アガベ アテナータの育て方

更新日 2025年12月23日

育てやすさ

初心者の方でも育てやすいのでおすすめです。

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監修者情報

株式会社HanaPrime|植物アドバイザー

覚張大季

覚張大季

植物と人との関わりに魅了され、日本各地の植物農園を見て回る。HanaPrimeの植物部門の立ち上げ後はオフィスや商業施設、個人宅など、幅広いシーンのグリーンコーディネートを数多く担当。植物の生態や特性を深く掘り下げ、それぞれの空間やライフスタイルに適したグリーン空間デザインを提案することが得意。観葉植物の世界に情熱を注ぎ、植物の価値を最大化することを使命としている。

アガベ アテナータの育て方

アガベ アテナータの育て方

アガベ アテナータは次のポイントを意識して育てましょう。

  • 乾燥した土壌で育てる
  • 肥料は控えめに使用する
  • 病害虫に注意する

水やりの頻度

季節頻度時間帯
春~秋土が完全に乾いてから数日後夕方~早朝の涼しい時間帯
断水するか1ヶ月に1回程度昼の暖かい時間帯

アガベ アテナータは、季節を問わずに乾燥ぎみの土壌で育てます。

生育期の春~秋には、土が完全に乾いてから数日後に、鉢底から流れ出るくらいたっぷりと水を与えましょう。

水の温度が高くなりすぎないよう、夕方~早朝の涼しい時間帯に与えるのがおすすめです。

根腐れを防ぐため、受け皿に溜まった水はすぐにすぐに捨てるようにしましょう。

休眠期の冬は断水するか、1ヶ月に1回ほどの頻度で、土の表面が湿る程度に水やりをします。

水分凍結を防ぐため、昼の比較的あたたかい時間帯に行うのが良いでしょう。

冬から春、秋から冬の季節が変わるタイミングには、いきなり水の量を変えるとダメージを与えてしまうため、徐々に水の量を調整するようにするようにします。

肥料のあげ方

アガベ アテナータの生育が活発な5~8月に、次の量を守って肥料を与えます。

緩効性肥料2ヶ月に1回置く
液肥規定量を水で薄めて2週間に1回与える

肥料の与えすぎは植物にダメージを与える可能性があるため、必ず量や頻度を守って使用しましょう。

また、冬は休眠期で生育が緩慢になるため、肥料を与える必要はありません。

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病害虫・害虫対策

アガベ アテナータは次の病害虫に注意が必要です。

  • アザミウマ
  • カイガラムシ
  • 黒星病
  • さび病

アザミウマ

  • 吸汁によって葉に白い変色や斑点、奇形を発生させる
  • 初夏~秋の気温が高く乾燥した時期に発生しやすい

アザミウマは別名「スリップス」とも呼ばれる体長1~2mmほどの小さい害虫です。

5~11月に発生しやすく、かさぶたのような白い斑点が葉に現れたらアザミウマを疑いましょう。

殺虫剤で駆除するか市販の専用テープで捕獲し、被害が大きい葉は清潔なハサミで取り除きます。

カイガラムシ

  • 吸汁によって葉を枯らせる
  • 排せつ物がすす病やアブラムシなどを媒介する

カイガラムシは体長2~10mmほどの害虫で、成虫は白い貝殻を背負っているような見た目をしています。

葉の表面に白くベタベタした物質を見つけたらカイガラムシを疑い、早期駆除を心がけましょう。

幼虫の段階では殺虫剤や牛乳、木酢液をスプレーして駆除し、成虫は歯ブラシなどで物理的にこすり落とします。

黒星病(くろほしびょう)

  • 滲んだような形の黒い斑点が出る
  • 斑点の範囲が徐々に広がり、葉を枯らす

別名「黒点病」とも呼ばれるカビ病の一種です。

気温と湿度の高い梅雨~夏の時期に多くなる病気で、インクが滲んだような形の黒い斑点が発生し、徐々に全体に広がって葉を枯らせます。

葉が重なって湿気が溜まる部分や、土に近い根元の部分に発生しやすく、一度発症すると治らないため、発見したらすぐに該当箇所を取り除きましょう。

さび病

  • 葉の裏に赤さびのような斑点が出る
  • 進行すると該当箇所が盛り上がり、生育を阻害して弱らせる

葉の裏に赤さびのような斑点が広がるのが主な症状で、葉の鏡面からは白や黄色のにじみのように見えます。

進行すると赤さび状の部分が隆起してでこぼこになり、生育が阻害されて植物全体が弱らせるため、早期に発見したい病気です。

春と秋の湿度が高い時期に発生しやすく、症状を見つけたら重曹や薬剤を散布するか、進行している場合は該当箇所を切り落としましょう。

切り戻し剪定|伸びすぎたらどうする?

