ザミオクルカス レイヴンの育て方
公開日 2024年12月28日
更新日 2024年12月28日
育てやすさ
育て方の難易度は普通レベルです。
INDEX
目次
ザミオクルカス レイヴンの基本情報
植物名 | ザミオクルカス レイヴン |
学名 | Zamioculcas zamifolia ‘Raven’ |
英名 | Zanzibar gem |
別名 | 金銭樹 |
原産地 | アフリカ東部、ザンジバル諸島(タンザニア) |
科名 | サトイモ科 |
属名 | ザミオクルカス属 |
一般的な観葉植物は土から幹が生え、その幹から枝を伸ばし葉をつけますが、ザミオクルカスは地面からいきなり葉がついた枝が生えるという変わった性質をもちます。
珍しい性質に加え、ザミオクルカス レイヴンは他の植物ではあまり見られない黒い葉をつけるのが特徴です。
この特徴的な艶のある黒い葉をつけることから「レイヴン(カラス)」という名前がつけられました。
光沢のある黒い葉のスタイリッシュな雰囲気が魅力的で、シックなインテリアグリーンとして人気があります。
月別栽培カレンダー
植え付け・植え替え
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肥料
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種類と品種
ザミオクルカスは、サトイモ科ザミオクルカス属のザミオクルカス ザミフォーリアのみの1属1種です。
ザミオクルカス ザミフォーリアの品種改良によって様々な品種が生まれていて、ザミオクルカス レイヴンもその一つです。
品種品種改良によって生まれたのはレイヴンのほかに、ザミオクルカス ドワーフ(ゼンジー)などがあります。
ザミオクルカス ザミフォーリア
一般的なザミオクルカスの品種
ザミオクルカス ドワーフ(ゼンジー)
ザミフォーリアをコンパクトにした大きくならない小型品種
ザミオクルカス レイヴンの葉っぱの特徴
ザミオクルカス レイヴンは肉厚で光沢のある黒い葉をつけます。
新芽は葉が閉じたままの棒状で伸び、ある程度の長さになると、花が咲くようにいっせいに葉が開くのが特徴です。
また、新芽の葉の色は最初は緑で、成長するにつれてだんだん黒くなります。
新芽が多く出る春から夏の時期は、黒と緑の葉のコントラストが美しく魅力的です。
ザミオクルカス レイヴンはどんな花が咲く?
ザミオクルカス レイヴンは、仏炎苞(ぶつえんほう)という大きな花びらの様なものに包まれた短い棒状の肉穂花序(にくすいかじょ)の花が咲きます。
ただ、アフリカの自生地では花が咲きますが、日本では開花することは滅多にありません。
ザミオクルカス レイヴンの花言葉
ザミオクルカス レイヴンの育て方
ザミオクルカス レイヴンは、耐陰性があり乾燥にも強く育てやすい観葉植物ですが、間違った育て方をすると弱々しく成長したり、最悪の場合枯らしてしまうこともあります。
元気に育てるには病害虫などを予防することはもちろん、正しい水やり頻度や肥料のやり方を知ることが大事です。
以下で、ザミオクルカス レイヴンを育てるポイントを紹介します。
水やりの頻度
ザミオクルカスはサトイモ科の植物で根に水を貯め込む芋があり、葉も肉厚なため保水性が高く水切れに強いです。
そのため、他の植物に比べると根腐れを起こしやすいので水のやりすぎに注意し、基本的に乾燥気味に育てるようにしましょう。
また、受け皿に溜まった水も根腐れの原因になるため、こまめに捨てることが大事です。
葉っぱをきれいにする方法は?
