ネオレゲリア ファイヤーボールの育て方
育てやすさ
初心者の方でも育てやすいのでおすすめです。
INDEX
目次
ネオレゲリア ファイヤーボールの基本情報
植物名 | ネオレゲリア ファイヤーボール |
学名 | Neoregelia ‘Fireball’ |
英名 | Fireball Neoregelia |
原産地 | 中南米 |
科名 | パイナップル科(ブロメリア科) |
属名 | ネオレゲリア属 |
開花時期 | 4月~7月 |
ネオレゲリア ファイヤーボールは鮮やかな葉色と筒状の形がトロピカルな雰囲気を感じさせる植物です。
環境によって緑や赤色に変化する葉の色味を楽しみましょう。
真っ赤になったネオレゲリア ファイヤーボールは名前の通り火の玉の様です。
育て方も特徴的で、株の中央にある筒の中に水やりすることで成長します。
水の状態が一目で分かるので、水やりが苦手な方にもおすすめです。
ネオレゲリア ファイヤーボールのように筒の中に水をためるブロメリア科をタンクブロメリアと呼びます。
原産地の中南米では、筒の中の水にヤドクガエルのオタマジャクシが入っていることで有名です。
月別栽培カレンダー
種まき
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植え付け・植え替え
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肥料
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開花
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種類と品種
ネオレゲリア ファイヤーボールはパイナップル科(ブロメリア科)ネオレゲリア属の一種です。
ネオレゲリア属には約100種の原種に加えて、約4,000種もの園芸品種が作出されています。
日本でも斑点模様や縞々模様など様々なタイプのネオレゲリアを購入することが可能です。
日本で流通しているネオレゲリア属
品種 | 特徴 |
ネオレゲリア ファイヤーボール バリエガタ | 葉の縁に桃色の覆輪斑が入るファイアーボールより大型 |
ネオレゲリア パウシフローラ | 白色の縞模様と黒い斑点がつく小型種子株が出やすくシャンデリアのように仕立てることが可能 |
ネオレゲリア カロリナエ | ネオレゲリアの人気種葉の中心部が赤く色付く |
ネオレゲリア ペンデュラ | 硬い棘がついた葉葉は筒状ではなく、開くように展開する |
ネオレゲリア スペクタビリス | 葉の先端が赤く色付く葉裏に縞模様が入る |
ネオレゲリア リオオブリオ | 強い光を与えると真っ赤になる子株をたくさん出し、ボール状になる |
ネオレゲリア ファイヤーボールはどんな花が咲く?
ネオレゲリア ファイヤーボールは筒の水の中から花を咲かせます。
花びらは3枚で、薄紫と白のグラデーション色です。
ネオレゲリア ファイヤーボールは一回結実性なので開花後しばらくすると枯れていきます。
しかし、開花前後で子株を出すので親株の代わりに元気に育ててあげましょう。
また、花がらは水の中に放置すると腐敗し異臭を放つのでピンセットなどで取ってください。
ネオレゲリア ファイヤーボールの葉っぱの特徴
ネオレゲリア ファイヤーボールは筒が開く様に葉が成長していきます。
葉の色が環境によって緑~赤色に変化するのが一番の特徴です。
環境 | 葉の色 |
日光不足 | 緑色で両サイドに桃色のラインが入る |
十分な日光 | 赤色 |
緑から赤に変化する時は、根本から赤くなるので緑と赤のグラデーションが楽しめます。
ネオレゲリア ファイヤーボールの花言葉
ネオレゲリア ファイヤーボールおよびネオレゲリアには花言葉がありませんが、ネオレゲリア カロリナエには「博愛」という花言葉がついています。
ネオレゲリア ファイヤーボールの育て方
ネオレゲリア ファイヤーボールの育て方は比較的簡単で、初心者の方でも枯らす心配はほとんどありません。
なぜなら、水の状態が一目で分かるからです。
株の中央にある筒の中に適量の水が入っているか確かめてあげましょう。
綺麗な葉色を出すためには肥料と害虫対策も必要です。
水やりの頻度
