アジアンタム フラグランスの育て方

更新日 2025年08月18日

育てやすさ

育て方の難易度は普通レベルです。

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監修者情報

株式会社HanaPrime|植物アドバイザー

覚張大季

覚張大季

植物と人との関わりに魅了され、日本各地の植物農園を見て回る。HanaPrimeの植物部門の立ち上げ後はオフィスや商業施設、個人宅など、幅広いシーンのグリーンコーディネートを数多く担当。植物の生態や特性を深く掘り下げ、それぞれの空間やライフスタイルに適したグリーン空間デザインを提案することが得意。観葉植物の世界に情熱を注ぎ、植物の価値を最大化することを使命としている。

アジアンタム フラグランスの基本情報

植物名アジアンタム フラグランス
学名Adiantum raddianum ‘Fragrans’
英名Fragrant Maidenhair Fern
原産地熱帯アメリカ(特にブラジル)
科名イノモトソウ科
属名アジアンタム

アジアンタム フラグランスは、繊細な葉が風に揺れるように優しく広がる、美しい観葉シダです。

アジアンタムの中でも葉が細かく、全体に明るいライムグリーンの色味を持つ品種として人気があります。

清涼感のある見た目から、ナチュラルインテリアとの相性もよく、テーブルや棚の上、吊り鉢などにも飾りやすい観葉植物です。

もともとは高温多湿な森林の半日陰に自生しているので日本の室内環境でも比較的育てやすいですが、乾燥には弱く水切れを起こすと葉が一斉に縮れてしまうため、水分の管理には注意が必要です。

月別栽培カレンダー

株分け

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種類と品種

アジアンタム属には、葉の形や大きさ、育てやすさに違いがあるさまざまな品種が存在します。

ここでは、代表的なアジアンタムの中から、園芸店やホームセンターでもよく見かける人気品種を中心に比較してみましょう。

中でも「アジアンタム フラグランス」は、繊細で軽やかな葉姿が特徴で、比較的育てやすいことから初心者にも人気の高い品種です。

品種名葉の特徴草丈成長速度育てやすさレア度
アジアンタム フラグランス小さな三角形の葉30〜60cm普通初心者向け★★★☆☆
アジアンタム ミクロフィラム非常に細かく繊細な葉30〜50cmやや遅い中級者向け★★★★☆
アジアンタム ラディアヌム丸みのある大きめの葉40〜70cm早い初心者向け★★☆☆☆
アジアンタム スカッフェルム切れ込みのある細かな葉20〜40cm遅い上級者向け★★★★★

アジアンタム フラグランス

アジアンタム フラグランス

小さな三角形の葉がふんわりと密に茂る、清涼感のある定番品種です。

柔らかなグリーンの葉が風にそよぐように揺れ、空間にやさしい印象を与えてくれます。

耐陰性と耐湿性が高く丈夫で育てやすいため、初めてシダ植物に挑戦する方にも適した品種です。

アジアンタム ミクロフィラム

非常に細かく繊細な葉が密に生える、儚げな美しさを持つ品種です。

葉の密度が高く、涼しげな雰囲気が魅力ですが、乾燥には弱いため、こまめな湿度管理が欠かせません。

インテリア性の高い繊細な葉姿を楽しみたい中級者に向いています。

アジアンタム ラディアヌム

丸みのあるやや大きめの葉がふわっと広がり、優しい印象をもたらす人気品種です。

成長が早く、比較的環境の変化にも強いため、忙しい方や初心者にも育てやすい特徴があります。

観葉植物としても存在感があり、部屋のアクセントグリーンにぴったりです。

アジアンタム スカッフェルム

レースのように細かく切れ込んだ葉が個性的な印象を与える珍しい品種です。

耐湿性はあるものの、やや環境変化に敏感で、安定した管理が求められる上級者向けの品種といえるでしょう。

その美しい葉姿から、シダ植物をコレクションする方に特に人気があります。

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アジアンタム フラグランスの葉っぱの特徴

アジアンタム フラグランスの葉っぱの特徴

アジアンタム フラグランスは、細かな三角形の葉が密に茂る涼しげな雰囲気が魅力のシダ植物です。

黒褐色の細い茎と、やわらかな黄緑色の葉とのコントラストが美しく、動きのある葉姿が空間に軽やかさを添えてくれます。

その他にも、次のような点が特徴です。

  • 葉は繊細で湿度に敏感なため、空気の乾燥に注意が必要
  • 成長に伴い、放射状に広がるように葉が展開する
  • 定期的な葉の更新があり、新芽と古葉が混在する姿も楽しめる

