鑑賞価値が高い品種です。
チランジア コットンキャンディの葉っぱの形
チランジア コットンキャンディの葉っぱは、トリコームが長い銀葉種に分類され、一本一本が細めで先端は尖っていることが多いです。
葉っぱの広がりがよくてボリュームが出やすく、株全体がふんわりと丸みを帯びた形にまとまる特徴があります。
成長とともに子株が増えてクランプにもなりやすいです。
チランジア コットンキャンディの花言葉
チランジア コットンキャンディの花言葉は「不屈」です。
チランジア コットンキャンディの栽培環境
チランジア コットンキャンディに適した栽培環境と、着生材の種類を解説します。
置き場所と日当たり

- 明るく風通しの良い場所を好む
- 最適な遮光率は30~50%程度
- サーキュレーターや扇風機を使用する
- 春から秋は屋外、冬は屋内に置く
チランジア コットンキャンディは、明るく風通しの良い場所を好みます。
屋内、屋外ともに直射日光は葉焼けの原因になるため避けてください。
30~50%程度に遮光された柔らかな光が最適です。
蒸れに弱いので、屋内では常に空気の動きがあるように、サーキュレーターや扇風機を使用して循環させましょう。
生育期である春から秋は屋外の半日陰が適していますが、真夏の直射日光や雨ざらしは避けてください。
冬場は屋内に取り込み、日当たりの良い場所に置きます。
冬期は日光不足になりがちなので、徒長しないように光量の調節をしましょう。
適切な温度|どれくらいの寒さまで耐えられる?
| 適切な温度 | 20〜30℃ |
| 耐寒温度 | 10℃以上 |
チランジア コットンキャンディの栽培に適切な温度は20〜30℃の範囲です。
耐寒温度は10℃程度までで、それを下回ると生育が鈍くなるため、冬は温暖な地域以外は屋内に入れるのが安全です。
屋内ではエアコンの風が直接当たると、乾燥により枯れる恐れがあるので、置き場所には注意してください。
着生材
着生材には、自然環境の再現や通気性の確保のほかに、インテリアとしての見栄えの良さがあります。
チランジア コットンキャンディに合う着生材を紹介するので、好みのものを使い飾ってみましょう。
コルク板
コルクは軽量で扱いやすく腐りにくいため、着生材として人気があります。
特に未加工の「バージンコルク」は自然な風合いでインテリア性も高いです。
バークチップ
松の木の樹皮を砕いたもので加工しやすい素材です。
通気性と保水性のバランスが良く、根が活着しやすいという特性があります。
流木
自然あふれるディスプレイを楽しみたい場合は流木がおすすめです。
さまざまな形状のものがあり、個性を演出できます。
水苔
保水性と通気性に優れていて、根元に巻くことで湿度を保ち根が育ちやすいです。
ほかの着生材と組み合わせて水苔を挟むと密着性が高まり安定します。
チランジア コットンキャンディの開花時期
チランジア コットンキャンディが開花する時期は不定期です。
不定期になってしまう理由と、花が咲かない原因を解説します。
開花時期は不定期
チランジア コットンキャンディの開花が不定期になる理由は、株が成熟するタイミングや成長速度に個体差が大きいためです。
株の成熟と開花に必要なエネルギーの蓄え、そして栽培環境が合わなければ開花に至りません。
そのためぴったり決まった時期ではなく、不定期に開花します。
花が咲かない原因は?
- 株が未熟
- 栽培環境が適切ではない
- 株のエネルギー不足
チランジア コットンキャンディの花が咲かない場合、このような理由が考えられます。
開花を促進する効果があるリン酸を多く含んだ肥料を与えると効果的です。
チランジア コットンキャンディの増やし方
チランジア コットンキャンディは、株分けで増やす方法が一般的です。
簡単に増やせて、親株の寿命が伸びるというメリットもあるので、ぜひ挑戦してみましょう。
株分けに適した時期は?
チランジア コットンキャンディの、株分けに適した時期は春~秋の生育期です。
株の成長が活発なこの時期に行うと、親株と子株それぞれのダメージが少なく、回復も早くなります。
株分けのやり方
- 株分けする子株を選ぶ
- 子株を切り離す
- 株分け後の育て方
① 株分けする子株を選ぶ
親株の約3分の2以上の大きさに育った子株が適しています。
葉っぱにハリがある元気な子株を選びましょう。
② 子株を切り離す
子株の根元をしっかり持って、ゆっくり親株から剥がすように分けます。
上手く分かれない場合は、清潔なハサミやカッターで切り離してください。
③ 株分け後の育て方
切り口から雑菌が侵入しないようによく乾燥させます。
直射日光を避け、風通しの良い明るい日陰で育てましょう。
水苔の植え替え方法
チランジア コットンキャンディの着生材に水苔を使う場合の、植え替え方法を解説します。
1〜2年に1回程度の頻度で植え替えを行うのが目安です。
水苔にカビが生えているなど、明らかに劣化している場合は早めに植え替えを行いましょう。
- 古い水苔を取り外す
- 新しい水苔で根元を包む
- 植え替え後の管理
① 古い水苔を取り外す
株を優しく取り出し、根元に付いている古い水苔や着生材を丁寧に取り除きます。
根を傷つけないように注意しましょう。
黒ずんで傷んでいる根があれば、清潔なハサミで切り取ります。
② 新しい水苔で根元を包む
新しい水苔は、ぬるま湯に数時間浸して十分に戻します。
軽く手で握って水が滴る程度に水気を切ってください。
湿った水苔を株元や根の周囲にふんわりと巻き付けます。
③ 植え替え後の管理
植え替え直後は根が落ち着くまで水やりを控えめにしましょう。
直射日光を避け、風通しの良い場所に置いて管理してください。
