トマトの育て方
育てやすさ
初心者の方でも育てやすいのでおすすめです。
トマトの基本情報
植物名 | トマト |
学名 | Solanum lycopersicum |
和名 | 唐柿(とうし)、赤茄子(あかなす)、蕃茄(ばんか)、小金瓜(こがねうり)、珊瑚樹茄子(さんごじゅなす) |
英名 | tomato |
別名 | アカナス |
原産地 | 南米ペルー |
科名 | ナス科 |
属名 | ナス属 |
開花時期 | 7月~8月頃 |
トマトは、日本では一年生植物(熱帯地方では多年生植物)で、緑黄色野菜のひとつです。
果実は食用として利用され、日本では様々な種類の品種が栽培されています。
十分な日照と風通しの良い場所の中で栽培すると夏に果実を収穫でき、次々と実がなるため、1株だけでも長い間収穫できるでしょう。
しかし、追肥を切らさないことが重要なため、栽培には工夫が必要です。
月別栽培カレンダー
種まき
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
植え付け・植え替え
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
肥料
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
開花
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
種類と品種
トマトの種類は、全世界で1万種類以上あると言われていて、日本の中だけでも300種類以上が栽培中です。
トマトの分類方法は、大きさや色などによる区別がありますが、ここでは一般的な大玉トマトの品種を紹介します。
品種 | 大きさ(㎝) | 甘味 | 味の濃さ | フルーティ | 酸味 | さっぱり感 |
---|---|---|---|---|---|---|
桃太郎 | 6~7㎝ | 〇 | 〇 | 〇 | 普通 | なし |
りんか | 7~8㎝ | 〇 | ◎ | ◎ | 普通 | なし |
ファーストトマト | 4~5㎝ | ◎ | ◎ | ◎ | 強い | あり |
サンロード | 5~6㎝ | ◎ | 〇 | 〇 | 弱い | なし |
サターン | 7~8㎝ | 〇 | 〇 | 〇 | 強い | あり |
桃太郎は全体的にバランスのとれた品種であり、りんかはしっかりとした味わいで、濃厚な風味を持っています。
また、ファーストトマトとサンロードは、小ぶりですが甘味が強く、生食に適している一方で、サターンはさっぱりとした味わいが特徴です。
品種ごとに大きさや風味が異なるため、用途や味わいの好みに応じて選択すると良いでしょう。
栄養成分と健康効果
トマトの基本的な栄養成分と健康効果は、以下の通りです。
栄養成分 | 健康効果 |
リコピン | 抗酸化作用、免疫機能の維持 |
カリウム | ナトリウムを体外に排出する |
カルシウム | 骨粗しょう症や高血圧を抑えてくれる |
ビタミンC | 肌トラブルに有効、風邪予防 |
ビタミンE | 血液の掃除役、生活習慣病予防、美肌・美髪を保つ |
トマトは、免疫機能の維持を助けてくれ、心臓病やがんなどのリスクを低減するため、生活習慣病予防にも役立ちます。
また、肌トラブル予防や美肌・美髪を保つために必要な栄養素を含んでいるため、アンチエイジングや美容意識が高い人にぴったりです。
そして、大き目のトマトは、1日に必要なビタミンCの3分の1程度摂取でき、野菜の中でも効率良くビタミンを摂取できるでしょう。
トマトは、身体に必要な栄養素を多く含む野菜のひとつで、健康維持に欠かせない野菜です。
旬の時期と味の違い
トマトは夏野菜の代表で、夏が旬なのはもちろん、現在ではハウス栽培の普及により通年で出荷が可能です。