このように、葉そのものが繊細で変化に富んでいるため、育てる過程でも葉の状態を観察する楽しみがあります。

アジアンタム フラグランスは花が咲く?

アジアンタム フラグランスはシダ植物に分類されるため花は咲きません。

その代わり、胞子によって繁殖する性質を持っています。

胞子は葉の裏側に形成され、黒褐色の斑点状に現れますが、これは病気や異常ではなく胞子をつくる自然な構造です。

アジアンタム フラグランスの花言葉

アジアンタム・フラグランスの花言葉「繊細」「無垢」「天真爛漫」「無邪気」です。

アジアンタム フラグランスの育て方

アジアンタム フラグランスを美しく育てるには、湿度と風通しのバランスが重要です。

乾燥や直射日光を避けつつ、水やりとともに痛んだ葉をこまめに取り除くようにしましょう。

水やりの頻度

アジアンタム フラグランスは湿度を好むシダ植物であり、乾燥には特に弱い反面、過湿にも注意が必要です。

季節ごとに環境に応じた水やりを心がけることで、葉の美しさを長く保てます。

春〜秋(生育期)

  • 土の表面が乾いたら、たっぷりと水を与える
  • 鉢底から水が流れるまでしっかり注ぎ、受け皿の水はすぐに捨てる
  • 空気が乾燥している場合は、朝晩に霧吹きで葉水を与え、湿度を保つ

冬(休眠期)

  • 生長がゆるやかになるため、水やりは控えめにする
  • 土が完全に乾いてから、少量の水を与える程度にとどめる
  • 葉水は必要だが、寒冷日は避け、気温の高い日中に行う

水やりは「乾いたら与える」「湿度を保つ」「寒さに注意」の3点を意識することが、アジアンタム フラグランスを健康に育てるコツです。

肥料のあげ方

アジアンタム フラグランスは比較的ゆるやかに生長するため、肥料は控えめを基本に与えると安心です。

肥料の与えすぎは根傷みや葉焼けの原因になるため、使用量や濃度を守ることも大切です。

春〜秋(生育期)

  • 2か月に1回を目安に、緩効性の観葉植物用置き肥を株元に施す
  • 液体肥料を使う場合は、規定量よりやや薄めにして、2週間に1回ほど与える
  • 窒素が多すぎると葉ばかりが茂るため、バランスのとれた配合の肥料を選ぶ
  • 葉色が薄くなっている、全体のボリュームが弱っていると感じるときは、施肥のタイミングを早めるとよい

冬(休眠期)