ネオレゲリア ファイヤーボールの水やりは季節によって異なります。
特に冬は育て方によって水やり方法が異なるので注意しましょう。
春夏秋
成長期の春~秋は2~3日ごとに筒から水が溢れるくらいたっぷりと水をあげてください。
貯まった古い水を入れ替えるつもりで勢いよく水やりすると良いでしょう。
水苔や流木に着生させている場合は、ネオレゲリア ファイヤーボールを傾けて筒の中の水を全て出してもいいです。
冬
冬は栽培環境によって水のやり方が違うので注意が必要です。
環境 | 水やりする場所 | 水やりのタイミング |
土に植えている場合 | 土に水をあげる | 土の表面が乾いた2~3日後 |
水苔に着生している場合 | 水苔に水をあげる | 水苔が乾いたら |
根っこが剥き出しの場合 | 筒の中に少量の水を入れる | 2~3日ごと |
冬は基本的に筒の中に水を入れません。
筒の中に水がある状態で無風で暖かい室内に置いておくと徒長するからです。
ネオレゲリア ファイヤーボールは徒長すると葉がひょろひょろ伸びて締まりのない姿となってしまいます。
冬は根っこから吸う水分だけで育てることで徒長を防ぎましょう。
なお、どの栽培環境でも乾燥と害虫予防のため、葉水は毎日あげてください。
肥料のあげ方
春から秋にかけて水で薄めた液体肥料を筒の中に入れます。
頻度は月に1~2回を目安にしましょう。
根っこから肥料分を吸わせたい場合はマグァンプKなどの緩効性肥料を土に混ぜてください。
しかし、ネオレゲリア ファイヤーボールの根っこは着生が主な目的です。
栄養を吸収する力は弱いので肥料は少な目に混ぜるとよいでしょう。
病害虫・害虫対策
ネオレゲリア ファイヤーボールにはカイガラムシやハダニに注意が必要です。
害虫がつくと綺麗な葉に跡がついてしまいます。
栄養も吸われてしまうのでしっかり害虫対策しましょう。
害虫 | 症状 | 予防方法 | 対策 |
カイガラムシ | 葉がベトベトする成虫が葉に密集する | 葉水オルトラン | ピンセットなどで取り除くブラシで取り除く殺虫剤(ベニカXファインスプレー、オルトラン、スミチオン)で駆除 |
ハダニ | 葉について栄養分を吸収する葉色が悪くなる | 葉水オルトラン | 殺虫剤(ベニカXファインスプレー、・オルトラン)で駆除 |
種まきと植え方
種まきは春に行いましょう。
ネオレゲリア ファイヤーボールの種は高加湿状態で発芽しやすいので水を切らさないことが大切です。
蓋つきタッパーにキッチンペーパーを置いた上に種まきすると高加湿状態を簡単に保つことができます。
また、土と比較して種の発芽状況も分かりやすいのでおすすめです。
キッチンペーパーにはメネデールとベンレート水溶液を規定量混ぜた水を染み込ませてください。
土にまく場合は、肥料分が入っていない細かめの観葉植物の土を使いましょう。
ネオレゲリア ファイヤーボールの栽培環境
ネオレゲリア ファイヤーボールは環境に応じて葉の色を敏感に変化させます。
この特徴を活かして、他の植物を育成する際に環境のバロメーターとして使われることもあるほどです。
ネオレゲリア ファイヤーボールの栽培環境と葉色の変化をじっくり観察してみましょう。
置き場所と日当たり
ネオレゲリア ファイヤーボールは風通しと日当たりが良い場所で育てましょう。
自生地では木や岩に着生して直射日光を浴びています。
春夏秋
風通しの良い屋外で育成してあげましょう。
風通しが悪いと水が蒸れてしまって葉が傷んでしまいます。
室内で育成する場合は日光がよくあたる南向きの窓際がおすすめです。
週に2~3回屋外に出してあげると葉っぱが締まって健康的な見た目になります。
室内では窓を開けるなどして必ず空気を動かしてください。
サーキュレーターで強制的に空気を循環させてもいいでしょう。
【注意点】
葉焼けを避けるため真夏の直射日光には当てないようにしてください。
室内から屋外に出す際は遮光ネットを使って徐々に光に慣れさせてあげるとよいでしょう。
冬
基本的に室内で育成します。
筒の中の水が凍結すると葉が傷んで枯れてしまうので注意が必要です。
冬は日光不足になりやすいのでなるべく日が多く当たる窓際に置いてください。
10℃を超える日中は屋外に出してあげるとよいでしょう。
適切な温度|どれくらいの寒さまで耐えられる?