そのため、トマトは大きく分けて冬春トマト(12月~6月)と夏秋トマト(7月~11月)に分けることができます。
トマトの旬な時期と産地は、通年栽培の地域もありますが、基本的には南から北へ移動します。
旬の産地の物を選ぶと美味しく食べられるでしょう。
トマトの歴史と主な生産地
もともとトマトは、16世紀前後に南米からヨーロッパへ持ち帰られました。
最初は毒があると認識され、観賞用に栽培されていましたが、徐々に食用として広まり、日本では明治時代以降に一般化しました。
19世紀頃には多くの国で食べられるようになり、現在の主な生産地は中国・インド、日本では、熊本・北海道・愛知などがあげられます。
トマトの育て方
トマトを上手に美味しく育てるためには、適切な管理が重要です。
- 土壌の準備と場所選び
- 水やりの方法
- 肥料の適切な与え方
- 病害虫対策
- 種まきと植え方
- 栽培に必要な資材
- トマトの成長段階に応じたケア
上記のポイントに分けて、解説します。
土壌の準備と場所選び
トマト栽培には、適切な場所選びと土壌作りが欠かせません。
トマトの土壌作りでは、次の5つのポイントを抑えることが大切です。
- 日当たりと風通しの良い場所を選ぶ
- 腐葉土やもみ殻を加えて保水性と通気性を上げる
- 深く耕し肥料を混ぜ込む
- 酸性土壌を改善するため苦土石灰を使用する
- 畝を立てて排水性を確保する
日当たりの良い風通しの良い場所を選び、腐葉土やもみ殻を加えて土壌の保水性・通気性を高めます。
また、根を深く張らせるために深く耕し、肥料をしっかりと混ぜ込むことが重要です。
酸性土壌は苦土石灰を使って調整し、植え付けの2~3週間前に堆肥や元肥を散布しましょう。
さらに、畝を立てることで水はけを良くし、トマトが健康に育つ環境が整います。
水やりの方法
トマトの水やりの方法は、以下の通りです。
- 根にダメージを与えないため、水やりは朝一に行う
- 葉焼けを防ぐために基本的に地際に水やりを行う
- 土の表面が乾いたタイミングで行う
トマトは、水やりをやりすぎてしまうと美味しくならないような印象があるため、水やりをすることに躊躇してしまう人もいるでしょう。
しかし、トマトの成長のためには最低限の水やりは必ず必要なため、上記を参考にして実施してください。
肥料の適切な与え方
トマトは、露地栽培の場合、土壌の準備で説明した通り、苗を植える前から土に肥料を混ぜ込み、育つための準備をします。
次に、第一果房がピンポン玉くらいの大きさになったり、葉が青々と大きく成長したりすると、追肥の合図です。
一般的に使用される肥料は、窒素:リン酸:カリウムが8:8:8のバランスのとれた化学肥料で、頻度は半月〜1ヶ月くらいに約1回程度が良いでしょう。
また、液体肥料による追肥の場合は、1週間に1回程度の施肥が必要なため、自身が育てている土壌の栄養状態に合わせて肥料を選ぶことが大切です。
病害虫対策
一般的に、トマトにつく害虫の中でも代表的な物がタバコガとオオタバコガなため、以下に特徴と対策をまとめました。
トマトは、害虫の標的になることがとても多く、対応が遅れてしまうと瞬く間に枯れてしまうため、早めの対策が重要です。
しっかりと農薬を撒いたり、物理的な予防をしたりすれば、美味しいトマトを栽培できることは間違いありません。
タバコガ
- 蛾の仲間であり、幼虫が野菜の茎や葉、実を食害する
対策は、肥料過多の株に産卵しやすいため適切な施肥量で育てる。
また、害虫予防の農薬を撒く、防虫ネットで全体を覆うなどが効果的。
オオタバコガ
- 広食性の害虫として知られている
- 一晩に1頭の雌が200〜300卵も産む
対策は、灯りで感電死させる電撃殺虫機を使用すること。
また、フェロモントラップを設置したり、雑草は発生を助長させるため除草をしっかり行いましょう。