アガベ アテナータが伸びすぎてしまった場合には、切り戻し剪定(胴切り)をしてサイズを調整しましょう。

清潔な剪定ばさみやナイフを用意し、好みの位置で幹を切ります。

切り離した方(葉の付いている方)の切り口を完全に乾燥させてから新しい鉢に植え、発根が確認できたら最初の水やりを行いましょう。

詳しい手順は、後述の「挿し木のやり方」で紹介しています。

アガベ アテナータの基本情報

植物名アガベ アテナータの基本情報
学名Agave attenuata
英名Fox tail agave、Lion’s tail agave、Swan’s neck agave
別名アガベ アテヌアータ、キュウコンアガベ
原産地メキシコ
科名キジカクシ科(クサスギカズラ科)
属名リュウゼツラン属
開花時期数十年に一度

アガベ アテナータは、アガベの中では珍しく幹立ちをする品種です。

すっと立ち上がる幹の上に、柔らかな質感の葉が放射状に広がる姿は優雅で、どこか南国のような雰囲気も感じられるでしょう。

一生に一度だけ訪れる開花の時期には、長い花芽を空に向かって伸ばし、その形はまるでフサフサした動物の尾が付いているように見えます。

このことから、海外では「Fox tail agave(キツネの尾のアガベ)」「Lion’s tail agave(ライオンの尾のアガベ)」などと呼ばれるユニークな存在です。

月別栽培カレンダー

種まき

1

2

3

4

5

6

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8

9

10

11

12

植え付け・植え替え

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肥料

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種類と品種

アガベ アテナータには複数の品種がありますが、見た目の主な違いは斑の入り方です。

葉の形や質感、全体の立ち姿はどれも似ているため、斑の違いを中心に次の6品種を紹介していきます。

名前レア度葉の色
初緑(はつみどり)★☆☆☆☆明るい緑色なし
ボーチンブルー★★☆☆☆明るい緑色なし
カラズストライプ★★★☆☆葉の縁は明るい緑色黄色~黄緑色の中斑
レイオブライト★★★☆☆葉の中央は明るい緑色白色の覆輪斑
レアズゴールド★★★★☆なし黄色~黄緑色の中斑
翡翠盤(ひすいばん)★★★★★斑以外の部分は明るい緑色白色・黄色・黄緑色の放射状の斑

初緑(はつみどり)

初緑(はつみどり)
  • アガベ アテナータの基本品種
  • 明るい緑の葉がみずみずしい

「初緑(はつみどり)」はアガベ アテナータのベーシックな品種で、みずみずしい緑色の葉が視線を惹きつけます。

凛とした立ち姿と相まって、お庭やお部屋の印象を格上げしてくれるでしょう。

ボーチンブルー

  • 初緑と同様の瑞々しい色合い
  • やや葉幅が広い

「ボーチンブルー」は先ほど紹介した初緑とよく似ていますが、やや葉幅が広いのが特徴です。

「ハンティントンブルー」や「ブルーボーイ」とも呼ばれ、葉の美しい色合いと堂々とした佇まいが印象に残ります。

カラズストライプ

カラズストライプ
  • 幅が広めの中斑
  • 斑の鮮明さは様々

「カラズストライプ」は、中斑(葉の中央に入る斑)のある上品な見た目が魅力の品種です。

斑は黄色や黄緑色で、1枚の葉の中でグラデーションになっている場合もあり、葉の縁の緑色との穏やかなコントラストが楽しめます。

レイオブライト

  • くっきりとした白色の覆輪斑
  • 斑の幅は多様

「レイオブライト」は、白色の覆輪斑(葉の縁に入る斑)が特徴の品種で、くっきりとした白色が葉を縁取ってスタイリッシュな雰囲気を醸し出します。

斑の幅は、わずかに細く入るもの、葉の半分以上を占めるものなど個体差が大きいため、一つひとつに個性を感じられるでしょう。

レアズゴールド

  • 葉全体が斑
  • 色合いは黄色~薄緑まで多様

「レアズゴールド」は葉の全体に斑が広がっている品種です。

斑といっても明らかに色が抜けているような様子ではなく、淡い黄色から薄めの緑色まで様々で、一見したところ斑入りと気付かないこともあるでしょう。

翡翠盤(ひすいばん)

