チランジア ドゥラティの育て方

更新日 2025年12月15日

育てやすさ

初心者の方でも育てやすいのでおすすめです。

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監修者情報

株式会社HanaPrime|植物アドバイザー

覚張大季

覚張大季

植物と人との関わりに魅了され、日本各地の植物農園を見て回る。HanaPrimeの植物部門の立ち上げ後はオフィスや商業施設、個人宅など、幅広いシーンのグリーンコーディネートを数多く担当。植物の生態や特性を深く掘り下げ、それぞれの空間やライフスタイルに適したグリーン空間デザインを提案することが得意。観葉植物の世界に情熱を注ぎ、植物の価値を最大化することを使命としている。

チランジア ドゥラティの基本情報

植物名チランジア ドゥラティ
学名Tillandsia duratii
英名Tillandsia duratii
原産地アルゼンチン、パラグアイ、ボリビアなどの中南米
科名パイナップル科
属名チランドシア属
開花時期不定期

チランジア ドゥラティは、細長い葉っぱの先が強くカールする個性的な姿のエアプランツです。

ほとんど発根することがなく、自生地では木の枝に長い葉っぱを絡みつかせて株を固定しています。

甘い香りがする薄紫色の花を咲かせるのも魅力のひとつです。

チランジア ドゥラティは、大型に成長しやすい品種のわりに成長が早いので、巨大化にかかる期間が比較的短く済みます。

月別栽培カレンダー

種まき

1

2

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植え付け・植え替え

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肥料

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開花

不定期

種類と品種

品種葉っぱの形状葉っぱのカール花の香り
サクサティリス硬い
バーントフィンガーズ柔らか
ライラックスパイアー硬い
ウォンガ柔らか

サクサティリス

肉厚の葉っぱの先端が強くカールする。

香りの強い薄紫色の花を咲かせ、株は大きく成長して群生しやすい。

バーントフィンガーズ

ドゥラティとチランジア ディディスティカの交配種。

肉厚で柔らかい葉っぱはカールがやや弱く、花序は長く分岐する。

ライラックスパイアー

ドゥラティとチランジア ストリクタの交配種。

肉厚の葉っぱは硬く、密なロゼット状の葉っぱの先は強くカールする。

ウォンガ

ドゥラティとチランジア マレモンティの交配種。

葉っぱは肉厚で柔らかくカールは弱め。

株が増えて大きなクランプになりやすい。

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チランジア ドゥラティはどんな花が咲く?