種まきと植え方
トマトを種から育てる場合、畑に直接種を撒かずに育苗ポットを使用し、苗が植えられる大きさまで成長させることが重要です。
家庭で美味しいトマトを育てるには、以下の手順で種まきと植え付けを行います。
- トマトの種を一晩水につける
- ポットに種まき用の土を入れ、種を蒔く
- 発芽まで用土が乾かないように管理する
- 発芽後に間引きを行い、元気な苗を残す
- 苗を本葉が5枚以上になったら鉢上げする
それぞれ順番に解説します。
トマトの種を一晩水につける
トマトの種を一晩水に浸けることで、発芽率が高まります。
これは種が十分に水分を吸収し、発芽に必要なエネルギーを活性化させるためです。
水に浸ける時間は12時間程度が適切で、それ以上長く浸けると種が腐る恐れがあります。
発芽をスムーズに進めるために、適切な水温で行いましょう。
ポットに種まき用の土を入れ、種を蒔く
種まきには専用の土を使用し、ポットに均等に入れることが大切です。
1つの穴に3~4粒ずつ種を蒔くことで、発芽の際に健康な苗を選びやすくなります。
種は軽く土を被せる程度で、深く埋めないよう注意しましょう。
発芽まで用土が乾かないように管理する
発芽には一定の湿度が必要で、土が乾燥すると発芽しにくくなります。
発芽するまでの間、土の表面が常に湿っている状態を保つことを意識しましょう。
ただし、水を与えすぎて土が過剰に湿ると、カビや病気の原因になるため注意が必要です。
適度な水分管理が発芽の成功につながります。
発芽後に間引きを行い、元気な苗を残す
発芽後、間引きを行い、健康で丈夫な苗を1本選んで残します。
間引きは、苗同士の競争を防ぎ、十分な栄養と空間を確保するために必要です。
弱い苗を根元から丁寧に取り除き、残した苗が伸び伸び育てる環境を整えましょう。
間引きのタイミングは苗が2~3cmに成長した頃が適しています。
苗を本葉が5枚以上になったら鉢上げする
苗の本葉が5枚以上になったら、鉢上げを行い、さらに育苗します。
鉢上げは根の成長を促進し、より強い苗に育てるための重要な作業です。
新しいポットには栄養たっぷりの土を使い、根を傷つけないよう丁寧に植え替えましょう。
その後、適切な水やりと日光管理で苗を育てていきます。
栽培に必要な資材
トマトの栽培に必要な資材は、以下の通りです。
- トマトの苗
- 水
- 肥料
- 麻紐(誘因に必要なため)
- 支柱
- クワ
トマトを種まきからする場合は、ここに合わせて育苗ポットやプランターが必要になります。
土の状態によっては必要な肥料も異なってくるため、臨機応変に対応しましょう。
トマトの成長段階に応じたケア
トマトの成長段階に応じたケアは、健康な苗からおいしい実を育てるために欠かせません。
トマトの苗を購入して栽培する場合、成長段階に応じたケアは以下の通りです。
- 発芽期:適切な温度と湿度の管理
- 苗期:健康な苗を育てるためのポイント
- 定植期:根を傷つけない植え付け方法
- 成長期:肥料と水やりのバランス
- 収穫期:完熟トマトを見極めるコツ
発芽期:適切な温度と湿度の管理
トマトの発芽には、20~25℃程度の温度が理想です。
湿度は高めに保つことで、発芽率を向上することができます。
また、土壌が乾燥しないよう、水やりは均等に行いますが過湿には注意しましょう。
適切な温度管理を行うためには、発芽専用マットや透明カバーを活用するのがおすすめです。
苗期:健康な苗を育てるためのポイント
苗期では、日光を十分に浴びせることが重要です。
また、風通しを良くし、病気の予防を心がけましょう。
水やりは根の乾燥具合を確認して行い、過剰にならないよう注意が必要です。
肥料は薄めの液肥を週1回程度与えると、丈夫な苗に育ちます。
定植期:根を傷つけない植え付け
