観葉植物が枯れる原因と対策を詳しく解説
公開日 2025年02月14日
更新日 2025年02月14日

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目次
葉っぱが枯れたらどうする?問題がない場合も

観葉植物の葉っぱが枯れた際は、まずは葉っぱや根の状態をよく観察して原因を突き止め、問題を取り除く必要があります。
実は「葉っぱが枯れた」=「観葉植物が死んでしまった証」ではありません。
観葉植物の葉っぱが枯れている状態は、株が生き残るためにエネルギーの消耗を控える省エネモードになっていることを意味します。
つまり、生育環境を改善して充分な栄養を蓄えられるようになれば、葉っぱが枯れた観葉植物も元気な姿を取り戻してくれるのです。
なお、すべての葉っぱや新芽が枯れているのではなく、古い葉っぱのみが枯れている場合は葉っぱの寿命が原因のため、心配する必要はありません。
観葉植物の状態別の対策

ここでは、葉っぱの調子を悪くしている原因と対策を、観葉植物の状態別に紹介します。
葉っぱの先が枯れる原因

観葉植物の葉先が枯れている場合は「根腐れ」を疑いましょう。
根腐れは、用土中の水分量が多く、根が窒息していると発生します。
根腐れを予防するためには、排水性を意識することが大切です。
水はけの悪い用土から水はけのよい用土に変えたり、軽石の割合を増やして排水性を高めたりしましょう。
葉っぱ全体が黄色くなっている

葉っぱ全体が黄色くなっている場合は「根詰まり」または「栄養不足」が考えられます。
根詰まりとは、成長しすぎた根が鉢植えの中で渋滞を起こしている状態です。
根詰まりが起きている状態では、成長に必要な栄養や水分が不足しているケースがあります。
特に2年以上鉢替えをしていない植物は根詰まりが起きている可能性が高いです。
増えすぎた根をカットしたり、新しい用土や肥料で栄養を補充したりして、根詰まりや栄養不足を解消しましょう。
葉っぱの一部だけが枯れている
葉っぱ全体ではなく一部だけが枯れている場合は「病害虫」が発生している可能性があります。
病害虫とは、植物に病気を運んできたり、害を与えたりする虫の総称です。
具体的には、以下のような病害虫が発生して観葉植物を枯らします。
- ハダニ
- アブラムシ
- カイガラムシ
病害虫の中には、樹液を吸って葉っぱを変色させるものもいるため、放置していると観葉植物がみすぼらしい姿になってしまいます。
病害虫が発生した葉っぱは、ポツポツと斑点状に色が変わるのが特徴です。
日頃から葉っぱの様子を観察し、斑点状の変化が現われたら、病害虫を見つけ出して駆除しましょう。
株の根元が黒っぽくなっている

株の根元や茎が黒っぽくなっている場合は、観葉植物が「根腐れ」を起こしている可能性が高いでしょう。
根腐れは、用土の中が常に湿っている状態だと発生しやすいトラブルです。
また、用土の水はけはよくても、鉢の下に敷いている受け皿に水が溜まったままで、根が水に触れ続けていて根腐れを起こすケースもあります。
受け皿を敷いている場合は、水やりと受け皿の水を捨てる作業を必ずセットでおこないましょう。
植物全体がぐらついている

植物全体がぐらついている場合は「根が張っていない」または「根腐れ」のどちらかを疑いましょう。
根が張っていない
植物を植え付け・植え替えした直後は、土に根を張りきれていないため、植物がぐらつく可能性があります。
根が張りきれていないケースのぐらつきは、順調に根が育てば解消するので、植物が安定するまでは支柱を活用して固定しましょう。
根腐れ
植え付け・植え替え直後ではない時期のぐらつきは、根腐れが考えられます。
根腐れのケースでは、植物を鉢から出して腐っている根をカットし、軽石や水はけのよい用土を使用した排水性の高い環境へ植え替えましょう。
観葉植物の枯れる原因は水やりと排水管理の問題
観葉植物が枯れる原因の多くは、水やりと排水管理の問題です。
ここでは、水分不足で起きる「水切れ」と水分過剰で起きる「根腐れ」の予防策を紹介します。
水切れ|品種・季節に適した水やりをする
観葉植物の水やりは、品種や季節に適した方法でおこないましょう。
観葉植物の中には、乾燥を好む品種もあれば、多湿を好む品種もあります。
そのため、育てている観葉植物の特性に適した水やりをおこなうことが大切です。
また、日差しが強い夏は短い間隔で水やりする、吸水力の弱まる冬は長い間隔で水やりするなど、季節に応じて水やりの頻度や量の調節も心がけましょう。
根腐れ|用土や鉢選びが重要
根腐れを起こさないために、水はけのよい用土や通気性のよい鉢を選びましょう。
植物の根は、水や栄養の他にも「酸素」を吸収する役割を持っています。
水分が過剰な用土や通気性の悪い鉢は根が酸素を吸うのを阻害してしまうので、根腐れを起こさないために、根が呼吸しやすい環境を整えることが重要です。
具体的には、以下のような対策をするとよいでしょう。
- 水はけがよい用土を使用する
- 軽石の割合で排水性をコントロールする
- 空気の通りやすい素焼きの鉢植えを使用する
- 排水口を塞がないようにレンガやワイヤースタンドを活用する
観葉植物が枯れるその他の10の原因と対策
ここでは、水切れ・根腐れの他に考えられる、観葉植物が枯れる10の原因と対策を紹介します。
① 日当たりが良すぎる