  • 放射状に入る斑が美しい
  • 1枚の葉に多色の斑が混在

「翡翠盤(ひすいばん)」は、一枚の葉の中に様々な色の斑が放射状に入る大変珍しい品種です。

華やかでありながら神秘的な雰囲気も持ち合わせていて、アテナータとはまったく別の植物であるかのようにも感じられます。

アガベ アテナータの葉っぱの特徴

Agave Attenuata cactus plant from Canary Islands in La Palma
葉の形状長三角形の葉が放射状に広がる
葉の色明るいブルーグリーン
表面に白い粉のようなロウ層がある
多様な斑
葉の厚み薄くしなやか
鋸歯ない

アガベ アテナータの葉っぱは一般的なアガベと異なり、厚みがなくしなやかで、やわらかい質感が特徴です。

幼株では地面から直接葉っぱが生えているように見えますが、成長すると幹立ちし、木の上部だけに葉が付いているような見た目になります。

品種によっては白や黄色の覆輪斑(葉の周囲に入る斑)、中斑(葉の中央に入る斑)、全斑(全体に入る斑)、放射状に入る斑など、多様な斑が楽しめるのも特徴の1つです。

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アガベ アテナータはどんな花が咲く?

アガベ アテナータはどんな花が咲く?

数十年に一度だけ、2~4mほども長さのある花芽を伸ばして白~緑色の小さな花をたくさん付けます。

開花すると黄色い花粉をもったおしべが外に飛び出るため、遠目には黄色い花が咲いているように見えるかもしれません。

アガベの開花は100年に一度とも言われますが、アテナータは他のアガベに比べて花が咲く時期が早く、20年程でその瞬間が訪れた例もあります。

アガベ アテナータの花言葉

アガベ アテナータの花言葉「繊細」「気高い貴婦人」です。

他のアガベも同様の花言葉を持ち、数十年に一度だけ花を咲かせ、その後は枯れてしまう繊細さや気高さが由来となっています。

アガベ アテナータの栽培環境

アガベ アテナータの栽培環境

アガベ アテナータの栽培環境について確認していきましょう。

置き場所と日当たり

おすすめの置き場所日当りが良い場所(真夏の直射日光は避ける)
風通しの良い場所
避けたい置き場所日が当たらない場所
湿度の高い場所
エアコンの風が直接当たる場所

アガベ アテナータは耐陰性もありますが、基本的には日差しを好む植物です。

室内では窓辺などの日当たりが良い場所に置き、屋外では雨のかからない場所に置きましょう。

十分な日当たりを確保できない場合は、LEDの育成ライトの活用も検討してみてください。

一般的なアガベよりも葉が薄く、直射日光による葉焼けを起こしやすいため、夏の強い日差しはレースカーテンで緩和するなどの調整も必要です。

また、アガベを健康に育てるには風通しの良い環境が必要なため、ときどき窓を開けたり、サーキュレーターで部屋の空気を循環させましょう。

ただし、エアコンの風が当たると植物が弱ってしまうため、できるだけ避けるようにします。

適切な温度|どれくらいの寒さまで耐えられる?

季節
適温15~30℃5℃以上

アガベ オテロイの生育適温は15~30℃で、春~秋に成長が活発になります。

一方で耐寒性は低く、5℃を下回ると葉が傷んだり枯死したりする場合もあるため注意が必要です。

冬は冷気を避け、屋内の暖かい場所で管理しましょう。

アガベ アテナータの土の配合比率(用土)

アガベ アテナータの土の配合比率

アガベの仲間は乾燥した土壌を好むため、水はけの良い用土を使用します。

市販品では、アガベ専用や多肉植物用、サボテン用、塊根植物用などの土を購入するのが良いでしょう。

自分で土を配合する場合は、日向土4割、赤玉土4割、軽石2割の割合で混ぜるのがおすすめです。

アガベ アテナータの種まき

アガベ アテナータの種まきについて紹介します。

実生(種からの育成)に挑戦したい方は参考にしてみてください。

アガベ アテナータの種を入手する方法

アガベ アテナータの種は主に次の方法で入手できます。

入手方法おすすめ度価格少量から買える種の管理・配送方法手数料
オンラインショップ安心かからない
フリマアプリ懸念があるかからない
個人輸入懸念があるかかる

初めて種を購入する方は、大手のオンラインショップやフリマアプリを活用するのが良いでしょう。

どのショップが良いか迷ってしまうときには、各ショップのレビューをチェックしたり、同じ種で発芽を成功させている方の情報を確認したりして選ぶのがおすすめです。

とにかく安く入手したい方は個人輸入も検討の価値がありますが、「植物検疫証明書」という書類の発行に手数料がかかることを覚えておきましょう。

種まきにおすすめの時期は3~6月

アガベ アテナータの種まきは、温かくなってくる3~6月ごろに行うのが良いでしょう。

発芽には1日を通じて20~25℃の気温(室温)が必要になるため、お住まいの地域の気温予報などを確認しながら時期を調整してみてください。

種まきのやり方

  1. 鉢に用土を入れて水を通す
  2. 土の上に種を乗せてラップで温室状態を作る
  3. 腰水をする
  4. 発芽を待つ
  5. ラップを外す
  6. 葉が3枚ほど出たら通常の水やりに切り替える