- 葉水をする
- ティッシュやキッチンペーパーを使った水拭き
- リーフクリーナー(観葉植物の葉面洗浄剤)を使用する
葉水をすると、乾燥を防ぎ元気な葉を保つことができます。
ハダニやアブラムシなどの害虫の予防にもなるので葉水は毎日1回は行うようにしましょう。
気温が低いときの葉水は葉を痛めてしまうので、冬は気温が上がる日中の時間帯に行ってください。
また、リーフクリーナー(観葉植物の葉面洗浄剤)を使用すると葉の汚れやほこりが落ちて、さらにつやのある黒い葉に仕上がります。
肥料のあげ方
肥料は春から秋(5~10月)に与えます。
緩効性の置き肥(化成肥料)を2ヶ月に1度か、液肥を2週間に1度与えましょう。
化成肥料は有機物を含んでいないため、虫が湧きにくいのでおすすめです。
ザミオクルカス レイヴンは基本的に肥料がなくても育つので、過剰に与えると根が傷みます。
枝がひょろひょろと細い時や葉につやが無い時など、株に元気がない場合に与えるようにしましょう。
病害虫・害虫対策
ザミオクルカス レイヴンにはカイガラムシやハダニなどが発生することがあります。
それぞれの特徴や対策は以下の通りです。
カイガラムシ
- カメムシの仲間で、体長2~10mmの小さな虫
- 茎の付け根や葉裏に白い綿やホコリのようなものがついてベトベトする
- 吸汁されると枝枯れや葉枯れ、すす病、こうやく病を引き起こす
発生した場合、卵であれば布で拭き取り除去し、幼虫であればオルトランなどの殺虫剤を使用してください。
成虫は殻に覆われていて薬剤が効きにくいため、歯ブラシなどでこすり落とします。
暗くて風通しが悪くホコリっぽいところを好むので、風通しを良くし、葉を清潔に保ち明るい場所に置きましょう。
虫よけの木として知られるニームの木から精製されたニームオイルを水に混ぜてスプレーするのもおすすめ。
ハダニ
- 体長0.3~0.8mmととても小さく、体色は茶や赤、ベージュなど様々
- 吸汁されると白い小さな斑点になる
- 被害が大きくなると葉全体が白っぽく変色して枯れてしまうことがある
- 葉に細かい白い糸がついていたらハダニがいるサイン
ハダニを見つけたときは濡れた雑巾で拭き取るか、テープで取り除いてください。
数が多い場合は、お風呂場や屋外で水をかけて洗い流すか、小さい株であれば鉢ごと水に浸けて優しく洗いましょう。
予乾燥した環境を好むハダニは水に弱いため、予防には葉水が効果的です。
葉の表はもちろん、葉裏に潜んでいることが多いので日頃から葉の裏もしっかり葉水をする。
ザミオクルカス レイヴンの栽培環境
ザミオクルカス レイヴンを丈夫に育てるためには適切な環境を整えることが大切です。
置き場所や温度などに注意して、育成に適した環境を知り元気に育てましょう。
置き場所と日当たり
- 直射日光が当たらない明るい室内に置く
- 日当たり不足は照明やライトで補光する
- 夏場は風通しのよい屋外で管理する
- 均等に日が当たるように時々向きを変える
耐陰性はありますが、寝室などの光が少ない場所では枝がひょろひょろと細くなる恐れがあります。
また、病害虫の発生を防ぐために風通しをよくすることも大事です。
夏場は風通しのよい屋外で管理するのもおすすめですが、直射日光と雨が当たらないように注意してください。
また、いつも同じ向きに置いていると光が当たる方に枝が伸びて不格好になるので時々向きを変えてあげましょう。
適切な温度|どれくらいの寒さまで耐えられる?
ザミオクルカス レイヴンは寒さに弱い植物です。
屋外で管理している場合は、気温が15℃以下になってきたら室内に移動させましょう。
最適な温度は15~25℃です。
5℃を下回ると枯れる恐れがあるのでなるべく温かい場所で育てましょう。
ただし、暖房の風が直接当たると葉が乾燥して痛むので、置き場所には注意が必要です。
用土
ザミオクルカス レイヴンは根腐れをしやすいため、水はけのよい土にしましょう。
用土は通気性と排水性のよい、ねこチップ(ヤシの実チップと日向石をブレンドした植え込み資材)がおすすめです。
元肥には、中粒マグァンプK(即効性と緩効性どちらの成分も配合された肥料)と花用の元肥を適量ブレンドしましょう。
土で育てたい場合は、観葉植物用や多肉植物用の土をベースにして、排水性を高める赤玉土や鹿沼土を適量混ぜ合わせたものを使用します。
ザミオクルカス レイヴンを種から育てると大変?
