コルジリネ オーストラリスの育て方
公開日 2025年01月17日
更新日 2025年01月27日
育てやすさ
初心者の方でも育てやすいのでおすすめです。
INDEX
目次
コルジリネ オーストラリスの基本情報
植物名 | コルジリネ オーストラリス |
学名 | Cordyline australis |
和名 | コルディリネ オーストラリス |
英名 | Cabbage tree、Cabbage palm |
別名 | 匂棕櫚蘭(ニオイシュロラン) |
原産地 | ニュージーランド |
科名 | リュウゼツラン科 |
属名 | コルジリネ属 |
開花時期 | 5月〜6月 |
コルジリネ オーストラリスは、1年中変わらない姿を楽しめる多年生の常緑低木です。
放射状に細長い葉を伸ばしていくスタイリッシュな見た目が特徴的で、異国情緒あふれる雰囲気を演出できる「ドライガーデン」によく用いられています。
コルジリネ オーストラリスの中には赤銅色やピンク、緑と赤のツートンカラーの葉っぱを持つ品種があり、緑一色の庭に植えれば、ひときわ目を惹くアクセントになるでしょう。
また、鉢植えで育てることも可能なため、シックで大人っぽい空間を演出したい際のインテリアとしても人気を集めています。
月別栽培カレンダー
植え付け・植え替え
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肥料
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種類と品種
コルジリネ オーストラリスには、色や模様など異なる魅力を持っている多様な品種があるため、あなたの理想にぴったりの品種がみつかるでしょう。
品種 | 葉っぱの色 | レア度 |
---|---|---|
コルジリネ オーストラリス レッドスター | 赤 | 低い |
コルジリネ オーストラリス トーベイダズラー | 緑に白の縞模様 | やや高い |
コルジリネ エレクトリックスター | 緑と赤 | やや高い |
コルジリネ エレクトリックピンク | 紫とピンク | やや高い |
コルジリネ ストリクタ | 緑色 | 低い |
コルジリネ オーストラリス レッドスター
落ち着いた色合いの赤い色の葉っぱで、モダンなインテリアにも合う観葉植物として人気です。
コルジリネ オーストラリス トーベイダズラー
オーストラリスの中の斑入り品種のひとつで、緑色の葉っぱに白の縞模様が入ったすっきりとした見た目です。
コルジリネ エレクトリックスター
緑と赤のツートンカラーの葉っぱが特徴的な品種です。
コルジリネ エレクトリックピンク
エレクトリックスターの園芸品種のひとつで、明るい色味の紫とピンクのツートンカラーの葉っぱが特徴的です。
コルジリネ ストリクタ
「青ドラ」という通称で親しまれている、コルジリネの中でも人気の定番品種です。
緑色の葉っぱで、天に向かって真っすぐ育ちます。
コルジリネ オーストラリスの葉っぱの特徴
コルジリネ オーストラリスは、細長い葉っぱが放射線状に伸びていく姿が特徴的な植物です。
代表的な「オーストラリス レッドスター」が珍しい赤銅色の葉っぱのため「コルジリネ オーストラリスといえば赤」とのイメージを持っている方もいますが、ピンクや緑、ツートンカラーなどのさまざまな色の品種があります。
なお、同じコルジリネ属でも「コルジリネ フルティコサ(通称:コルジリネ ターミナリスあるいはテルミナス)」は、コルジリネ オーストラリスと比べて葉っぱが丸みを帯びているのが特徴です。
コルジリネ オーストラリスはどんな花が咲く?