植え付け時は、苗の根を崩さないように丁寧に扱います。
苗をポットから取り出す際、土を軽く押して滑らせるようにしましょう。
植え穴には十分な水を入れ、根が広がりやすいよう工夫します。
植えた後はたっぷり水を与え、苗がしっかり安定するよう固定すると良いです。
成長期:肥料と水やりのバランス
成長期には、窒素・リン・カリウムをバランス良く与えましょう。
水やりは土の表面が乾いてから行うことで、根の呼吸を促進します。
一方、葉や果実の湿気が高くなると病気の原因になるため、夕方の水やりは避けてください。
支柱や誘引も行い、枝が折れないようサポートしましょう。
収穫期:完熟トマトを見極めるコツ
収穫期には、果実が均一に赤くなり、適度な柔らかさがあることを確認します。
完熟に近づくと、ヘタの付け根の緑色が薄くなるのが目安です。
早朝に収穫することで、トマトの水分量と甘みが最高の状態を保てます。
収穫後は、直射日光を避けた涼しい場所で保存しましょう。
トマトの栽培条件
トマトを栽培するためには、条件があります。
- 置き場所と日当たり
- 温度と湿度の管理
- 用土の選び方
- 風通しと支柱設置
それぞれ順番に解説します。
置き場所と日当たり
トマトに対して、日光不足は成長や収穫量に影響を与え、葉が黄色くなる原因にもなるため、1日あたり最低でも6〜8時間の直射日光を確保しましょう。
トマトを種や苗から育てる場合は、自然光に当たる場所であることが大切ですが、十分でない場合は、育苗用のライトでも代用可能です。
また、育苗は寒い時期にすることが多いため、温室やヒーターなどの保温・加温機材を使い、生育適温に注意しながら温度管理をします。
そして、風通しがよく、雨が直接当たらない場所で育てることで、安全にトマトを育てることができるでしょう。
温度と湿度の管理
トマトの育成温度は、品種によって異なりますが、日中は約25℃~30℃、夜間は約10℃~15℃と言われていて、カーテン・窓の開閉やヒートポンプ暖房装置などを利用して管理しましょう。
また、トマトの栽培に適した湿度は、50%〜70%であるため、除湿器や換気を行って管理することが大切です。
湿度管理もトマト栽培にとって重要な工程で、加湿状態になると根腐れや病気などの発生につながる恐れがあります。
用土の選び方。
トマトを地植えをする時は、前年にナス科を育てていない場所を選ぶことがもっとも大切。
なぜなら、トマトは同じ場所でナス科の作物を続けて栽培すると、やがて育たなくなってしまう連作障害をおこしてしまいます。
また、水はけが良い土をトマトは好むため、水はけが悪い土壌は、赤玉土や腐葉土などを足して排水を調整しましょう。
風通しと支柱設置
トマト栽培では、風通しの良さが必要不可欠で、病気や害虫の発生を防いだり、健康を促進したりします。
風が良く通ることで、葉や茎がしっかりと太く立派に成長し、株が倒れにくくなるため、収穫量も増えることが期待できるでしょう。
次に、トマト栽培の成功にとって、支柱設置も重要なため、支柱設置の種類を紹介します。
立て方 | 特徴 |
1本仕立て | 栄養が集中するため、大玉トマトにおすすめ |
2本仕立て | 収穫量が増えるため、中玉トマトにおすすめ |
ピラミッド仕立て | 風に強く、不安な土壌におすすめだが、設置が大変 |
あんどん仕立て | プランター栽培向きであり、背を低く育てることができる |
合掌仕立て | 風に強く丈夫だが、上で茂りすぎてしまう場合がある |
ひも支柱 | 風に強く、誘引が簡単 |
上記を参考にして、用土の状態や育てたいトマトの種類に合わせて、支柱設置を行いましょう。
トマトの開花および収穫時期
トマトの開花および収穫時期について、解説します。
- トマトの開花時期
- 収穫に最適な時期の見極め方
- 収穫時期による味の違い