ザミオクルカスレイヴンの種は基本的に流通していません。
花が咲くことも滅多にないため、育てた株から採取するのもかなり難しいでしょう。
株を増やしたい場合は、新しく苗を購入するか挿し木や株分けを行うのがおすすめです。
ザミオクルカス レイヴンの増やし方
ザミオクルカス レイヴンは挿し木や葉挿し、株分けで増やすことができます。
株を増やしたい方は是非参考にしてみてください。
以下で、株分けの適切な時期や挿し木、葉挿しをする際のポイントなどを紹介します。
剪定・株分けの時期はいつがいい?
ザミオクルカス レイヴンの剪定の時期は5~10月です。
晴れた日の午前中に行いましょう。
葉が茂り過ぎて風通しが悪い場合や、枯れたり痛んだりしている枝や葉を剪定します。
樹液に毒性があり、皮膚につくとかぶれる恐れがあるので剪定する際は手袋をしましょう。
株分けは春から初夏(5~6月)に行います。
株へのダメージが少なくて済むので、できれば植え替えと一緒に行うようにしましょう。
株分けのやり方
- 株を鉢から抜き、土を落とす
- 芋と芋の間に指をいれて引き剥がすように分ける
- 分けた株をそれぞれの鉢に植えつける
① 株を鉢から抜き、土を落とす
② 芋と芋の間に指をいれて引き剥がすように分ける
株を分ける際は、根を傷つけないように慎重に扱います。
③ 分けた株をそれぞれの鉢に植えつける
植えつけた後は、風通しの良い明るい日陰で水を切らさないように管理しましょう。
枝挿しのやり方
ザミオクルカス レイヴンは、枝を使う枝挿しや葉っぱを使う葉挿しでも増やすことができます。
- 10枚ほど葉がついた枝をカットする
- 枝の根元部分を水につける
- 水を換えながら1か月ほど待つ
① 10枚ほど葉がついた枝をカットする
② 枝の根元部分を水につける
③ 水を換えながら1か月ほど待つ
枝を入れた水は、定期的に交換して清潔に保ちましょう。
根と芋が出てきたら、土を入れたポットに挿してください。
葉挿しのやり方
- 枝との付け根部分から葉をカットする
- カットした根元の部分を水につける
- 毎日水を換えながら1ヶ月ほど待つ
- 根と芋が出たら挿し木用の土を入れたポットに挿す
① 枝との付け根部分から葉をカットする
葉柄の根元部でカットします。
葉挿しに使用する葉は、大きくて生き生きとしたものの方がよく発根する勢いがあるのでおすすめです。
② カットした根元の部分を水につける
カットした葉の根元4分の1程度を水につけます。
③ 毎日水を換えながら1ヶ月ほど待つ
④ 根と芋が出たら挿し木用の土を入れたポットに挿す
土に挿す長さは、葉の根元を1cmほどです。
土に挿した後は、明るい日陰で管理し、土が乾いたら水やりをしながら新芽が出るのを待ちましょう。
挿し木、葉挿しどちらも、新芽が成長してポットから鉢に植え付けができるようになるまで半年から1年かかります。
植え替え時期はいつがいい?
ザミオクルカス レイヴンの植え替えは4~5月の春か、9~10月の秋の生育期に行ってください。
生育期は根の動きが活発で株が成長する時期で、植え替えにも適しています。
夏の暑い日や休眠期である冬は根の動きが悪いため、植え替えは避けましょう。
ザミオクルカス レイヴンは根の芋がすぐに大きくなるため、植え替え頻度は一年に一度が目安です。
鉢替えのやり方
芋が大きくなりポットがデコボコしていたり、鉢が芋でぎゅうぎゅうになっていたら植え替えのサインです。
ザミオクルカス レイヴンは芋がすぐに大きくなるので植え替える鉢は二回りほど大きいものにしましょう。
また、深く植えすぎないようにするのもポイントです。
① 根や芋についた土をきれいに落とす
株を取り出し、根や芋についた古い土をきれいに落とします。
② 新しい鉢の底に用土(チップや土)を3分の1程度入れる
土に植えられているものをチップに植え替えるのは比較的大丈夫ですが、チップから土に植え替えると枯れてしまう場合があります。
植え替える際は土から土、チップからチップのようにできるだけ同じ環境にしましょう。
③ 芋を鉢にセットし、用土を充填する
芋が鉢の中央に来るようにセットし、用土を軽く押し込みながら充填していきます。
根元が隠れるくらいまで用土を入れたら完了
鉢替えが完了したらたっぷりと水をやり、直射日光が当たらない明るい場所で管理しましょう。