コルジリネ オーストラリスは、主に葉っぱのスタイリッシュな姿を楽しむ植物ですが、うまく育てれば花が咲くこともあります。
円錐状の軸に複数の蕾がつく「円錐花序」の形で咲くのが特徴で、ひとつひとつの花は直径0.4〜0.6cmほどと非常に小さなサイズです。
白や紫の花弁と黄色の雌しべの美しいコントラストを楽しめるのは、コルジリネ オーストラリスを花が咲くほどに元気に育てた方だけの特権といえるでしょう。
コルジリネ オーストラリスの花言葉
コルジリネ オーストラリスの花言葉は「幸せな交際」です。
コルジリネ オーストラリスの育て方
コルジリネ オーストラリスは日本には自生していない植物ですが、初心者でも育てやすい品種です。
ここでは、コルジリネ オーストラリスを元気に育てるためのポイントを解説します。
水やりの頻度
コルジリネ オーストラリスの水やりは、春から秋と冬で頻度を変えるのがポイントです。
コルジリネ オーストラリスは、多湿に弱く乾燥を好みます。
水を与えすぎると根腐れして葉っぱが枯れたり、ひょろひょろとした弱々しい葉っぱに育ったりするので、過度な水やりは控えてください。
なお、コルジリネ オーストラリスには耐寒性がありますが、厳しい寒さには耐えられないため、冬場は気温の低い朝や夜の水やりを避けましょう。
特に屋外で育てている場合は水が外気によって凍る可能性があるので、気温の高い日中に水やりしたり、常温の水を与えたりしてコルジリネ オーストラリスを寒さから守ってください。
肥料のあげ方
コルジリネ オーストラリスへの肥料は、成長期の春から秋にかけて与えましょう。
なお、肥料は与えすぎると「肥料焼け」を起こして葉っぱや根が傷むので、商品の説明をよく読み、使用方法を守って活用してください。
また、暑さで根が弱る夏や休眠期の冬には、肥料の使用は控えます。
夏や冬は、水や栄養を吸収する力が弱っているため、コルジリネ オーストラリスの元気がないように見えても最低限の世話に留めましょう。
病害虫・害虫対策
コルジリネ オーストラリスは比較的虫がつきにくい植物ですが、予防・駆除を怠ると、病害虫が原因で枯れる可能性もあります。
せっかく育てた株を枯れさせないためには、葉っぱの様子をこまめに観察して、病害虫を見つけたら早期に対処することが大切です。
ここでは、コルジリネ オーストラリスに発生しやすい病害虫の特徴と対策を紹介します。
ハダニ
- 葉っぱにクモの巣のような糸がつく
- 白い小さな斑点ができる
- 放置していると葉っぱの色が悪くなり、コルジリネ オーストラリスが枯れる原因になる
ハダニを見つけた場合は殺虫剤を使用して早急に駆除しましょう。
なお、葉っぱに霧吹きで水を与える「葉水」はハダニの予防策として有効なため、日々のお手入れでハダニの発生を防ぐことも可能です。
カイガラムシ
- 葉っぱに黒いカビのようなものが付着している
カイガラムシが幼虫の場合は、殺虫剤を使用して駆除しますが、成虫になると殺虫剤が効きにくくなるので、布やブラシで虫を取り除く必要があります。
なお、カイガラムシは湿度を好む病害虫のため、コルジリネ オーストラリスの不要な葉っぱを剪定して、風通しの良い状態にしておくことも大切です。
植え方
コルジリネ オーストラリスは、鉢植えにも地植えにも適した品種です。
コルジリネ属の多くは耐寒性がなく、5℃程度までしか寒さに耐えられないため、地植えでは冬を越えられません。
しかし、コルジリネ オーストラリスは−5℃程度まで寒さに耐えられるので、関東より南の地域では地植えでも越冬できます。
なお「コルジリネ ストリクタ」のように耐寒性がない品種もあるので、購入予定の品種の耐寒性を調べてからコルジリネ オーストラリスを買い求めましょう。
コルジリネ オーストラリスの栽培環境
コルジリネ オーストラリスは中央から新芽がでてくる植物のため、中央部分の葉っぱの色や形が悪いのは栽培環境に問題が生じているサインです。
ここでは、コルジリネ オーストラリスを美しく育てるためのポイントを解説します。
コルジリネ オーストラリスの葉っぱの様子に異変を感じたら、現在の栽培環境を照らし合わせて、改善できる点がないか確認しましょう。
置き場所と日当たり
コルジリネ オーストラリスは、直射日光の当たらない明るい日陰で育てましょう。
コルジリネ オーストラリスは日光を好みますが、直射日光に当たり続けると、葉っぱの色が悪くなり枯れる可能性があります。
そのため、室内ではレースカーテン越しに光があたる場所に、屋外では直射日光が当たり続けない場所に飾りましょう。
また、地植えで育てるケースでは容易に場所の移動ができないので、建物や背の高い樹木で直射日光が遮られる場所を見極めて植えるのがポイントです。
適切な温度|どれくらいの寒さまで耐えられる?
コルジリネ オーストラリスは、−5〜30℃程度の気温で育てるよう心がけましょう。
コルジリネ オーストラリスは、生育に適している気温が幅広く育てやすい品種です。
しかし、暑すぎたり寒すぎたりすると根が弱るため、真夏や真冬は温度管理に気を配りましょう。
また、雪・霜には弱いため、冬の寒さが厳しい地域では軒下や鉢植えで育てて、雪や霜からコルジリネ オーストラリスを保護してください。
用土
コルジリネ オーストラリスの用土には、水はけのよい土を使用しましょう。
コルジリネ オーストラリスは乾燥を好むため、水はけの悪い土で育てていると、根腐れして枯れやすくなります。
また、受け皿の水も根腐れの原因になるので、水やり後は受け皿の水を必ず捨てましょう。
なお、コルジリネ オーストラリスの原産地であるニュージーランドの土は日本よりも酸性の性質が強い傾向があります。
そのため、コルジリネ オーストラリスを原産地に近い環境で育てたい場合は、酸性の性質を持つ「ピートモス」入りの土を選ぶとよいでしょう。
コルジリネ オーストラリスを種から育てるのは大変?