  • 気温が低下し成長が止まるため、肥料は与えない
  • 葉の動きが止まり、新芽が出ていない時期は完全に控える

株の状態に合わせて必要な時期に少量ずつ与えることで、葉のツヤや生育が整いやすくなります。

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病害虫・害虫対策

病害虫に強いアジアンタム フラグランスですが、環境条件によっては害虫が発生します。

特に注意したいのは、ナメクジ、カタツムリ、ハダニ、カイガラムシです。

害虫の多くは湿度や風通しに起因するため、日頃から環境を整え、よく観察することが予防につながります。

室内・屋外を問わず、定期的に葉の裏や株元を観察し、早めの対策を心がけましょう。

ナメクジ

  • 湿度の高い夜間に活動し、葉に丸い食害跡を残す
  • 株元や鉢の周囲に銀色の粘液跡が付着している

鉢の縁に銅テープを貼ると物理的な侵入を防げます。

鉢周辺の落ち葉やごみを片付け、夜間にはビールトラップを設置すると効果的です。

発見した場合は割りばしなどで取り除くか、市販のナメクジ駆除剤で対処しましょう。

カタツムリ

  • 湿度の高い場所を好み、若い葉を食害する
  • 葉に大きめの穴があく、または葉の縁が不自然に削られるのが特徴

カタツムリもナメクジ同様に夜間活動が活発なため、夕方以降にこまめな観察が有効です。

鉢まわりの落ち葉を取り除き、被害が続く場合は捕殺または専用駆除剤で対応します。

ハダニ

  • 葉の裏に白や赤の小さな斑点が現れる
  • 進行すると葉がかすれたように白くなる
  • 乾燥環境で発生しやすく、放置すると葉が落ちてしまう

発生予防にはこまめな葉水(特に葉裏)で湿度を保つことが効果的です。

発生後は、葉の裏を水で洗い流すか、殺ダニ剤を使用して早めに対処しましょう。

カイガラムシ

  • 茎や葉に白や茶褐色の殻状の虫が付着する
  • 排泄物によって「すす病」が発生し、葉が黒く汚れる

初期であれば歯ブラシや綿棒で丁寧にこすり落とすことで対応できます。

繁殖が進んでいる場合は、ベニカXファインスプレーやオルトラン液剤などの植物にやさしい薬剤で駆除するのが効果的です。

アジアンタム フラグランスの栽培環境

アジアンタム フラグランスは、明るい日陰と高めの湿度を好むシダ植物です。

直射日光や乾燥を避け、風通しのよい環境を整えましょう。

置き場所と日当たり

アジアンタム フラグランスは、明るい日陰を好むシダ植物です。

直射日光に当たると葉が焼けてしまうため、レースカーテン越しの光が入る室内や、北向きの窓辺などが適しています。

風通しが悪いと蒸れやすくなるため、室内に置く場合は空気がこもらない場所を選び、定期的に窓を開けて換気するのが理想的です。

エアコンの風が直接当たる場所は乾燥の原因になるため避けるようにしましょう。

適切な温度|どれくらいの寒さまで耐えられる?

アジアンタム フラグランスの生育に適した温度は18〜25℃前後です。

高温多湿には比較的強いですが、寒さにはやや弱いため、冬場は10℃以上を保つようにしましょう。

気温が10℃を下回ると葉が枯れやすくなり、5℃以下になると株が弱る原因になります。

冷気の入りやすい窓際や玄関付近は避け、暖かい室内に移動させて管理すると安心です。

用土

アジアンタム フラグランスには水はけが悪いと根腐れを起こしやすいため、通気性と保水性のバランスが取れた用土が適しています。

シダ植物用の培養土や、軽石入りの観葉植物用土が使いやすいすが、自分で配合する場合は以下のようなブレンドがおすすめです。

  • 腐葉土:4
  • 赤玉土(小粒):4
  • バーミキュライト :2

この配合は水分を保ちつつ根にしっかり空気を届けられる点が特長で、くわえて鉢底に軽石を敷くと、排水性が高まり根腐れも予防できます。

古くなった用土は根詰まりや病害虫の原因にもなるため、2年に1回を目安に新しい土へ交換しましょう。

アジアンタム フラグランスは種から育てられる?

アジアンタム フラグランスは、種ではなく「胞子」によって増えるシダ植物です。

人の手で繁殖させる場合、葉の裏側にできる黒褐色の胞子嚢から胞子を採取し、湿度を保った用土にまいて発芽を待つ方法が用いられます。

ただし、胞子からの繁殖は非常に繊細な管理と長い期間が必要なため、家庭で行うにはハードルが高めです。

そのため、実際には株分けで増やすのが確実性や手軽さの面でも初心者に向いています。

アジアンタム フラグランスの増やし方

アジアンタム フラグランスは、株分けによって増やすのが一般的です。

胞子繁殖も可能ですが、家庭での管理には手間がかかるため、確実性の高い株分けが適しています。

株分けの時期はいつがいい?