対策
- 直射日光に弱い品種は日陰に置く・植える
多くの観葉植物は日光を好みますが「日光が多いほど植物にとってよい環境である」というわけではありません。
観葉植物の中には直射日光に弱い品種があり、強い日差しが当たり続けると「葉焼け」を起こして、葉っぱの色が悪くなったり枯れたりします。
そのため、観葉植物を植える際には品種ごとの特性も考慮しながら、地植えの場所や鉢植えを飾る場所を決めましょう。
② 風通しが悪い

対策
- 風通しのよい場所に飾る
- 葉っぱを剪定して間引く
観葉植物を飾っている場所の風通しが悪いのも、葉っぱが枯れる原因です。
風通しが悪いと湿度が溜まりやすく、特に乾燥を好む植物には悪影響を及ぼします。
また、葉っぱが生い茂りすぎて密度が高くなっている場合も、空気が蒸れて葉っぱが変色したり枯れたりするので、剪定をおこなって適度に葉っぱを間引きましょう。
③ 温度変化によるダメージ
対策
- 日中と夜の寒暖差が大きくならないよう飾る場所を移動する
観葉植物は急激な温度変化に弱いため、温度管理にも注意を払いましょう。
特に日中と夜の気温差が大きな地域では、昼間と夜で鉢植えの場所を変える配慮が必要です。
窓際に観葉植物を飾っている場合、昼間は日光が当たるため植物にとってよい環境だといえますが、夜は外気に近く最も冷え込むので、日中と夜の寒暖差が大きくなります。
窓際に飾っている植物は、夜になったらできるだけ暖かい場所に移動して気温差を小さくする工夫をおこないましょう。
④ 空気の乾燥
対策
- エアコンの風が直接当たる場所を避けて飾る
空気が乾燥しすぎているのも、観葉植物が枯れる原因のひとつです。
特に室内で観葉植物を育てているケースでは、エアコンの風が直接当たる場所に飾っていると用土の乾きが早く、水分不足になる可能性が高くなります。
また、強い風で葉っぱ同士が擦れると葉っぱが傷つくので、エアコンの風が直接当たらない場所に飾るよう心がけましょう。
⑤ 根詰まり
対策
- 植え替えをおこなう
鉢植えの中で根が密集する根詰まりも、観葉植物が枯れる原因になります。
根詰まりは、観葉植物が順調に育っているからこそ起きるトラブルです。
増えすぎた根が鉢の中で渋滞して栄養や水分をうまく吸収できなくなり、最終的には葉っぱや株が枯れる事態につながっていきます。
2年以上植え替えをしていない鉢は根詰まりを起こしている可能性が高いため、現在の鉢よりも1回り大きな鉢に植え替えましょう。
なお、鉢を大きくしたくない場合は、増えすぎた根を間引いてから同じ鉢に植え直してください。
⑥ 土の栄養不足
対策
- 1~2年に1度は土替えをおこなう
用土の栄養不足を防ぐため、1〜2年に1度は鉢植えの土替えをおこないましょう。
何年も用土を変えていない場合は、観葉植物に用土中の栄養がすべて吸収されつくしている可能性があります。
用土の栄養不足は観葉植物が枯れる原因になるので、定期的に新しい用土に植え替えるよう心がけましょう。
⑦ 土の酸度が偏っている
対策
- 弱酸性の用土を使用する
観葉植物の多くは弱酸性の用土を好むため、石灰の混ぜすぎでpH値(土壌酸度)がアルカリ性に偏った用土では植物が枯れるケースがあります。
観葉植物の好む酸度を把握し、用土の酸度にも注意して育てましょう。
⑧ 肥料のやり過ぎ
対策
- 肥料は用法・用量を守って使用する
肥料のやり過ぎは、観葉植物が枯れる原因になります。
肥料は与えれば与えるほどよいと勘違いされがちですが、肥料の与えすぎは葉っぱや根が傷む原因になるため、適量を超えた使用は控えましょう。
なお、商品によって使用用量や使用頻度が異なるので、それぞれの説明書をよく読んでから活用してください。
⑨ 病害虫の被害
対策
- 病害虫を見つけたらすぐに駆除する
ハダニやアブラムシなどの病害虫の発生も、観葉植物が枯れる原因です。
病害虫の中には、樹液を吸って葉っぱの色を変色させたり、排泄物が観葉植物の病気の原因になったりするものがいます。
また、繁殖力の強い病害虫を放置していると、あっという間に植物全体に被害が広がる可能性があるため、見つけたら早急に駆除することが大切です。
⑩ 急な環境変化
対策
- 時間をかけてゆっくりと環境を変える
観葉植物は急な環境変化についていけないため、生育環境を変える際は元の環境と新しい環境にどれほどの差があるのかを意識し、徐々に変化させていくことが重要です。
たとえば屋内の鉢植えを屋外に移す場合は、まず最初の1週間は1時間だけ、次週は2時間、さらに次週は3時間……と少しずつ時間を伸ばして観葉植物を新しい環境に慣れさせましょう。
いきなり環境を変えると植物がストレスを感じて元気をなくすため、焦らずにゆっくりと慣らしていくことが大切です。
枯れてしまった観葉植物を復活させる方法