ネオレゲリア ファイヤーボールの適温は20~30℃です。
耐寒温度は5℃なので外気温が10℃になったら室内に移動させましょう。
【耐寒温度】
耐寒温度とは、植物が耐えることができる最低温度のことです。
耐寒温度に近づくと休眠状態に入って成長がストップします。
エネルギーを成長ではなく、寒さに耐えるために使っている状態ですので、耐寒温度に達する前に対処した方が植物にダメージを与えずに済みます。
用土
用土は有機質が少ないものを使ってください。
有機質が多いと土が腐りやすいので株に悪影響を及ぼします。
【ネオレゲリア ファイヤーボールにおすすめの用土】
- 水苔
- バークチップ
- ベラボン
- ヤシ殻
- 軽石
- 赤玉土
ネオレゲリア ファイヤーボールは用土が無くても育成可能です。
例えば、根っこを切って吊るしても元気に育ちます。
吊るす場合、株の根本をインシュロックで固定して針金などで吊るしてあげましょう。
栽培環境によって葉の色が変わる
ネオレゲリア ファイヤーボールは栽培環境によって葉色を変化させます。
ですので、出したい葉色を出すためには栽培環境を工夫することが必要です。
【日光量と葉色】
日光量 | 葉の色 |
少ない | 緑色両サイドに白いライン |
多い | 赤色 |
ネオレゲリア ファイヤーボールの種まき
ネオレゲリア ファイヤーボールは種から育てることができます。
しかし、ネオレゲリア ファイヤーボールは結実しにくく、種はあまり売っていません。
種が売っていたら是非発芽にチャレンジしてみてください。
種まきにおすすめの時期は春または秋
種まきは春か秋の20~30℃の時期に行いましょう。
発芽後もしばらくは20℃以上の温度が必要になるので、特に春がおすすめです。
秋にまく場合は、ヒーターなどを使って20℃以上を保ってあげましょう。
ネオレゲリア ファイヤーボールを種から育てると大変?
ネオレゲリア ファイヤーボールを種から育てるには以下のポイントを抑えましょう。
種から育てるポイント
- 種をメネデールとベンレート水溶液を溶かした水に半日浸ける
- 蓋付きのタッパーで高加湿状態を作る
- 用土は細かめの観葉植物の土やバークチップ
- 用土に肥料分は入れない
- キッチンペーペーパーにまいてもよい
- 20~30℃を保つ
- 半日陰で管理
発芽する場合は3~7日で芽が出てきます。
葉が3cmほどまで大きくなったら蓋を外してあげましょう。
ネオレゲリア ファイヤーボールの種は新鮮なほど発芽しやすいです。
種を購入する場合は、いつ採れた種か確認しましょう。
ネオレゲリア ファイヤーボールの開花時期
ネオレゲリア ファイヤーボールは春から秋にかけて紫色のかわいい花を咲かせます。
一回結実性ゆえ開花後しばらくすると枯れてしまうので、開花した素敵な姿を見逃さないようにしましょう。
開花時期は春〜夏
春~秋の成長期に開花します。
ただし、真夏の暑さが厳しい時期は開花しません。
ネオレゲリア ファイヤーボールの花が咲かない原因は?
ネオレゲリア ファイアーボールが開花しない原因は3つ考えられます。
【開花しない原因】
- 日光不足
- 水不足
- 栄養不足
【開花させるポイント】
- もっと日光を当てる
- 水を2~3日ごとに与える
- 液肥を与える
日光量を増やす場合は、徐々に日光を強くしてあげてください。
急に強い日光に当てると葉焼けしてしまいます。
ネオレゲリア ファイヤーボールの増やし方
ネオレゲリア ファイヤーボールの増やし方は子株で増やす方法がおすすめです。
子株は適切に育成していればどんどん出てきます。
子株がなかなか出ない場合でも、開花前後には高確率で子株を出すので開花を目標に育てていくのがよいでしょう。
剪定・株分けの時期はいつがいい?
株分けは4月~10月の暖かい時期に行いましょう。
成長期に株分けすることで子株が成長しやすくなります。
剪定は、株分けする際に古い葉を取ってください。
古い葉を取ることで根や子株が出やすくなります。
株分けのやり方
ネオレゲリア ファイヤーボールの株分けはハサミで簡単にできます。
ハサミは除菌してから使用してください。
【株分けのやり方】
- 親株の半分以上の大きさの子株を選ぶ
- 株の根本でランナーを切る
- 着生させる場合、ランナーを1~2cm残すと株が固定しやすい
- 根本の枯れた葉をとる
- 水を入れたコップに株を入れて発根管理
- 筒の中に水は入れない
- コップの水が半分に減ったら足す
- 2週間~1ヶ月で発根
- 用土に植え付ける
発根させずに用土に植え付けても大丈夫ですが、大きくなりにくいです。
水につけている間は、ストレス軽減のため株をなるべく触らないようにしましょう。
植え替え時期はいつがいい?
ネオレゲリア ファイヤーボールは1~2年ごとに植え替えをしてください。
根詰まりしている場合も植え替えが必要です。
植え替えは4月~7月に行いましょう。
暖かい時期は植え替え後の株が安定しやすくなります。
鉢替えのやり方
ネオレゲリア ファイヤーボールは様々な鉢に植えることができます。
株に合うおしゃれな鉢を選んであげてください。
ただし、子株が出てくると株が不安定になるため小さい鉢や軽い鉢は避けたほうがいいでしょう。
【鉢替えのポイント】
- 鉢替え後2週間は半日陰で管理
- 安定感のある鉢を選ぶ
- 根っこを整理する
- 株の根元まで埋める