ひとつずつ説明します。
トマトの開花時期
トマトは、初夏である5月下旬~7月頃に小さくて黄色のお花を咲かせます。
プランターで苗を育てている場合、苗購入から約2~3週間して葉が約5枚程度つくと、上に最初の花が咲きます。
そして、受粉が上手くいけば、花が咲いてから2週間~1週間程度で小さな実がつくでしょう。
トマトのお花は、1段目の花が咲くと、順次成長して2段目3段目と花が咲いていくため、下から順番に咲いていきます。
トマトはとても花期の長い植物ですが、花が落ちてしまうと、受粉することができず果実が実らないため、お花の管理も大変重要です。
収穫に最適な時期の見極め方
収穫に最適な時期の見極め方のポイントは以下の通りです。
1.2段目に関しては、完熟よりも少し前段階で取る
1.2段目は水分が多く含まれていて、味が薄いため、早めに収穫することで他の成長を促しましょう。
トマトは硬めで、赤色になる手前状態の少し緑がかったものを収穫します。
3段目は完熟に近い状態で収穫する
3段目は、水分バランスが非常に良く、美味しいトマトを取れる可能性が高いでしょう。
トマトは程よい硬さで、実全体が赤色のものを収穫します。
基本的にトマトの収穫は、下の段のトマトから約10日間ごとに収穫が可能ですが、段数にあわせた適正な時期を見極めて果実を収穫できるように管理を徹底しましょう。
収穫時期による味の違い
トマトは、冬春トマト(12月~6月)と夏秋トマト(7月~11月)があります。
上記のトマトの味の違いを以下にまとめました。
特徴 | 冬春トマト | 夏秋トマト |
---|---|---|
大きさ | 4~6㎝ | 6~8㎝ |
甘味 | ◎ | △ |
味の濃さ | ◎ | × |
フルーティ | ◎ | 〇 |
酸味 | 弱い | 強い |
さっぱり感 | なし | あり |
季節ごとによって味わいが異なるため、四季折々のトマトを味わうことができるでしょう。
また、季節だけでなく、収穫のタイミングによっても味わいは変わってきて、完熟の状態だと甘みは強く風味豊かですが、早めの収穫だと酸味が強くさっぱりしています。
同じトマトでも、料理の用途や感じたい風味などによって、収穫する時期やタイミングを考えてみてはいかがでしょうか。
トマトの実がならない原因は?
トマトの実がならない原因を以下に分けて、解説します。
- 肥料の与えすぎ
- 日当たりが不足している
- 受粉不良
- 栄養不足
- 温度や湿度が不適切
ひとつずつ説明します。
肥料の与えすぎ
トマトに肥料を与えすぎてなる状態を過繁茂(かはんも)と言い、結果としてお花が育たなくなってしまい、受粉が上手くいきません。
過繁茂の状態の見極め方は、以下の通りです。
- 茎が太すぎる
- 葉の緑色がとても濃い
- 葉や幹が茂りすぎている
過繁茂になってしまった場合は、肥料や水やりを適切な量に調整し、早期にわき芽を摘み取ることで過剰な成長を止めましょう。
日当たりが不足している
トマトは、日を好む植物であるため、日当たりが不足していると光合成を十分にできず、栄養不足で実が付かなくなってしまいます。
ポットやプランターで育成している時期は、日当たりの良い場所に移動するか育成ライトなどを使用して日当たり不足を解消しましょう。
しかし、畑栽培の場合は、栽培場所を移動できないため、事前に日当たりがきちんとあるかどうかのチェックが大事です。
着果不振
トマトの性質として、1段目の花が着果しないと、その後に咲いた花もあまり着果しない性質があり、苗の植え付け時にまだ虫の活動が活発でないことが影響しているでしょう。
自然に虫による受粉が難しい時は、一段目の花が咲いたら、人口受粉といって筆や綿棒でこすったり、指を使ってはじいたりして受粉を促します。