アジアンタム フラグランスの株分けに適した時期は4〜6月です。

この時期は生育が活発になりはじめるため、株が回復しやすく、根も新しい環境になじみやすくなります。

株分けのやり方

アジアンタム フラグランスの株分けは、4〜6月頃の気温が安定した時期に進めるとよいでしょう。

この時期は植物の生育が活発になるため、分けた株も根付きやすく、ダメージを受けにくくなります。

株が大きくなって根詰まりしてきたタイミングで、植え替えと同時に株分けを行うのが理想的です。

  1. 株を鉢から丁寧に取り出す
  2. 根鉢を崩し、株を分ける
  3. 傷んだ根や葉を取り除く
  4. 新しい鉢にそれぞれ植え付ける

① 株を鉢から丁寧に取り出す

鉢を逆さにし、株を崩さないようにそっと引き抜きます。

根が張っている場合は、鉢の外側を軽く叩いて取り出すとスムーズです。

② 根鉢を崩し、株を分ける

根元を優しくほぐして、2~3芽ずつの小さな株に分けます。

無理に引き裂かず、自然に分かれる部分を見つけて分けるのがコツです。

③ 傷んだ根や葉を取り除く

黒ずんだ根や変色した葉を清潔なハサミで剪定し、株の通気性と清潔さを保ちましょう。

④ 新しい鉢にそれぞれ植え付ける

株のサイズに合った鉢を用意し、通気性と保水性のある用土で植え付けます。

鉢底には軽石を敷いて排水性を確保しましょう。

根が落ち着くまでの1〜2週間は水を控えめにし、直射日光を避けた明るい日陰で育成してください。

植え替え時期はいつがいい?

アジアンタム フラグランスの植え替えに適した時期は4〜6月です。

気温が安定し始めるこの時期に行うことで、根への負担が少なく、スムーズに活着しやすくなります。

鉢替えのやり方

アジアンタム フラグランスは、おおよそ2年に1回を目安に植え替えや鉢替えを行うことで、健康的な株を保ちやすくなります。

株が根詰まりを起こしたり、用土の劣化が目立ってきたりしたタイミングで、株に負担をかけないよう丁寧に鉢替えを進めましょう。

  1. 必要な道具を準備する
  2. 古い鉢から株を取り出す
  3. 古い用土を落とし、不要な葉を剪定する
  4. 新しい鉢に用土を入れ、株を配置する

① 必要な道具を準備する

事前に以下の道具をそろえておくと、作業がスムーズです。

  • 新しい鉢(通気性の良い素焼き鉢やスリット鉢など)
  • 適した用土(シダ植物用または通気性と保水性のバランスが良いブレンド土)
  • ハサミ、ピンセット、スコップ
  • 殺菌剤や木炭パウダー(必要に応じて)

新しい鉢と用土の準備は、根への負担を軽減し、鉢替え後の安定した生育を支えます。

② 古い鉢から株を取り出す

鉢を逆さにし、株をゆっくり引き抜きます。

根鉢が固く張っている場合は、鉢の縁を軽く叩くようにして取り出すとスムーズです。

③ 古い用土を落とし、不要な葉を剪定する

株元や根についた古い用土を手でやさしくほぐし、清潔な状態に整えます。

その後、傷んだ葉や黒ずんだ根を剪定して、株全体のバランスを整えましょう。

根詰まりがひどい場合は、芽を2〜3つ残して株分けを検討するのもよい方法です。

④ 新しい鉢に用土を入れ、株を配置する

鉢底に軽石を敷いて排水性を高めてから、株を中央に置き、根が収まりやすいように整えます。

リゾーム(根茎)は少し顔を出す程度の高さで固定し、周囲に用土をふんわりと詰めて、強く押し込まないよう注意しましょう。

作業後は鉢を明るい日陰に置き、1〜2週間は水を控えめにして様子を見ます。

根が落ち着いてきたら、通常の水やりと葉水を徐々に再開してください。

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