① 鉢に用土を入れて水を通す

スリットが入った小さい鉢と、新品の用土を用意します。

用土は古いものでも使用できますが、雑菌が混入している場合があるため、熱湯消毒後にしっかりと冷ましてから使いましょう。

鉢の8分目程度まで入れて全体に水を回しかけ、底から出てくる水が透明になるまでしばらく続けます。

② 土の上に種を乗せてラップで温室状態を作る

土の上に一定間隔で種を置き、その上からラップをかけましょう。

簡易的な温室状態を作り出すことで、発芽に必要な湿度を確保できます。

③ 腰水をする

種の発芽に必要な水分を補給するため、「腰水」という方法で水やりを行います。

受け皿の中に水を入れ、その状態で鉢を置きましょう。

こまめに確認して水が切れないように補充しつつ、1~2日に1回は水を全て交換して清潔な状態を保ちます。

④ 発芽を待つ

発芽までの日数は個体差がありますが、目安として3~7日程度で発芽します。

発芽する前にカビが生えてしまった種は取り除きましょう。

⑤ ラップを外す

発芽した後はラップを外し、外気にさらした状態で管理します。

⑥ 葉が3枚ほど出たら通常の水やりに切り替える

葉が3枚ほど出て株がしっかりしてきたら腰水をやめ、成株と同じ方法で水やりを行います。

最初は多めに水を与え、徐々に減らして環境に慣らしていくようにしましょう。

アガベ アテナータの成長速度はどれくらい?

アガベ アテナータは他のアガベに比べると成長が早い品種で、発芽から1年で葉を10枚ほど付けます。

ただし、一般的な観葉植物に比べるとアガベの仲間は成長が緩やかなため、幹立ちまでには10~20年かかることもあるでしょう。

アガベ アテナータの増やし方

アガベ アテナータの増やし方

アガベ アテナータは、挿し木や株分けで増やすことができます。

挿し木は、先ほど紹介した「切り戻し剪定(胴切り)」で切り離した上部を植える方法で、
株分けは、親株の根元にできた子株を取り外し、別の株として植え付ける方法です。

剪定・株分けの時期はいつがいい?

剪定・株分けは生育期がスタートする4~5月ごろに行うのがおすすめです。

作業後も生育期が続くため、その期間で十分に根が成長でき、株のダメージを最小限に抑えることができます。

株分けのやり方

  1. 水やりを数日控える
  2. 子株を丁寧に外す
  3. 子株を新しい鉢に植える
  4. 腰水で水やりをする
  5. 半年ほどで通常の水やり方法にする

① 水やりを数日控える

株分けの前は2~3日は水やりを控え、鉢の内部を乾燥させましょう。

土を乾かすことで株が引き抜きやすくなり、根を傷つけるリスクが軽減されます。

② 子株を丁寧に外す

親株と子株の根元を支えながら鉢をひっくり返し、軽く叩きながらゆっくりと鉢を外します。

株が抜けたら、根の部分を優しくほぐしながら子株を分けましょう。

親株にくっついて取りづらい場合は、子株を優しくつまんで左右に振るようにして外します。

枯れた葉や傷んでいる根は清潔なハサミを使って取り除き、余分な土は優しくほぐすようにして落としておきましょう。

③ 子株を新しい鉢に植える

新しい用土と、子株の大きさに合う鉢(鉢底穴かスリットのあるもの)を用意します。

穴が大きい場合は鉢底ネットと鉢底石を敷き、3割程度まで用土を入れて子株を植える位置を確認しましょう。

場所が定まったら、株を支えながら用土を隙間なく敷き詰めていきます。

株の根元から土全体にたっぷりと水をかけ、鉢底から出る水が透明になるまで続けましょう。

④ 腰水で水やりをする

腰水を行い、水を切らさないようにこまめに補充します。

1~2日に1回は水をすべて交換して清潔な状態を保ちましょう。

⑤ 半年ほどで通常の水やり方法にする

半年ほど経って葉が数枚出てきたら、成株と同じ水やり方法に切り替えます。

切り替えると環境に慣れずにダメージを受けるため、水の量を徐々に減らしていく工夫をしましょう。

挿し木のやり方

  1. 葉の一部を残して胴切りする
  2. 切断面を完全に乾かす
  3. 【上部】鉢に植える
  4. 【上部】発根を待つ
  5. 【上部】少しずつ水をやる
  6. 【下部】腰水で水をやる
  7. 【下部】子株が付いたら上から水をやる