虫が少ない環境な場合、虫が活動する時期になっても虫媒介での受粉が難しいため、人工の介入が必要です。
栄養不足
栄養不足な状態だと、果実だけでなく、樹全体に栄養が行き渡っておらず、トマトの成長につながりません。
そのため、葉が小さく茎も細い時は、肥料の量を増やしたり、摘果して栄養を樹全体に行き渡ったりすることが大切です。
きちんと対策をすることで、樹全体の負担を減らすことができ、きちんと回復すること間違いありません。
温度や湿度が不適切
トマトを適切な温度帯で管理していないと、花粉の活性化を止めてしまい、果実が実らないことがあります。
また、トマトは風通しが良い場所を好む野菜なため、湿度を50%〜70%に管理せず、高い場合は花粉が糊状になって、上手く花に付着しないことに繋がるでしょう。
そのため、温度や湿度は除湿器やカーテン・窓の開閉、ヒートポンプ暖房装置などを行ってきちんと管理することが大切です。
トマトの増やし方
トマトの増やし方のポイントは、次の5つです。
摘心と摘果の方法
トマトをきちんと増やすには、摘心と摘果の方法を正しく行う必要があります。
摘心とは、幹の一番上の芽を切り落として成長を止めることで、最後に収穫する花を決めたら、そこの上の葉を2枚残し、芽をハサミや指で摘み取ることです。
摘心により、不要な果実を減らし、美味しいトマトの収穫量が増えます。
また、摘果とは果実が大きくなる前に数を調整することで、トマトがピンポン玉サイズになったら果房についている実を間引くことです。
摘果すると、果実ひとつに行き渡る栄養が増加し、高品質のトマトが出来上がるだけでなく、数の増加も期待できるでしょう。
成長している樹や綺麗な果実をみると、摘心と摘果をすることに抵抗感があるかもしれませんが、実施することでメリットがたくさんあります。
挿し木によるトマトの増やし方
トマトは、挿し木をすることで採れる果実の量が増える可能性があります。
挿し木とは、適切な脇芽を準備し、発芽させる方法で、以下が手順です。
根が張るまで水に挿す
脇芽を水が入った瓶やコップに挿し、水を定期的に交換しながら根が張るのを待ち、その後に挿し穂を土に植え替えます。
水上げをしてから土に挿す
脇芽を数時間水にさらし、葉全体が元気な状態になっていることを確認して、湿らせた土に移動させます。
土にそのまま挿す
脇芽を直接土に挿す方法で、手順は簡単ですが、失敗する可能性が高いため、成功するにはきちんと環境を整えてから実施することをおすすめします。
挿し木をすると、新しいトマトの苗を購入せずに新しい苗を手に入れることができ、脇芽の再利用ができるため、金銭面でもメリットが大きいでしょう。
水耕栽培による増やし方
トマトは水耕栽培に適しているため、生産できる数が増えることがあります。
水耕栽培とは、土を使わず水を使用して行う栽培方法で、害虫被害が少なく、とても栄養管理しやすいため初心者にもぴったりでしょう。
水耕栽培は、日当たりのいい場所に置き、根の3分の2が液体肥料が入った水につかった状態になるよう日々追水して管理をすると、初心者でも収穫量や味の品質を良く育てられます。
ただし、大玉や中玉のトマトには不向きな栽培方法なため、ミニトマトから実施することがおすすめです。
植え替えの適期と手順
トマトの植え替えは、次のように適期を見極めて正しい手順で収穫量を増やしましょう。
- 植え替え適期は苗の高さ15~20cmを目安に
- 通常は4~5月、または9~10月に植え替えする
- 新しい土壌やプランターを事前に用意する
- 苗を傷つけないよう慎重に取り出す
- 植え替え後は水やりと温度・湿度管理を徹底する
植え替え適期は苗の高さ15~20cmを目安に
トマトの植え替え適期は、苗が適切な成長段階に達した時期を見極めることが重要です。
苗の高さが15~20cmに達した頃が植え替えに最適なタイミングとされています。