観葉植物は枯れてしまっていても、死んでしまっているわけではありません。
適切な処置をすれば元気な姿を取り戻してくれるので、諦めずに根気強く対処しましょう。
ここでは、枯れてしまった観葉植物を復活させる方法を紹介します。
枯れた部分を剪定する

枯れてしまった観葉植物を復活させるためには、まず最初に枯れた部分を剪定しましょう。
完全に枯れてしまった部分は新しく芽を出す見込みがないので、清潔なハサミでカットします。
なお、幹をカットして広い切断面ができた場合は、癒合剤(ユゴウザイ)を切断面に塗って、乾燥・カビ・病害虫などから傷口を保護しましょう。
植え替えをおこなう

根腐れや根詰まり、用土の栄養不足で植物が枯れてしまったケースでは、植え替えを実施しましょう。
根腐れや根詰まりは、腐った根や増えすぎた根を取り除かないと状況が好転しません。
また、用土の栄養が不足しているケースでは、植え替え後は必ず新しい用土を使用してください。
活力剤を使う

剪定・植え替えが終わったら、活力剤を使用して植物の成長を促しましょう。
剪定や植え替えは、植物に大きなストレスとダメージを与えます。
根や枝の切り口を回復するために多くの栄養を使うので、活力剤を与えて早く傷が回復できるよう手助けをしてあげましょう。
葉っぱがすべて落ちた植物への処置
葉っぱがすべて落ちて幹と枝だけの状態になった植物でも、適切に対処すれば復活する可能性があります。
完全に復活するには数カ月の期間を要しますが、時間をかけて根気強く世話をすれば、美しい姿を取り戻してくれるでしょう。
葉っぱがすべて落ちた植物を復活させる具体的な手順は、以下の通りです。
- 完全に枯れてしまった枝を剪定する
- 根腐れ・根詰まり・病害虫を取り除く
- 栄養を含んだ新しい用土に植え替えする
- 日当たり・風通し・気温に配慮した場所に置く
- 適切なタイミングで水やりをする
① 完全に枯れてしまった枝を剪定する
まず最初に、完全に枯れてしまった枝を剪定しましょう。
なお剪定の際は、幹や枝をよく観察して、新しく芽が出ようとしている部分まで切り落とさないよう注意してください。
② 根腐れ・根詰まり・病害虫を取り除く
葉っぱが枯れた原因を残したままでは、植え替えをしても元気な芽は出てきません。
多すぎる根・腐った根はカットし、病害虫がいた場合は殺虫剤で駆除をおこないましょう。
③ 栄養を含んだ新しい用土に植え替えする
剪定の傷を癒したり、新しい芽を出したりするためには豊富な栄養が必要です。
古い土には栄養が残っていないケースがあるため、植え替えの際は必ず新しい用土を使用しましょう。
④ 日当たり・風通し・気温に配慮した場所に置く
剪定・植え替え後の植物は、大きなストレスやダメージを受けています。
そのため、強い日差しや風が当たる場所、寒暖差の大きな場所には設置しないよう心がけましょう。
⑤ 適切なタイミングで水やりをする
早く芽を出してほしいからと、枯れた観葉植物に水を与えすぎるのは厳禁です。
水分が過剰だと新たな根腐れの原因になるため、乾燥または多湿のどちらを好むのか正しく理解して水やりをしましょう。
なお、新しく芽を出した葉っぱは、少しの衝撃でポロポロと落ちてしまいます。
色が薄く柔らかい葉っぱのうちは、不用意に触ったり鉢植えを動かしたりするのは控え、色が濃くしっかりとした葉っぱが出てくるまで慎重に扱いましょう。
枯れる原因を知って観葉植物を元気に育てよう
観葉植物が枯れる原因には、水切れ・根腐れ・日当たり・病害虫などさまざまものがあります。
しかし、観葉植物が枯れたからといってすぐに諦める必要はありません。
原因を突き止めて適切な処置をおこなえば元気な姿を取り戻せるため、観葉植物が枯れてしまった後も、時間と愛情をかけて根気強く世話をしてあげましょう。
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ぜひ本記事を参考に観葉植物が枯れる原因に対処し、元気で美しいあなただけの観葉植物を育てましょう。