① 葉の一部を残して胴切りする

増やすことを目的に胴切りする場合は、葉のない幹部分ではなく、葉の付いた部分の幹を途中でカットします。

清潔な剪定ばさみやナイフを用意し、切り口ががたつかないように思い切って切り落としましょう。

② 断面を完全に乾かす

切り離した上部、鉢に残った下部は、どちらも切り口を完全に乾燥させます。

数日~数週間かかることもありますが、じっくりと待ちましょう。

乾燥させている間は水やりを完全にストップします。

切り口に水が付くのも防ぎましょう。

ここからは、上部と下部に分けて作業内容を確認していきましょう。

③ 【上部】鉢に植える

切り離した上部の切り口が完全に乾いたら、新しい鉢に仮植えしていきます。

鉢底穴やスリットがある鉢を用意し、鉢底ネットと鉢底石を敷きましょう。

新品の用土を3割程度入れ、幹を立てるようにして配置したら、自立する程度に土を入れます。

④ 【上部】発根を待つ

上部を仮植えしたら水はやらずに、発根するまでそのままの状態を維持します。

発根までには2~4週間ほど時間がかかるため、焦らずにじっくりと待ちましょう。

表面に根が見える、芽が伸びてくる、幹を軽く引っ張ると抵抗を感じるなどの状態が発根のサインです。

⑤ 【上部】少しずつ水をやる

発根したら、一般的な株と同じ頻度で水やりを行います。

この段階では根が伸びきっておらず吸い上げる量も少ないため、最初は水の量を少なめにし、水やりのタイミングのたびに少しずつ増やしていきましょう。

⑥ 【下部】腰水で水をやる

古い鉢に残った株は、通常の頻度で水やりを続けます。

切り口に水がかかるのを防ぐため、土の表面からの水やりではなく、腰水で与えるようにしましょう。

⑦ 【下部】子株が付いたら上から水をやる

早ければ2週間程度で子株が出てくるので、それを確認したら通常の水やり方法に切り替えます。

子株が十分に成長した段階で切り離し、新たな鉢に植えて増やしていきましょう。

植え替え時期はいつがいい?

植え替えは4~5月ごろに行うのがおすすめです。

根詰まりを防ぐためには、少なくても2年に1回は植え替えが必要ですので、事前に準備しながら時期を逃さないように実施しましょう。

鉢替えのやり方

  1. 水やりを数日控える
  2. 鉢から株を引き抜く
  3. 古い土や傷んだ根を取り除く
  4. 新しい鉢に植える
  5. 2~3日後に水やりをする

① 水やりを数日控える

植え替え前は2~3日水やりを控え、土を乾燥させて株を引き抜きやすい状態にしておきます。

② 鉢から株を引き抜く

株の根元を支え、鉢をひっくり返すようにして引き抜きます。

抜けにくいときは、鉢の周囲を数回叩いたり、柔軟性のある鉢であれば軽く揉んだりすると良いでしょう。

③ 古い土や傷んだ根を取り除く

根に付いている古い土を落としていきます。

根を傷つけないように注意しながら、指で軽く揉んだり、割りばしのような細い棒で優しくつついたりしてほぐすと良いでしょう。

茶色くてスカスカしている根は傷んでいるため、清潔なハサミで取り除きます。

④ 新しい鉢に植える

新しい用土と、今までよりもひとまわり大きい鉢(鉢底穴かスリットがあるもの)を用意します。

鉢底ネットと鉢底石を敷いて、用土を3割ほど入れましょう。

株をあてがって植える位置を確認し、周囲に用土を敷き詰めていきます。

鉢の周囲を軽く叩いたり、地面でトントンとならすようにしたりして隙間なく行きわたらせましょう。

⑤ 2~3日後に水やりをする

作業中に付いた細かな傷から菌が入らないようにするため、植え替え後は2~3日休ませてから最初の水やりを行いましょう。

その後は一般的な株と同じタイミングで水やりを行い、乾燥気味に育てます。

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