この時期の苗は根がしっかり張っており、環境の変化にも耐えやすいです。
適期を見逃すと、苗が弱る可能性があるため、タイミングを逃さないよう成長状況を日々観察しましょう。
通常は4~5月、または9~10月に植え替えする
トマトの植え替えは、春と秋が適しています。
具体的には4~5月、または9~10月に行うのが一般的です。
この時期は、気温が安定しており、植え替え後の苗の成長に適した条件が揃っています。
特に地域の気候に合わせて時期を調整すると、苗が育ちやすいでしょう。
新しい土壌やプランターを事前に用意する
トマトの植え替えには、新しい土壌や適切なプランターを事前に準備することが重要です。
新しい土壌には、栄養分が豊富で排水性が良いものを選びます。
プランターは苗の成長を考慮し、十分な深さと広さがあるものを使用すると良いでしょう。
適切な土壌やプランターを用意することで、苗のストレスを軽減し、健やかな成長を促せます。
苗を傷つけないよう慎重に取り出す
苗を植え替える際は、根を傷つけないよう細心の注意を払いながら慎重に取り出します。
ポットの周りを軽く叩いて土を緩めておくと、スムーズな取り出しが可能です。
根自体を引っ張らず、土を抱え込むようにして優しく取り扱うことで、苗を傷つけるリスクを最小限に抑えることができます。
植え替え後は水やりと温度・湿度管理を徹底する
植え替え後のトマト苗は、新しい環境に順応するために温度と湿度の適切な管理が必要です。
植え替え直後はたっぷりと水を与え、根がしっかり土壌に馴染むようにします。
さらに、温度や湿度の管理を徹底し、過度な乾燥や極端な気温変化を避けましょう。
鉢上げのやり方
トマトの鉢上げは収穫量を左右し、徒長を防いで健全な苗を育てるために欠かせません。
以下の手順で適切に行いましょう。
- 生育の悪い芽を間引く
- 芽を優しく掘り起こす
- ポットに穴を開けて植える
- 植えた後、土を軽く押さえる
- 太陽光と水やりで管理する
生育の悪い芽を間引く
鉢上げの際、生育が遅れている芽や不健康な芽を取り除くことは、元気な芽がより良い環境で育つために重要です。
間引きを行う際には、残す芽と間引く芽を慎重に見極め、根を傷つけないように指先や専用のツールを使って作業を進めます。
間引くことで、残った芽が十分な栄養とスペースを確保でき、健全な育つでしょう。
芽を優しく掘り起こす
鉢上げの作業では、苗が損傷しないように注意深く掘り起こしましょう。
スコップやシャベルなどを使い、根元から土を軽く掘り、苗をそっと持ち上げます。
この時、根を引っ張ったり無理に動かしたりすると、植物が傷つく原因になるので注意しましょう。
優しく丁寧に掘り起こすことで、その後の鉢上げ作業もスムーズに進みます。
ポットに穴を開けて植える
ポットに苗を植える際、苗の根が十分に広がるように適切な深さと広さの穴を掘ります。
穴の大きさは苗の根のサイズに合わせ、ポットの中央に空けましょう。
苗を植えた際に根が曲がったり押しつぶされたりしないよう、丁寧に根を配置してください。
この段階で根を広げやすい柔らかい土を用いると、根付きが良くなります。
植えた後、土を軽く押さえる
苗を植えた後、周囲の土を軽く押さえて固定します。
土を押さえることで苗がしっかりと立ち、根が土に密着するため、定着しやすくなります。
この際、土を強く押しすぎないよう注意しましょう。
適度に押さえることで根の呼吸を妨げることなく、苗が元気に成長します。
太陽光と水やりで管理する
鉢上げ後の苗は太陽光を適度に浴びせて、健全な生育を促します。
直射日光が強い場合は適度に遮光を行い、苗が過熱しないよう配慮しましょう。
また、水やりは土の乾き具合を確認して行い、過剰に与えないようにします。
適切な光と水の管理が、健康な植物を育てるポイントです。