チランジア ドゥラティの花は、薄紫色の三弁花です。

長く伸びた花茎の先に、花びらの先端がカールした筒状の花を数輪つけて咲きます。

非常に強い甘い香りが特徴で、いっぱいに広がる芳香により開花が分かるほどです。

大きく育った株は一度にたくさんの花を咲かせ、開花時期はとても見応えがあります。

チランジア ドゥラティの葉っぱの特徴

チランジア ドゥラティは、葉っぱの先がくるくるとカールしているのが特徴です。

トリコームに覆われたシルバーグリーンの細長い葉っぱは肉厚で硬く、内側に強く巻きながら成長していきます。

この特性を使い、自生地では木の枝に葉っぱを巻き付けて株を固定しているため、ほかのエアプランツと違いほとんど発根しません。

チランジア ドゥラティの花言葉

チランジア ドゥラティの花言葉は「不屈」です。

チランジア ドゥラティの育て方

チランジア ドゥラティの基本的な育て方と、巨大化させる方法を解説します。

水やりの頻度

屋内

生育期(春~秋)週2~3回
休眠期(冬)週1回程度

春から秋にかけての生育期の水やり頻度は週2~3回です。

冬の休眠期は週1回程度に減らしてください。

霧吹きを使った葉水を行い、葉っぱの隙間に水が溜まらないよう注意して、株全体をしっかり濡らします。

通気性の悪さは枯れにつながるので、サーキュレーターや扇風機を使って常に空気を循環させるようにしましょう。

屋外

生育期(春~秋)週3回以上、もしくは毎日
休眠期(冬)週1回程度

屋外での栽培は乾燥しがちになるので、多めの水やりを心がけます。

通気性の良い場所なら毎日でも構いません。

基本は霧吹きでの葉水ですが、大きく成長した株ならジョウロなどを使ってたっぷり水やりをしましょう。

肥料のあげ方

時期と頻度春と秋に液体肥料を月1~2回程度
与え方2,000~3,000倍に希釈した液体肥料を散布

チランジア ドゥラティへの肥料は、生育が活発になる春と秋に月1~2回程度与えます。

真夏や冬の時期は、成長が緩やかになるため施肥の必要はありません。

チランジア ドゥラティは葉っぱから微量な養分を吸収している植物なので、市販の液体肥料の希釈よりさらに薄める必要があります。

必ず規定の倍率よりもさらに薄く2,000~3,000倍程度に希釈してください。

エアプランツ専用の液体肥料を使用する場合も、同様に薄めてから与えるのが安全です。

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病害虫・害虫対策

チランジア ドゥラティが、かかる恐れのある病害虫の紹介と対処法について説明します。

ハダニ

  • 葉っぱの裏側に小さな赤い点々が現れる
  • 放置すると白い糸状のものが張る
  • 葉っぱが全体的に白っぽく見える

こまめに霧吹きで葉水を与え、湿度を保つことで発生を抑えられます。

早期発見が大切なので、見つけ次第濡らした布で丁寧に拭き取るか水で洗い流してください。

カイガラムシ

  • 葉っぱや茎に綿のようなものや、茶色い殻が付着する
  • 養分を吸い取り生育が阻害される

風通しの良い場所に置いて定期的に観察することが予防になります。

発見した場合、殻に覆われていて殺虫剤が効きにくいので、歯ブラシなどでこすり落としてください。

黒カビ

  • 葉っぱが柔らかくなり枯れてくる
  • 葉っぱや茎に黒い斑点や黒ずみが出現する

カイガラムシなどの排泄物が原因なので、害虫の発生を抑えると予防になります。

サーキュレーターや扇風機を使い、風通しの良い環境を保ちましょう。

ドゥラティの成長速度|巨大化させるにはどうする?

巨大化する株はゆっくりと時間をかけて育ちますが、チランジア ドゥラティは大型種に分類されながら比較的成長が早めです。

成長をさらに促進し、迫力ある巨大株へと育てる手順を紹介します。

  1. 株の選定
  2. 栽培環境を整える
  3. 根元を水に浸ける
  4. 動物性完熟堆肥を使用
  5. 肥料の与え方
  6. 定期的な観察と管理

① 株の選定

葉幅が広く生き生きしている株の方が大きくなりやすいです。

幅が広く張りのある葉っぱの株を選んでください。

② 栽培環境を整える

直射日光が当たらない、遮光40%程度の半日陰で栽培します。

風通しの良い場所を選び、室内ではサーキュレーターや扇風機を使用してください。

生育期の5月~10月は屋外管理が最適です。

③ 根元を水に浸ける

水に浸けて栽培する水耕栽培を行います。

株の根元2cm程度が水に浸かるようにするか、または水苔を使用してください。

④ 動物性完熟堆肥を使用

液体肥料のほか、チッ素が豊富な動物性完熟堆肥を使用してください。

チッ素の成分は葉っぱの成長を促進する効果があるので、株の巨大化の肥料に最適です。

⑤ 肥料の与え方

動物性完熟堆肥はぱらぱらと上から振りかけて、葉っぱの間に入れるようにします。

その後に水を与えて染み込ませてください。

液体肥料は週1回、動物性完熟堆肥は月1回が目安です。

⑥ 定期的な観察と管理

比較的成長が早いとはいえ、巨大化させるには長期間かかります。

水耕栽培の状態や、施肥後の葉っぱを定期的にチェックしましょう。

冬季は生育が滞るため、室内管理に切り替えてください。

葉っぱや芯が腐る原因は?

  • 水のやりすぎ
  • 風通しの悪さ
  • 日光不足

上記のような理由が、チランジア ドゥラティの葉っぱや芯が腐る代表的な原因です。

また、特徴的なカールした葉っぱのため水はけが悪く蒸れが発生し、芯腐れも起きやすくなります。

芯腐れは、株元の芯が腐ることで葉っぱが弱って抜け落ち、最終的には株全体がバラバラになる状態です。

株元に水が溜まらないように注意し、室内ならサーキュレーターなどを使用して蒸れないようにしましょう。

チランジア ドゥラティの栽培環境

チランジア ドゥラティが健康に育つ栽培環境を解説します。

また、チランジア ドゥラティならではの、流木へ絡ませる飾り方を紹介するので参考にしてください。

置き場所と日当たり

チランジア ドゥラティは葉っぱが丸まっているため蒸れやすく、株が傷んだり病害虫が発生しやすくなります。

室内の場合は、サーキュレーターなどで空気を循環させるのが有効ですが、エアコンの風が直接当たる場所は乾燥しやすく、株を傷めるため避けてください。

直射日光を避け、レースカーテン越しの遮光率40~50%程度の柔らかい光が差し込む場所が理想的です。

冬場、窓辺に置く場合は冷え込む夜間は移動させるようにしましょう。

適切な温度|どれくらいの寒さまで耐えられる?