コルジリネ オーストラリスの種は、市販ではあまり流通していません。
ネットでは種を販売しているケースもありますが、種から育てるのは専門の業者のケースがほとんどのため、発芽に関する情報が乏しく、適切に育てるのは難しいでしょう。
すでに育てているコルジリネ オーストラリスを増やしたい場合は「株分け」や「挿し木」などの方法があります。
コルジリネ オーストラリスの開花時期
常緑のため1年中変わらない姿を鑑賞できるコルジリネ オーストラリスですが、うまく育てれば花を楽しむことも可能です。
ここでは、コルジリネ オーストラリスの開花時期や花が咲かない原因について紹介します。
開花時期は5~6月
コルジリネ オーストラリスは、成長期の5〜6月に花が咲きます。
寄せ植えをする際は、コルジリネ オーストラリスの葉っぱの色や形だけでなく、開花時期や花の形も意識して寄せ植えする花を選ぶとよいでしょう。
コルジリネ オーストラリスの花が咲かない原因は?
コルジリネ オーストラリスの花は、株が充実していないと開花しません。
以下のような特徴が見られる株は、花を咲かせるほどの充分な栄養を蓄えられていない状態です。
- 葉っぱの色が悪い
- ひょろひょろとしている
- 枯れやすい
花を咲かせるためには、根腐れ・根詰まり・日光不足・日光過剰・病害虫など、葉っぱの状態を悪くしている原因を見つけ出し、取り除くことから始めましょう。
コルジリネ オーストラリスの増やし方
ここでは、コルジリネ オーストラリスを増やすための「株分け」や「挿し木」の手順を紹介します。
剪定・株分けの時期はいつがいい?
コルジリネ オーストラリスの剪定・株分けは、成長期の5〜7月に実施しましょう。
剪定・株分け・鉢替えなどの作業は植物にダメージを与えるため、回復が遅い夏や冬は作業に適していません。
そのため、各作業を実施するタイミングは、成長期でダメージの回復が早い「春」をおすすめします。
なお、剪定の際は葉っぱで指を切らないよう手を手袋で保護し、コルジリネ オーストラリスの病気の原因を作らないよう清潔なハサミを使用しましょう。
株分けの手順
株分けは、コルジリネ オーストラリスを大きくしたい場合のみ検討しましょう。
子株を取り除くと、子株に流れていた栄養がすべて親株の成長に使われるため、いまよりコルジリネ オーストラリスが大きくなったら困るなら無理に株分けをする必要はありません。
ただし、長期間にわたって株分けをしていないと、株の勢いが弱くなり花つきが悪くなるので、花を楽しみたい方は定期的に株分けをしましょう。
- コルジリネ オーストラリスを鉢から出す
- 子株を分割する
- 切り離した株をそれぞれ別の鉢に植える
① コルジリネ オーストラリスを鉢から出す
② 子株を分割する
すべての株に根がついている形になるよう、清潔なハサミで株を分割してください。
③ 切り離した株をそれぞれ別の鉢に植える
株分け後の2~3週間は回復させる必要があるため、直射日光を避けて日陰で育てるようにしましょう。
挿し木のやり方
コルジリネ オーストラリスの挿し木は、成長期の5〜7月に実施しましょう。
挿し木は剪定を伴うため、植物が弱る夏や休眠期の冬、回復が遅くなる猛暑日、カビが発生しやすい高湿度の日の作業は避けてください。
① 茎を剪定し、葉っぱを5~7枚だけ残す
② 蒸散を防ぐために、葉っぱを半分にカットする
③ 肥料の入っていない土に植える
④ 土が乾燥しすぎないように、こまめに水をあげる
挿し木をした後は、根が出るまで明るい日陰で1カ月程度様子を見ます。
挿した葉っぱを頻繁に動かしていると発根の確率が下がるので、作業が完了したら葉っぱに触らないことを徹底しましょう。
植え替え時期はいつがいい?
コルジリネ オーストラリスの植え替えは、成長期の5〜7月に実施しましょう。
剪定や株分けと同じく、植え替えも植物を疲弊させるため、根が弱る夏や休眠期の冬の作業は避けてください。
また植え替えの際には、古い根や腐っている根、色の変わっている根などを取り除く必要があります。
根を切るための清潔なハサミも準備しておきましょう。
鉢替えのやり方
コルジリネ オーストラリスは生育が旺盛なため、1〜2年に1回は鉢替えを実施してください。
何年も鉢替えをせずにいると、根詰まりを起こしてコルジリネ オーストラリスが枯れる原因になります。
また、日光で劣化したプラスチックの鉢は根の成長に負けて割れることがあるので、鉢植えを美しく保つためにも、定期的に鉢替えをおこないましょう。
① コルジリネ オーストラリスを現在の鉢から引き抜く
② 土を落とし、割りばしなどで根を優しくほぐす
根をよく観察し、古い根や腐っている根などがあれば取り除きましょう。