適切な温度20〜30℃
耐寒温度10℃以上

チランジア ドゥラティの育成に適した温度は20〜30℃で、耐寒温度は10℃以上です

特に昼間の温度が20〜25℃の範囲だと成長が促進されます。

冬場や寒冷地では10℃を下回らないように、室内に移動させるか保温対策を行いましょう。

飾り方|流木への絡ませ方

飾り方はさまざまにありますが、樹木へ巻き付くチランジア ドゥラティ独特の姿を楽しめる流木がおすすめです。

  1. 道具を用意
  2. 流木にセット
  3. テグスで固定
  4. 針金を取り付けて吊るす
  5. 葉っぱを誘導する
  6. 飾りながら管理

① 道具を用意

小型のチランジア ドゥラティと、葉っぱが絡みやすい形で大きめの流木を選びます。

テグス、ペンチ、針金、ドリルを用意してください。

② 流木にセット

位置を決めて流木にチランジア ドゥラティを置きます。

葉っぱのカールを流木に絡ませ、自然な見た目になるよう調整してください。

③ テグスで固定

葉っぱを巻き付けたらテグスで固定します。

葉っぱを傷つける恐れがあるので、細いものより太めのテグスを選んでください。

④ 針金を取り付けて吊るす

流木を吊るすために、針金を巻き付けます。

もしくはドリルで流木に穴を開けて針金を通して固定しましょう。

⑤ 葉っぱを誘導する

チランジア ドゥラティが成長して葉っぱが伸びてきたら、流木に絡むよう誘導します。

⑥ 飾りながら管理

チランジア ドゥラティの葉っぱがしっかり流木に絡むまでは室内で管理してください。

直射日光は避け、明るい間接光が当たる場所に飾ります。

チランジア ドゥラティを種から育てると大変?

チランジア ドゥラティを種から育てることは可能ですが、湿度や温度管理、長期間の無菌環境の管理など、手間と専門知識と経験が必要になります。

そのため、初心者には難易度が高く大変です。

株分けは簡単なので、慣れないうちはそちらで増やすようにしましょう。

チランジア ドゥラティの開花時期

チランジア ドゥラティの開花について、時期や咲かない原因を解説します。

チランジア ドゥラティの開花時期は不定期

チランジア ドゥラティの開花時期が不定期な理由は、個々の成熟したタイミングにより開花するからです。

このため特定の季節によらず、個体ごとに開花時期が異なり不定期になってしまいます。

また、開花には多くのエネルギーを必要とするので、親株が十分な栄養を蓄えていなければ成熟していてもいつまでも開花しません。

そのため、栽培環境によっても開花のタイミングが変わってしまいます。

チランジア ドゥラティの花が咲かない原因は?

チランジア ドゥラティの花が咲かない原因として、以下のような理由が考えられます。

  • 株の成熟不足
  • 日光不足
  • 水やり不足
  • 風通しの悪さ
  • 株のストレス

基本的な育て方以外では、成熟した大きな株から育てる、開花促進効果のあるリン酸分の多い肥料を与えるなどの有効手段があります。

チランジア ドゥラティの増やし方

チランジア ドゥラティの増やし方は、一般的に株分けで行います。

簡単にできるので、子株が成長したら増やしてみましょう。

株分けに適した時期は?

株分けに適している時期は生育期の春と秋です。

生育期のこの時期に行えば、株分けによる親株や子株へのダメージからの回復が早く、子株も順調に成長しやすくなります。

株分けのやり方

  1. 株分けに適した子株を選ぶ
  2. 慎重に親株から離す
  3. 分離後のケア

① 株分けに適した子株を選ぶ

親株の3分の2程度の大きさに成長している子株を選びましょう。

② 慎重に親株から離す

特徴的なカールした葉っぱを折らないようにして持ち、子株を倒して親株から取り外します。

芯が残る場合は清潔なカッターで切ってください。

③ 分離後のケア

切り口から雑菌が入らないようによく乾燥させて、風通しの良い場所で管理します。

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